資金移動業の指定紛争解決機関に関する内閣府令

制定文

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資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)の規定に基づき、及び同法を実施するため、資金移動業の指定紛争解決機関に関する内閣府令を次のように定める。

第一章 総則

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(定義)

第一条
  1. この府令において「資金移動業」、「資金移動業者」又は「指定紛争解決機関」とは、それぞれ資金決済に関する法律(以下「法」という。)第二条に規定する資金移動業、資金移動業者又は指定紛争解決機関をいう。
  2. この府令において「苦情処理措置」又は「紛争解決措置」とは、それぞれ法第五十一条の二第四項及び第五項に規定する苦情処理措置又は紛争解決措置をいう。
  3. この府令において「苦情処理手続」、「紛争解決手続」、「紛争解決等業務」又は「手続実施基本契約」とは、それぞれ法第九十九条第一項に規定する苦情処理手続、紛争解決手続、紛争解決等業務又は手続実施基本契約をいう。
  4. この府令において「資金移動業関連苦情」、「資金移動業関連紛争」又は「加入資金移動業者」とは、それぞれ法第百一条第一項において読み替えて準用する銀行法(昭和五十六年法律第五十九号。以下「準用銀行法」という。)第二条第十九項若しくは第二十項又は第五十二条の六十五第二項に規定する資金移動業関連苦情、資金移動業関連紛争又は加入資金移動業者をいう。

(割合の算定)

第二条
法第九十九条第一項第八号の割合の算定は、同項の申請をしようとする者に対して業務規程(同項第七号に規定する業務規程をいう。以下この条、次条第一項及び第十四条第二項において同じ。)の内容についての異議の有無並びに異議がある場合にはその内容及び理由を記載した書面(次条において「意見書」という。)を提出して手続実施基本契約の解除に関する事項その他の手続実施基本契約の内容(準用銀行法第五十二条の六十七第二項各号に掲げる事項を除く。)その他の業務規程の内容(準用銀行法第五十二条の六十七第三項の規定によりその内容とするものでなければならないこととされる事項並びに同条第四項各号及び第五項第一号に掲げる基準に適合するために必要な事項を除く。)について異議(合理的な理由が付されたものに限る。)を述べた資金移動業者の数を当該申請をしようとする者が次条第一項第二号に規定する業務規程等を交付し、又は送付した日(二以上の日にわたって交付し、又は送付した場合には、最も遅い日。第四条において同じ。)に金融庁長官により公表されている資金移動業者(次条及び第五条第二項において「すべての資金移動業者」という。)の数で除して行うものとする。

(資金移動業者に対する意見聴取等)

第三条
  1. 法第九十九条第一項の申請をしようとする者は、同条第二項の規定により、資金移動業者に対し、業務規程の内容を説明し、これについて異議がないかどうかの意見(異議がある場合には、その理由を含む。)を聴取する場合には、次に定めるところにより、説明会を開催してしなければならない。
    一 説明会を開催する日時及び場所は、すべての資金移動業者の参集の便を考慮して定めること。
    二 当該申請をしようとする者は、すべての資金移動業者に対し、説明会の開催日(二以上の説明会を開催する場合には、その最初の説明会の開催日)の二週間前までに、次に掲げる事項を記載した書面及び業務規程(次条及び第五条第二項において「業務規程等」という。)を交付し、又は送付すること。
    イ 当該申請をしようとする者の商号又は名称、主たる営業所又は事務所の所在地及び電話番号その他の連絡先
    ロ 説明会の開催年月日時及び場所
    ハ 資金移動業者は当該申請をしようとする者に対し説明会の開催日(二以上の説明会を開催する場合には、その最後の説明会の開催日)から一定の期間内に意見書を提出しなければならない旨
    三 前号ハの一定の期間が、二週間を下らないものであること。
  2. 法第九十九条第二項に規定する結果を記載した書類には、次に掲げる事項のすべてを記載しなければならない。
    一 すべての説明会の開催年月日時及び場所
    二 すべての資金移動業者の説明会への出席の有無
    三 すべての資金移動業者の意見書の提出の有無
    四 提出を受けた意見書における異議の記載の有無
    五 提出を受けた意見書に法第九十九条第一項第八号に規定する異議に該当しない異議の記載がある場合には、その旨及び同号に規定する異議に該当しないと判断した理由
  3. 前項の書類には、資金移動業者から提出を受けたすべての意見書を添付するものとする。

(指定申請書の提出)

第四条
準用銀行法第五十二条の六十三第一項の指定申請書は、業務規程等を交付し、又は送付した日から起算して三月以内に提出しなければならない。

(指定申請書の添付書類)

第五条
  1. 準用銀行法第五十二条の六十三第二項第五号に規定する内閣府令で定めるものは、次に掲げる書類とする。
    一 法第九十九条第一項の申請の日の属する事業年度の直前の事業年度の貸借対照表、収支計算書若しくは損益計算書及び当該事業年度末の財産目録又はこれらに準ずるもの(同項の規定による指定を受けようとする者(第三項において「申請者」という。)が当該申請の日の属する事業年度に設立された法人(同条第一項第一号に規定する法人をいう。第十一条第三項第三号において同じ。)である場合には、その設立時における財産目録又はこれに準ずるもの)
    二 法第九十九条第一項の規定による指定後における収支の見込みを記載した書類
  2. 準用銀行法第五十二条の六十三第二項第六号に規定する内閣府令で定めるものは、次に掲げる書類とする。
    一 第三条第一項第二号の規定によりすべての資金移動業者に対して交付し、又は送付した業務規程等
    二 すべての資金移動業者に対して業務規程等を交付し、又は送付した年月日及び方法を証する書類
    三 資金移動業者に対して業務規程等を送付した場合には、当該資金移動業者に対する業務規程等の到達の有無及び到達に係る事実として、次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める事項を証する書類
    イ 到達した場合 到達した年月日
    ロ 到達しなかった場合 通常の送付方法によって到達しなかった原因
  3. 準用銀行法第五十二条の六十三第二項第七号に規定する内閣府令で定める書類は、次に掲げる書類とする。
    一 申請者の総株主等の議決権(総株主、総社員、総会員、総組合員又は総出資者の議決権をいう。次号及び第十四条第二項において同じ。)の百分の五以上の議決権を保有している者の氏名又は商号若しくは名称、住所又は主たる営業所若しくは事務所の所在地及びその保有する議決権の数を記載した書面
    二 申請者の親法人(申請者の総株主等の議決権の過半数を保有している法人その他の団体をいう。)及び子法人(申請者が総株主等の議決権の過半数を保有している法人その他の団体をいう。)の商号又は名称、主たる営業所又は事務所の所在地及び事業の内容を記載した書面
    三 役員(役員が法人であるときは、その職務を行うべき者を含む。以下この項、第八条及び第九条において同じ。)の住民票の抄本(役員が日本の国籍を有しない場合には、外国人登録原票の記載事項証明書)又はこれに代わる書面(役員が法人である場合には、当該役員の登記事項証明書)
    四 役員が法第九十九条第一項第四号イ及びロに該当しない旨の官公署の証明書(役員が日本の国籍を有しない場合には、同号イ及びロに該当しない者であることを当該役員が誓約する書面)
    五 役員の履歴書(役員が法人である場合には、当該役員の沿革を記載した書面)
    六 紛争解決委員(準用銀行法第五十二条の六十四第一項に規定する紛争解決委員をいう。第十二条第二項第三号において同じ。)の候補者並びに紛争解決等業務に関する知識及び経験を有する役員及び職員(以下この号及び次号並びに第十四条において「役員等」という。)の確保の状況並びに当該役員等の配置の状況を記載した書面
    七 役員等が、暴力団員等(準用銀行法第五十二条の六十九に規定する暴力団員等をいう。第十四条第一項第二号において同じ。)でないことを当該役員等が誓約する書面
    八 その他参考となるべき事項を記載した書類

第二章 業務

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(業務規程で定めるべき事項)

第六条
準用銀行法第五十二条の六十七第一項第八号に規定する内閣府令で定めるものは、次に掲げる事項とする。
一 紛争解決等業務を行う時間及び休日に関する事項
二 営業所又は事務所の名称及び所在地並びにその営業所又は事務所が紛争解決等業務を行う区域に関する事項
三 紛争解決等業務を行う職員の監督体制に関する事項
四 苦情処理手続又は紛争解決手続の業務を委託する場合には、その委託に関する事項
五 その他紛争解決等業務に関し必要な事項

(手続実施基本契約の内容)

第七条
準用銀行法第五十二条の六十七第二項第十一号に規定する内閣府令で定める事項は、指定紛争解決機関は、当事者である加入資金移動業者の利用者の申出があるときは、紛争解決手続における和解で定められた義務の履行状況を調査し、当該加入資金移動業者に対して、その義務の履行を勧告することができることとする。

(実質的支配者等)

第八条
準用銀行法第五十二条の六十七第四項第三号に規定する指定紛争解決機関の株式の所有、指定紛争解決機関に対する融資その他の事由を通じて指定紛争解決機関の事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にあるものとして内閣府令で定める者は、次に掲げる者であって、事業上の関係に照らして指定紛争解決機関の事業の方針の決定を支配すること及びその事業に重要な影響を与えることができないことが明らかでないと認められる者とする。
一 特定の者が自己の計算において所有している議決権と当該特定の者と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより当該特定の者の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び当該特定の者の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、指定紛争解決機関の議決権の三分の一以上を占めている場合(当該特定の者が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該特定の者
二 指定紛争解決機関の役員又は役員であった者
三 指定紛争解決機関の役員の三親等以内の親族
四 前二号に掲げる者を代表者(法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるものの代表者又は管理人を含む。次条第四号において同じ。)とする者
五 指定紛争解決機関の役員の三分の一以上が役員若しくは使用人である者又は役員若しくは使用人であった者
六 指定紛争解決機関との間で指定紛争解決機関の事業の方針の決定を支配する契約を締結している者
七 指定紛争解決機関の資金調達額(貸借対照表の負債の部に計上されているものに限る。以下この号及び次条第七号において同じ。)の総額の三分の一以上について特定の者が融資(債務の保証及び担保の提供を含む。以下この号及び同条第七号において同じ。)を行っている場合(当該特定の者と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の三分の一以上となる場合を含む。)における当該特定の者
八 前各号に掲げる者のほか、指定紛争解決機関の事業の方針の決定を支配していることが推測される事実が存在する者
九 特定の者が前各号に掲げる者に対して、前各号(第二号から第四号までを除く。以下この号において同じ。)に規定する前各号に掲げる者の指定紛争解決機関に対する関係と同様の関係を有する場合における当該特定の者
十 第一号から第八号までに掲げる者が特定の者に対して、次条第一号又は第五号から第八号までに規定する指定紛争解決機関の同条第一号又は第五号から第八号までに掲げる者に対する関係と同様の関係を有する場合における当該特定の者

(子会社等)

第九条
準用銀行法第五十二条の六十七第四項第三号に規定する指定紛争解決機関が株式の所有その他の事由を通じてその事業を実質的に支配する関係にあるものとして内閣府令で定める者は、次の各号に掲げる者であって、事業上の関係に照らして指定紛争解決機関が当該各号に掲げる者の事業の方針の決定を支配することができないことが明らかでないと認められる者とする。
一 指定紛争解決機関が自己の計算において所有している議決権と指定紛争解決機関と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係があることにより指定紛争解決機関の意思と同一の内容の議決権を行使すると認められる者及び指定紛争解決機関の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者が所有している議決権とを合わせて、他の法人又は法人でない団体で代表者又は管理人の定めのあるもの(以下この号及び第五号において「法人等」という。)の議決権の三分の一以上を占めている場合(指定紛争解決機関が自己の計算において議決権を所有していない場合を含む。)における当該他の法人等
二 指定紛争解決機関の役員若しくは指定紛争解決機関の使用人又はこれらであった者
三 指定紛争解決機関の役員の三親等以内の親族
四 前二号に掲げる者を代表者とする者
五 第二号に掲げる者が他の法人等の役員である者の三分の一以上を占めている場合における当該他の法人等
六 指定紛争解決機関が特定の者との間に当該特定の者の事業の方針の決定を支配する契約を締結している場合における当該特定の者
七 特定の者の資金調達額の総額の三分の一以上について指定紛争解決機関が融資を行っている場合(指定紛争解決機関と出資、人事、資金、技術、取引等において緊密な関係のある者が行う融資の額を合わせて資金調達額の総額の三分の一以上となる場合を含む。)における当該特定の者
八 前各号に掲げる者のほか、指定紛争解決機関が特定の者の事業の方針の決定を支配していることが推測される事実が存在する場合における当該特定の者
九 前各号に掲げる者が特定の者に対して、前各号(第二号から第四号までを除く。以下この号において同じ。)に規定する指定紛争解決機関の前各号に掲げる者に対する関係と同様の関係を有する場合における当該特定の者

(苦情処理手続に関する記録の記載事項等)

第十条
  1. 準用銀行法第五十二条の七十一の規定により、指定紛争解決機関は、その実施した苦情処理手続に関し、次に掲げる事項を記載した記録を作成しなければならない。
    一 加入資金移動業者の利用者が資金移動業関連苦情の解決の申立てをした年月日及びその内容
    二 前号の申立てをした加入資金移動業者の利用者及びその代理人の氏名、商号又は名称並びに当該加入資金移動業者の商号
    三 苦情処理手続の実施の経緯
    四 苦情処理手続の結果(苦情処理手続の終了の理由及びその年月日を含む。)
  2. 指定紛争解決機関は、前項に規定する事項を記載した記録を、その実施した苦情処理手続が終了した日から少なくとも五年間保存しなければならない。

(紛争解決委員の利害関係等)

第十一条
  1. 準用銀行法第五十二条の七十三第三項に規定する同条第一項の申立てに係る準用銀行法第五十二条の六十五第二項に規定する当事者(以下この項において単に「当事者」という。)と利害関係を有する者とは、次に掲げる者のいずれかに該当する者とする。
    一 当事者の配偶者又は配偶者であった者
    二 当事者の四親等内の血族、三親等内の姻族若しくは同居の親族又はこれらであった者
    三 当事者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人
    四 当該申立てに係る資金移動業関連紛争について当事者の代理人若しくは補佐人又はこれらであった者
    五 当事者から役務の提供により収入を得ている者又は得ないこととなった日から三年を経過しない者
  2. 準用銀行法第五十二条の七十三第三項第三号に規定する内閣府令で定める者は、次に掲げるいずれかの資格を有し、かつ、消費生活相談(消費者契約法(平成十二年法律第六十一号)第十三条第三項第五号イに規定する消費生活相談をいう。)に応ずる業務に従事した期間が通算して五年以上である者とする。
    一 独立行政法人国民生活センターが付与する消費生活専門相談員の資格
    二 財団法人日本産業協会(大正七年二月二十六日に財団法人国産奨励会という名称で設立された法人をいう。)が付与する消費生活アドバイザーの資格
    三 財団法人日本消費者協会(昭和三十六年九月五日に財団法人日本消費者協会という名称で設立された法人をいう。)が付与する消費生活コンサルタントの資格
  3. 準用銀行法第五十二条の七十三第三項第五号に規定する内閣府令で定める者は、次に掲げる者とする。
    一 次に掲げる職の一又は二以上にあってその年数が通算して五年以上である者
    イ 判事
    ロ 判事補
    ハ 検事
    ニ 弁護士
    ホ 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)による大学の学部、専攻科又は大学院の法律学に属する科目の教授又は准教授
    二 次に掲げる職の一又は二以上にあってその年数が通算して五年以上である者
    イ 公認会計士
    ロ 税理士
    ハ 学校教育法による大学の学部、専攻科又は大学院の経済学又は商学に属する科目の教授又は准教授
    三 資金移動業関連苦情を処理する業務又は資金移動業関連苦情の処理に関する業務を行う法人において、利用者の保護を図るため必要な調査、指導、勧告、規則の制定その他の業務に従事した期間が通算して十年以上である者
    四 金融庁長官が前三号に掲げる者のいずれかに該当する者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者

(資金移動業関連紛争の当事者である加入資金移動業者の利用者に対する説明)

第十二条
  1. 指定紛争解決機関は、準用銀行法第五十二条の七十三第八項に規定する説明をするに当たり資金移動業関連紛争の当事者である加入資金移動業者の利用者から書面の交付を求められたときは、書面を交付して説明をしなければならない。
  2. 準用銀行法第五十二条の七十三第八項第三号に規定する内閣府令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
    一 紛争解決手続において陳述される意見若しくは提出され、若しくは提示される資料に含まれ、又は準用銀行法第五十二条の七十三第九項に規定する手続実施記録(次条第一項において「手続実施記録」という。)に記載されている資金移動業関連紛争の当事者及び第三者の秘密の取扱いの方法
    二 資金移動業関連紛争の当事者が紛争解決手続を終了させるための要件及び方式
    三 紛争解決委員が紛争解決手続によっては資金移動業関連紛争の当事者間に和解が成立する見込みがないと判断したときは、速やかに当該紛争解決手続を終了し、その旨を当該資金移動業関連紛争の当事者に通知すること。
    四 資金移動業関連紛争の当事者間に和解が成立した場合に作成される書面の有無及び書面が作成される場合には作成者、通数その他当該書面の作成に係る概要

(手続実施記録の保存及び作成)

第十三条
  1. 指定紛争解決機関は、手続実施記録を、その実施した紛争解決手続が終了した日から少なくとも十年間保存しなければならない。
  2. 準用銀行法第五十二条の七十三第九項第六号に規定する内閣府令で定めるものは、次に掲げる事項とする。
    一 紛争解決手続の申立ての内容
    二 紛争解決手続において特別調停案(準用銀行法第五十二条の六十七第六項に規定する特別調停案をいう。)が提示された場合には、当該特別調停案の内容及びその提示の年月日
    三 紛争解決手続の結果が和解の成立である場合には、当該和解の内容

第三章 監督

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(届出事項)

第十四条
  1. 指定紛争解決機関は、準用銀行法第五十二条の七十九の規定による届出をしようとするときは、届出書に理由書その他参考となるべき事項(次の各号に掲げる場合にあっては、当該各号に定める事項を含む。)を記載した書類を添付して金融庁長官に提出しなければならない。
    一 準用銀行法第五十二条の七十九第一号に掲げる場合 手続実施基本契約を締結し、又は終了した年月日及び資金移動業者の商号
    二 次項第六号に掲げる場合 指定紛争解決機関の役員等となった者が暴力団員等でないことの当該役員等となった者による誓約
    三 次項第七号に掲げる場合 資金移動業者が手続実施基本契約に係る債務その他の紛争解決等業務の実施に関する義務を履行することが確実でないと見込まれる理由及び当該資金移動業者の商号
    四 次項第八号又は第九号に掲げる場合 次に掲げる事項
    イ 行為が発生した営業所又は事務所の名称
    ロ 行為をした役員等の氏名又は商号若しくは名称及び役職名
    ハ 行為の概要
    ニ 改善策
  2. 準用銀行法第五十二条の七十九第二号に規定する内閣府令で定めるときは、次に掲げるときとする。
    一 定款又はこれに準ずる定めを変更したとき。
    二 親法人(指定紛争解決機関の総株主等の議決権の過半数を保有している法人その他の団体をいう。次号において同じ。)又は子法人(指定紛争解決機関が総株主等の議決権の過半数を保有している法人その他の団体をいう。第四号において同じ。)が商号若しくは名称、主たる営業所若しくは事務所の所在地又は事業の内容を変更したとき。
    三 親法人が親法人でなくなったとき。
    四 子法人が子法人でなくなったとき、又は子法人の議決権を取得し、若しくは保有したとき。
    五 総株主等の議決権の百分の五を超える議決権が一の者により取得され、又は保有されることとなったとき。
    六 準用銀行法第五十二条の六十三第一項の指定申請書を提出後、新たに指定紛争解決機関の役員等となった者がいるとき。
    七 資金移動業者から手続実施基本契約の締結の申込みがあった場合であって、当該申込みを拒否したとき。
    八 指定紛争解決機関又はその業務の委託先の役員等が紛争解決等業務(業務の委託先にあっては、当該指定紛争解決機関が委託する業務に係るものに限る。)を遂行するに際して法令又は当該指定紛争解決機関の業務規程に反する行為が発生した事実を知ったとき。
    九 加入資金移動業者又はその役員等が指定紛争解決機関の業務規程に反する行為を行った事実を知ったとき。
  3. 前項第八号又は第九号に該当するときの届出は、これらの規定に規定する事実を指定紛争解決機関が知った日から一月以内に行わなければならない。

(紛争解決等業務に関する報告書の提出)

第十五条
  1. 準用銀行法第五十二条の八十第一項の規定による指定紛争解決機関が作成すべき紛争解決等業務に関する報告書は、別紙様式により作成し、事業年度経過後三月以内に金融庁長官に提出しなければならない。
  2. 前項の報告書には、最終事業年度に係る財産目録、貸借対照表及び収支計算書若しくは損益計算書又はこれらに準ずるものを添付しなければならない。
  3. 指定紛争解決機関は、やむを得ない理由により第一項に規定する期間内に同項の報告書の提出をすることができない場合には、あらかじめ金融庁長官の承認を受けて、当該提出を延期することができる。
  4. 指定紛争解決機関は、前項の規定による承認を受けようとするときは、承認申請書に理由書を添付して金融庁長官に提出しなければならない。
  5. 金融庁長官は、前項の規定による承認の申請があったときは、当該申請をした指定紛争解決機関が第三項の規定による提出の延期をすることについてやむを得ないと認められる理由があるかどうかを審査するものとする。

第四章 雑則

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第十六条

  1. 金融庁長官は、資金決済に関する法律施行令又はこの府令の規定による指定に関する申請がその事務所に到達してから二月以内に、当該申請に対する処分をするように努めるものとする。
  2. 第十五条第三項に規定する承認に関する申請に対する処分は、一月以内にするよう努めるものとする。
  3. 前二項に規定する期間には、次に掲げる期間を含まないものとする。
    一 当該申請を補正するために要する期間
    二 当該申請をした者が当該申請の内容を変更するために要する期間
    三 当該申請をした者が当該申請に係る審査に必要と認められる資料を追加するために要する期間

附則

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附則

この府令は、金融商品取引法等の一部を改正する法律(平成二十一年法律第五十八号)附則第一条第五号に定める日[1]から施行する。

別紙様式

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別紙様式(第15条関係)

脚注

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  1. 資金決済に関する法律の施行期日を定める政令(2010年(平成22年)3月1日政令第18号)及び金融商品取引法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(2009年(平成21年)12月28日政令第302号)により、2010年(平成22年)4月1日



 

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