警察礼式を次のように定める。

第一章 総則

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(この規則の目的)

第一条 この規則は、警察法(昭和二十九年法律第百六十二号)第七十条の規定に基き、警察職員の礼式に関し必要な事項を定めることを目的とする。

(警察礼式の目的)

第二条 警察礼式は、警察官及び皇宮護衛官の礼節を明らかにして紀律を正し、信義を厚くして親和協同の実をあげることを目的とする。

(定義)

第三条 この規則において、「部隊」とは、指揮官のある警察官(皇宮護衛官を含む。以下同じ。)の隊ごをいい、「上官」とは、上位にある警察官及び職務上の上司たる警察職員をいう。

(警察礼式の種類)

第四条 警察礼式は、警察官の礼式と部隊の礼式との二つに分ける。 2 警察官の礼式は、室内の礼式と室外の礼式とする。

3 廊下、車内、短艇内等は、通常、室外とする。

4 室内で、着帽のまま職務を執行するときは、室外の礼式による。

(敬礼の本旨)

第五条 敬礼は、至誠の念をもつて行うべきであつて、粗略に流れ又は形式に堕してはならない。

(敬礼の原則)

第六条 警察官及びその部隊は、特に定めがある場合のほか、上官に対しては敬礼を行い、上官は、これに答礼し、同級者は、互に敬礼を交換しなければならない。

2 敬礼を行うときは、通常、受礼者の答礼の終るのを待つて旧に復する。

(二人以上の上官に対する敬礼)

第七条 二人以上の上官に対する敬礼は、最上級者に対して行う。

(答礼)

第八条 敬礼を受けたときは、何人に対しても、必ず答礼を行わなければならない。

(儀式に参列の場合)

第九条 儀式に参列したときは、その儀式において行う敬礼のほか、敬礼を行わない。

(敬礼を行わない場合)

第十条 警衛に従事するときは、通常、敬礼を行わない。

2 押送、交通整理に従事する場合等職務の執行上支障あるときもまた前項に同じである。

(職務上随従する場合)

第十一条 職務上随従する者は、通常、敬礼を行わない。職務上随従する者に対してもまた同じである。

(呼称の要領)

第十二条 警察官は、すべて、氏と職名又は官名を併用して呼称する。但し、都合により、氏を略しても差支えない。

第二章 警察官の礼式

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第一節 室内の礼式

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(室内に入る場合)

第十三条 室内に入るときは、職務の執行上支障ある場合のほか、室外で脱帽する。

(敬礼の方法)

第十四条 室内の敬礼は、受礼者に向つて姿勢を正し、注目した後、体の上部を約十五度前に傾け、頭を正しく上体の方向に保つて行う。

2 前項の場合において、帽子を持つているときは、右手にその前ひさしをつまみ、内部を右ももに向けて垂直に下げる。

3 前項の規定にかかわらず、制帽を持つている婦人警察官にあつては、右手にその縁をつかみ、記章を前方に、内部を右腰に向け、右腕に抱える。

(正規の方法によりがたい場合)

第十五条 前条の敬礼は、正規の方法によりがたい場合は、すわつたまま姿勢を正してこれを行い、又は体の上部を少し前に傾け若しくは注目して、これにかえることができる。

(上官の室に出入する場合)

第十六条 上官の室に入るときは、まず戸をたたいて許しを得た後、室内に入り、その席を離れること約三歩の所で、敬礼を行う。その室を去るときもまた同じである。

(辞令書等を受ける場合)

第十七条 辞令書、賞状等を受けるときは、授与者の席を離れること約三歩の所で敬礼を行つた後、適宜前進し、右手でこれを受け、左手を添えて開いて見た後、直ちにこれを左手に収め、旧の位置に復して、再び敬礼を行い、退去する。

2 前項の場合において、帽子を持つているときは、授与者の前に前進した後、帽子を左わきに挟み、辞令書、賞状等を左手に収めた後、帽子を右手に移す。

(上官より命令を受ける場合等)

第十八条 上官より命令若しくは諭告を受け又は上官に陳述若しくは申告をするときは、上官の席を離れること約三歩の所で敬礼を行つた後、情況により適宜前進してこれを受け又は陳述若しくは申告し、終つて旧の位置に復して、再び敬礼を行い、退去する。

(訓授場等における礼式)

第十九条 訓授場又は教場等に、訓授者又は教官が来場したときは、在室者中の最上級者又はあらかじめ定められた者が、「気をつけ」の号令を下し、訓授者又は教官が訓授の席又は教壇についたとき、「敬礼」の号令で一せいに敬礼を行い、次に「休め」の号令を下す。

2 訓授又は授業が終つたときは、前項に準ずる。但し、「休め」の号令は、訓授者又は教官が室外に出た後、下すものとする。

第二節 室外の礼式

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(敬礼の方法)

第二十条 室外においては、特に定めがある場合のほか、挙手注目又は警棒を右手に持つているときは警棒の敬礼を行う。

2 前項の敬礼は、受礼者を離れること約六歩の所で行う。

(敬礼の要領)

第二十一条 挙手注目の敬礼は、受礼者に向かつて姿勢を正し、右手を上げ、指を接して伸ばし、ひとさし指と中指とを帽子の前ひさしの右端(制帽を着用している婦人警察官にあつては、つばの前部の右端)に当て、たなごころを少し外方に向け、ひじを肩の方向にほぼその高さに上げ、受礼者に注目して行う。

2 警棒の敬礼は、受礼者に向かつて姿勢を正し、警棒を握つたこぶしを前方に向け、そのおや指があごの直前約十センチメートルの位置に来るよう活発に上げ、警棒を身体と約十五度になるように前に傾け、つばの一方の先端部をあごに向けて受礼者に注目して行う。

3 第十五条の規定は、前二項の敬礼に、これを準用する。

(行進間の敬礼)

第二十二条 行進間の敬礼は、速あしで行う。

(上官のもとに至る場合)

第二十三条 上官のもとに至るときは、停止した後敬礼を行う。

(部隊に対する敬礼)

第二十四条 部隊に対する敬礼又は答礼は、その指揮官に対して行う。

(辞令書等を受ける場合)

第二十五条 室外において辞令書、賞状等を受けるときは、挙手注目又は警棒の敬礼を行うほか、第十七条の規定に準ずる。

(上官より命令を受ける場合等)

第二十六条 室外において、上官から命令若しくは諭告を受け又は上官に陳述若しくは申告をするときは、挙手注目又は警棒の敬礼を行うほか、第十八条の規定に準ずる。

(上官に同行する場合)

第二十七条 上官と同行するときは、一人のときは、左側又は後方につき、二人以上のときは、その両側又は後方につく。但し、誘導者はその限りではない。

(自動車に乗降する場合)

第二十八条 自動車に乗車するときは、上官を先にし、その左側に着席し、下車するときは、上官を後にする。

(船舶に乗降する場合)

第二十九条 船舶のげんていを上るときは、上官を先にし、降りるときは、上官を後にする。

2 短艇等に乗り組むときは、上官を後にし、降りるときは、上官を先にする。

(私服員の敬礼)

第三十条 私服員の室外の敬礼は、特に定めがある場合のほか、室内の敬礼による。

第三章 部隊の礼式

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(敬礼の方法)

第三十一条 部隊の敬礼は、まず隊列を正し、指揮官の「かしらー右(左)」又は「注目」の号令で、受礼者に対し、指揮官は挙手注目又は警棒の敬礼を行い、隊員は、注目し、「なおれ」の号令で旧に復する。

2 前項の敬礼は、受礼者が、隊列を離れること約八歩の所で行う。

3 前二項の場合指揮官が私服員であるときは、隊員とともにかしら右(左)又は注目するものとする。

(行進間の敬礼)

第三十二条 行進間の部隊の敬礼は、速あしで行う。但し、都合により、隊員はみちあしのままとし、指揮官のみが、速あしで敬礼を行つても差支えない。

(警察官に対する部隊の敬礼)

第三十三条 警察官に対する部隊の敬礼は、その指揮官より上級の者でなければ、これを行わない。

(部隊相互の敬礼)

第三十四条 部隊相互の敬礼は、指揮官の階級の下のものから行い、同級又は階級が明らかでないときは、先後を問わないで行う。

(敬礼を行う単位)

第三十五条 部隊の敬礼は、通常、独立する分隊、小隊又は中隊では各隊ごとに、大隊では中隊ごとに行う。

(敬礼を行わない場合)

第三十六条 部隊の敬礼は、室内又は夜間には、特に定めがある場合のほか、行わない。

この規則は、昭和二十九年八月二日から施行する。

(平成五年十二月十七日国家公安委員会規則第十七号)

この規則は、平成六年四月一日から施行する。



 

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