過激社会運動取締法案

構成(原文)

第1条
第2条
第3条
第4条
第5条
第6条
構成(口語訳)

第1条(朝憲紊乱事項の宣伝)
第2条(朝憲紊乱事項の宣伝を目的とする結社)
第3条(暴力行為等による社会変革の宣伝)
第4条(金品の供与)
第5条(自首減免)
第6条(国外犯)

原文

   過激社会運動取締法案

第一条 無政府主義、共産主義其ノ他ノニ関シ朝憲ヲ紊乱スル事項ヲ宣伝シ又ハ宣伝セムトシタル者ハ七年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス

 前項ノ行為ヲ実行スルコトヲ勧誘シタル者又ハ勧誘ニ応シタル者罰前項ニ同シ

第二条 前条第一項ノ事項ヲ実行又ハ宣伝スル目的ヲ以テ結社、集会又ハ多衆運動ヲ為シタル者ハ十年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス

第三条 社会ノ根本組織ヲ暴動、暴行、脅迫其ノ他ノ不法手段ニ依リテ変革スル事項ヲ宣伝シ又ハ宣伝セムトシタル者ハ五年以下ノ懲役又ハ禁錮ニ処ス

第四条 前三条ノ罪ヲ犯サシムル目的ヲ以テ金品ヲ供与シ若ハ其ノ他ノ方法ヲ以テ便宜ヲ与ヘタル者又ハ情ヲ知テ之ヲ受ケタル者ハ各本条ニ定ムル所ニ従テ処断ス

第五条 前四条ノ罪ヲ犯シ未タ官ニ発覚セサル前自首シタル者ハ其ノ刑ヲ減軽シ又ハ免除ス

第六条 本法ハ本法施行区域外ニ於イテ第一条乃至第四条ノ罪ヲ犯シタル者ニ亦之ヲ適用ス

口語訳

   過激社会運動取締法案

 (朝憲紊乱事項の宣伝)

第一条 無政府主義、共産主義その他のものに関して、憲法の定める統治の基本秩序を壊乱する事項を宣伝し、又は宣伝しようとした者は、七年以下の懲役又は禁錮に処する。

2 前項の行為を実行することを勧誘し、又は勧誘に応じた者も前項と同様とする。

 (朝憲紊乱事項の宣伝を目的とする結社)

第二条 前条第一項の事項を実行又は宣伝する目的で結社、集会又は多衆運動をした者は、十年以下の懲役又は禁錮に処する。

 (暴力行為等による社会変革の宣伝)

第三条 社会の基礎的な組織を暴動、暴行、脅迫その他の不法手段によって変革することを宣伝し、又は宣伝しようとした者は、五年以下の懲役又は禁錮に処する。

 (金品の供与)

第四条 第一条から第三条までのいずれかの罪を犯させる目的で、金品を供与し、若しくはその他の方法で便宜を与えた者又は事情をしってこれを受け取った者は、第一条から第三条までに定めるそれぞれの刑に従って処断する。

 (自首減免)

第五条 第一条から第四条までの罪を犯し、捜査機関に発覚する前に自首した者は、その刑を減軽し、又は免除する。

 (国外犯)

第六条 この法律は、日本国外において第一条から第四条までの罪を犯した者にも適用する。

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公󠄁文󠄁書
  2. 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
  3. 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。