農業用ため池の管理及び保全に関する法律
農業用ため池の管理及び保全に関する法律をここに公布する。
平成三十一年四月二十六日
法律第十七号
農業用ため池の管理及び保全に関する法律
目次
第一章 総則(第一条-第三条)
第二章 農業用ため池の管理(第四条-第六条)
第三章 特定農業用ため池の指定等(第七条-第十二条)
第四章 裁定による特定農業用ため池の管理(第十三条-第十七条)
第五章 雑則(第十八条-第二十二条)
第六章 罰則(第二十三条-第二十五条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、農業用ため池について、その適正な管理及び保全に必要な措置を講ずることにより、農業用水の確保を図るとともに、農業用ため池の決壊による水害その他の災害から国民の生命及び財産を保護し、もって農業の持続的な発展と国土の保全に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「農業用ため池」とは、農業用水の供給の用に供される貯水施設(河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第三条第二項に規定する河川管理施設であるものを除く。)であって、農林水産省令で定める要件に適合するものをいう。
2 この法律において「管理者」とは、農業用ため池について所有権以外の権原に基づき操作、維持、修繕その他の管理を行う者(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。)をいう。
3 この法律において「防災工事」とは、農業用ため池の決壊を防止するために施行する工事(農業用ため池を廃止するために施行する工事を含む。)をいう。
(国及び地方公共団体の責務)
第三条 都道府県及び市町村は、農業用水の確保を図るとともに、農業用ため池の決壊による水害その他の災害を防止するため、相互に連携を図りながら、この法律に基づく措置その他農業用ため池の適正な管理及び保全に関する施策を講ずるよう努めるものとする。
2 国は、都道府県及び市町村に対し、前項の責務が十分に果たされるよう広域的な見地からの調整を行うとともに、農業用ため池の適正な管理及び保全に関する施策を推進するため必要な調査研究、情報の提供その他の必要な支援を行うよう努めるものとする。
第二章 農業用ため池の管理
(農業用ため池の届出)
第四条 農業用ため池(国又は地方公共団体が所有するものを除く。第三項及び第四項を除き、以下同じ。)の所有者は、当該農業用ため池を設置したときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、次に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。
一 農業用ため池の名称及び所在地
二 農業用ため池の所有者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
三 農業用ため池に管理者がある場合には、当該管理者の氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者(法人でない団体にあっては、その代表者又は管理人)の氏名
四 その他農業用ため池の管理に関し農林水産省令で定める事項
2 農業用ため池の所有者は、前項の規定により届け出た事項に変更があったときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。当該農業用ため池を廃止したときも、同様とする。
3 都道府県知事は、農業用ため池に関する第一項各号に掲げる事項が記録されたデータベースを整備するとともに、当該データベースに記録された事項(同項第一号に掲げる事項その他農林水産省令で定めるものに限る。)をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。
4 都道府県知事は、その区域内に存する農業用ため池を所有する国の行政機関の長又は市町村長に対し、当該農業用ため池に関する第一項各号に掲げる事項その他必要な情報の提供を求めることができる。
(農業用ため池の管理)
第五条 農業用ため池の所有者(管理者を含む。以下「所有者等」という。)は、当該農業用ため池の機能が十分に発揮されるよう、当該農業用ため池の適正な管理に努めなければならない。
(勧告)
第六条 都道府県知事は、農業用ため池の所有者等が当該農業用ため池の管理上必要な措置を講じていないと認めるときは、当該農業用ため池の所有者等に対し、防災工事の施行、管理者の選任その他の必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。
第三章 特定農業用ため池の指定等
(特定農業用ため池の指定等)
第七条 都道府県知事は、農業用ため池であってその決壊による水害その他の災害によりその周辺の区域に被害を及ぼすおそれがあるものとして政令で定める要件に該当するものを、特定農業用ため池として指定することができる。
2 都道府県知事は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、関係市町村長の意見を聴くものとする。
3 都道府県知事は、第一項の規定による指定をしたときは、その旨を公示するものとする。
4 農業用ため池の所在地を管轄する市町村長又は農業用ため池の所有者等、農業用ため池から農業用水の供給を受ける者その他の利害関係人は、当該農業用ため池が第一項に規定する要件に該当し、同項の規定による指定をする必要があると思料するときは、その旨を都道府県知事に申し出ることができる。
5 第二項及び第三項の規定は、第一項の規定による指定の解除について準用する。
(行為の制限)
第八条 特定農業用ため池について、土地の掘削、盛土又は切土、竹木の植栽その他当該特定農業用ため池の保全に影響を及ぼすおそれのある行為で政令で定めるものをしようとする者は、あらかじめ、都道府県知事の許可を受けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業(次条第一項において単に「土地改良事業」という。)の施行として行う場合
二 次条第一項若しくは第三項の規定による届出又は第十条第一項の規定による命令に係る防災工事の施行として行う場合
三 非常災害のため必要な応急措置として行う場合
四 当該特定農業用ため池の保全に支障を及ぼすおそれが少ない行為として農林水産省令で定めるものを行う場合
2 都道府県知事は、前項の許可の申請があった場合において、当該申請に係る行為が当該特定農業用ため池の保全上支障があると認めるときは、同項の許可をしてはならない。
3 国又は地方公共団体が第一項の許可を受けなければならない行為をしようとするときは、あらかじめ、都道府県知事に協議することをもって足りる。
4 前条第一項の規定による指定の際現に特定農業用ため池について第一項の許可を受けなければならない行為をしている者は、当該行為について同項の許可を受けたものとみなす。
(防災工事の施行)
第九条 特定農業用ため池の所有者等は、当該特定農業用ため池について防災工事(土地改良事業の施行として行うものその他農林水産省令で定めるものを除く。第三項及び次条第二項において同じ。)を施行しようとするときは、当該防災工事に着手する日の三十日前までに、農林水産省令で定めるところにより、当該防災工事に関する計画について都道府県知事に届け出なければならない。
2 都道府県知事は、前項の規定による届出があった場合において、当該届出に係る計画が当該特定農業用ため池の決壊による水害その他の災害を防止する上で十分でないと認めるときは、当該届出を受理した日から三十日以内に限り、当該届出を行った者に対し、当該計画の変更を命ずることができる。
3 第七条第一項の規定による指定の際現に特定農業用ため池について防災工事を施行している当該特定農業用ため池の所有者等は、当該指定のあった日から三十日以内に、農林水産省令で定めるところにより、当該防災工事に関する計画について都道府県知事に届け出なければならない。
(防災工事の施行に関する命令)
第十条 都道府県知事は、第六条の勧告を受けた特定農業用ため池の所有者等が正当な理由がなくて当該勧告に係る防災工事の施行をしないときは、当該特定農業用ため池の所有者等に対し、相当の期限を定めて、当該防災工事の施行を命ずることができる。
2 都道府県知事は、前条第一項の規定による届出のあった計画に従って防災工事を施行していないと認めるときは、当該届出を行った者に対し、相当の期限を定めて、当該計画に従って防災工事を施行すべきことを命ずることができる。
(代執行)
第十一条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、自らその防災工事の全部又は一部を施行することができる。この場合において、第二号に該当すると認めるときは、相当の期限を定めて、当該防災工事を施行すべき旨及びその期限までに当該防災工事を施行しないときは、自ら当該防災工事を施行し、当該防災工事の施行に要した費用を徴収することがある旨を、あらかじめ、公告するものとする。
一 前条の規定により防災工事を施行すべきことを命ぜられた特定農業用ため池の所有者等が、当該命令に係る期限までに当該命令に係る防災工事を施行しないとき、施行しても十分でないとき、又は施行する見込みがないとき。
二 相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなお特定農業用ため池の所有者等を確知することができないため第六条の勧告をすることができないとき。
三 緊急に防災工事を施行する必要がある場合において、第六条の勧告又は前条の規定による命令をするいとまがないとき。
2 都道府県知事は、前項の規定により防災工事の全部又は一部を施行したときは、当該防災工事の施行に要した費用について、農林水産省令で定めるところにより、当該特定農業用ため池の所有者等から徴収することができる。
3 前項の規定による費用の徴収については、行政代執行法(昭和二十三年法律第四十三号)第五条及び第六条の規定を準用する。
(住民に対する周知のための措置)
第十二条 市町村長は、その区域内に存する特定農業用ため池の決壊に関する情報の伝達方法、避難施設その他の避難場所及び避難路その他の避難経路に関する事項その他水害その他の災害時における円滑な避難を確保する上で必要な事項について、これらを記載した印刷物の配布その他の必要な措置を講ずることにより、住民に周知させるよう努めるものとする。
第四章 裁定による特定農業用ため池の管理
(裁定の申請)
第十三条 市町村長は、その区域内に存する特定農業用ため池について、現に管理上必要な措置が講じられておらず、かつ、引き続き管理上必要な措置が講じられないことが確実であると見込まれる場合であって、相当な努力が払われたと認められるものとして政令で定める方法により探索を行ってもなお当該特定農業用ため池の所有者(数人の共有に属する特定農業用ため池にあっては、当該特定農業用ため池について二分の一を超える持分を有する者。次条第一項第三号において同じ。)を確知することができないときは、農林水産省令で定めるところにより、都道府県知事に対し、当該特定農業用ため池の施設管理権(当該特定農業用ため池の所有者のために当該特定農業用ため池の操作、維持、修繕その他の管理を行う権利をいう。以下同じ。)の設定に関し裁定を申請することができる。
2 特定農業用ため池の所有者、特定農業用ため池から農業用水の供給を受ける者その他の利害関係人は、当該特定農業用ため池について、前項の規定による申請をすべき旨をその所在地を管轄する市町村長に申し出ることができる。
(公告等)
第十四条 都道府県知事は、前条第一項の規定による申請があったときは、農林水産省令で定めるところにより、次に掲げる事項を公告するとともに、当該申請に係る特定農業用ため池が数人の共有に属する場合であって、その所有者の一部が確知されているときは、当該確知されている所有者にこれを通知するものとする。
一 当該申請があった旨
二 当該特定農業用ため池の名称及び所在地
三 当該特定農業用ため池について、所有者を確知することができない旨
四 当該特定農業用ため池の所有者は、公告の日から起算して六月以内に、農林水産省令で定めるところにより、その権原を証する書面を添えて、都道府県知事に申し出て、当該申請について異議を述べることができる旨
五 その他農林水産省令で定める事項
2 都道府県知事は、前項第四号に規定する期間を経過した後でなければ、裁定をしてはならない。
(裁定)
第十五条 都道府県知事は、第十三条第一項の規定による申請に係る特定農業用ため池について、前条第一項第四号の規定による申出の内容、当該特定農業用ため池の自然的社会的諸条件その他の事情を考慮して、引き続き管理上必要な措置が講じられないことによりその保全上著しい支障が生ずるおそれがあり、かつ、当該特定農業用ため池の施設管理権を当該申請をした市町村長に設定することが必要かつ適当と認めるときは、施設管理権を設定すべき旨の裁定をするものとする。
2 前項の裁定においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 特定農業用ため池の名称及び所在地
二 市町村長が設定を受ける施設管理権の始期
三 市町村長が設定を受ける施設管理権の存続期間
四 市町村長が設定を受ける施設管理権に基づいて行う措置の内容
五 その他農林水産省令で定める事項
3 第一項の裁定は、前項第一号から第四号までに掲げる事項については申請の範囲を超えないものとし、同項第三号に規定する存続期間については二十年を限度として定めるものとする。
(裁定の効果等)
第十六条 都道府県知事は、前条第一項の裁定をしたときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を当該裁定の申請をした市町村長に通知するとともに、これを公告するものとする。当該裁定についての審査請求に対する裁決によって当該裁定の内容が変更されたときも、同様とする。
2 前条第一項の裁定について前項の規定による公告があったときは、当該裁定の定めるところにより、市町村長は、当該特定農業用ため池についての施設管理権を取得し、当該特定農業用ため池に関するその他の権利は、市町村長による当該施設管理権に基づく措置のため必要な限度においてその行使を制限される。
3 市町村長は、農林水産省令で定めるところにより、前条第一項の裁定に係る特定農業用ため池の管理に要する費用を当該特定農業用ため池の所有者から徴収することができる。
4 市町村長は、前条第一項の裁定に係る特定農業用ため池の管理に関し特に必要があると認めるときは、当該特定農業用ため池の施設管理権に基づく措置の一部を土地改良区その他の者に行わせることができる。
(施設管理権の存続期間の延長)
第十七条 前条第二項の規定により施設管理権の設定を受けた市町村長は、第十五条第一項の裁定において定められた施設管理権の存続期間を延長して当該裁定に係る特定農業用ため池の管理を行おうとするときは、当該存続期間の満了の日の九月前から六月前までの間に、都道府県知事に対し、当該特定農業用ため池の施設管理権の存続期間の延長についての裁定を申請することができる。
2 第十三条第二項及び第十四条の規定は、前項の規定による申請について準用する。この場合において、同条第一項第四号中「六月」とあるのは、「三月」と読み替えるものとする。
3 都道府県知事は、第一項の規定による申請をした市町村長の有する特定農業用ため池の施設管理権の存続期間を延長することが当該特定農業用ため池の管理のため必要かつ適当であると認めるときは、その必要の限度において、当該特定農業用ため池の施設管理権の存続期間の延長についての裁定をするものとする。
4 第十五条第二項及び第三項並びに前条の規定は、前項の裁定について準用する。この場合において、第十五条第二項中「次に掲げる事項」とあるのは「次に掲げる事項(第二号に掲げる事項を除く。)」と、同項第三号中「存続期間」とあるのは「存続期間を延長する期間及び当該延長後の存続期間」と、同条第三項中「前項第一号から第四号まで」とあるのは「前項第一号、第三号及び第四号」と、「存続期間」とあるのは「存続期間を延長する期間」と読み替えるものとする。
第五章 雑則
(報告徴収及び立入調査)
第十八条 都道府県知事は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、その必要の限度において、農業用ため池の所有者等に対しその管理の状況に関する報告を求め、又は当該職員若しくはその委任した者に当該農業用ため池に立ち入らせ、測量若しくは調査を行わせることができる。
2 都道府県知事は、前項に定めるもののほか、第七条第一項の規定による指定その他の処分をするため他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に、当該職員又はその委任した者に立ち入らせることができる。
3 前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、あらかじめ、当該土地の占有者にその旨を通知しなければならない。ただし、あらかじめ通知することが困難であるときは、この限りでない。
4 第一項又は第二項の規定により立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。
5 土地の占有者は、正当な理由がない限り、第二項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。
6 第一項又は第二項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
7 都道府県は、第二項の規定による立入りによって損失を受けた者に対し、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
8 都道府県知事は、第一項又は第二項の規定による立入りについて必要があると認めるときは、市町村長に対し、必要な協力を求めることができる。
(農林水産大臣の指示)
第十九条 農林水産大臣は、農業用ため池の決壊による水害その他の災害を防止するため緊急の必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、第六条、第七条第一項、第八条第一項、第九条第二項、第十条、第十一条第一項並びに前条第一項及び第二項に規定する事務に関し必要な指示をすることができる。
(補助)
第二十条 都道府県は、市町村又は農業用ため池の所有者等に対し、予算の範囲内において、その施行する防災工事に要する費用の一部を補助することができる。
2 国は、都道府県に対し、予算の範囲内において、都道府県が前項の規定により補助する費用の一部又は都道府県が自ら施行する防災工事に要する費用の一部を補助することができる。
(援助)
第二十一条 国及び地方公共団体は、農業用ため池の所有者等が行う農業用ため池の適正な管理に必要な資金の確保、技術的な指導その他の援助に努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、前項の援助に関し必要があると認めるときは、土地改良区、土地改良区連合又は土地改良事業団体連合会に対し、必要な協力を求めることができる。
(農林水産省令への委任)
第二十二条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、農林水産省令で定める。
第六章 罰則
第二十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
一 第八条第一項の規定に違反して、同項の許可を受けなければならない行為をした者
二 第九条第一項の規定に違反して、届出をしないで、又は虚偽の届出をして、防災工事を施行した者
三 第九条第二項の規定による命令に違反して、防災工事を施行した者
四 第九条第三項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
五 第十条第一項又は第二項の規定による命令に違反した者
六 第十八条第一項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による測量若しくは調査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者
七 第十八条第五項の規定に違反して、土地の立入りを拒み、又は妨げた者
第二十四条 法人(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものを含む。以下この項において同じ。)の代表者若しくは管理人又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の刑を科する。
2 法人でない団体について前項の規定の適用がある場合には、その代表者又は管理人がその訴訟行為につき法人でない団体を代表するほか、法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
第二十五条 第四条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、十万円以下の過料に処する。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第四条の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
第二条 この法律の施行の際現に存する農業用ため池(以下「既存農業用ため池」という。)の所有者等は、農林水産省令で定めるところにより、この法律の施行の日から起算して六月を経過する日までに、第四条第一項各号に掲げる事項を都道府県知事に届け出なければならない。
2 既存農業用ため池の所有者等(所有者が前項の規定による届出をしたときは、その所有者)は、同項の規定により届け出た事項に変更があったときは、農林水産省令で定めるところにより、遅滞なく、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
3 都道府県知事は、その区域内において第一項の規定による届出がされていない既存農業用ため池があることを知ったときは、相当の期間を定めて、当該届出をすべき者に対し、その期間内に届出をすべき旨を催告するものとする。
4 市町村長は、その区域内において第一項の規定による届出がされていない既存農業用ため池があることを知ったときは、遅滞なく、都道府県知事に対し、その旨を通知するものとする。
(罰則)
第三条 次の各号のいずれかに該当する者は、十万円以下の過料に処する。
一 前条第一項の規定による届出について正当な理由がなく同条第三項の規定による催告に係る期間内に届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 前条第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
(政令への委任)
第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第五条 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、この法律の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
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