釜山港居留地借入約書


釜山港居留地借入約書

明治十年一月三十日朝鮮暦丙子
年十二月十七日釜山ニ於テ調印

相考ヲ爲ス事朝鮮國慶尙道東萊府ノ所管草梁項ノ一區ハ古來日本國官民ノ居留地トス其ノ幅員ハ圖ノ如シ圖中舊稱東舘區內ノ家屋赤色ヲスル三宇ハ朝鮮國政府ノ構造ニ係ルナリ日本暦明治九年十二月十二日朝鮮暦丙子年十月二十七日日本國管理官近藤眞鋤朝鮮國東萊府佰洪昌ト會同シ兩國委員曩ニ議立スル所ノ修好條規附錄第三款ノ旨趣ニ照遵シ自今地基租ヲ納ル歲ニ金五拾圓每歲抄翌年租額ヲ完淸スルヲ約ス家屋ハ則日本暦明治十年一月三十日朝鮮暦丙子年十二月十七日再ヒ協議ヲ經テ舊稱裁判家ナル者ヲ除クノ外朝鮮國政府所構ノ貳宇ヲ以テ日本國政府所構舊稱改船所及倉庫等六宇ト交換シ以テ兩國官民ノ用ノ充ツ嗣後當ニ朝鮮國政府ニ屬スヘキ家屋七宇ハ黃色ニテ輪廓ヲナシ以テ其別ヲ昭ニス地基モ亦焉ニ屬ス但地基ハ朱ヲ以テ之ヲ劃ス其ノ他ノ地基道路溝渠ハ悉皆日本國政府ノ保護修理ニ歸シ舩艙ハ則朝鮮國政府之ヲ修補ス因テ倂錄シ副ルニ地圖ヲ以テシ互ニ鈐印シテ以テ他日ノ紛拏ヲ防クコト是ノ如シ

大日本國明治十年一月三十日

管  理  官  近 藤 眞 鋤 印

大朝鮮國丙子年十二月十七日

東  萊  府  伯 洪  昌 印


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