<聖書<文語訳旧約聖書

w:舊新約聖書 [文語]』w:日本聖書協会、1953年

w:明治元訳聖書

w:詩篇

第1篇

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惡きものの謀略にあゆまず つみびとの途にたたず 嘲るものの座にすわらぬ者はさいはひなり

かかる人はヱホバの法をよろこびて日も夜もこれをおもふ

かかる人は水流のほとりにうゑし樹の期にいたりて實をむすび 葉もまた凋まざるごとく その作ところ皆さかえん

あしき人はしからず 風のふきさる粃糠のごとし

然ばあしきものは審判にたへず罪人は義きものの會にたつことを得ざるなり

そはヱホバはただしきものの途をしりたまふ されど惡きものの途はほろびん

第2篇

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何なればもろもろの國人はさわぎたち諸民はむなしきことを謀るや

地のもろもろの王はたちかまへ群伯はともに議り ヱホバとその受膏者とにさからひていふ

われらその械をこぼち その繩をすてんと

天に坐するもの笑ひたまはん 主かれらを嘲りたまふべし

かくて主は忿恚をもてものいひ大なる怒をもてかれらを怖まどはしめて宣給ふ

しかれども我わが王をわがきよきシオンの山にたてたりと

われ詔命をのべんヱホバわれに宣まへり なんぢはわが子なり今日われなんぢを生り

われに求めよ さらば汝にもろもろの國を嗣業としてあたへ地の極をなんぢの有としてあたへん

汝くろがねの杖をもて彼等をうちやぶり陶工のうつはもののごとくに打碎かんと

されば汝等もろもろの王よ さとかれ地の審士輩をしへをうけよ

畏をもてヱホバにつかへ戦慄をもてよろこべ

子にくちつけせよ おそらくはかれ怒をはなちなんぢら途にほろびんその忿恚はすみやかに燃べければなり すべてかれに依頼むものは福ひなり

第3篇

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ダビデその子アブサロムを避しときのうた

ヱホバよ我にあたする者のいかに蔓延れるや 我にさからひて起りたつもの多し

わが霊魂をあげつらひて かれは神にすくはるることなしといふ者ぞおほきセラ

されどヱホバよ なんぢは我をかこめる盾わが榮わが首をもたげ給ふものなり

われ聲をあげてヱホバによばはればその聖山より我にこたへたまふセラ

われ臥していね また目さめたり ヱホバわれを支へたまへばなり

われをかこみて立かまへたる干萬の人をも我はおそれじ

ヱホバよねがはくは起たまへ わが神よわれを救ひたまへ なんぢ曩にわがすべての仇の頬骨をうち惡きものの歯ををりたまへり

救はヱホバにあり ねがはくは恩惠なんぢの民のうへに在んことをセラ

第4篇

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琴にあはせて伶長にうたはしめたるダビデの歌

わが義をまもりたまふ神よ ねがはくはわが呼るときに答へたまへ わがなやみたる時なんぢ我をくつろがせたまへり ねがはくは我をあはれみ わが祈をききたまへ

人の子よなんぢらわが榮をはぢしめて幾何時をへんとするか なんぢらむなしき事をこのみ虚偽をしたひていくそのときを經んとするかセラ

然どなんぢら知れ ヱホバは神をうやまふ人をわかちて己につかしめたまひしことを われヱホバによばはらば聴たまはん

なんぢら愼みをののきて罪ををかすなかれ 臥床にておのが心にかたりて黙せセラ

なんぢら義のそなへものを献てヱホバに依頼め

おほくの人はいふたれか嘉事をわれらに見するものあらんやと ヱホバよねがはくは聖顔の光をわれらの上にのぼらせたまへ

なんぢのわが心にあたへたまひし歓喜はかれらの穀物と酒との豊かなる時にまさりき

われ安然にして臥またねぶらん ヱホバよわれを獨にて坦然にをらしむるものは汝なり

第5篇

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簫にあはせて伶長にうたはしめたるダビデのうた

ヱホバよねがはくは我がことばに耳をかたむけ わが思にみこころを注たまへ

わが王よわが神よ わが號呼のこゑをききたまへ われ汝にいのればなり

ヱホバよ朝になんぢわが聲をききたまはん 我あしたになんぢの爲にそなへして俟望むべし

なんぢは惡きことをよろこびたまふ神にあらず 惡人はなんぢの賓客たるを得ざるなり

たかぶる者はなんぢの目前にたつをえず なんぢはずべて邪曲をおこなふものを憎みたまふ

なんぢは虚偽をいふ者をほろぼしたまふ 血をながすものと詭計をなすものとは ヱホバ憎みたまふなり

然どわれは豊かなる仁慈によりてなんぢの家にいらん われ汝をおそれつつ聖宮にむかひて拝まん

ヱホバよ願くはわが仇のゆゑになんぢの義をもて我をみちびき なんぢの途をわが前になほくしたまへ

かれらの口には眞實なく その衷はよこしま その喉はあばける墓 その舌はへつらひをいへばなり

神よねがはくはかれらを刑なひ その謀略によりてみづから仆れしめ その愆のおほきによりて之をおひいだしたまへ かれらは汝にそむきたればなり

されど凡てなんぢに依頼む者をよろこばせ永遠によろこびよばはらせたまへ なんぢ斯る人をまもりたまふなり 名をいつくしむ者にもなんぢによりて歓喜をえしめたまへ

ヱホバよなんぢに義者にさいはひし盾のごとく恩惠をもて之をかこみたまはん

第6篇

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八音ある琴にあはせて伶長にうたはしめたるダビデのうた

ヱホバよねがはくは忿恚をもて我をせめ烈しき怒をもて我をこらしめたまふなかれ

ヱホバよわれを憐みたまへ われ萎みおとろふなり ヱホバよ我を醫したまへ わが骨わななきふるふ

わが霊魂さへも甚くふるひわななく ヱホバよかくて幾何時をへたまふや

ヱホバよ歸りたまへ わがたましひを救ひたまへ なんぢの仁慈の故をもて我をたすけたまへ

そは死にありては汝をおもひいづることなし 陰府にありては誰かなんぢに感謝せん

われ歎息にてつかれたり 我よなよな床をただよはせ涙をもてわが衾をひたせり

わが目うれへによりておとろへ もろもろの仇ゆゑに老ぬ

なんぢら邪曲をおこなふ者ことごとく我をはなれよ ヱホバはわが泣こゑをききたまひたり

ヱホバわが懇求をききたまへり ヱホバわが祈をうけたまはん

わがもろもろの仇ははぢて大におぢまどひ あわただしく恥てしりぞきぬ

第7篇

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ベニヤミンの人クシの言につきダビデ、ヱホバに對ひてうたへるシガヨンの歌

わが神ヱホバよわれ汝によりたのむ 願くはすべての逐せまるものより我をすくひ我をたすけたまへ

おそらくはかれ獅の如くわが霊魂をかきやぶり援るものなき間にさきてずたずたに爲ん

わが神ヱホバよ もしわれ此事をなししならんには わが手によこしまの纏りをらんには

故なく仇ずるものをさへ助けしに禍害をもてわが友にむくいしならんには

よし仇人わがたましひを逐とらへ わが生命をつちにふみにじりわが榮を塵におくとも その作にまかせよセラ

ヱホバよなんぢの怒をもて起わが仇のいきどほりにむかひて立たまへ わがために目をさましたまへ なんぢは審判をおほせ出したまへり

もろもろの國人の會がなんぢのまはりに集はしめ 其上なる高座にかへりたまヘ

ヱホバはもろもろの民にさばきを行ひたまふ ヱホバよわが正義とわが衷なる完全とにしたがひて我をさばきたまへ

ねがはくは惡きものの曲事をたちて義しきものを堅くしたまへ ただしき神は人のこころと腎とをさぐり知たまふ

わが盾をとるものは心のなほきものをすくふ神なり

神はただしき審士ひごとに忿恚をおこしたまふ神なり

人もしかへらずば神はその劍をとぎ その弓をはりてかまヘ

これに死の器をそなへ その矢に火をそへたまはん

視よその人はよこしまを産んとしてくるしむ 殘害をはらみ虚偽をうむなり

また坑をほりてふかくし己がつくれるその溝におちいれり

その殘害はおのが首にかへり その強暴はおのが頭上にくだらん

われその義によりてヱホバに感謝し いとたかきヱホバの名をほめうたはん

第8篇

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ギデトの琴にあはせて伶長にうたはしめたるダビデの歌

われらの主ヱホバよなんぢの名は地にあまねくして尊きかな その榮光を天におきたまへり

なんぢは嬰兒ちのみごの口により力の基をおきて敵にそなへたまへり こは仇人とうらみを報るものを鎭静めんがためなり

我なんぢの指のわざなる天を観なんぢの設けたまへる月と星とをみるに

世人はいかなるものなればこれを聖念にとめたまふや 人の子はいかなるものなればこれを顧みたまふや

只すこしく人を神よりも卑つくりて榮と尊貴とをかうぶらせ

またこれに手のわざを治めしめ萬物をその足下におきたまへり

すべての羊うしまた野の獣

そらの鳥うみの魚もろもろの海路をかよふものをまで皆しかなせり

われらの主ヱホバよなんぢの名は地にあまねくして尊きかな

第9篇

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ムツラベン(調子の名)にあはせて伶長にうたはしめたるダビデのうた

われ心をつくしてヱホバに感謝し そのもろもろの奇しき事迹をのべつたへん

われ汝によりてたのしみ且よろこばん 至上者よなんぢの名をほめうたはん

わが仇しりぞくとき躓きたふれて御前にほろぶ

なんぢわが義とわが訟とをまもりたまへばなり なんぢはだしき審判をしつつ寳座にすわりたまへり

またもろもろの國をせめ惡きものをほろぼし 世々かぎりなくかれらが名をけしたまへり

仇はたえはてて世々あれすたれたり 汝のくつがへしたまへるもろもろの邑はうせてその跡だにもなし

ヱホバはとこしへに聖位にすわりたまふ 審判のためにその寳座をまうけたまひたり

ヱホバは公義をもて世をさばき 直をもてもろもろの民に審判をおこなひたまはん

ヱホバは虐げらるるものの城また難みのときの城なり

聖名をしるものはなんぢに依頼ん そはヱホバよなんぢを尋るものの棄られしこと断てなければなり

シオンに住たまふヱホバに對ひてほめうたへ その事迹をもろもろの民のなかにのべつたへよ

血を問糺したまふものは苦しむものを心にとめてその號呼をわすれたまはず

ヱホバよ我をあはれみたまへ われを死の門よりすくひいだしたまへる者よ ねがはくは仇人のわれを難むるを視たまへ

さらば我なんぢのすべての頌美をのぶるを得またシオンのむすめの門にてなんぢの救をよろこばん

もろもろの國民はおのがつくれる阱におちいり そのかくしまうけたる網におのが足をとらへらる

ヱホバは己をしらしめ審判をおこなひたまへり あしき人はおのが手のわざなる羂にかかれり ヒガイオン セラ

あしき人は陰府にかへるべし 神をわするるもろもろの國民もまたしからん

貧者はつねに忘らるるにあらず苦しむものの望はとこしへに滅ぶるにあらず

ヱホバよ起たまへ ねがはくは勝を人にえしめたまふなかれ御前にてもろもろのくにびとに審判をうけしめたまヘ

ヱホバよ願くはかれらに懼をおこさしめたまへ もろもろの國民におのれただ人なることを知しめたまヘセラ

第10篇

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ああヱホバよ何ぞはるかに立たまふや なんぞ患難のときに匿れたまふや

あしき人はたかぶりて苦しむものを甚だしくせむ かれらをそのくはだての謀略にとらはれしめたまヘ

あしきひとは己がこころの欲望をほこり貪るものを祝してヱホバをかろしむ

あしき人はほこりかにいふ 神はさぐりもとむることをせざるなりと 凡てそのおもひに神なしとせり

かれの途はつねに堅く なんぢの審判はその眼よりはなれてたかし 彼はそのもろもろの敵をくちさきらにて吹く

かくて己がこころの中にいふ 我うごかさるることなく世々われに禍害なかるべしと

その口にはのろひと虚偽としへたげとみち その舌のしたには殘害とよこしまとあり

かれは村里のかくれたる處にをり隠やかなるところにて罪なきものをころす その眼はひそかに倚仗なきものをうかがひ

窟にをる獅のごとく潜みまち苦しむものをとらへんために伏ねらひ 貧しきものをその網にひきいれてとらふ

また身をかがめて蹲まるその強勁によりて依仗なきものは仆る

かれ心のうちにいふ 神はわすれたり神はその面をかくせり神はみることなかるべしと

ヱホバよ起たまへ 神よ手をあげたまへ 苦しむものを忘れたまふなかれ

いかなれば惡きもの神をいやしめて心中になんぢ探求むることをせじといふや

なんぢは鍳たまへりその殘害と怨恨とを見てこれに手をくだしたまへり 倚仗なきものは身をなんぢに委ぬ なんぢは昔しより孤子をたすけたまふ者なり

ねがはくは惡きものの臂ををりたまへあしきものの惡事を一つだにのこらぬまでに探究したまヘ

ヱホバはいやとほながに王なり もろもろの國民はほろびて神の國より跡をたちたり

ヱホバよ汝はくるしむものの懇求をききたまへり その心をかたくしたまはん なんぢは耳をかたぶけてきき

孤子と虐げらる者とのために審判をなし地につける人にふたたび恐嚇をもちひざらしめ給はん

第11篇

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うたのかみに謳はしめたるダビデのうた

われヱホバに依頼めり なんぢら何ぞわが霊魂にむかひて鳥のごとくなんぢの山にのがれよといふや

視よあしきものは暗處にかくれ心なほきものを射んとて弓をはり絃に矢をつがふ

基みなやぶれたらんには義者なにをなさんや

ヱホバはその聖宮にいます ヱホバの寳座は天にありその目はひとのこを鑒 その眼瞼はかれらをこころみたまふ

ヱホバは義者をこころむ そのみこころは惡きものと強暴をこのむ者とをにくみ

羂をあしきもののうへに降したまはん火と硫磺ともゆる風とはかれらの酒杯にうくべきものなり

ヱホバはただしき者にして義きことを愛したまへばなり 直きものはその聖顔をあふぎみん

第12篇

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八音にあはせて伶長にうたはしめたるダビデのうた

ああヱホバよ助けたまへ そは神をうやまふ人はたえ誠あるものは人の子のなかより消失るなり

人はみな虚偽をもてその隣とあひかたり滑なるくちびると貳心とをもてものいふ

ヱホバはすべての滑なるくちびると大なる言をかたる舌とをほろぼし給はん

かれらはいふ われら舌をもて勝をえん この口唇はわがものなり誰かわれらに主たらんやと

ヱホバのたまはく 苦しむもの掠められ貧しきもの歎くがゆゑに我いま起てこれをその慕ひもとむる平安におかん

ヱホバの言はきよきことばなり 地にまうけたる爐にてねり七次きよめたる白銀のごとし

ヱホバよ汝はかれらをまもり之をたすけてとこしへにこの類より免れしめたまはん

人の子のなかに穢しきことの崇めらるるときは惡者ここやかしこにあるくなり

第13篇

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伶長にうたはしめたるダビデのうた

ああヱホバよ かくて幾何時をへたまふや 汝とこしへに我をわすれたまふや 聖顔をかくしていくそのときを歴たまふや

われ心のうちに終日かなしみをいだき籌畫をたましひに用ひて幾何時をふべきか わが仇はわがうへに崇められて幾何時をふべきか

わが神ヱホバよ我をかへりみて答をなしたまへ わが目をあきらかにしたまへ 恐らくはわれ死の睡につかん

おそらくはわが仇いはん 我かれに勝りと おそらくはわが敵わがうごかさるるによりて喜ばん

されど我はなんぢの憐憫によりたのみ わが心はなんぢの救によりてよろこばん

ヱホバはゆたかに我をあしらひたまひたれば われヱホバに對ひてうたはん

第14篇

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うたのかみに謳はしめたるダビデのうた

愚なるものは心のうちに神なしといへり かれらは腐れたり かれらは憎むべき事をなせり 善をおこなふ者なし

ヱホバ天より人の子をのぞみみて悟るもの神をたづぬる者ありやと見たまひしに

みな逆きいでてことごとく腐れたり 善をなすものなし一人だになし

不義をおこなふ者はみな智覺なきか かれらは物くふごとくわが民をくらひ またヱホバをよぶことをせざるなり

視よかかる時かれらは大におそれたり 神はただしきものの類のなかに在せばなり

なんぢらは苦しめるものの謀略をあなどり辱かしむ されどヱホバはその避所なり

ねがはくはシオンよりイスラエルの救のいでんことを ヱホバその民のとらはれたるを返したまふときヤコブはよろこびイスラエルは樂まん

第15篇

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ダビデのうた

ヱホバよなんぢの帷幄のうちにやどらん者はたれぞ なんぢの聖山にすまはんものは誰ぞ

直くあゆみ義をおこなひ そのこころに眞實をいふものぞその人なる

かかる人は舌をもてそしらず その友をそこなはず またその隣をはぢしむる言をあげもちひず

惡にしづめるものを見ていとひかろしめ ヱホバをおそるるものをたふとび 誓ひしことはおのれに禍害となるも變ることなし

貨をかして過たる利をむさぼらず 賄賂をいれて無辜をそこなはざるなり 斯ることどもを行ふものは永遠にうごかさるることなかるべし

第16篇

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ダビデがミクタムの歌

神よねがはくは我を護りたまへ 我なんぢに依頼む

われヱホバにいへらくなんぢはわが主なり なんぢのほかにわが福祉はなしと

地にある聖徒はわが極めてよろこぶ勝れしものなり

ヱホバにかへて他神をとるものの悲哀はいやまさん 我かれらがささぐる血の御酒をそそがず その名を口にとなふることをせじ

ヱホバはわが嗣業またわが酒杯にうくべき有なり なんぢはわが所領をまもりたまはん

準繩はわがために樂しき地におちたり 宜われよき嗣業をえたるかな

われは訓諭をさづけたまふヱホバをほめまつらん 夜はわが心われををしふ

われ常にヱホバをわが前におけり ヱホバわが右にいませばわれ動かさるることなかるべし

このゆゑにわが心はたのしみ わが榮はよろこぶ わが身もまた平安にをらん

そは汝わがたましひを陰府にすておきたまはず なんぢの聖者を墓のなかに朽しめたまはざる可ればなり

なんぢ生命の道をわれに示したまはん なんぢの前には充足るよろこびあり なんぢの右にはもろもろの快樂とこしへにあり

第17篇

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ダビデの祈祷

ああヱホバよ公義をききたまへ わが哭聲にみこころをとめたまへ いつはりなき口唇よりいづる我がいのりに耳をかたぶけたまへ

ねがはくはわが宣告みまへよりいでてなんぢの目公平をみたまはんことを

なんぢわが心をこころみ また夜われにのぞみたまへり 斯てわれを糺したまへど我になにの惡念あるをも見出たまはざりき わが口はつみを犯すことなからん

人の行爲のことをいはば我なんぢのくちびるの言によりて暴るものの途をさけたり

わが歩はかたくなんぢの途にたちわが足はよろめくことなかりき

神よなんぢ我にこたへたまふ 我なんぢをよべり ねがはくは汝の耳をかたぶけてわが陳るところをききたまへ

なんぢに依頼むものを右手をもて仇するものより救ひたまふ者よ ねがはくはなんぢの妙なる仁慈をあらはしたまへ

願くはわれを瞳のごとくにまもり汝のつばさの蔭にかくし

我をなやむるあしき者また我をかこみてわが命をそこなはんとする仇よりのがれしめ給へ

かれらはおのが心をふさぎ その口をもて誇かにものいへり

いづこにまれ往ところにてわれらを打圍み われらを地にたふさんと目をとむ

かれは抓裂んといらだつ獅のごとく隠やかなるところに潜みまつ壮獅のごとし

ヱホバよ起たまへ ねがはくはかれに立對ひてこれをたふし御劍をもて惡きものよりわが霊魂をすくひたまヘ

ヱホバよ手をもて人より我をたすけいだしたまへ おのがうくべき有をこの世にてうけ 汝のたからにてその腹をみたさるる世人より我をたすけいだし給へ かれらはおほくの子にあきたり その富ををさなごに遺す

されどわれは義にありて聖顔をみ目さむるとき容光をもて飽足ることをえん

第18篇

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伶長にうたはしめたるヱホバの僕ダビデの歌、このうたの詞はもろもろの仇およびサウルの手より救れしときヱホバに對ひてうたへるなり 云く

ヱホバわれの力よ われ切になんぢを愛しむ

ヱホバはわが巌 わが城 われをすくふ者 わがよりたのむ神 わが堅固なるいはほ わが盾 わがすくひの角 わがたかき櫓なり

われ讃稱ふべきヱホバをよびて仇人よりすくはるることをえん

死のつな我をめぐり惡のみなぎる流われをおそれしめたり

陰間のなは我をかこみ死のわな我にたちむかへり

われ窮苦のうちにありてヱホバをよび又わが神にさけびたり ヱホバはその宮よりわが聲をききたまふ その前にてわがよびし聲はその耳にいれり

このときヱホバ怒りたまひたれば地はふるひうごき山の基はゆるぎうごきたり

烟その鼻よりたち火その口よりいでてやきつくし炭はこれがために燃あがれり

ヱホバは天をたれて臨りたまふ その足の下はくらきこと甚だし

かくてケルブに乗りてとび風のつばさにて翔り

闇をおほひとなし水のくらきとそらの密雲とをそのまはりの幕となしたまへり

そのみまへの光輝よりくろくもをへて雹ともえたる炭とふりきたれり

ヱホバは天に雷鳴をとどろかせたまへり 至上者のこゑいでて雹ともえたる炭とふりきたり

ヱホバ矢をとばせてかれらを打ちらし數しげき電光をはなちてかれらをうち敗りたまへり

ヱホバよ斯るときになんぢの叱咤となんぢの鼻のいぶきとによりて水の底みえ地の基あらはれいでたり

ヱホバはたかきより手をのべ我をとりて大水よりひきあげ

わがつよき仇とわれを憎むものとより我をたすけいだしたまへり かれらは我にまさりて最強かりき

かれらはわが災害の日にせまりきたれり 然どヱホバはわが支柱となりたまひき

ヱホバはわれを悦びたまふがゆゑにわれをたづさへ廣處にだして助けたまへり

ヱホバはわが正義にしたがひて恩賜をたまひ わが手のきよきにしたがひて報賞をたれたまへり

われヱホバの道をまもり惡をなしてわが神よりはなれしことなければなり

そのすべての審判はわがまへにありて われその律法をすてしことなければなり

われ神にむかひて缺るところなく己をまもりて不義をはなれたり

この故にヱホバはわがただしきとその目前にわが手のきよきとにしたがひて我にむくいをなし給へり

なんぢ憐憫あるものには憐みあるものとなり完全ものには全きものとなり

きよきものには潔きものとなり僻むものにはひがむ者となりたまふ

そは汝くるしめる民をすくひたまへど高ぶる目をひくくしたまふ可ればなり

なんぢわが燈火をともし給ふべければなり わが神ヱホバわが暗をてらしたまはん

我なんぢによりて軍の中をはせとほり わが神によりて垣ををどりこゆ

神はしもその途またくヱホバの言はきよし ヱホバはすべて依頼むものの盾なり

そはヱホバのほかに神はたれぞや われらの神のほかに巌はたれぞや

神はちからをわれに帯しめ わが途を全きものとなしたまふ

神はわが足を麀のあしのごとくし我をわが高處にたたせたまふ

神はわが手をたたかひにならはせてわが臂に銅弓をひくことを得しめたまふ

又なんぢの救の盾をわれにあたへたまへり なんぢの右手われをささへなんぢの謙卑われを大ならしめたまへり

なんぢわが歩むところを寛濶ならしめたまひたれば わが足ふるはざりき

われ仇をおひてこれに追及かれらのほろぶるまでは歸ることをせじ

われかれらを撃てたつことを得ざらしめん かれらはわが足の下にたふるべし

そはなんぢ戦争のために力をわれに帯しめ われにさからひておこりたつ者をわが下にかがませたまひたればなり

我をにくむ者をわが滅しえんがために汝またわが仇の背をわれにむけしめ給へり

かれら叫びたれども救ふものなく ヱホバに對ひてさけびたれども答へたまはざりき

我かれらを風のまへの塵のごとくに搗碎き ちまたの坭のごとくに打棄たり

なんぢわれを民のあらそひより助けいだし我をたててもろもろの國の長となしたまへり わがしらざる民われにつかへん

かれらわが事をききて立刻われにしたがひ異邦人はきたりて佞りつかへん

ことくにびとは衰へてその城よりをののきいでん

ヱホバは活ていませり わが磐はほむべきかな わがすくひの神はあがむべきかな

わがために讎をむくい異邦人をわれに服はせたまふはこの神なり

神はわれを仇よりすくひたまふ實になんぢは我にさからひて起りたつ者のうへに我をあげ あらぶる人より我をたすけいだし給ふ

この故にヱホバよ われもろもろの國人のなかにてなんぢに感謝し なんぢの名をほめうたはん

ヱホバはおほいなる救をその王にあたへ その受膏者ダビデとその裔とに世々かぎりなく憐憫をたれたまふ

第19篇

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うたのかみに謳はしめたるダビデのうた

もろもろの天は神のえいくわうをあらはし 穹蒼はその手のわざをしめす

この日ことばをかの日につたへこのよ知識をかの夜におくる

語らずいはずその聲きこえざるに

そのひびきは全地にあまねく そのことばは地のはてにまでおよぶ 神はかしこに帷幄を日のためにまうけたまへり

日は新婿がいはひの殿をいづるごとく勇士がきそひはしるをよろこぶに似たり

そのいでたつや天の涯よりし その運りゆくや天のはてにいたる 物としてその和喣をかうぶらざるはなし

ヱホバの法はまたくして霊魂をいきかへらしめ ヱホバの證詞はかたくして愚なるものを智からしむ

ヱホバの訓諭はなほくして心をよろこばしめ ヱホバの誡命はきよくして眼をあきらかならしむ

ヱホバを惶みおそるる道はきよくして世々にたゆることなく ヱホバのさばきは眞實にしてことごとく正し

これを黄金にくらぶるもおほくの純精金にくらぶるも 彌増りてしたふべく これを蜜にくらぶるも蜂のすの滴瀝にくらぶるもいやまさりて甘し

なんぢの僕はこれらによりて儆戒をうく これらをまもらば大なる報賞あらん

たれかおのれの過失をしりえんや ねがはくは我をかくれたる愆より解放ちたまへ

願くはなんぢの僕をひきとめて故意なる罪ををかさしめず それをわが主たらしめ給ふなかれ さればわれ玷なきものとなりて大なる愆をまぬかるるをえん

ヱホバわが磐わが贖主よ わがくちの言わがこころの思念なんぢのまへに悦ばるることを得しめたまへ

第20篇

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伶長にうたはしめたるダビデのうた

ねがはくはヱホバなやみの日になんぢにこたヘヤユブのかみの名なんぢを高にあげ

聖所より援助をなんぢにおくりシオンより能力をなんぢにあたへ

汝のもろもろの献物をみこころにとめ なんぢの燔祭をうけたまはんことをセラ

ねがはくはなんちがこころの願望をゆるし なんぢの謀略をことごとく遂しめたまはんことを

我儕なんぢの救によりて歓びうたひ われらの神の名によりて旗をたてん ねがはくはヱホバ汝のもろもろの求をとげしめたまはんことを

われ今ヱホバその受膏者をすくひたまふを知る ヱホバそのきよき天より右手なるすくひの力にてかれに應へたまはん

あるひは車をたのみあるひは馬をたのみとする者あり されどわれらはわが神ヱホバの名をとなへん

かれらは屈みまた仆るわれらは起てかたくたてり

ヱホバよ王をすくひたまへ われらがよぶとき應へたまへ

第21篇

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伶長にうたはしめたるダビデのうた

ヱホバよ王はなんぢの力によりてたのしみ汝のすくひによりて奈何におほいなる歓喜をなさん

なんぢ彼がこころの願望をゆるし そのくちびるの求をいなみ給はざりきセラ

そはよきたまものの惠をもてかれを迎へ まじりなきこがねの冕弁をもてかれの首にいただかせ給ひたり

かれ生命をもとめしに汝これをあたへてその齢の日を世々かぎりなからしめ給へり

なんぢの救によりてその榮光おほいなり なんぢは尊貴と稜威とをかれに衣せたまふ

そは之をとこしへに福ひなるものとなし聖顔のまへの歓喜をもて樂しませたまへばなり

王はヱホバに依頼み いとたかき者のいつくしみを蒙るがゆゑに動かさるることなからん

なんぢの手はそのもろもろの仇をたづねいだし 汝のみぎの手はおのれを憎むものを探ねいだすべし

なんぢ怒るときは彼等をもゆる爐のごとくにせんヱホバはげしき怒によりてかれらを呑たまはん 火はかれらを食つくさん

汝かれらの裔を地よりほろぼし かれらの種を人の子のなかよりほろぼさん

かれらは汝にむかひて惡事をくはだて遂がたき謀略をおもひまはせばなり

汝かれらをして背をむけしめ その面にむかひて弓絃をひかん

ヱホバよ能力をあらはしてみづからを高くしたまへ 我儕はなんぢの稜威をうたひ且ほめたたへん

第22篇

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あけぼのの鹿の調にあはせて伶長にうたはしめたるダビデの歌

わが神わが神なんぞ我をすてたまふや 何なれば遠くはなれて我をすくはず わが歎きのこゑをきき給はざるか

ああわが神われ晝よばはれども汝こたへたまはず 夜よばはれどもわれ平安をえず

然はあれイスラエルの讃美のなかに住たまふものよ汝はきよし

われらの列祖はなんぢに依頼めり かれら依頼みたればこれを助けたまへり

かれら汝をよびて援をえ汝によりたのみて恥をおへることなかりき

然はあれどわれは蟲にして人にあらず 世にそしられ民にいやしめらる

すべてわれを見るものはわれをあざみわらひ 口唇をそらし首をふりていふ

かれはヱホバによりたのめりヱホバ助くべし ヱホバかれを悦びたまふが故にたすくべしと

されど汝はわれを胎内よりいだし給へるものなり わが母のふところにありしとき既になんぢに依頼ましめたまへり

我うまれいでしより汝にゆだねられたり わが母われを生しときより汝はわが神なり

われに遠ざかりたまふなかれ 患難ちかづき又すくふものなければなり

おほくの牡牛われをめぐりバサンの力つよき牡牛われをかこめり

かれらは口をあけて我にむかひ物をかきさき吼うだく獅のごとし

われ水のごとくそそぎいだされ わがもろもろの骨ははづれ わが心は蝋のごとくなりて腹のうちに鎔たり

わが力はかわきて陶器のくだけのごとく わが舌は齶にひたつけり なんぢわれを死の塵にふさせたまへり

そは犬われをめぐり惡きものの群われをかこみてわが手およびわが足をさしつらぬけり

わが骨はことごとく數ふるばかりになりぬ 惡きものの目をとめて我をみる

かれらたがひにわが衣をわかち我がしたぎを鬮にす

ヱホバよ遠くはなれ居たまふなかれ わが力よねがはくは速きたりてわれを授けたまへ

わがたましひを劍より助けいだし わが生命を犬のたけきいきほひより脱れしめたまへ

われを獅の口また野牛のつのより救ひいだしたまへ なんぢ我にこたへたまへり

われなんぢの名をわが兄弟にのべつたへ なんぢを會のなかにて讃たたへん

ヱホバを懼るるものよヱホバをほめたたへよ ヤコブのもろもろの裔よヱホバをあがめよ イスラエルのもろもろのすゑよヱホバを畏め

ヱホバはなやむものの辛苦をかろしめ棄たまはず これに聖顔をおほふことなくしてその叫ぶときにききたまへばなり

大なる會のなかにてわが汝をほめたたふるは汝よりいづるなり わが誓ひしことはヱホバをおそるる者のまへにてことごとく償はん

謙遜者はくらひて飽ことをえ ヱホバをたづねもとむるものはヱホバをほめたたへん 願くはなんぢらの心とこしへに生んことを

地のはては皆おもひいだしてヱホバに歸りもろもろの國の族はみな前にふしをがむべし

國はヱホバのものなればなり ヱホバはもろもろの國人をすべをさめたまふ

地のこえたるものは皆くらひてヱホバををがみ塵にくだるものと己がたましひを存ふること能はざるものと皆そのみまへに拝跪かん

たみの裔のうちにヱホバにつかる者あらん 主のことは代々にかたりつたへらるべし

かれら來りて此はヱホバの行爲なりとてその義を後にうまるる民にのべつたへん

第23篇

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ダビデのうた

ヱホバは我が牧者なり われ乏しきことあらじ

ヱホバは我をみどりの野にふさせ いこひの水濱にともなひたまふ

ヱホバはわが霊魂をいかし名のゆゑをもて我をただしき路にみちびき給ふ

たとひわれ死のかげの谷をあゆむとも禍害をおそれじ なんぢ我とともに在せばなり なんぢの笞なんぢの杖われを慰む

なんぢわが仇のまへに我がために筵をまうけ わが首にあぶらをそそぎたまふ わが酒杯はあふるるなり

わが世にあらん限りはかならず恩惠と憐憫とわれにそひきたらん 我はとこしへにヱホバの宮にすまん

第24篇

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ダビデのうた

地とそれに充るもの世界とその中にすむものとは皆ヱホバのものなり

ヱホバはそのもとゐを大海のうへに置これを大川のうへに定めたまへり

ヱホバの山にのぼるべきものは誰ぞ その聖所にたつべき者はたれぞ

手きよく心いさぎよき者そのたましひ虚きことを仰ぎのぞまず偽りの誓をせざるものぞ その人なる

かかる人はヱホバより福祉をうけ そのすくひの神より義をうけん

斯のごとき者は神をしたふものの族類なり ヤコブの神よなんぢの聖顔をもとむる者なりセラ

門よなんぢらの首をあげよ とこしへの戸よあがれ 榮光の王いりたまはん

えいくわうの王はたれなるか ちからをもちたまふ猛きヱホバなり 戦闘にたけきヱホバなり

門よなんぢらの首をあげよ とこしへの戸よあがれ 榮光の王いりたまはん

この榮光の王はたれなるか 萬軍のヱホバ是ぞえいくわうの王なるセラ

第25篇

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ダビデのうた

ああヱホバよ わがたましひは汝をあふぎ望む

わが神よわれなんぢに依頼めり ねがはくはわれに愧をおはしめたまふなかれ わが仇のわれに勝誇ることなからしめたまへ

實になんぢを俟望むものははぢしめられず 故なくして信をうしなふものは愧をうけん

ヱホバよなんぢの大路をわれにしめし なんぢの徑をわれにをしへたまへ

我をなんぢの眞理にみちびき我ををしへたまへ 汝はわがすくひの神なり われ終日なんぢを俟望む

なんぢのあはれみと仁慈とはいにしへより絶ずあり ヱホバよこれを思ひいだしたまへ

わがわかきときの罪とわが愆とはおもひいでたまふなかれ ヱホバよ汝のめぐみの故になんぢの仁慈にしたがひて我をおもひいでたまヘ

ヱホバはめぐみ深くして直くましませり 斯るがゆゑに道をつみびとにをしへ

謙だるものを正義にみちびきたまはん その道をへりくだる者にしめしたまはん

ヱホバのもろもろの道はそのけいやくと證詞とをまもるものには仁慈なり眞理なり

わが不義はおほいなり ヱホバよ名のために之をゆるしたまヘ

ヱホバをおそるる者はたれなるか 之にそのえらぶべき道をしめしたまはん

かかる人のたましひは平安にすまひ その裔はくにをつぐべし

ヱホバの親愛はヱホバをおそるる者とともにあり ヱホバはその契約をかれらに示したまはん

わが目はつねにヱホバにむかふ ヱホバわがあしを網よりとりいだしたまふ可ればなり

ねがはくは歸りきたりて我をあはれみたまへ われ獨わびしくまた苦しみをるなり

願くはわが心のうれへをゆるめ我をわざはひより脱かれしめたまへ

わが患難わが辛苦をかへりみ わがすべての罪をゆるしたまへ

わが仇をみたまへ かれらの數はおほし情なき憾をもてわれをにくめり

わがたましひをまもり我をたすけたまへ われに愧をおはしめたまふなかれ 我なんぢに依頼めばなり

われなんぢを挨望むねがはくは完全と正直とわれをまもれかし

神よすべての憂よりイスラエルを贖ひいだしたまへ

第26篇

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ダビデの歌

ヱホバよねがはくはわれを鞫きたまへわれわが完全によりてあゆみたり 然のみならず我たゆたはずヱホバに依頼めり

ヱホバよわれを糺しまた試みたまへ わが腎とこころとを錬きよめたまへ

そは汝のいつくしみわが眼前にあり 我はなんぢの眞理によりてあゆめり

われは虚しき人とともに座らざりき 惡をいつはりかざる者とともにはゆかじ

惡をなすものの會をにくみ惡者とともにすわることをせじ

われ手をあらひて罪なきをあらはす ヱホバよ斯てなんぢの祭壇をめぐり

感謝のこゑを聞えしめ すべてなんぢの奇しき事をのべつたへん

ヱホバよ我なんぢのまします家となんぢが榮光のとどまる處とをいつくしむ

願くはわがたましひを罪人とともに わが生命を血をながす者とともに取收めたまふなかれ

かかる人の手にはあしきくはだてあり その右の手は賄賂にてみつ

されどわれはわが完全によりてあゆまん願くはわれをあがなひ我をあはれみたまへ

わがあしは平坦なるところにたつ われもろもろの會のなかにてヱホバを讃まつらん

第27篇

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ダビデの歌

ヱホバはわが光わが救なり われ誰をかおそれん ヱホバはわが生命のちからなり わが懼るべきものはたれぞや

われの敵われの仇なるあしきもの襲ひきたりてわが肉をくらはんとせしが蹶きかつ仆れたり

縦ひいくさびと營をつらねて我をせむるともわが心おそれじ たとひ戦ひおこりて我をせむるとも我になほ恃あり

われ一事をヱホバにこへり我これをもとむ われヱホバの美しきを仰ぎその宮をみんがためにわが世にあらん限りはヱホバの家にすまんとこそ願ふなれ

ヱホバはなやみの日にその行宮のうちに我をひそませその幕屋のおくにわれをかくし巌のうへに我をたかく置たまふべければなり

今わが首はわれをめぐれる仇のうへに高くあげらるべし この故にわれヱホバのまくやにて歓喜のそなへものを献ん われうたひてヱホバをほめたたへん

わが聲をあげてさけぶときヱホバよきき給へ また憐みてわれに應へたまへ

なんぢらわが面をたづねもとめよと(斯る聖言のありしとき)わが心なんぢにむかひてヱホバよ我なんぢの聖顔をたづねんといへり

ねがはくは聖顔をかくしたまふなかれ 怒りてなんぢの僕をとほざけたまふなかれ汝はわれの助なり 噫わがすくひの神よ われをおひいだし我をすてたまふなかれ

わが父母われをすつるともヱホバわれを迎へたまはん

ヱホバよなんぢの途をわれにをしへ わが仇のゆゑに我をたひらかなる途にみちびきたまへ

いつはりの證をなすもの暴厲を吐もの我にさからひて起りたてり 願くはわれを仇にわたしてその心のままに爲しめたまふなかれ

われもしヱホバの恩寵をいけるものの地にて見るの侍なからましかば奈何ぞや

ヱホバを俟望ぞめ雄々しかれ汝のこころを堅うせよ 必ずやヱホバをまちのぞめ

第28篇

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ダビデの歌

ああヱホバよわれ汝をよばん わが磐よねがはくは我にむかひて暗唖となりたまふなかれ なんぢ黙したまはば恐らくはわれ墓にいるものとひとしからん

われ汝にむかひてさけび聖所の奥にむかひて手をあぐるときわが懇求のこゑをききたまへ

あしき人また邪曲をおこなふ者とともに我をとらへてひきゆき給ふなかれ かれらはその隣にやはらぎをかたれども心には殘害をいだけり

その事にしたがひそのなす惡にしたがひて彼等にあたへ その手の行爲にしたがひて與ヘこれにその受べきものを報いたまへ

かれらはヱホバのもろもろの事とその手のなしわざとをかへりみず この故にヱホバかれらを毀ちて建たまふことなからん

ヱホバは讃べきかな わが祈のこゑをききたまひたり

ヱホバはわが力わが盾なり わがこころこれに依頼みたれば我たすけをえたり 然るゆゑにわが心いたくよろこぶ われ歌をもてほめまつらん

ヱホバはその民のちからなり その受膏者のすくひの城なり

なんぢの民をすくひなんぢの嗣業をさきはひ且これをやしなひ之をとこしなへに懐きたすけたまへ

第29篇

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ダビデの歌

なんぢら神の子らよ ヱホバに獻げまつれ榮と能とをヱホバにささげまつれ

その名にふさはしき榮光をヱホバにささげ奉れ きよき衣をつけてヱホバを拝みまつれ

ヱホバのみこゑは水のうへにあり えいくわうの神は雷をとどろかせたまふ ヱホバは大水のうへにいませり

ヱホバの聲はちからあり ヱホバのみこゑは稜威あり

ヱホバのみこゑは香柏ををりくだく ヱホバ、レバノンのかうはくを折くだきたまふ

これを犢のごとくをどらせレバノンとシリオンとをわかき野牛のごとくをどらせたまふ

ヱホバのみこゑは火焔をわかつ

ヱホバのみこゑは野をふるはせヱホバはカデシの野をふるはせたまふ

ヱホバのみこゑは鹿に子をうませ また林木をはだかにす その宮にあるすべてのもの呼はりて榮光なるかなといふ

ヱホバは洪水のうへに坐したまへり ヱホバは寳座にざして永遠に王なり

ヱホバはその民にちからをあたへたまふ 平安をもてその民をさきはひたまはん

第30篇

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殿をささぐるときに謳へるダビデのうた

ヱホバよわれ汝をあがめん なんぢ我をおこしてわが仇のわがことによりて喜ぶをゆるし給はざればなり

わが神ヱホバよわれ汝によばはれば汝我をいやしたまへり

ヱホバよ汝わがたましひを陰府よりあげ我をながらへしめて墓にくだらせたまはざりき

ヱホバの聖徒よ ヱホバをほめうたへ奉れ きよき名に感謝せよ

その怒はただしばしにてその惠はいのちとともにながし 夜はよもすがら泣かなしむとも朝にはよろこびうたはん

われ安けかりしときに謂く とこしへに動かさるることなからんと

ヱホバよなんぢ惠をもてわが山をかたく立せたまひき 然はあれどなんぢ面をかくしたまひたれば我おぢまどひたり

ヱホバよわれ汝によばはれり 我ひたすらヱホバにねがへり

われ墓にくだらばわが血なにの益あらん 塵はなんぢを讃たたへんや なんぢの眞理をのべつたへんや

ヱホバよ聴たまへ われを憐みたまヘ ヱホバよ願くはわが助となりたまへ

なんぢ踴躍をもてわが哀哭にかへわが麁服をとき歓喜をもてわが帯としたまへり

われ榮をもてほめうたひつつ黙すことなからんためなり わが神ヱホバよわれ永遠になんぢに感謝せん

第31篇

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伶長にうたはしめたるダビデのうた

ヱホバよわれ汝によりたのむ 願くはいづれの日までも愧をおはしめたまふなかれ なんぢの義をもてわれを助けたまへ

なんぢの耳をかたぶけて速かにわれをすくひたまへ 願くはわがためにかたき磐となり我をすくふ保障の家となりたまへ

なんぢはわが磐わが城なり されば名のゆゑをもてわれを引われを導きたまへ

なんぢ我をかれらが密かにまうけたる網よりひきいだしたまへ なんぢはわが保砦なり

われ霊魂をなんぢの手にゆだぬ ヱホバまことの神よなんぢはわれを贖ひたまへり

われはいつはりの虚きことに心をよする者をにくむ われは獨ヱホバによりたのむなり

我はなんぢの憐憫をよろこびたのしまん なんぢわが艱難をかへりみ わがたましひの禍害をしり

われを仇の手にとぢこめしめたまはず わが足をひろきところに立たまへばなり

われ迫りくるしめり ヱホバよ我をあはれみたまへ わが目はうれひによりておとろふ 霊魂も身もまた衰へぬ

わが生命はかなしみによりて消えゆき わが年華はなげきによりて消ゆけばなり わが力はわが不義によりておとろへ わが骨はかれはてたり

われもろもろの仇ゆゑにそしらる わが隣にはわけて甚だし相識ものには忌憚られ衢にてわれを見るもの避てのがる

われは死たるもののごとく忘られて人のこころに置れず われはやぶれたる器もののごとくなれり

そは我おほくの人のそしりをきい到るところに懼あり かれら我にさからひて互にはかりしが わが生命をさへとらんと企てたり

されどヱホバよわれ汝によりたのめり また汝はわが神なりといへり

わが時はすべてなんぢの手にあり ねがはくはわれを仇の手よりたすけ われに追迫るものより助けいだしたまへ

なんぢの僕のうへに聖顔をかがやかせ なんぢの仁慈をもて我をすくひたまヘ

ヱホバよわれに愧をおはしめ給ふなかれ そは我なんぢをよべばなり 願くはあしきものに恥をうけしめ陰府にありて口をつぐましめ給へ

傲慢と軽侮とをもて義きものにむかひ妄りにののしるいつはりの口唇をつぐましめたまへ

汝をおそるる者のためにたくはへ なんぢに依頼むもののために人の子のまへにてほどこしたまへる汝のいつくしみは大なるかな

汝かれらを御前なるひそかなる所にかくして人の謀略よりまぬかれしめ また行宮のうちにひそませて舌のあらそひをさけしめたまはん

讃べきかなヱホバは堅固なる城のなかにて奇しまるるばかりの仁慈をわれに顕したまへり

われ驚きあわてていへらく なんぢの目のまへより絶れたりと 然どわれ汝によびもとめしとき汝わがねがひの聲をききたまへり

なんぢらもろもろの聖徒よヱホバをいつくしめ ヱホバは眞實あるものをまもり傲慢者におもく報をほどこしたまふ

すべてヱホバを俟望むものよ雄々しかれ なんぢら心をかたうせよ

第32篇

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ダビデの訓諭のうた

その愆をゆるされその罪をおほはれしものは福ひなり

不義をヱホバに負せられざるもの心にいつはりなき者はさいはひなり

我いひあらはさざりしときは終日かなしみさけびたるが故にわが骨ふるびおとろへたり

なんぢの手はよるも晝もわがうへにありて重し わが身の潤澤はかはりて夏の旱のごとくなれりセラ

斯てわれなんぢの前にわが罪をあらはしわが不義をおほはざりき 我いへらくわが愆をヱホバにいひあらはさんと 斯るときしも汝わがつみの邪曲をゆるしたまへりセラ

されば神をうやまふ者はなんぢに遇ことをうべき間になんぢに祈らん 大水あふれ流るるともかならずその身におよばじ

汝はわがかくるべき所なり なんぢ患難をふせぎて我をまもり救のうたをもて我をかこみたまはんセラ

われ汝ををしへ汝をあゆむべき途にみちびき わが目をなんぢに注てさとさん

汝等わきまへなき馬のごとく驢馬のごとくなるなかれ かれらは鑣たづなのごとき具をもてひきとめずば近づききたることなし

惡者はかなしみ多かれどヱホバに依頼むものは憐憫にてかこまれん

ただしき者よヱホバを喜びたのしめ 凡てこころの直きものよ喜びよばふべし

第33篇

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ただしき者よヱホバによりてよろこべ 讃美はなほきものに適はしきなり

琴をもてヱホバに感謝せよ 十絃のことをもてヱホバをほめうたへ

あたらしき歌をヱホバにむかひてうたひ歓喜の聲をあげてたくみに琴をかきならせ

ヱホバのことばは直く そのすべて行ひたまふところ眞實なればなり

ヱホバは義と公平とをこのみたまふ その仁慈はあまねく地にみつ

もろもろの天はヱホバのみことばによりて成り てんの萬軍はヱホバの口の氣によりてつくられたり

ヱホバはうみの水をあつめてうづだかくし深淵を庫にをさめたまふ

全地はヱホバをおそれ世にすめるもろもろの人はヱホバをおぢかしこむべし

そはヱホバ言たまへば成り おほせたまへば立るがゆゑなり

ヱホバはもろもろの國のはかりごとを虚くし もろもろの民のおもひを徒勞にしたまふ

ヱホバの謀略はとこしへに立ち そのみこころのおもひは世々にたつ

ヱホバをおのが神とする國はさいはひなり ヱホバ嗣業にせんとて撰びたまへるその民はさいはひなり

ヱホバ天よりうかがひてすべての人の子を見

その在すところより地にすむもろもろの人をみたまふ

ヱホバはすべてかれらの心をつくり その作ところをことごとく鑒みたまふ

王者いくさびと多をもて救をえず勇士ちから大なるをもて助をえざるなり

馬はすくひに益なく その大なるちからも人をたすくることなからん

視よヱホバの目はヱホバをおそるるもの並その憐憫をのぞむもののうへにあり

此はかれらのたましひを死よりすくひ饑饉たるときにも世にながらへしめんがためなり

われらのたましひはヱホバを侯望めり ヱホバはわれらの援われらの盾なり

われらはきよき名にりたのめり 斯てぞわれらの心はヱホバにありてよろこばん

ヱホバよわれら汝をまちのぞめり これに循ひて憐憫をわれらのうへに垂たまへ

第34篇

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ダビデ、アビメレクのまへにて狂へる状をなし逐れていでさりしときに作れるうた

われつねにヱホバを祝ひまつらんその頌詞はわが口にたえじ

わがたましひはヱホバによりて誇らん 謙だるものは之をききてよろこばん

われとともにヱホバを崇めよ われらともにその名をあげたたへん

われヱホバを尋ねたればヱホバわれにこたへ我をもろもろの畏懼よりたすけいだしたまへり

かれらヱホバを仰ぎのぞみて光をかうぶれり かれらの面ははぢあからむことなし

この苦しむもの叫びたればヱホバこれをきき そのすべての患難よりすくひいだしたまへり

ヱホバの使者はヱホバをおそるる者のまはりに營をつらねてこれを援く

なんぢらヱホバの恩惠ふかきを嘗ひしれ ヱホバによりたのむ者はさいはひなり

ヱホバの聖徒よヱホバを畏れよヱホバをおそるるものには乏しきことなければなり

わかき獅はともしくして饑ることあり されどヱホバをたづぬるものは嘉物にかくることあらじ

子よきたりて我にきけ われヱホバを畏るべきことを汝等にをしへん

福祉をみんがために生命をしたひ存へんことをこのむ者はたれぞや

なんぢの舌をおさへて惡につかしめず なんぢの口唇をおさへて虚偽をいはざらしめよ

惡をはなれて善をおこなひ和睦をもとめて切にこのことを勉めよ

ヱホバの目はただしきものをかへりみ その耳はかれらの號呼にかたぶく

ヱホバの聖顔はあくをなす者にむかひてその跡を地より断滅したまふ

義者さけびたればヱホバ之をききてそのすべての患難よりたすけいだしたまへり

ヱホバは心のいたみかなしめる者にちかく在してたましひの悔頽れたるものをすくひたまふ

ただしきものは患難おほし されどヱホバはみなその中よりたすけいだしたまふ

ヱホバはかれがすべての骨をまもりたまふ その一つだに折らるることなし

惡はあしきものをころさん 義人をにくむものは刑なはるべし

ヱホバはその僕等のたましひを贖ひたまふ ヱホバに依頼むものは一人だにつみなはるることなからん

第35篇

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ダビデのうた

ヱホバよねがはくは我にあらそふ者とあらそひ我とたたかふものと戦ひたまへ

干と大盾とをとりてわが援にたちいでたまへ

戟をぬきいだしたまひて我におひせまるものの途をふさぎ且わが霊魂にわれはなんぢの救なりといひたまへ

願くはわが霊魂をたづぬるものの恥をえていやしめられ 我をそこなはんと謀るものの退けられて惶てふためかんことを

ねがはくはかれらが風のまへなる粃糠のごとくなりヱホバの使者におひやられんことを

願くはかれらの途をくらくし滑らかにしヱホバの使者にかれらを追ゆかしめたまはんことを

かれらは故なく我をとらへんとて網をあなにふせ 故なくわが霊魂をそこなはんとて阱をうがちたればなり

願くはかれらが思ひよらぬ間にほろびきたり己がふせたる網にとらへられ自らその滅におちいらんことを

然ときわが霊魂はヱホバによりてよろこび その救をもて樂しまん

わがすべての骨はいはん ヱホバよ汝はくるしむものを之にまさりて力つよきものより並くるしむもの貧しきものを掠めうばふ者よりたすけいだし給ふ 誰かなんぢに比ふべき者あらんと

こころあしき證人おこりてわが知ざることを詰りとふ

かれらは惡をもてわが善にむくい我がたましひを依仗なきものとせり

然どわれかれらが病しときには麁服をつけ糧をたちてわが霊魂をくるしめたり わが祈はふところにかへれり

わがかれに作ることはわが友わが兄弟にことならず母の喪にありて痛哭がごとく哀しみうなたれたり

然どかれらはわが倒れんとせしとき喜びつどひわが知ざりしとき匪類あつまりきたりて我をせめ われを裂てやめざりき

かれらは洒宴にて穢きことをのぶる嘲笑者のごとく我にむかひて歯をかみならせり

主よいたづらに見るのみにして幾何時をへたまふや 願くはわがたましひの彼等にほろぼさるるを脱れしめ わが生命をわかき獅よりまぬかれしめたまへ

われ大なる會にありてなんぢに感謝し おほくの民のなかにて汝をほめたたへん

虚偽をもてわれに仇するもののわが故によろこぶことを容したまなかれ 故なくして我をにくむ者のたがひに眴せすることなからしめたまへ

かれらは平安をかたらず あざむきの言をつくりまうけて國内におだやかにすまふ者をそこなはんと謀る

然のみならず我にむかひて口をあけひろげ ああ視よや視よやわれらの眼これをみたりといへり

ヱホバよ汝すでにこれを視たまへり ねがはくは黙したまふなかれ主よわれに遠ざかりたまふなかれ

わが神よわが主よ おきたまへ醒たまへ ねがはくはわがために審判をなしわが訟ををさめたまへ

わが神ヱホバよなんぢの義にしたがひて我をさばきたまへ わが事によりてかれらに歓喜をえしめたまふなかれ

かれらにその心裡にて ああここちよきかな観よこれわが願ひしところなりといはしめたまふなかれ 又われらかれを呑つくせりといはしめたまふなかれ

願くはわが害なはるるを喜ぶもの皆はぢて惶てふためき 我にむかひてはこりかに高ぶるものの愧とはづかしめとを衣んことを

わが義をよみする者をばよろこび謳はしめ大なるかなヱホバその僕のさいはひを悦びたまふと恒にいはしめたまへ

わが舌は終日なんぢの義となんぢの誉とをかたらん

第36篇

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伶長にうたはしめたるヱホバの僕ダビデのうた

あしきものの愆はわが心のうちにかたりて その目のまへに神をおそるるの畏あることなしといふ

かれはおのが邪曲のあらはるることなく憎まるることなからんとて自からその目にて謟る

その口のことばは邪曲と虚偽となり智をこばみ善をおこなふことを息たり

かつその寝床にてよこしまなる事をはかり よからぬ途にたちとまりて惡をきらはず

ヱホバよなんぢの仁慈は天にあり なんぢの眞實は雲にまでおよぶ

汝のただしきは神の山のごとく なんぢの審判はおほいなる淵なり ヱホバよなんぢは人とけものとを護りたまふ

神よなんぢの仁慈はたふときかな 人の子はなんぢの翼の蔭にさけどころを得

なんぢの屋のゆたかなるによりてことごとく飽ことをえん なんぢはその歓樂のかはの水をかれらに飮しめたまはん

そはいのちの泉はなんぢに在り われらはなんぢの光によりて光をみん

ねがはくはなんぢを知るものにたえず憐憫をほどこし心なほき者にたえず正義をほどこしたまへ

たかぶるものの足われをふみ惡きものの手われを逐去ふをゆるし給ふなかれ

邪曲をおこなふ者はかしこに仆れたり かれら打伏られてまた起ことあたはざるべし

第37篇

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ダビデのうた

惡をなすものの故をもて心をなやめ 不義をおこなふ者にむかひて嫉をおこすなかれ

かれらはやがて草のごとくかりとられ青菜のごとく打萎るべければなり

ヱホバによりたのみて善をおこなへ この國にとどまり眞實をもて糧とせよ

ヱホバによりて歓喜をなせ ヱホバはなんぢが心のねがひを汝にあたへたまはん

なんぢの途をヱホバにゆだねよ 彼によりたのまば之をなしとげ

光のごとくなんぢの義をあきらかにし午日のごとくなんぢの訟をあきらかにしたまはん

なんぢヱホバのまへに口をつぐみ忍びてこれを俟望め おのが途をあゆみて榮るものの故をもて あしき謀略をとぐる人の故をもて心をなやむるなかれ

怒をやめ忿恚をすてよ 心をなやむるなかれ これ惡をおこなふ方にうつらん

そは惡をおこなふものは断滅され ヱホバを俟望むものは國をつぐべければなり

あしきものは久しからずしてうせん なんぢ細密にその處をおもひみるともあることなからん

されど謙だるものは國をつぎ また平安のゆたかなるを樂まん

惡きものは義きものにさからはんとて謀略をめぐらし之にむかひて切歯す

主はあしきものを笑ひたまはん かれが日のきたるを見たまへばなり

あしきものは劍をぬき弓をはりて苦しむものと貧しきものとをたふし行ひなほきものを殺さんとせり

されどその劍はおのが胸をさしその弓はをらるべし

義人のもてるもののすくなきは多くの惡きものの豊かなるにまされり

そは惡きものの臂はをらるれどヱホバは義きものを扶持たまへばなり

ヱホバは完全もののもろもろの日をしりたまふ かれらの嗣業はかぎりなく久しからん

かれらは禍害にあふとき愧をおはず饑饉の日にもあくことを得ん

あしき者ははろびヱホバのあたは牧場のさかえの枯るがごとくうせ烟のごとく消ゆかん

あしき者はものかりて償はず 義きものは惠ありて施しあたふ

神のことほぎたまふ人は國をつぎ 神ののろひたまふ人は断滅さるべし

人のあゆみはヱホバによりて定めらる そのゆく途をヱホバよろこびたまへり

縦ひその人たふるることありとも全くうちふせらるることなし ヱホバかれが手をたすけ支へたまへばなり

われむかし年わかくして今おいたれど 義者のすてられ或はその裔の糧こひありくを見しことなし

ただしきものは終日めぐみありて貸あたふ その裔はさいはひなり

惡をはなれて善をなせ 然ばなんぢの住居とこしへならん

ヱホバは公平をこのみ その聖徒をすてたまはざればなり かれらは永遠にまもりたすけらるれど惡きもののすゑは断滅さるべし

ただしきものは國をつぎ その中にすまひてとこしへに及ばん

ただしきものの口は智慧をかたり その舌は公平をのぶ

かれが神の法はそのこころにあり そのあゆみは一歩だにすべることあらじ

あしきものは義者をひそみうかがひて之をころさんとはかる

ヱホバは義者をあしきものの手にのこしおきたまはず 審判のときに罰ひたまふことなし

ヱホバを俟望みてその途をまもれ さらば汝をあげて國をつがせたまはん なんぢ惡者のたちほろぼさるる時にこれをみん

我あしきものの猛くしてはびこれるを見るに生立たる地にさかえしげれる樹のごとし

然れどもかれは逝ゆけり 視よたちまちに無なりぬ われ之をたづねしかど邁ことをえざりき

完人に目をそそぎ直人をみよ 和平なる人には後あれど

罪ををかすものらは共にほろぼされ惡きものの後はかならず断るべければなり

ただしきものの救はヱホバよりいづ ヱホバはかれらが辛苦のときの保砦なり

ヱホバはかれらを助け かれらを解脱ちたまふ ヱホバはかれらを惡者よりときはなちて救ひたまふ かれらはヱホバをその避所とすればなり

第38篇

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記念のためにつくれるダビデのうた

ヱホバよねがはくは忿恚をもて我をせめ はげしき怒をもて我をこらしめ給ふなかれ

なんぢの矢われにあたり なんぢの手わがうへを壓へたり

なんぢの怒によりてわが肉には全きところなく わが罪によりてわが骨には健かなるところなし

わが不義は首をすぎてたかく重荷のごとく負がたければなり

われ愚なるによりてわが傷あしき臭をはなちて腐れただれたり

われ折屈みていたくなげきうなたれたり われ終日かなしみありく

わが腰はことごとく焼るがごとく肉に全きところなければなり

我おとろへはて甚くきずつけられわが心のやすからざるによりて欷歔さけべり

ああ主よわがすべての願望はなんぢの前にあり わが嘆息はなんぢに隠るることなし

わが胸をどりわが力おとろへ わが眼のひかりも亦われをはなれたり

わが友わが親めるものはわが痍をみて遥にたち わが隣もまた遠かりてたてり

わが生命をたづぬるものは羂をまうけ我をそこなはんとするものは惡言をいひ また終日たばかりを謀る

然はあれどわれは聾者のごとくきかず われは口をひらかぬ唖者のごとし

如此われはきかざる人のごとく口にことあげせぬ人のごときなり

ヱホバよ我なんぢを俟望めり 主わが神よなんぢかならず答へたまふべければなり

われ曩にいふ おそらくはかれらわが事によりて喜び わが足のすべらんとき我にむかひて誇りかにたかぶらんと

われ仆るるばかりになりぬ わが悲哀はたえずわが前にあり

そは我みづから不義をいひあらはし わが罪のためにかなしめばなり

わが仇はいきはたらきてたけく故なくして我をうらむるものおほし

惡をもて善にむくゆるものはわれ善事にしたがふが故にわが仇となれり

ヱホバよねがはくは我をはなれたたまふなかれ わが神よわれに遠かりたまふなかれ

主わがすくひよ速きたりて我をたすけたまへ

第39篇

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伶長エドトンにうたはしめたるダビデのうた

われ曩にいへり われ舌をもて罪ををかさざらんために我すべての途をつつしみ惡者のわがまへに在るあひだはわが口に衝をかけんと

われ黙して唖となり善言すらことばにいださず わが憂なほおこれり

わが心わがうちに熱し おもひつづくるほどに火もえぬればわれ舌をもていへらく

ヱホバよ願くはわが終とわが日の數のいくばくなるとを知しめたまへ わが無常をしらしめたまへ

観よなんぢわがすべての日を一掌にすぎさらしめたまふ わがかいのち主前にてはなきにことならず 實にすべての人は皆その盛時だにもむなしからざるはなしセラ

人の世にあるは影にことならず その思ひなやむことはむなしからざるなし その積蓄ふるものはたが手にをさまるをしらず

主よわれ今なにをかまたん わが望はなんぢにあり

ねがはくは我ぞすべて愆より助けいだしたまへ 愚なるものに誹らるることなからしめたまへ

われは黙して口をひらかず 此はなんぢの成したまふ者なればなり

願くはなんぢの責をわれよりはなちたまへ 我なんぢの手にうちこらさるるによりて亡ぶるばかりになりぬ

なんぢ罪をせめて人をこらし その慕ひよろこぶところのものを蠧のくらふがごとく消うせしめたまふ 實にもろもろの人はむなしからざるなしセラ

ああヱホバよねがはくはわが祈をきき わが號呼に耳をかたぶけたまへ わが涙をみて黙したまふなかれ われはなんぢに寄る旅客すべてわが列祖のごとく宿れるものなり

我ここを去てうせざる先になんぢ面をそむけてわれを爽快ならしめたまへ

第40篇

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伶長にうたはしめたるダビデのうた

我たへしのびてヱホバを俟望みたり ヱホバ我にむかひてわが號呼をききたまへり

また我をほろびの阱より泥のなかよりとりいだしてわが足を磐のうへにおきわが歩をかたくしたまへり

ヱホバはあたらしき歌をわが口にいれたまへり此はわれらの神にささぐる讃美なり おほくの人はこれを見ておそれ かつヱホバによりたのまん

ヱホバをおのが頼となし高るものによらず虚偽にかたぶく者によらざる人はさいはひなり

わが神ヱホバよなんぢの作たまへる奇しき迹と われらにむかふ念とは甚おほくして汝のみまへにつらねいふことあたはず 我これをいひのべんとすれどその數かぞふることあたはず

なんぢ犠牲と祭物とをよろこびたまはず汝わが耳をひらきたたまへり なんぢ燔祭と罪祭とをもとめたまはず

そのとき我いへらく 観よわれきたらんわがことを書の巻にしるしたり

わが神よわれは聖意にしたがふことを樂む なんぢの法はわが心のうちにありと

われ大なる會にて義をつげしめせり 視よわれ口唇をとぢず ヱホバよなんぢ之をしりたまふ

われなんぢの義をわが心のうちにひめおかず なんぢの眞實となんぢの拯救とをのべつたへたり 我なんぢの仁慈となんぢの眞理とをおほいなる會にかくさざりき

ヱホバよなんぢ憐憫をわれにをしみたまふなかれ 仁慈と眞理とをもて恒にわれをまもりたまへ

そはかぞへがたき禍害われをかこみ わが不義われに追及てあふぎみること能はぬまでになりぬ その多きことわが首の髪にもまさり わが心きえうするばかりなればなり

ヱホバよ願くはわれをすくひたまヘ ヱホバよ急ぎきたりて我をたすけたまへ

願くはわが霊魂をたづねほろぼさんとするものの皆はぢあわてんことを わが害はるるをよろこぶもののみな後にしりぞきて恥をおはんことを

われにむかひて ああ視よや視よやといふ者おのが恥によりておどろきおそれんことを

願くはなんぢを尋求むるものの皆なんぢによりて樂みよろこばんことを なんぢの救をしたふものの恒にヱホバは大なるかなととなへんことを

われはくるしみ且ともし 主われをねんごろに念ひたまふ なんぢはわが助なり われをすくひたまふ者なり ああわが神よねがはくはためらひたまふなかれ

第41篇

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うたのかみに謳はしめたるダビデのうた

よわき人をかへりみる者はさいはひなり ヱホバ斯るものを禍ひの日にたすけたまはん

ヱホバ之をまもり之をながらへしめたまはん かれはこの地にありて福祉をえん なんぢ彼をその仇ののぞみにまかせて付したまふなかれ

ヱホバは彼がわづらひの床にあるをたすけ給はん なんぢかれが病るときその衾裯をしきかへたまはん

我いへらくヱホバよわれを憐みわがたましひを醫したまへ われ汝にむかひて罪ををかしたりと

わが仇われをそしりていへり 彼いづれのときに死いづれのときにその名ほろびんと

かれ又われを見んとてきたるときは虚偽をかたり邪曲をその心にあつめ 外にいでてはこれを述ぶ

すべてわれをにくむもの互ひにささやき我をそこなはんとて相謀る

かつ云 かれに一のわざはひつきまとひたれば仆れふしてふたたび起ることなからんと

わが恃みしところ わが糧をくらひしところのわが親しき友さへも我にそむきてその踵をあげたり

然はあれどヱホバよ汝ねがはくは我をあはれみ我をたすけて起したまへ されば我かれらに報ることをえん

わが仇われに打勝ちてよろこぶこと能はざるをもて汝がわれを愛でいつくしみたまふを我しりぬ

わが事をいはば なんぢ我をわが完全うちにてたもち我をとこしへに面のまへに置たまふ

イスラエルの神ヱホバはとこしへより永遠までほむべきかな アーメン アーメン

第42篇

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伶長にうたはしめたるコラの子のをしへの歌

ああ神よしかの渓水をしたひ喘ぐがごとく わが霊魂もなんぢをしたひあへぐなり

わがたましひは渇けるごとくに神をしたふ 活神をぞしたふ 何れのときにか我ゆきて神のみまへにいでん

かれらが終日われにむかひて なんぢの神はいづくにありやとののしる間はただわが涙のみ晝夜そそぎてわが糧なりき

われむかし群をなして祭日をまもる衆人とともにゆき歓喜と讃美のこゑをあげてかれらを神の家にともなへり 今これらのことを追想してわが衷よりたましひを注ぎいだすなり

ああわが霊魂よ なんぢ何ぞうなたるるや なんぞわが衷におもひみだるるや なんぢ神をまちのぞめ われに聖顔のたすけありて我なほわが神をほめたたふべければなり

わが神よわがたましひはわが衷にうなたる 然ばわれヨルダンの地よりヘルモンよりミザルの山より汝をおもひいづ

なんぢの大瀑のひびきによりて淵々よびこたへ なんぢの波なんぢの猛浪ことごとくわが上をこえゆけり

然はあれど晝はヱホバその憐憫をほどこしたまふ 夜はその歌われとともにあり 此うたはわがいのちの神にささぐる祈なり

われわが磐なる神にいはん なんぞわれを忘れたまひしや なんぞわれは仇のしへたげによりて悲しみありくや

わが骨もくだくるばかりにわがてきはひねもす我にむかひて なんぢの神はいづくにありやといひののしりつつ我をそしれり

ああわがたましひよ 汝なんぞうなたるるや 何ぞわがうちに思ひみだるるや なんぢ神をまちのぞめ われ尚わがかほの助なるわが神をほめたたふべければなり

第43篇

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神よねがはくは我をさばき 情しらぬ民にむかひてわが訟をあげつらひ詭計おほきよこしまなる人より我をたすけいだし給へ

なんぢはわが力の神なり なんぞ我をすてたまひしや 何ぞわれは仇の暴虐によりてかなしみありくや

願くはなんぢの光となんぢの眞理とをはなち我をみちびきてその聖山とその帷幄とにゆかしめたまへ

さらばわれ神の祭壇にゆき又わがよろこびよろこぶ神にゆかん ああ神よわが神よわれ琴をもてなんぢを讃たたへん

ああわが霊魂よなんぢなんぞうなたるるや なんぞわが衷におもひみだるるや なんぢ神によりて望をいだけ 我なほわが面のたすけなるわが神をほめたたふべければなり

第44篇

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伶長にうたはしめたるコラの子のをしへの歌

ああ神よむかしわれらの列祖の日になんぢがなしたまひし事迹をわれら耳にきけり 列祖われらに語れり

なんぢ手をもてもろもろの國人をおひしりぞけ われらの列祖をうゑ並もろもろの民をなやましてわれらの列祖をはびこらせたまひき

かれらはおのが劍によりて國をえしにあらず おのが臂によりて勝をえしにあらず 只なんぢの右の手なんぢの臂なんぢの面のひかりによれり 汝かれらを惠みたまひたればなり

神よなんぢはわが王なり ねがはくはヤコブのために救をほどこしたまへ

われらは汝によりて敵をたふし また我儕にさからひて起りたつものをなんぢの名によりて踐壓ふべし

そはわれわが弓によりたのまず わが劍もまた我をすくふことあたはざればなり

なんぢわれらを敵よりすくひ またわれらを惡むものを辱かしめたまへり

われらはひねもす神によりてほこり われらは永遠になんぢの名に感謝せんセラ

しかるに今はわれらをすてて恥をおはせたまへり われらの軍人とともに出ゆきたまはず

われらを敵のまへより退かしめたまへり われらを惡むものその任意にわれらを掠めうばへり

なんぢわれらを食にそなへらるる羊のごとくにあたへ斯てわれらをもろもろの國人のなかにちらし

得るところなくしてなんぢの民をうり その價によりてなんぢの富をましたまはざりき

汝われらを隣人にそしらしめ われらを環るものにあなどらしめ 嘲けらしめたまへり

又もろもろの國のなかにわれらを談柄となし もろもろの民のなかにわれらを頭ふらるる者となしたまへり

わが凌辱ひねもす我がまへにあり わがかほの恥われをおほへり

こは我をそしり我をののしるものの聲により我にあだし我にうらみを報るものの故によるなり

これらのこと皆われらに臨みきつれどわれらなほ汝をわすれず なんぢの契約をいつはりまもらざりき

われらの心しりぞかずわれらの歩履なんぢの道をはなれず

然どなんぢは野犬のすみかにてわれらをきずつけ死蔭をもてわれらをおほひ給へり

われらもしおのれの神の名をわすれ或はわれらの手を異神にのべしことあらんには

神はこれを糺したまはざらんや 神はこころの隠れたることをも知たまふ

われらは終日なんぢのために死にわたされ屠られんとする羊の如くせられたり

主よさめたまへ何なればねぶりたまふや起たまへ われらをとこしへに棄たまふなかれ

いかなれば聖顔をかくしてわれらがうくる苦難と虐待とをわすれたまふや

われらのたましひはかがみて塵にふし われらの腹は土につきたり

ねがはくは起てわれらをたすけたまへ なんぢの仁慈のゆゑをもてわれらを贖ひたまへ

第45篇

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百合花のしらべにあはせて伶長にうたはしめたるコラの子のをしへのうた 愛のうた

わが心はうるはしき事にてあふる われは王のために詠たるものをいひいでん わが舌はすみやけく寫字人の筆なり

なんぢは人の子輩にまさりて美しく文雅そのくちびるにそそがる このゆゑに神はとこしへに汝をさいはひしたまへり

英雄よなんぢその劍その榮その威をこしに佩べし

なんぢ眞理と柔和とただしきとのために威をたくましくし勝をえて乗すすめ なんぢの右手なんぢに畏るべきことををしへん

なんぢの矢は鋭して王のあたの胸をつらぬき もろもろの民はなんぢの下にたふる

神よなんぢの寳座はいやとほ永くなんぢの國のつゑは公平のつゑなり

なんぢは義をいつくしみ惡をにくむ このゆゑに神なんぢの神はよろこびの膏をなんぢの侶よりまさりて汝にそそぎたまへり

なんぢの衣はみな没薬蘆薈肉桂のかをりあり 琴瑟の音ざうげの諸殿よりいでて汝をよろこばしめたり

なんぢがたふとき婦のなかにはもろもろの王のむすめあり 皇后はオフルの金をかざりてなんぢの右にたつ

女よきけ目をそそげ なんぢの耳をかたぶけよ なんぢの民となんぢが父の家とをわすれよ

さらば王はなんぢの美麗をしたはん 王はなんぢの主なりこれを伏拝め

ツロの女は贈物をもてきたり民間のとめるものも亦なんぢの惠をこひもとめん

王のむすめは殿のうちにていとど榮えかがやき そのころもは金をもて織なせり

かれは鍼繍せる衣をきて王のもとにいざなはる 之にともなへる處女もそのあとにしたがひて汝のもとにみちびかれゆかん

かれらは歓喜と快樂とをもていざなはれ斯して王の殿にいらん

なんぢの子らは列祖にかはりてたち なんぢはこれを全地に君となさん

我なんぢの名をよろづ代にしらしめん この故にもろもろの民はいやとほ永くなんぢに感謝すべし

第46篇

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女音のしらべにしたがひて伶長にうたはしめたるコラの子のうた

神はわれらの避所また力なり なやめるときの最ちかき助なり

さればたとひ地はかはり山はうみの中央にうつるとも我儕はおそれじ

よしその水はなりとどろきてさわぐとも その溢れきたるによりて山はゆるぐとも何かあらんセラ

河ありそのながれは神のみやこをよろこばしめ至上者のすみたまふ聖所をよろこばしむ

神そのなかにいませば都はうごかじ 神は朝つとにこれを助けたまはん

もろもろの民はさわぎたち もろもろの國はうごきたり 神その聲をいだしたまへば地はやがてとけぬ

萬軍のヱホバはわれらとともなり ヤコブの神はわれらのたかき櫓なりセラ

きたりてヱホバの事跡をみよ ヱホバはおほくの懼るべきことを地になしたまへり

ヱホバは地のはてまでも戰闘をやめしめ弓ををり戈をたち戰車を火にてやきたまふ

汝等しづまりて我の神たるをしれ われはもろもろの國のうちに崇められ全地にあがめらるべし

萬軍のヱホバはわれらと偕なり ヤコブの神はわれらの高きやぐらなりセラ

第47篇

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伶長にうたはしめたるコラの子のうた

もろもろのたみよ手をうち歓喜のこゑをあげ神にむかひてさけべ

いとたかきヱホバはおそるべく また地をあまねく治しめす大なる王にてましませばなり

ヱホバはもろもろの民をわれらに服はせ もろもろの國をわれらの足下にまつろはせたまふ

又そのいつくしみたまふヤコブが譽とする嗣業をわれらのために選びたまはんセラ

神はよろこびさけぶ聲とともにのぼり ヱホバはラッパの聲とともにのぼりたまへり

ほめうたへ神をほめうたへ 頌歌へわれらの王をほめうたへ

かみは地にあまねく王なればなり 教訓のうたをうたひてほめよ

神はもろもろの國をすべをさめたまふ 神はそのきよき寳座にすわりたまふ

もろもろのたみの諸侯はつどひきたりてアブラハムの神の民となれり 地のもろもろの盾は神のものなり神はいとたふとし

第48篇

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コラの子のうたなり讃美なり

ヱホバは大なり われらの神の都そのきよき山のうへにて甚くほめたたへられたまふべし

シオンの山はきたの端たかくしてうるはしく喜悦を地にあまねくあたふ ここは大なる王のみやこなり

そのもろもろの殿のうちに神はおのれをたかき櫓としてあらはしたまへり

みよ王等はつどひあつまりて偕にすぎゆきぬ

かれらは都をみてあやしみ且おそれて忽ちのがれされり

戰慄はかれらにのぞみ その苦痛は子をうまんとする婦のごとし

なんぢは東風をおこしてタルシシの舟をやぶりたまふ

曩にわれらが聞しごとく今われらは萬軍のヱホバの都われらの神のみやこにて之をみることをえたり 神はこの都をとこしへまで固くしたまはんセラ

神よ我らはなんぢの宮のうちにて仁慈をおもへり

神よなんぢの譽はその名のごとく地の極にまでおよべり なんぢの右手はただしきにて充り

なんぢのもろもろの審判によりてシオンの山はよろこびユダの女輩はたのしむべし

シオンの周圍をありき徧くめぐりてその櫓をかぞへよ

その石垣に目をとめよ そのもろもろの殿をみよ なんぢらこれを後代にかたりつたへんが爲なり

そはこの神はいや遠長にわれらの神にましましてわれらを死るまでみちびきたまはん

第49篇

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伶長にうたはしめたるコラの子のうた

もろもろの民よきけ賤きも貴きも富るも貧きもすべて地にすめる者よ なんぢらともに耳をそばだてよ

わが口はかしこきことをかたり わが心はさときことを思はん

われ耳を喩言にかたぶけ琴をならしてわが幽玄なる語をときあらはさん

わが踵にちかかる不義のわれを打圍むわざはひの日もいかで懼るることあらんや

おのが富をたのみ財おほきを誇るもの

たれ一人おのが兄弟をあがなふことあたはず之がために贖價を神にささげ

之をとこしへに生存へしめて朽ざらしむることあたはず(霊魂をあがなふには費いとおほくして此事をとこしへに捨置ざるを得ざればなり)

そは智きものも死 おろかものも獣心者もひとしくほろびてその富を他人にのこすことは常にみるところなり

かれら竊におもふ わが家はとこしへに存りわがすまひは世々にいたらんと かれらはその地におのが名をおはせたり

されど人は譽のなかに永くとどまらず亡びうする獣のごとし

斯のごときは愚かなるものの途なり 然はあれど後人はその言をよしとせんセラ

かれらは羊のむれのごとくに陰府のものと定めらる 死これが牧者とならん直きもの朝にかれらををさめん その美容は陰府にほろぼされて宿るところなかるべし

されど神われを接たまふべければわが霊魂をあがなひて陰府のちからより脱かれしめたまはんセラ

人のとみてその家のさかえくははらんとき汝おそるるなかれ

かれの死るときは何一つたづさへゆくことあたはず その榮はこれにしたがひて下ることをせざればなり

かかる人はいきながらふるほどに己がたましひを祝するとも みづからを厚うするがゆゑに人々なんぢをほむるとも

なんぢ列祖の世にゆかん かれらはたえて光をみざるべし

尊貴なかにありて暁らざる人はほろびうする獣のごとし

第50篇

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アサフのうた

ぜんのうの神ヱホバ詔命して日のいづるところより日のいるところまであまねく地をよびたまへり

かみは美麗の極なるシオンより光をはなちたまへり

われらの神はきたりて黙したまはじ火その前にものをやきつくし暴風その四周にふきあれん

神はその民をさばかんとて上なる天および地をよびたまへり

いはく祭物をもて我とけいやくをたてしわが聖徒をわがもとに集めよと

もろもろの天は神の義をあらはせり 神はみづから審士たればなりセラ

わが民よきけ我ものいはんイスラエルよきけ我なんぢにむかひて證をなさん われは神なんぢの神なり

わがなんぢを責るは祭物のゆゑにあらず なんぢの燔祭はつねにわが前にあり

我はなんぢの家より牡牛をとらず なんぢの牢より牡山羊をとらず

林のもろもろのけもの山のうへの千々の牲畜はみなわが有なり

われは山のすべての鳥をしる 野のたけき獣はみなわがものなり

世界とそのなかに充るものとはわが有なれば縦ひわれ飢るともなんぢに告じ

われいかで牡牛の肉をくらひ牡山羊の血をのまんや

感謝のそなへものを神にささげよ なんぢのちかひを至上者につくのへ

なやみの日にわれをよべ我なんぢを援けん而してなんぢ我をあがむべし

然はあれど神あしきものに言給く なんぢは教をにくみ わが言をその後にすつるものなるに何のかかはりありてわが律法をのべ わがけいやくを口にとりしや

なんぢ盗人をみれば之をよしとし姦淫をおこなふものの伴侶となれり

なんぢその口を惡にわたす なんぢの舌は詭計をくみなせり

なんぢ坐りて兄弟をそしり己がははの子を誣ののしれり

汝これらの事をなししをわれ黙しぬれば なんぢ我をおのれに恰にたるものとおもへり されど我なんぢを責めてその罪をなんぢの目前につらぬべし

神をわするるものよ今このことを念へ おそらくは我なんぢを抓さかんとき助るものあらじ

感謝のそなへものを献るものは我をあがむ おのれの行爲をつつしむ者にはわれ神の救をあらはさん

第51篇

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ダビデがバテセバにかよひしのち預言者ナタンの來れるときよみて伶長にうたはしめたる歌

ああ神よねがはくはなんぢの仁慈によりて我をあはれみ なんぢの憐憫のおほきによりてわがもろもろの愆をけしたまへ

わが不義をことごとくあらひさり我をわが罪よりきよめたまへ

われはわが愆をしる わが罪はつねにわが前にあり

我はなんぢにむかひて獨なんぢに罪ををかし聖前にあしきことを行へり されば汝ものいふときは義とせられ なんぢ鞫くときは咎めなしとせられ給ふ

視よわれ邪曲のなかにうまれ罪ありてわが母われをはらみたりき

なんぢ眞實をこころの衷にまでのぞみ わが隠れたるところに智慧をしらしめ給はん

なんぢヒソブをもて我をきよめたまへ さらばわれ浄まらん 我をあらひたまへ さらばわれ雪よりも白からん

なんぢ我によろこびと快樂とをきかせ なんぢが碎きし骨をよろこばせたまへ

ねがはくは聖顔をわがすべての罪よりそむけ わがすべての不義をけしたまへ

ああ神よわがために清心をつくり わが衷になほき霊をあらたにおこしたまへ

われを聖前より棄たまふなかれ 汝のきよき霊をわれより取りたまふなかれ

なんぢの救のよろこびを我にかへし自由の霊をあたへて我をたもちたまへ

さらばわれ愆ををかせる者になんぢの途ををしへん罪人はなんぢに歸りきたるべし

神よわが救のかみよ血をながしし罪より我をたすけいだしたまへ わが舌は聲たからかになんぢの義をうたはん

主よわが口唇をひらきたまへ 然ばわが口なんぢの頌美をあらはさん

なんぢは祭物をこのみたまはず もし然らずば我これをささげん なんぢまた燔祭をも悦びたまはず

神のもとめたまふ祭物はくだけたる霊魂なり 神よなんぢは碎けたる悔しこころを藐しめたまふまじ

ねがはくは聖意にしたがひてシオンにさいはひし ヱルサレムの石垣をきづきたまへ

その時なんぢ義のそなへものと燔祭と全きはんさいとを悦びたまはん かくて人々なんぢの祭壇に牡牛をささぐべし

第52篇

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エドム人ドエグ、サウルにきたりてダビデはアビメレクの家にきぬと告しときダビデがよみて伶長にうたはしめたる教訓のうた

猛者よなんぢ何なればあしき企圖をもて自らほこるや神のあはれみは恒にたえざるなり

なんぢの舌はあしきことをはかり利き剃刀のごとくいつはりをおこなふ

なんぢは善よりも惡をこのみ正義をいふよりも虚偽をいふをこのむセラ

たばかりの舌よなんぢはすべての物をくひほろぼす言をこのむ

されば神とこしへまでも汝をくだき また汝をとらへてその幕屋よりぬきいだし生るものの地よりなんぢの根をたやしたまはんセラ

義者はこれを見ておそれ彼をわらひていはん

神をおのが力となさず その富のゆたかなるをたのみ その惡をもて己をかたくせんとする人をみよと

然はあれどわれは神の家にあるあをき橄欖の樹のごとし 我はいやとほながに神のあはれみに依頼まん

なんぢこの事をおこなひ給ひしによりて我とこしへになんぢに感謝し なんぢの聖徒のまへにて聖名をまちのぞまん こは宜しきことなればなり

第53篇

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マハラツ(樂器の名、あるひはいふ調べの名)にあはせて伶長にうたはしめたるダビデの教訓のうた

愚かなるものは心のうちに神なしといへり かれらは腐れたりかれらは憎むべき不義をおこなへり善をおこなふ者なし

神は天より人の子をのぞみて悟るものと神をたづぬる者とありやなしやを見たまひしに

みな退ぞきてことごとく汚れたり善をなすものなし一人だになし

不義をおこなふものは知覺なきか かれらは物くふごとくわが民をくらひ また神をよばふことをせざるなり

かれらは懼るべきことのなきときに大におそれたり 神はなんぢにむかひて營をつらぬるものの骨をちらしたまへばなり 神かれらを棄たまひしによりて汝かれらを辱かしめたり

願くはシオンよりイスラエルの救のいでんことを 神その民のとらはれたるを返したまふときヤコブはよろこびイスラエルは樂まん

第54篇

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ジフ人のサウルにきたりてダビデはわれらの處にかくれをるにあらずやといひたりしとき ダビデうたのかみに琴にてうたはしめたる教訓のうた

神よねがはくは汝の名によりて我をすくひ なんぢの力をもて我をさばきたまへ

神よわが祈をききたまへ わが口のことばに耳をかたぶけたまへ

そは外人はわれにさからひて起りたち強暴人はわがたましひを索むるなり かれらは神をおのが前におかざりきセラ

みよ神はわれをたすくるものなり 主はわがたましひを保つものとともに在せり

主はわが仇にそのあしきことの報をなしたまはん 願くはなんぢの眞實によりて彼等をほろぼしたまへ

我よろこびて祭物をなんぢに献ん ヱホバよ我なんぢの名にむかひて感謝せん こは宜しきことなればなり

そはヱホバはすべての患難より我をすくひたまへり わが目はわが仇につきての願望をみたり

第55篇

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ダビデうたのかみに琴にてうたはしめたる教訓のうた

神よねがはくは耳をわが祈にかたぶけたまへ わが懇求をさけて身をかくしたまふなかれ

われに聖意をとめ 我にこたへたまへ われ歎息によりてやすからず悲みうめくなり

これ仇のこゑと惡きものの暴虐とのゆゑなり そはかれら不義をわれに負せ いきどほりて我におひせまるなり

わが心わがうちに憂ひいたみ死のもろもろの恐懼わがうへにおちたり

おそれと戰慄とわれにのぞみ甚だしき恐懼われをおほへり

われ云ねがはくは鴿のごとく羽翼のあらんことを さらば我とびさりて平安をえん

みよ我はるかにのがれさりて野にすまんセラ

われ速かにのがれて暴風と狂風とをはなれん

われ都のうちに強暴とあらそひとをみたり 主よねがはくは彼等をほろぼしたまへ かれらの舌をわかれしめたまへ

彼等はひるもよるも石垣のうへをあるきて邑をめぐる 邑のうちには邪曲とあしき企圖とあり

また惡きこと邑のうちにあり しへたげと欺詐とはその街衢をはなるることなし

われを謗れるものは仇たりしものにあらず もし然りしならば尚しのばれしなるべし 我にむかひて己をたかくせし者はわれを恨たりしものにあらず若しかりしならば身をかくして彼をさけしなるべし

されどこれ汝なり われとおなじきもの わが友われと親しきものなり

われら互にしたしき語らひをなし また會衆のなかに在てともに神の家にのぼりたりき

死は忽然かれらにのぞみ その生るままにて陰府にくだらんことを そは惡事その住處にありその中にあればなり

されど我はただ神をよばんヱホバわれを救ひたまふべし

夕にあしたに晝にわれなげき且かなしみうめかん ヱホバわが聲をききたまふべし

ヱホバは我をせむる戰闘よりわが霊魂をあがなひいだして平安をえしめたまへり そはわれを攻るもの多かりければなり

太古よりいます者なる神はわが聲をききてかれらを惱めたまべしセラ かれらには變ることなく神をおそるることなし

かの人はおのれと睦みをりしものに手をのべてその契約をけがしたり

その口はなめらかにして乳酥のごとくなれどもその心はたたかひなり その言はあぶらに勝りてやはらかなれどもぬきたる劍にことならず

なんぢの荷をヱホバにゆだねよさらば汝をささへたまはん ただしき人のうごかさるることを常にゆるしたまふまじ

かくて神よなんぢはかれらを亡の坑におとしいれたまはん血をながすものと詭計おほきものとは生ておのが日の半にもいたらざるべし 然はあれどわれは汝によりたのまん

第56篇

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ダビデがガテにてペリシテ人にとらへられしとき詠て「遠きところにをる音をたてぬ鴿」のしらべにあはせて伶長にうたはしめたるミクタムの歌

ああ神よねがはくは我をあはれみたまへ 人いきまきて我をのまんとし終日たたかひて我をしへたぐ

わが仇ひねもす急喘てわれをのまんとす誇りたかぶりて我とたたかふものおほし

われおそるるときは汝によりたのまん

われ神によりてその聖言をほめまつらん われ神に依頼みたればおそるることあらじ肉體われになにをなし得んや

かれらは終日わがことばを曲るなり その思念はことごとくわれにわざはひをなす

かれらは群つどひて身をひそめ わが歩に目をとめてわが霊魂をうかがひもとむ

かれらは不義をもてのがれんとおもへり 神よねがはくは憤ほりてもろもろの民をたふしたまへ

汝わがあまた土の流離をかぞへたまへり なんぢの革嚢にわが涙をたくはへたまへ こは皆なんぢの冊にしるしあるにあらずや

わがよびもとむる日にはわが仇しりぞかん われ神のわれを守りたまふことを知る

われ神によりてその聖言をはめまつらん 我ヱホバによりてそのみことばを讃まつらん

われ神によりたのみたれば懼るることあらじ 人はわれに何をなしえんや

神よわがなんぢにたてし誓はわれをまとへり われ感謝のささげものを汝にささげん

汝わがたましひを死よりすくひたまへばなり なんぢ我をたふさじとわが足をまもり生命の光のうちにて神のまへに我をあゆませ給ひしにあらずや

第57篇

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ダビデが洞にいりてサウルの手をのがれしとき詠て「ほろぼすなかれ」にといふ調にあはせて伶長にうたはしめたるミクタムのうた

我をあはれみたまへ神よわれをあはれみたまへ わが霊魂はなんぢを避所とす われ禍害のすぎさるまではなんぢの翼のかげを避所とせん

我はいとたかき神によばはん わがために百事をなしをへたまふ神によばはん

神はたすけを天よりおくりて我をのまんとする者のそしるときに我を救ひたまはんセラ 神はその憐憫その眞實をおくりたまはん

わがたましひは群ゐる獅のなかにあり 火のごとくもゆる者 その歯は戈のごとく矢のごとくその舌はとき劍のごとき人の子のなかに我ふしぬ

神よねがはくはみづからを天よりも高くしみさかえを全地のうへに挙たまへ

かれらはわが足をとらへんとて網をまうく わが霊魂はうなたる かれらはわがまへに阱をほりたり而してみづからその中におちいれりセラ

わが心さだまれり神よわがこころ定まれり われ謳ひまつらん頌まつらん

わが榮よさめよ 筝よ琴よさめよ われ黎明をよびさまさん

主よわれもろもろの民のなかにてなんぢに感謝し もろもろの國のなかにて汝をほめうたはん

そは汝のあはれみは大にして天にまでいたり なんぢの眞實は雲にまでいたる

神よねがはくは自からを天よりも高くし光榮をあまねく地のうへに挙たまへ

第58篇

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ダビデがよみて「ほろぼすなかれ」といふ調にあはせて伶長にうたはしめたるミクタムのうた

なんぢら黙しゐて義をのべうるか 人の子よなんぢらなほき審判をおこなふや

否なんぢらは心のうちに惡事をおこなひ その手の強暴をこの地にはかりいだすなり

あしきものは胎をはなるるより背きとほざかり生れいづるより迷ひていつはりをいふ

かれらの毒は蛇のどくのごとし かれらは蠱術をおこなふものの甚たくみにまじなふその聲をだにきかざる耳ふさぐ聾ひの蝮のごとし

神よかれらの口の歯ををりたまヘ ヱホバよ壮獅の牙をぬきくだきたまへ

願くはかれらを流れゆく水のごとくに消失しめ その矢をはなつときは折れたるごとくなし給はんことを

また融てきえゆく蝸牛のごとく婦のときならず産たる目をみぬ嬰のごとくならしめ給へ

なんぢらの釜いまだ荊蕀の火をうけざるさきに青をも燃たるをもともに狂風にて吹さりたまはん

義者はかれらが讎かへさるるを見てよろこび その足をあしきものの血のなかにてあらはん

かくて人はいふべし實にただしきものに報賞あり實にさばきをほどこしたまふ神はましますなりと

第59篇

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サウル、ダビデを殺さんとし人をおくりてその家をうかがはしめし時ダビデがよみて「ほろぼすなかれ」といふ調にあはせて伶長にうたはしめたるミクタムの歌

わが神よねがはくは我をわが仇よりたすけいだし われを高處におきて我にさからひ起立つものより脱かれしめたまへ

邪曲をおこなふものより我をたすけいだし血をながす人より我をすくひたまへ

視よかれらは潜みかくれてわが霊魂をうかがひ猛者むれつどひて我をせむ ヱホバよ此はわれに愆あるにあらず われに罪あるにあらず

かれら趨りまはりて過失なきに我をそこなはんとて備をなす ねがはくは我をたすくるために目をさまして見たまへ

なんぢヱホバ萬軍の神イスラエルの神よ ねがはくは目をさましてもろもろの國にのぞみたまへ あしき罪人にあはれみを加へたまふなかれセラ

かれらは夕にかへりきたり犬のごとくほえて邑をへありく

視よかれらは口より惡をはく そのくちびるに劍あり かれらおもへらく誰ありてこの言をきかんやと

されどヱホバよ汝はかれらをわらひ もろもろの國をあざわらひたまはん

わが力よわれ汝をまちのぞまん 神はわがたかき櫓なり

憐憫をたまふ神はわれを迎へたまはん 神はわが仇につきての願望をわれに見させたまはん

願くはかれらを殺したまふなかれ わが民つひに忘れやはせん 主われらの盾よ 大能をもてかれらを散し また卑したまへ

かれらがくちびるの言はその口のつみなり かれらは詛と虚偽とをいひいづるによりてその傲慢のためにとらへられしめたまへ

忿恚をもてかれらをほろぼしたまへ 再びながらふることなきまでに彼等をほろぼしたまヘ ヤコブのなかに神いまして統治めたまふことをかれらに知しめて地の極にまでおよぼしたまヘセラ

かれらは夕にかへりきたり犬のごとくほえて邑をへありくべし

かれらはゆききして食物をあさり もし飽ことなくば終夜とどまれり

されど我はなんぢの大能をうたひ清晨にこゑをあげてなんぢの憐憫をうたひまつらん なんぢわが迫りくるしみたる日にたかき櫓となり わが避所となりたまひたればなり

わがちからよ我なんぢにむかひて頌辭をうたひまつらん 神はわがたかき櫓われにあはれみをたまふ神なればなり

第60篇

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ダビデ、ナハライムのアラムおよびゾバのアラムとたたかひをりしがヨアブかへりゆき塩谷にてエドム人一萬二千をころししとき教訓をなさんとてダビデがよみて「證詞の百合花」といふ調にあはせて伶長にうたはしめたるミクタムの歌

神よなんぢわれらを棄われらをちらし給へり なんぢは憤ほりたまへり ねがはくは再びわれらを歸したまへ

なんぢ國をふるはせてこれを裂たまへり ねがはくはその多くの隙をおぎなひたまへ そは國ゆりうごくなり

なんぢはその民にたへがたきことをしめし 人をよろめかする酒をわれらに飮しめ給へり

なんぢ眞理のために挙しめんとて汝をおそるるものに一つの旗をあたへたまへりセラ

ねがはくは右の手をもて救をほどこし われらに答をなして愛しみたまふものに助をえしめたまへ

神はその聖をもていひたまへり われ甚くよろこばん われシケムをわかちスコテの谷をはからん

ギレアデはわがもの マナセはわが有なり エフライムも亦わが首のまもりなり ユダはわが杖

モアブはわが足盥なり エドムにはわが履をなげん ベリシテよわが故によりて聲をあげよと

たれかわれを堅固なる邑にすすましめんや 誰かわれをみちびきてエドムにゆきたるか

神よなんぢはわれらを棄たまひしにあらずや 神よなんぢはわれらの軍とともにいでゆきたまはず

ねがはくは助をわれにあたへて敵にむかはしめたまへ 人のたすけは空しければなり

われらは神によりて勇しくはたらかん われらの敵をみたまふものは神なればなり

第61篇

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琴にあはせて伶長にうたはしめたるダビデのうた

ああ神よねがはくはわが哭聲をききたまへ わが祈にみこころをとめたまへ

わが心くづほるるとき地のはてより汝をよばん なんぢ我をみちびきてわが及びがたきほどの高き磐にのぼらせたまへ

なんぢはわが避所われを仇よりのがれしむる堅固なる櫓なればなり

われ永遠になんぢの帷幄にすまはん我なんぢの翼の下にのがれんセラ

神よなんぢはわがもろもろの誓をきき名をおそるるものにたまふ嗣業をわれにあたへたまへり

なんぢは王の生命をのばし その年を幾代にもいたらせたまはん

王はとこしへに神のみまへにとどまらん ねがはくは仁慈と眞實とをそなへて彼をまもりたまへ

さらば我とこしへに名をほめうたひて日ごとにわがもろもろの誓をつくのひ果さん

第62篇

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エドトンの體にしたがひて伶長にうたはしめたるダビデのうた

わがたましひは黙してただ神をまつ わがすくひは神よりいづるなり

神こそはわが磐わがすくひなれ またわが高き櫓にしあれば我いたくは動かされじ

なんぢらは何のときまで人におしせまるや なんぢら相共にかたぶける石垣のごとく揺ぎうごける籬のごとくに人をたふさんとするか

かれらは人をたふとき位よりおとさんとのみ謀り いつはりをよろこびまたその口にてはいはひその心にてはのろふセラ

わがたましひよ黙してただ神をまて そはわがのぞみは神よりいづ

神こそはわが磐わがすくひなれ 又わがたかき櫓にしあれば我はうごかされじ

わが救とわが榮とは神にあり わがちからの磐わがさけどころは神にあり

民よいかなる時にも神によりたのめ その前になんぢらの心をそそぎいだせ 神はわれらの避所なりセラ

實にひくき人はむなしくたかき人はいつはりなり すべてかれらを權衡におかば上にあがりて虚しきものよりも軽きなり

暴虐をもて恃とするなかれ 掠奪ふをもてほこるなかれ 富のましくははる時はこれに心をかくるなかれ

ちからは神にあり神ひとたび之をのたまへり われ二次これをきけり

ああ主よあはれみも亦なんぢにあり なんぢは人おのおのの作にしたがひて報をなしたまへばなり

第63篇

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ユダの野にありしときに詠るダビデのうた

ああ神よなんぢはわが神なり われ切になんぢをたづねもとむ 水なき燥きおとろへたる地にあるごとくわが霊魂はかわきて汝をのぞみ わが肉體はなんぢを戀したふ

曩にも我かくのごとく大權と榮光とをみんことをねがひ聖所にありて目をなんぢより離れしめざりき

なんぢの仁慈はいのちにも勝れるゆゑにわが口唇はなんぢを讃まつらん

斯われはわが生るあひだ汝をいはひ名によりてわが手をあげん

われ床にありて汝をおもひいで夜の更るままになんぢを深くおもはん時 わがたましひは髓と脂とにて饗さるるごとく飽ことをえ わが口はよろこびの口唇をもてなんぢを讃たたへん

そはなんぢわが助となりたまひたれば 我なんぢの翼のかげに入てよろこびたのしまん

わがたましひはなんぢを慕追ふ みぎの手はわれを支ふるなり

然どわがたましひを滅さんとて尋ねもとむるものは地のふかきところにゆき

又つるぎの刃にわたされ野犬の獲るところとなるべし

しかれども王は神をよろこばん 神によりて誓をたつるものはみな誇ることをえん 虚偽をいふものの口はふさがるべければなり

第64篇

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伶長にうたはしめたるダビデのうた

神よわがなげくときわが聲をききたまへ わが生命をまもりて仇のおそれより脱かれしめたまへ

ねがはくは汝われをかくして惡をなすものの陰かなる謀略よりまぬかれしめ不義をおこなふものの喧嘩よりまぬかれしめ給へ

かれらは劍のごとくおのが舌をとぎ その弓をはり矢をつがへるごとく苦言をはなち

隠れたるところにて全者を射んとす俄かにこれを射ておそるることなし

また彼此にあしき企圖をはげまし共にはかりてひそかに羂をまうく 斯ていふ誰かわれらを見んと

かれらはさまざまの不義をたづねいだして云われらは懇ろにたづね終れりと おのおのの衷のおもひと心とはふかし

然はあれど神は矢にてかれらを射たまふべし かれらは俄かに傷をうけん

斯てかれらの舌は其身にさからふがゆゑに遂にかれらは蹟かん これを見るものみな逃れさるべし

もろもろの人はおそれん而して神のみわざをのべつたへ その作たまへることを考ふべし

義者はヱホバをよろこびて之によりたのまん すべて心のなほきものは皆ほこることを得ん

第65篇

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伶長にうたはしめたる歌ダビデの讃美なり

ああ神よさんびはシオンにて汝をまつ 人はみまへにて誓をはたさん

祈をききたまふものよ諸人こぞりて汝にきたらん

不義のことば我にかてり なんぢ我儕のもろもろの愆をきよめたまはん

汝にえらばれ汝にちかづけられて大庭にすまふ者はさいはひなり われらはなんぢの家なんぢの宮のきよき處のめぐみにて飽ことをえん

われらが救のかみよ 地と海とのもろもろの極なるきはめて遠ものの恃とするなんぢは公義によりて畏るべきことをもて我儕にこたへたまはん

かみは大能をおび その權力によりてもろもろの山をかたくたたしめ

海のひびき狂瀾のひびき もろもろの民のかしがましきを鎮めたまへり

されば極遠にすめる人々もなんぢのくさぐさの豫兆をみておそる なんぢ朝夕のいづる處をよろこび謳はしめたまふ

なんぢ地にのぞみて漑そぎおほいに之をゆたかにしたまへり 神のかはに水みちたり なんぢ如此そなへをなして穀物をかれらにあたへたまへり

なんぢ畎をおほいにうるほし畝をたひらにし白雨にてこれをやはらかにし その萌芽るを祝し

また恩惠をもて年の冕弁としたまへり なんぢの途には膏したたれり

その恩滴は野の牧場をうるほし小山はみな歓びにかこまる

牧場はみな羊のむれを衣もろもろの谷は穀物におほはれたり かれらは皆よろこびてよばはりまた謳ふ

第66篇

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伶長にうたはしめたる讃美なり 歌なり

全地よ神にむかひて歓びよばはれ

その名の榮光をうたへその頌美をさかえしめよ

かみに告まつれ 汝のもろもろの功用はおそるべきかな大なる力によりてなんぢの仇はなんぢに畏れしたがひ

全地はなんぢを拝みてうたひ名をほめうたはんとセラ

來りて神のみわざをみよ 人の子輩にむかひて作たまふことはおそるべきかな

神はうみをかへて乾ける地となしたまへり ひとびと歩行にて河をわたりき その處にてわれらは神をよろこべり

神はその大能をもてとこしへに統治め その目は諸國をみたまふ そむく者みづからを崇むべからずセラ

もろもろの民よ われらの神をほめまつれ神をほめたたふる聲をきこえしめよ

神はわれらの霊魂をながらへしめ われらの足のうごかさるることをゆるしたまはず

神よなんぢはわれらを試みて白銀をねるごとくにわれらを錬たまひたればなり

汝われらを網にひきいれ われらの腰におもき荷をおき

人々をわれらの首のうへに騎こえしめたまひき われらは火のなか水のなかをすぎゆけり されど汝その中よりわれらをひきいたし豊盛なる處にいたらしめたまへり

われ燔祭をもてなんぢの家にゆかん 迫りくるしみたるときにわが口唇のいひいでわが口ののべし誓をなんぢに償はん

われ肥たるものを燔祭とし牡羊を馨香として汝にささげ牡牛と牡山羊とをそなへまつらんセラ

神をおそるる人よ みな來りてきけ われ神のわがたましひのために作たまへることをのべん

われわが口をもて神によばはり また舌をもてあがむ

然るにわが心にしれる不義あらば主はわれにききたまふまじ

されどまことに神はききたまへり聖意をわがいのりの聲にとめたまへり

神はほむべきかな わが祈をしりぞけず その憐憫をわれよりとりのぞきたまはざりき

第67篇

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琴にあはせて伶長にうたはしめたる歌なり 讃美なり

ねがはくは神われらをあはれみ われらをさきはひてその聖顔をわれらのうへに照したまはんことをセラ

此はなんぢの途のあまねく地にしられ なんぢの救のもろもろの國のうちに知れんがためなり

かみよ庶民はなんぢに感謝し もろもろの民はみな汝をほめたたへん

もろもろの國はたのしみ又よろこびうたふべし なんぢ直をもて庶民をさばき地のうへなる萬の國ををさめたまべければなりセラ

神よたみらはなんぢに感謝し もろもろの民はみな汝をほめたたへん

地は産物をいだせり 神わが神はわれらを福ひたまはん

神われらをさきはひたまふべし かくて地のもろもろの極ことごとく神をおそれん

第68篇

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伶長にうたはしめたるダビデのうたなり 讃美なり

ねがはくは神おきたまへ その仇はことごとくちり 神をにくむものは前よりにげさらんことを

烟のおひやらるるごとくかれらを驅逐たまへ 惡きものは火のまへに蝋のとくるごとく 神のみまへにてほろぶべし

されど義きものには歓喜あり かれら神の前にてよろこびをどらん實にたのしみて喜ばん

神のみまへにうたへ その名をほめたたへよ 乗て野をすぐる者のために大道をきづけ かれの名をヤハとよぶ その前によろこびをどれ

きよき住居にまします神はみなしごの父やもめの審士なり

神はよるべなきものを家族の中にをらしめ囚人をとき福祉にみちびきたまふ されど悖逆者はうるほひなき地にすめり

神よなんぢは民にさきだちいでて野をすすみゆきたまひきセラ

そのとき地ふるひ天かみのみまへに漏る シナイの山すら神イスラエルの神の前にふるひうごけり

神よなんぢの嗣業の地のつかれおとろへたるとき豊かなる雨をふらせて之をかたくしたまへり

曩になんぢの公會はその中にとどまれり 神よなんぢは惠をもて貧きもののために預備をなしたまひき

主みことばを賜ふ その佳音をのぶる婦女はおほくして群をなせり

もろもろの軍旅の王たちはにげさる 逃去りたれば家なる婦女はその掠物をわかつ

なんぢら羊の牢のうちにふすときは鴿のつばさの白銀におほはれその毛の黄金におほはるるがごとし

全能者かしこにて列王をちらし給へるときはサルモンの山に雪ふりたるがごとくなりき

バシャンのやまは神の山なりバシャンのやまは峰かさなれる山なり

峰かさなれるもろもろの山よ なんぢら何なれば神の住所にえらびたまへる山をねたみ見るや 然れヱホバは永遠にこの山にすみたまはん

神の戰車はよろづに萬をかさね千にちぢをくはふ 主その中にいませり 聖所にいますがごとくシナイの山にいまししがごとし

なんぢ高處にのぼり虜者をとりこにしてひきゐ禮物を人のなかよりも叛逆者のなかよりも受たまへり ヤハの神ここに住たまはんが爲なり

日々にわれらの荷をおひたまふ主われらのすくひの神はほむべきかなセラ

神はしばしばわれらを助けたまへる神なり 死よりのがれうるは主ヱホバに由る

神はその仇のかうべを撃やぶりたまはん 愆のなかにとどまるものの髪おほき顱頂をうちやぶりたまはん

主いへらく我バシャンよりかれらを携へかへり海のふかき所よりたづさへ歸らん

斯てなんぢの足をそのあたの血にひたし之をなんぢの犬の舌になめしめん

神よすべての人はなんぢの進行きたまふをみたり わが神わが王の聖所にすすみゆきたまふを見たり

鼗うつ童女のなかにありて謳ふものは前にゆき琴ひくものは後にしたがへり

なんぢらすべての會にて神をほめよイスラエルのみなもとより出るなんぢらよ 主をほめまつれ

彼處にかれらを統るとしわかきベニヤミンあり ユダの諸侯とその群衆とありまたゼブルンのきみたちナフタリの諸侯あり

なんぢの神はなんぢの力をたてたまへり 神よなんぢ我儕のためになしたまひし事をかたくしたまヘ

ヱルサレムなるなんぢの宮のために列王なんぢに禮物をささげん

ねがはくは葦間の獣むらがれる牯犢のごときもろもろの民をいましめてかれらに白銀をたづさへきたり みづから服ふことを爲しめたまへ 神はたたかひを好むもろもろの民をちらしたまへり

諸侯はエジプトよりきたり エテオピアはあわただしく神にむかひて手をのべん

地のもろもろのくによ神のまへにうたへ主をほめうたヘセラ

上古よりの天の天にのりたま者にむかひてうたへ みよ主はみこゑを發したまふ勢力ある聲をいだしたまふ

なんぢらちからを神に歸せよその稜威はイスラエルの上にとどまり その大能は雲のなかにあり

神のおそるべき状はきよき所よりあらはる イスラエルの神はその民にちからと勢力とをあたへたまふ 神はほむべきかな

第69篇

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百合花にあはせて伶長にうたはしめたるダビデのうた

神よねがはくは我をすくひたまへ 大水ながれきたりて我がたましひにまでおよべり

われ立止なきふかき泥の中にしづめり われ深水におちいるおほみづわが上をあふれすぐ

われ歎息によりてつかれたり わが喉はかわき わが目はわが神をまちわびておとろへぬ

故なくしてわれをにくむ者わがかしらの髪よりもおほく謂なくしてわが仇となり我をほろぼさんとするものの勢力つよし われ掠めざりしものをも償はせらる

神よなんぢはわが愚なるをしりたまふ わがもろもろの罪はなんぢにかくれざるなり

萬軍のヱホバ主よ ねがはくは汝をまちのぞむ者をわが故によりて辱かしめらるることなからしめたまヘ イスラエルの神よねがはくはなんぢを求むる者をわが故によりて恥をおはしめらるることなからしめたまへ

我はなんぢのために謗をおひ恥はわが面をおほひたればなり

われわが兄弟には旅人のごとく わが母の子には外人のごとくなれり

そはなんぢの家をおもふ熱心われをくらひ汝をそしるものの謗われにおよべり

われ涙をながして食をたち わが霊魂をなげかすれば反てこれによりて謗をうく

われ麁布をころもとなししにかれらが諺語となりぬ

門にすわる者はわがうへをかたる われは酔狂たるものに謳ひはやされたり

然はあれどヱホバよわれは惠のときに汝にいのる ねがはくは神よなんぢの憐憫のおほきによりて汝のすくひの眞實をもて我にこたへたまへ

ねがはくは泥のなかより我をたすけいだして沈ざらしめたまへ 我をにくむものより深水よりたすけいだしたまへ

大水われを淹ふことなく淵われをのむことなく坑その口をわがうへに閉ることなからしめたまヘ

ヱホバよねがはくは我にこたへたまへ なんぢの仁慈うるはしければなり なんぢの憐憫はおほしわれに歸りきたりたまへ

面をなんぢの僕にかくしたまふなかれ われ迫りくるしめり ねがはくは速かに我にこたへたまへ

わがたましひに近くよりて之をあがなひわが仇のゆゑに我をすくひたまへ

汝はわがうくる謗とはぢと侮辱とをしりたまへり わが敵はみな汝のみまへにあり

譭謗わが心をくだきぬれば我いたくわづらへり われ憐憫をあたふる者をまちたれど一人だになく慰むるものを俟たれど一人をもみざりき

かれら苦草をわがくひものにあたへ わが渇けるときに醋をのませたり

ねがはくは彼等のまへなる筵は網となり そのたのむ安逸はつひに羂となれ

その目をくらくして見しめず その腰をつねにふるはしめたまへ

願くはなんぢの忿恚をかれらのうへにそそぎ汝のいかりの猛烈をかれらに追及せたまへ

かれらの屋をむなしくせよ その幕屋に人をすまはするなかれ

かれらはなんぢが撃たまひたる者をせめ なんぢが傷けたまひたるものの痛をかたりふるればなり

ねがはくはれらの不義に不義をくはへてなんぢの義にあづからせ給ふなかれ

かれらを生命の册よりけして義きものとともに記さるることなからしめたまへ

斯てわれはくるしみ且うれひあり 神よねがはくはなんぢの救われを高處におかんことを

われ歌をもて神の名をほめたたへ 感謝をもて神をあがめまつらん

此はをうしまたは角と蹄とある力つよき牡牛にまさりてヱホバよろこびたまはん

謙遜者はこれを見てよろこべり 神をしたふ者よなんぢらの心はいくべし

ヱホバは乏しきものの聲をきき その俘囚をかろしめたまはざればなり

天地はヱホバをほめ蒼海とその中にうごくあらゆるものとはヱホバを讃まつるべし

神はシオンをすくひユダのもろもろの邑を建たまふべければなり かれらは其處にすみ且これをおのが有とせん

その僕のすゑも亦これを嗣その名をいつくしむ者その中にすまん

第70篇

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伶長にうたはしめたるダビデが記念のうた

神よねがはくは我をすくひたまヘ ヱホバよ速きたりて我をたすけたまへ

わが霊魂をたづぬるものの恥あわてんことを わが害はるるをよろこぶものの後にしりぞきて恥をおはんことを

ああ視よや視よやといふもののおのが恥によりて後にしりぞかんことを

すべて汝をたづねもとむる者のなんぢによりて樂みよろこばんことを なんぢの救をしたふもののつねに神は大なるかなととなへんことを

われは苦しみ且ともし神よいそぎて我にきたりたまへ 汝はわが助われを救ふものなり ヱホバよねがはくは猶豫たまふなかれ

第71篇

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ヱホバよ我なんぢに依頼む ねがはくは何の日までも恥うくることなからしめ給へ

なんぢの義をもて我をたすけ我をまぬかれしめたまへ なんぢの耳をわれに傾けて我をすくひたまへ

ねがはくは汝わがすまひの磐となりたまへ われ恒にそのところに往ことを得ん なんぢ我をすくはんとて勅命をいだしたまへり そは汝はわが磐わが城なり

わが神よあしきものの手より不義殘忍なる人のてより 我をまぬかれしめたまへ

主ヱホバよなんぢはわが望なり わが幼少よりの恃なり

われ胎をはなるるより汝にまもられ母の腹にありしときより汝にめぐまれたり 我つねに汝をほめたたへん

我おほくの人にあやしまるるごとき者となれり 然どなんぢはわが堅固なる避所なり

なんぢの頌辭となんぢの頌美とは終日わが口にみちん

わが年老ぬるとき我をすてたまふなかれ わが力おとろふるとき我をはなれたまなかれ

わが仇はわがことを論ひ ひわが霊魂をうかがふ者はたがひに議ていふ

神かれを離れたり彼をたすくる者なし かれを追てとらへよと

神よわれに遠ざかりたまふなかれ わが神よとく來りて我をたすけたまへ

わがたましひの敵ははぢ且おとろへ我をそこなはんとするものは謗と辱とにおほはれよ

されど我はたえず望をいだきていやますます汝をほめたたへん

わが口はひねもす汝の義となんぢの救とをかたらん われその數をしらざればなり

われは主ヱホバの大能の事跡をたづさへゆかん われは只なんぢの義のみをかたらん

神よなんぢわれを幼少より教へたまへり われ今にいたるまで汝のくすしき事跡をのべつたへたり

神よねがはくはわれ老て頭髪しろくなるとも我がなんぢの力を次代にのべつたへ なんぢの大能を世にうまれいづる凡のものに宣傳ふるまで我をはなれ給ふなかれ

神よなんぢの義もまた甚たかし なんぢは大なることをなしたまへり 神よたれか汝にひとしき者あらんや

汝われらを多のおもき苦難にあはせたまへり なんぢ再びわれらを活しわれらを地の深所よりあげたまはん

ねがはくは我をいよいよ大ならしめ歸りきたりて我をなぐさめ給へ

わが神よさらばわれ筝をもて汝をほめ なんぢの眞實をほめたたへん イスラエルの聖者よわれ琴をもてなんぢを讃うたはん

われ聖前にうたときわが口唇よろこびなんぢの贖ひたまへるわが霊魂おほいに喜ばん

わが舌もまた終日なんぢの義をかたらん われを害はんとするもの愧惶つればなり

第72篇

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ソロモンのうた

神よねがはくは汝のもろもろの審判を王にあたへ なんぢの義をわうの子にあたへたまへ

かれは義をもてなんぢの民をさばき公平をもて苦しむものを鞫かん

義によりて山と岡とは民に平康をあたふべし

かれは民のくるしむ者のために審判をなし乏しきものの子輩をすくひ虐ぐるものを壞きたまはん

かれらは日と月とのあらんかぎり世々おしなべて汝をおそるべし

かれは苅とれる牧にふる雨のごとく地をうるほす白雨のごとくのぞまん

かれの世にただしき者はさかえ平和は月のうするまで豊かならん

またその政治は海より海にいたり河より地のはてにおよぶべし

野にをる者はそのまへに屈み そり仇は塵をなめん

タルシシおよび島々の王たちは貢ををさめ シバとセバの王たちは禮物をささげん

もろもろの王はそのまへに俯伏し もろもろの國はかれにつかへん

かれは乏しき者をその叫ぶときにすくひ 助けなき苦しむ者をたすけ

弱きものと乏しき者とをあはれみ乏しきものの霊魂をすくひ

かれらのたましひを暴虐と強暴とよりあがなひたまふ その血はみまへに貴かるべし

かれらは存ふべし 人はシバの黄金をささげてかれのために恒にいのり終日かれをいははん

國のうち五穀ゆたかにしてその實はレバノンのごとく山のいただきにそよぎ 邑の人々は地の草のごとく榮ゆべし

かれの名はつねにたえず かれの名は日の久しきごとくに絶ることなし 人はかれによりて福祉をえん もろもろの國はかれをさいはひなる者ととなへん

ただイスラエルの神のみ奇しき事跡をなしたまへり 神ヱホバはほむべきかな

その榮光の名はよよにほむべきかな全地はその榮光にて滿べしアーメン アーメン

ヱッサイの子ダビデの祈はをはりぬ

第73篇

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アサフのうた

神はイスラエルにむかひ心のきよきものに對ひてまことに惠あり

然はあれどわれはわが足つまづくばかりわが歩すべるばかりにてありき

こはわれ惡きものの榮ゆるを見てその誇れる者をねたみしによる

かれらは死るに苦しみなくそのちからは反てかたし

かれらは人のごとく憂にをらず人のごとく患難にあふことなし

このゆゑに傲慢は妝飾のごとくその頸をめぐり強暴はころものごとく彼等をおほへり

かれら肥ふとりてその目とびいで心の欲にまさりて物をうるなり

また嘲笑をなし惡をもて暴虐のことばをいだし高ぶりてものいふ

その口を天におきその舌を地にあまねく往しむ

このゆゑにかれの民はここにかへり水のみちたる杯をしぼりいだして

いへらく神いかで知たまはんや至上者に知識あらんやと

視よかれらは惡きものなるに常にやすらかにしてその富ましくははれり

誠に我はいたづらに心をきよめ罪ををかさずして手をあらひたり

そはわれ終日なやみにあひ朝ごとに責をうけしなり

われもし斯ることを述んといひしならば我なんぢが子輩の代をあやまらせしならん

われこれらの道理をしらんとして思ひめぐらししにわが眼いたく痛たり

われ神の聖所にゆきてかれらの結局をふかく思へるまでは然りき

誠になんぢはかれらを滑かなるところにおきかれらを滅亡におとしいれ給ふ

かれらは瞬間にやぶれたるかな彼等は恐怖をもてことごとく滅びたり

主よなんぢ目をさましてかれらが像をかろしめたまはんときは夢みし人の目さめたるがごとし

わが心はうれへ わが腎はさされたり

われおろかにして知覺なし聖前にありて獣にひとしかりき

されど我つねになんぢとともにあり汝わが右手をたもちたまへり

なんぢその訓諭をもて我をみちびき後またわれをうけて榮光のうちに入たまはん

汝のほかに我たれをか天にもたん地にはなんぢの他にわが慕ふものなし

わが身とわが心とはおとろふ されど神はわがこころの磐わがとこしへの嗣業なり

視よなんぢに遠きものは滅びん 汝をはなれて姦淫をおこなふ者はみななんぢ之をほろぼしたまひたり

神にちかづき奉るは我によきことなり われは主ヱホバを避所としてそのもろもろの事跡をのべつたへん

第74篇

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アサフの敎訓のうた

神よいかなれば汝われらをかぎりなく棄たまひしや 奈何ばなんぢの草苑の羊にみかいかりの煙あがれるや

ねがはくは往昔なんぢが買求めたまへる公會ゆづりの支派となさんとて贖ひたまへるものを思ひいでたまへ又なんぢが住たまふシオンの山をおもひいで給へ

とこしへの滅亡の跡にみあしを向たまへ仇は聖所にてもろもろの惡きわざをおこなへり

なんぢの敵はなんぢの集のなかに吼たけびおのが旗をたてて誌とせり

かれらは林のしげみにて斧をあぐる人の状にみゆ

いま鉞と鎚とをもて聖所のなかなる彫刻めるものをことごとく毀ちおとせり

かれらはなんぢの聖所に火をかけ名の居所をけがして地におとしたり

かれら心のうちにいふ われらことごとく之をこぼちあらさんと かくて國内なる神のもろもろの會堂をやきつくせり

われらの誌はみえず預言者も今はなし 斯ていくその時をかふべき われらのうちに知るものなし

神よ敵はいくその時をふるまでそしるや 仇はなんぢの名をとこしへに汚すならんか

いかなれば汝その手みぎの手をひきたまふや ねがはくは手をふところよりいだしてかれらを滅したまへ

神はいにしへよりわが王なり すくひを世の中におこなひたまへり

なんぢその力をもて海をわかち水のなかなる龍の首をくだき

鰐のかうべをうちくだき野にすめる民にあたへて食となしたまへり

なんぢは泉と水流とをひらき又もろもろの大河をからしたまへり

晝はなんぢのもの夜も又汝のものなり なんぢは光と日とをそなへ

あまねく地のもろもろの界をたて夏と冬とをつくりたまへり

ヱホバよ仇はなんぢをそしり愚かなる民はなんぢの名をけがせり この事をおもひいでたまへ

願くはなんぢの鴿のたましひを野のあらき獣にわたしたまふなかれ 苦しむものに命をとこしへに忘れたまふなかれ

契約をかへりみたまへ地のくらきところは強暴の宅にて充たればなり

ねがはくは虐げらるるものを慚退かしめ給ふなかれ 惱るものと苦しむものとに聖名をほめたたへしめたまへ

神よおきてなんぢの訟をあげつらひ愚かなるものの終日なんぢを謗れるをみこころに記たまへ

なんぢの敵の聲をわすれたまふなかれ 汝にさからひて起りたつ者のかしがましき聲はたえずあがれり

第75篇

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「滅すなかれ」といふ調にあはせて伶長にうたはしめたるアサフの歌なり讃美なり

神よわれら汝にかんしやす われら感謝すなんぢの名はちかく坐せばなり もろもろの人はなんぢの奇しき事跡をかたりあへり

定りたる期いたらば我なほき審判をなさん

地とすべての之にすむものと消去しとき我そのもろもろの柱をたてたりセラ

われ誇れるものに誇りかにおこなふなかれといひ 惡きものに角をあぐるなかれといへり

なんぢらの角をたかく擧るなかれ頸をかたくして高りいふなかれ

擧ることは東よりにあらず西よりにあらずまた南よりにもあらざるなり

ただ神のみ審士にましませば此をさげ彼をあげたまふ

ヱホバの手にさかづきありて酒あわだてり その中にものまじりてみつ 神これをそそぎいだせり 誠にその滓は地のすべてのあしき者しぼりて飮むべし

されど我はヤコブの神をのべつたへん とこしへに讃うたはん

われ惡きもののすべての角をきりはなたん 義きものの角はあげらるべし

第76篇

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琴にあはせて伶長にうたはしめたるアサフの歌なり讃美なり

神はユダにしられたまへり その名はイスラエルに大なり

またサレムの中にその幕屋あり その居所はシオンにあり

彼所にてかれは弓の火矢ををり盾と劍と戰陣とをやぶりたまひきセラ

なんぢ榮光あり掠めうばふ山よりもたふとし

心のつよきものは掠めらる かれらは睡にしづみ勇ましきものは皆その手を見うしなへり

ヤコブの神よなんぢの叱咤によりて戰車と馬とともに深睡につけり

神よなんぢこそ懼るべきものなれ 一たび怒りたまふときは誰かみまへに立えんや

なんぢ天より宣告をのりたまへり 地のへりくだる者をみなすくはんとて神のさばきに立たまへるとき地はおそれて默したりセラ

實に人のいかりは汝をほむべし 怒のあまりは汝おのれの帶としたまはん

なんぢの神ヱホバにちかひをたてて償へ そのまはりなるすべての者はおそるべきヱホバに禮物をささぐべし

ヱホバはもろもろの諸侯のたましひを絶たまはん ヱホバは地の王たちのおそるべき者なり

第77篇

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エドトンの體にしたがひて伶長にうたはしめたるアサフのうた

我わがこゑをあげて神によばはん われ聲を神にあげなばその耳をわれにかたぶけたまはん

わがなやみの日にわれ主をたづねまつれり 夜わが手をのべてゆるむることなかりき わがたましひは慰めらるるをいなみたり

われ神をおもひいでて打なやむ われ思ひなげきてわが霊魂おとろへぬセラ

なんぢはわが眼をささへて閉がしめたまはず 我はものいふこと能はぬほどに惱みたり

われむかしの日いにしへの年をおもへり

われ夜わが歌をむもひいづ 我わが心にてふかくおもひわが霊魂はねもころに尋ねもとむ

主はとこしへに棄たまふや 再びめぐみを垂たまはざるや

その憐憫はのこりなく永遠にさり そのちかひは世々ながく廢れたるや

神は恩をほどこすことを忘れたまふや 怒をもてそのあはれみを絨たまふやセラ

斯るときに我いへらく此はただわが弱きがゆゑのみいで至上者のみぎの手のもろもろの年をおもひいでん

われヤハの作爲をのべとなへん われ往古よりありし汝がくすしきみわざを思ひいたさん

また我なんぢのすべての作爲をおもひいで汝のなしたまへることを深くおもはん

神よなんぢの途はいときよし 神のごとく大なる神はたれぞや

なんぢは奇きみわざをなしたまへる神なり もろもろの民のあひだにその大能をしめし

その臂をもてヤコブ、ヨセフの子輩なんぢの民をあがなひたまへりセラ

かみよ大水なんぢを見たり おほみづ汝をみてをののき淵もまたふるへり

雲はみづをそそぎいだし空はひびきをいだし なんぢの矢ははしりいでたり

なんぢの雷鳴のこゑは暴風のうちにありき 電光は世をてらし地はふるひうごけり

なんぢの大道は海のなかにあり なんぢの徑はおほみづの中にあり なんぢの蹤跡はたづねがたかりき

なんぢその民をモーセとアロンとの手によりて羊の群のごとくみちびきたまへり

第78篇

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アサフの敎訓のうた

わが民よわが敎訓をきき、わが口のことばになんぢらの耳をかたぶけよ

われ口をひらきて譬喩をまうけ いにしへの玄幽なる語をかたりいでん

是われらが曩にききしところ知しところ又われらが列祖のかたりつたへし所なり

われら之をその子孫にかくさずヱホバのもろもろの頌美と能力とそのなしたまへる奇しき事跡とをきたらんとする世につげん

そはヱホバ證詞をヤコブのうちにたて律法をイスラエルのうちに定めてその子孫にしらすべきことをわれらの列祖におほせたまひたればなり

これ來らんとする代のちに生るる子孫がこれを知みづから起りてそのまた子孫につたへ

かれらをして神によりたのみ神のみわざを忘れずその誡命をまもらしめん爲なり

またその列祖のごとく頑固にしてそむくものの類となり そのこころ修まらず そのたましひ神に忠ならざる類とならざらん爲なり

エフライムのこらは武具ととのへ弓をたづさへしに戰ひの日にうしろをそむけたり

かれら神のちかひをまもらず そのおきてを履ことをいなみ

ヱホバのなしたまへることとかれらに示したまへる奇しき事跡とをわすれたり

神はエジプトの國にてゾアンの野にて妙なる事をかれらの列祖のまへになしたまへり

すなはち海をさきてかれらを過ぎしめ水をつみて堆かくしたまへり

ひるは雲をもてかれらをみちびき夜はよもすがら火の光をもてこれを導きたまへり

神はあれのにて磐をさき大なる淵より汲がごとくにかれらに飮しめ

また磐より流をひきて河のごとくに水をながれしめたまへり

然るにかれら尚たえまなく罪ををかして神にさからひ荒野にて至上者にそむき

またおのが慾のために食をもとめてその心のうちに神をこころみたり

然のみならずかれらは神にさからひていへり 神は荒野にて筵をまうけたまふを得んや

みよ神いはを撃たまへば水ほどばしりいで流あぶれたり 糧をもあたへたまふを得んや神はその民のために肉をそなへたまはんやと

この故にヱホバこれを聞ていきどほりたまひき 火はヤコブにむかひてもえあがり怒はイスラエルにむかひて立騰れり

こはかれら神を信ぜずその救にたのまざりし故なり

されどなほ神はうへなる雲に命じて天の戸をひらき

彼等のうへにマナをふらせて食はしめ天の穀物をあたへたまへり

人みな勇士の糧をくらへり 神はかれらに食物をおくりて飽足らしめたまふ

神は天に東風をふかせ大能もて南の風をみちびきたまへり

神はかれらのうへに塵のごとく肉をふらせ海の沙のごとく翼ある鳥をふらせて

その營のなかその住所のまはりに落したまへり

斯てかれらは食ひて飽たりぬ 神はこれにその欲みしものを與へたまへり

かれらが未だその慾をはなれず食物のなほ口のうちにあるほどに

神のいかり旣にかれらに對ひてたちのぼり彼等のうちにて最もこえたる者をころしイスラエルのわかき男をうちたふしたまへり

これらの事ありしかど彼等はなほ罪ををかしてその奇しきみわざを信ぜざりしかば

神はかれらの日を空しくすぐさせ その年をおそれつつ過させたまへり

神かれらを殺したまへる時かれら神をたづね歸りきたりて懇ろに神をもとめたり

かくて神はおのれの磐いとたかき神はおのれの贖主なることをおもひいでたり

然はあれど彼等はただその口をもて神にへつらひその舌をもて神にいつはりをいひたりしのみ

そはかれらのこころは神にむかひて堅からず その契約をまもるに忠信ならざりき

されど神はあはれみに充たまへばかれらの不義をゆるして亡したまはず屡ばそのみいかりを轉してことごとくは忿恚をふりおこし給はざりき

又かれがただ肉にして過去ばふたたび歸りこぬ風なるをおもひいで給へり

かれらは野にて神にそむき荒野にて神をうれへしめしこと幾次ぞや

かれらかへすがへす神をこころみイスラエルの聖者をはづかしめたり

かれらは神の手をも敵より贖ひたまひし日をもおもひいでざりき

神はそのもろもろの豫兆をエジプトにあらはしその奇しき事をゾアンの野にあらはし

かれらの河を血にかはらせてその流を飮あたはざらしめ

また蝿の群をおくりてかれらをくはしめ蛙をおくりてかれらを亡させたまへり

神はかれらの田產を蟊賊にわたし かれらの勤勞を蝗にあたへたまへり

神は雹をもてかれらの葡萄の樹をからし霜をもてかれらの桑の樹をからし

その家畜をへうにわたしその群をもゆる閃電にわたし

かれらの上にはげしき怒といきどほりと怨恨となやみと禍害のつかひの群とをなげいだし給へり

神はその怒をもらす道をまうけ かれらのたましひを死よりまぬかれしめず そのいのちを疫癘にわたし

エジプトにてすべての初子をうちハムの幕屋にてかれらの力の始をうちたまへり

されどおのれの民を羊のごとくに引いだし かれらを曠野にてけだものの群のごとくにみちびき

かれらをともなひておそれなく安けからしめ給へり されど海はかれらの仇をおほへり

神はその聖所のさかひ その右の手にて購たまへるこの山に彼らを携へたまへり

又かれらの前にてもろもろの國人をおもひいだし準縄をもちゐ その地をわかちて嗣業となし イスラエルの族をかれらの幕屋にすまはせたまへり

然はあれど彼等はいとたかき神をこころみ之にそむきてそのもろもろの證詞をまもらず

叛きしりぞきてその列祖の如く眞實をうしなひ くるへる弓のごとくひるがへりて逸ゆけり

高處をまうけて神のいきどほりをひき刻める像にて神の嫉妬をおこしたり

神ききたまひて甚だしくいかり大にイスラエルを憎みたまひしかば

人々の間におきたまひし幕屋なるシロのあげばりを棄さり

その力をとりことならしめ その榮光を敵の手にわたし

その民を劍にあたへ その嗣業にむかひて甚だしく怒りたまへり

火はかれらのわかき男をやきつくし かれらの處女はその婚姻の歌によりて譽らるることなく

かれらの祭司はつるぎにて仆れ かれらの寡婦は喪のなげきだにせざりき

斯るときに主はねぶりし者のさめしごとく勇士の酒によりてさけぶがごとく目さめたまひて

その敵をうちしりぞけ とこしへの辱をかれらに負せたまへり

またヨセフの幕屋をいなみエフライムの族をえらばず

ユダの族そのいつくしみたまふシオンの山をえらびたまへり

その聖所を山のごとく永遠にさだめたまへる地のごとくに立たまへり

またその僕ダビデをえらびて羊の牢のなかよりとり

乳をあたふる牝羊にしたがひゆく勤のうちより携へきたりてその民ヤコブその嗣業イスラエルを牧はせたまへり

斯てダビデはそのこころの完全にしたがひてかれらを牧ひ その手のたくみをもて之をみちびけり

第79篇

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アサフのうた

ああ神よもろもろの異邦人はなんぢの嗣業の地ををかし なんぢの聖宮をけがしヱルサレムをこぼちて礫堆となし

なんぢの僕のしかばねをそらの鳥に與へて餌となし なんぢの聖徒の肉を地のけものにあたへ

その血をヱルサレムのめぐりに水のごとく流したりされど之をはうむる人なし

われらは隣人にそしられ四周のひとびとに侮られ嘲けらるるものとなれり

ヱホバよ斯て幾何時をへたまふや 汝とこしへに怒たまふや なんぢのねたみは火のごとく燃るか

願くはなんぢを識ざることくにびと聖名をよばざるもろもろの國のうへに烈怒をそそぎたまへ

かれらはヤコブを呑その住處をあらしたればなり

われらにむかひて先祖のよこしまなるわざを記念したまふなかれ願くはなんぢの憐憫をもて速かにわれらを迎へたまへ われらは貶されて甚だしく卑くなりたればなり

われらのすくひの神よ名のえいくわうのために我儕をたすけ名のためにわれらを救ひ われらの罪をのぞきたまへ

いかなれば異邦人はいふ かれらの神はいづくにありやと 願くはなんぢの僕等がながされし血の報をわれらの目前になして異邦人にしらしめたまへ

ねがはくは汝のみまへにとらはれびとの嘆息のとどかんことを なんぢの大なる能力により死にさだめられし者をまもりて存へしめたまへ

主よわれらの隣人のなんぢをそしりたる謗を七倍ましてその懐にむくいかへしたまへ

然ばわれらなんぢの民なんぢの草苑のひつじは永遠になんぢに感謝しその頌辭を世々あらはさん

第80篇

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證詞の百合花といへる調にあはせて伶長にうたはしめたるアサフの歌

イスラエルの牧者よひつじの群のごとくヨセフを導きたまものよ 耳をかたぶけたまヘ ケルビムのうへに坐したまふものよ 光をはなちたまヘ

エフライム、ベニヤミン、マナセの前になんぢの力をふりおこし來りてわれらを救ひたまへ

神よふたたびわれらを復し なんぢの聖顔のひかりをてらしたまへ 然ばわれら救をえん

ばんぐんの神ヱホバよなんぢその民の祈にむかひて何のときまで怒りたまふや

汝かれらになみだの糧をくらはせ涙を量器にみちみつるほどあたへて飮しめ給へり

汝われらを隣人のあひあらそふ種料となしたまふ われらの仇はたがひにあざわらへり

萬軍の神よふたたびわれらを復したまへ 汝のみかほの光をてらしたまへ さらばわれら救をえん

なんぢ葡萄の樹をエジプトより携へいだしもろもろの國人をおひしりぞけて之をうゑたまへり

汝そのまへに地をまうけたまひしかば深く根して國にはびこれり

その影はもろもろの山をおほひ そのえだは神の香柏のごとくにてありき

その樹はえだを海にまでのべ その若枝を河にまでのべたり

汝いかなればその垣をくづして路ゆくすべての人に嫡取らせたまふや

はやしの猪はこれをあらし野のあらき獣はこれをくらふ

ああ萬軍の神よねがはくは歸りたまへ 天より俯視てこの葡萄の樹をかへりみ

なんぢが右の手にてうゑたまへるもの自己のために強くなしたまへる枝をまもりたまへ

その樹は火にて燒れまた斫たふさる かれらは聖顔のいかりにて亡ぶ

ねがはくはなんぢの手をその右の手の人のうへにおき自己のためにつよくなしたまへる人の子のうへにおきたまへ

さらばわれら汝をしりぞき離るることなからん 願くはわれらを活したまへ われら名をよばん

ああ萬軍の神ヱホバよふたたび我儕をかへしたまへ なんぢの聖顔のひかりを照したまへ 然ばわれら救をえん

第81篇

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ギテトの琴にあはせて伶長にうたはしめたるアサフのうた

われらの力なる神にむかひて高らかにうたひヤコブの神にむかひてよろこびの聲をあげよ

歌をうたひ鼓とよき音のことと筝とをもちきたれ

新月と滿月とわれらの節會の日とにラッパをふきならせ

これイスラエルの律法ヤコブのかみの格なり

神さきにエジプトを攻たまひしときヨセフのなかに之をたてて證となしたまへり 我かしこにて未だしらざりし方言をきけり

われかれの肩より重荷をのぞき かれの手を籃よりまぬかれしめたり

汝なやめるとき呼しかば我なんぢをすくへり われ雷鳴のかくれたるところにて汝にこたヘメリバの水のほとりにて汝をこころみたりセラ

わが民よきけ我なんぢに證せん イスラエルよ汝がわれに從はんことをもとむ

汝のうちに他神あるべからず なんぢ他神ををがむべからず

われはエジプトの國よりなんぢを携へいでたる汝の神ヱホバなり なんぢの口をひろくあけよ われ物をみたしめん

されどわが民はわか聲にしたがはず イスラエルは我をこのまず

このゆゑに我かれらが心のかたくななるにまかせ彼等がその任意にゆくにまかせたり

われはわが民のわれに從ひイスフルのわが道にあゆまんことを求む

さらば我すみやかにかれらの仇をしたがへ わが手をかれらの敵にむけん

斯てヱホバをにくみし者もかれらに從ひ かれらの時はとこしへにつづかん

神はむぎの最嘉をもてかれらをやしなひ 磐よりいでたる蜜をもて汝をあかしむべし

第82篇

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アサフのうた

かみは神のつどひの中にたちたまふ 神はもろもろの神のなかに審判をなしたまふ

なんぢらは正からざる審判をなし あしきものの身をかたよりみて幾何時をへんとするやセラ

よわきものと孤兒とのためにさばき苦しむものと乏しきものとのために公平をほどこせ

弱きものと貧しきものとをすくひ彼等をあしきものの手よりたすけいだせ

かれらは知ることなく悟ることなくして暗中をゆきめぐりぬ 地のもろもろの基はうごきたり

我いへらく なんぢらは神なりなんぢらはみな至上者の子なりと

然どなんぢらは人のごとくに死もろもろの侯のなかの一人のごとく仆れん

神よおきて全地をさばきたまへ 汝もろもろの國を嗣たまふべければなり

第83篇

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アサフの歌なり讃美なり

神よもだしたまふなかれ神よものいはで寂靜たまふなかれ

視よなんぢの仇はかしがきしき聲をあげ汝をにくむものは首をあげたり

かれらはたくみなる謀略をもてなんぢの民にむかひ相共にはかりて汝のかくれたる者にむかふ

かれらいひたりき 來かれらを斷滅してふたたび國をたつることを得ざらしめイスラエルの名をふたたび人にしられざらしめんと

かれらは心を一つにしてともにはかり互にちかひをなしてなんぢに逆ふ

こはエドムの幕屋にすめる人イシマエル人モアブ、ハガル人

ゲバル、アンモン、アマレク、ペリシテおよびツロの民などなり

アッスリヤも亦かれらにくみせり 斯てロトの子輩のたすけをなせりセラ

なんぢ曩にミデアンになしたまへる如くキションの河にてシセラとヤビンとに作たまへるごとく彼等にもなしたまへ

かれらはエンドルにてほろび地のために肥料となれり

かれらの貴人をオレブ、ゼエブのごとくそのもろもろの侯をゼバ、ザルムンナのごとくなしたまへ

かれらはいへり われら神の草苑をえてわが有とすべしと

わが神よかれらをまきあげらるる塵のごとく風のまへの藁のごとくならしめたまへ

林をやく火のごとく山をもやす熖のごとく

なんぢの暴風をもてかれらを追ひなんぢの旋風をもてかれらを怖れしめたまへ

かれらの面に恥をみたしめたまヘ ヱホバよ然ばかれらなんぢの名をもとめん

かれらをとこしへに恥おそれしめ惶てまどひて亡びうせしめたまへ

然ばかれらはヱホバてふ名をもちたまふ汝のみ全地をしろしめす至上者なることを知るべし

第84篇

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ギテトの琴にあはせて伶長にうたはしめたるコラの子のうた

萬軍のヱホバよなんぢの帷幄はいかに愛すべきかな

わが霊魂はたえいるばかりにヱホバの大庭をしたひ わが心わが身はいける神にむかひて呼ふ

誠やすずめは窩をえ燕子はその雛をいるる巣をえたり萬軍のヱホバわが王わが神よ これなんぢの祭壇なり

なんぢの家にすむものは福ひなり かかるひとはつねに汝をたたへまつらんセラ

その力なんじにあり その心シオンの大路にある者はさいはひなり

かれらは涙の谷をすぐれども其處をおほくの泉あるところとなす また前の雨はもろもろの惠をもて之をおほへり

かれらは力より力にすすみ遂におのおのシオンにいたりて神にまみゆ

ばんぐんの神ヱホバよわが祈をききたまへ ヤコブの神よ耳をかたぶけたまへセラ

われらの盾なる神よ みそなはして なんぢの受膏者の顔をかへりみたまへ

なんぢの大庭にすまふ一日は千日にもまされり われ惡の幕屋にをらんよりは 寧ろわが神のいへの門守とならんことを欲ふなり

そは神ヱホバは日なり盾なり ヱホバは恩とえいくわうとをあたへ直くあゆむものに善物をこばみたまふことなし

萬軍のヱホバよなんぢに依賴むものはさいはひなり

第85篇

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伶長にうたはしめたるコラの子のうた

ヱホバよなんぢは御國にめぐみをそそぎたまへり なんぢヤコブの俘囚をかへしたまひき

なんぢおのが民の不義をゆるしそのもろもろの罪をおほひたまひきセラ

汝すべての怒をすてその烈しきいきどほりを遠けたまへり

われらのすくひの神よかへりきたり我儕にむかひて忿怒をやめたまヘ

なんぢ永遠にわれらをいかり萬世にみいかりをひきのべたまふや

汝によりてなんぢの民の喜悦をえんが爲に我儕を活したまはざるか

ヱホバよなんぢの憐憫をわれらにしめし汝のすくひを我儕にあたへたまへ

わが神ヱホバのいたりたまふ事をきかん ヱホバはその民その聖徒に平和をかたりたまへばなり さればかれらは愚かなる行爲にふたたび歸るなかれ

實にそのすくひは神をおそるる者にちかし かくて榮光はわれらの國にとどまらん

あはれみと眞實とともにあひ義と平和とたがひに接吻せり

まことは地よりはえ義は天よりみおろせり

ヱホバ善物をあたへたまへばわれらの國は物產をいださん

義はヱホバのまへにゆきヱホバのあゆみたまふ跡をわれに踏しめん

第86篇

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ダビデの祈祷

ヱホバよなんぢ耳をかたぶけて我にこたへたまへ 我はくるしみかつ乏しければなり

ねがはくはわが霊魂をまもりたまへ われ神をうやまふ者なればなり わが神よなんぢに依賴める汝のしもべを救ひ給へ

主よわれを憐みたまへ われ終日なんぢによばふ

なんぢの僕のたましひを悦ばせたまへ 主よわが霊魂はなんぢを仰ぎのぞむ

主よなんぢは惠ふかくまた赦をこのみたまふ 汝によばふ凡てのものを豊かにあはれみたまふ

ヱホバよわがいのりに耳をかたぶけ わが懇求のこゑをききたまへ

われわが患難の日になんぢに呼はん なんぢは我にこたへたまふべし

主よもろもろの神のなかに汝にひとしきものはなく汝のみわざに侔しきものはなし

主よなんぢの造れるもろもろの國はなんぢの前にきたりて伏拝まん かれらは聖名をあがむべし

なんぢは大なり奇しき事跡をなしたまふ 唯なんぢのみ神にましませり

ヱホバよなんぢの道をわれに敎へたまへ我なんぢの眞理をあゆまん ねがはくは我をして心ひとつに聖名をおそれしめたまへ

主わが神よ我心をつくして汝をほめたたへ とこしへに聖名をあがめまつらん

そはなんぢの憐憫はわれに大なり わがたましひを陰府のふかき處より助けいだしたまへり

神よたかぶれるものは我にさからひて起りたち暴ぶる人の會はわがたましひをもとめ 斯てなんぢを己がまへに置ざりき

されど主よなんぢは憐憫とめぐみとにとみ怒をおそくし愛しみと眞實とにゆたかなる神にましませり

我をかへりみ我をあはれみたまへ ねがはくは汝のしもべに能力を與へ汝のはしための子をすくひたまへ

我にめぐみの憑據をあらはしたまへ 然ばわれをにくむ者これをみて恥をいだかん そはヱホバよなんぢ我をたすけ我をなぐさめたまへばなり

第87篇

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コラの子のうたなり讃美なり

ヱホバの基はきよき山にあり

ヱホバはヤコブのすべての住居にまさりてシオンのもろちろの門を愛したまふ

神の都よなんぢにつきておほくの榮光のことを語りはやせりセラ

われはラハブ、バビロンをも我をしるものの中にあげん ペリシテ、ツロ、エテオピアを視よこの人はかしこに生れたりといはん

シオンにつきては如此いはん 此もの彼ものその中にうまれたり至上者みづからシオンを立たまはんと

ヱホバもろもろの民をしるしたまふ時このものは彼處にうまれたりと算へあげたまはんセラ

うたふもの踊るもの皆いはん わがもろもろの泉はなんぢの中にありと

第88篇

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マハラテ、レアノテの調にあはせて伶長にうたはしめたるコラの子のうたなり 讃美なり、エズフ人ヘマンのをしへの歌なり

わがすくひの神ヱホバよわれ晝も夜もなんぢの前にさけべり

願くはわが祈をみまへにいたらせ汝のみみをわが號呼のこゑにかたぶけたまへ

わがたましひは患難にてみち我がいのちは陰府にちかづけり

われは穴にいるものとともにかぞへられ依仗なき人のごとくなれり

われ墓のうちなる殺されしもののごとく死者のうちにすてらる汝かれらを再びこころに記たまはず かれらは御手より斷滅されしものなり

なんぢ我をいとふかき穴 くらき處 ふかき淵におきたまひき

なんぢの怒はいたくわれにせまれり なんぢそのもろもろの浪をもて我をくるしめ給へりセラ

わが相識ものを我よりとほざけ我をかれらに憎ませたまへり われは錮閉されていづることあたはず

わが眼はなやみの故をもておとろへぬ われ日ごとに汝をよべり ヱホバよなんぢに向ひてわが兩手をのべたり

なんぢ死者にくすしき事跡をあらはしたまはんや 亡にしもの立てなんぢを讃たたへんやセラ

汝のいつくしみは墓のうちに汝のまことは滅亡のなかに宣傳へられんや

汝のくすしきみわざは幽暗になんぢの義は忘失のくにに知るることあらんや

されどヱホバよ我なんぢに向ひてさけべり わがいのりは朝にみまへに達らん

ヱホバよなんぢ何なればわが霊魂をすてたまふや何なればわれに面をかくしたまふや

われ幼稚よりなやみて死るばかりなり我なんぢの恐嚇にあひてくるしみまどへり

汝のはげしき怒わがうへをすぐ汝のおびやかし我をほろぼせり

これらの事ひねもす大水のごとく我をめぐり ことごとく來りて我をかこみふさげり

なんぢ我をいつくしむ者とわが友とをとほざけ わが相識るものを幽暗にいれたまへり

第89篇

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エズラ人エタンのをしへの歌

われヱホバの憐憫をとこしへにうたはん われ口もてヱホバの眞實をよろづ代につげしらせん

われいふ あはれみは永遠にたてらる 汝はその眞實をかたく天にさだめたまはんと

われわが撰びたるものと契約をむすびわが僕ダビデにちかひたり

われなんぢの裔をとこしへに固うしなんぢの座位をたてて代々におよばしめんセラ

ヱホバよもろもろの天はなんぢの奇しき事跡をほめん なんぢの眞實もまた潔きものの會にてほめらるべし

蒼天にてたれかヱホバに類ふものあらんや 神の子のなかに誰かヱホバのごとき者あらんや

神はきよきものの公會のなかにて畏むべきものなり その四周にあるすべての者にまさりて懼るべきものなり

萬軍の神ヱホバよヤハよ汝のごとく大能あるものは誰ぞや なんぢの眞實はなんぢをめぐりたり

なんぢ海のあるるををさめ その浪のたちあがらんときは之をしづめたまふなり

なんぢラハブを殺されしもののごとく撃碎きおのれの仇どもを力ある腕をもて打散したまへり

もろもろの天はなんぢのもの地もまた汝のものなり世界とその中にみつるものとはなんぢの基したまへるなり

北と南はなんぢ造りたまへり タボル、ヘルモンはなんぢの名によりて歓びよばふ

なんぢは大能のみうでをもちたまふ なんぢの手はつよく汝のみぎの手はたかし

義と公平はなんぢの寳座のもとゐなり あはれみと眞實とは聖顔のまへにあらはれゆく

よろこびの音をしる民はさいはひなり ヱホバよかれらはみかほの光のなかをあゆめり

かれらは名によりて終日よろこび 汝の義によりて高くあげられたり

かれらの力の榮光はなんぢなり 汝の惠によりてわれらの角はたかくあげられん

そはわれらの盾はヱホバに屬われらの王はイスラエルの聖者につけり

そのとき異象をもてなんぢの聖徒につげたまはく われ佑助をちからあるものに委ねたり わが民のなかより一人をえらびて高くあげたり

われわが僕ダビデをえて之にわが聖膏をそそげり

わが手はかれとともに堅くわが臂はかれを強くせん

仇かれをしへたぐることなし惡の子かれを苦しむることなからん

われかれの前にそのもろもろの敵をたふし彼をにくめるものを撃ん

されどわが眞實とわが憐憫とはダビデとともに居り わが名によりてその角はたかくあげられん

われ亦かれの手を海のうへにおき そのみぎの手を河のうへにおかん

ダビデ我にむかひて汝はわが父わが神わがすくひの岩なりとよばん

われまた彼をわが初子となし地の王たちのうち最もたかき者となさん

われとこしへに憐憫をかれがためにたもち 之とたてし契約はかはることなかるべし

われまたその裔をとこしへに存へ そのくらゐを天の日數のごとくながらへしめん

もしその子わが法をはなれ わが審判にしたがひて歩まず

わが律法をやぶりわが誡命をまもらずば

われ杖をもてかれらの愆をただし鞭をもてその邪曲をただすべし

されど彼よりわが憐憫をことごとくはとりさらず わが眞實をおとろへしむることなからん

われおのれの契約をやぶらず己のくちびるより出しことをかへじ

われ曩にわが聖をさして誓へり われダビデに虚偽をいはじ

その裔はとこしへにつづきその座位は日のごとく恒にわが前にあらん

また月のごとく永遠にたてられん空にある證人はまことなりセラ

されどその受膏者をとほざけて棄たまへり なんぢ之をいきどほりたまへり

なんぢ己がしもべの契約をいみ 其かんむりをけがして地にまでおとし給へり

またその垣をことごとく倒し その保砦をあれすたれしめたまへり

その道をすぐるすべての者にかすめられ隣人にののしらる

なんぢかれが敵のみぎの手をたかく擧そのもろもろの仇をよろこばしめたまへり

なんぢかれの劍の刃をふりかへして戰闘にたつに堪へざらしめたまひき

またその光輝をけしその座位を地になげおとし

その年若き日をちぢめ恥をそのうへに覆たまへりセラ

ヱホバよかくて幾何時をへたまふや自己をとこしへに隠したまふや忿怒は火のもゆるごとくなるべきか

ねがはくはわが時のいかに短かきかを思ひたまへ 汝いたづらにすべての人の子をつくりたまはんや

誰かいきて死をみず又おのがたましひを陰府より救ひうるものあらんやセラ

主よなんぢが眞實をもてダビデに誓ひたまへる昔日のあはれみはいづこにありや

主よねがはくはなんぢの僕のうくる謗をみこころにとめたまヘ ヱホバよ汝のもろもろの仇はわれをそしりなんぢの受膏者のあしあとをそしれり 我もろもろの民のそしりをわが懐中にいだく

ヱホバは永遠にほむべきかな アーメン アーメン

第90篇

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神の人モーセの祈祷

主よなんぢは往古より世々われらの居所にてましませり

山いまだ生いでず汝いまだ地と世界とをつくりたまはざりしとき 永遠よりとこしへまでなんぢは神なり

なんぢ人を塵にかへらしめて宣はく 人の子よなんぢら歸れと

なんぢの目前には千年もすでにすぐる昨日のごとく また夜間のひとときにおなじ

なんぢこれらを大水のごとく流去らしめたまふ かれらは一夜の寝のごとく朝にはえいづる靑草のごとし

朝にはえいでてさかえ夕にはかられて枯るなり

われらはなんぢの怒によりて消うせ 汝のいきどほりによりて怖まどふ

汝われらの不義をみまへに置 われらの隠れたるつみを聖顔のひかりのなかにおきたまへり

われらのもろもろの日はなんぢの怒によりて過去り われらがすべての年のつくるは一息のごとし

われらが年をふる日は七十歳にすぎず あるひは壮やかにして八十歳にいたらん されどその誇るところはただ勤勞とかなしみとのみ その去ゆくこと速かにしてわれらもまた飛去れり

誰かなんぢの怒のちからを知らんや たれか汝をおそるる畏にたくらべて汝のいきどほりをしらんや

願くはわれらにおのが日をかぞふることををしへて智慧のこころを得しめたまヘ

ヱホバよ歸りたまへ斯ていくそのときを歴たまふや ねがはくは汝のしもべらに係れるみこころを變へたまへ

ねがはくは朝にわれらを汝のあはれみにてあきたらしめ 世をはるまで喜びたのしませたまへ

汝がわれらを苦しめたまへるもろもろの日と われらが禍害にかかれるもろもろの年とにたくらべて我儕をたのしませたまへ

なんぢの作爲をなんぢの僕等に なんぢの榮光をその子等にあらはしたまへ

斯てわれらの神ヱホバの佳美をわれらのうへにのぞましめ われらの手のわざをわれらのうへに確からしめたまへ 願くはわれらの手のわざを確からしめたまへ

第91篇

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至上者のもとなる隠れたるところにすまふその人は全能者の蔭にやどらん

われヱホバのことを宣て ヱホバはわが避所わが城わがよりたのむ神なりといはん

そは神なんぢを狩人のわなと毒をながす疫癘よりたすけいだしたまふべければなり

かれその翮をもてなんぢを庇ひたまはん なんぢその翼の下にかくれん その眞實は盾なり干なり

夜はおどろくべきことあり晝はとびきたる矢あり

幽暗にはあゆむ疫癘あり日午にはそこなふ勵しき疾あり されどなんぢ畏るることあらじ

千人はなんぢの左にたふれ萬人はなんぢの右にたふる されどその災害はなんぢに近づくことなからん

なんぢの眼はただこの事をみるのみ なんぢ惡者のむくいを見ん

なんぢ曩にいへりヱホバはわが避所なりと なんぢ至上者をその住居となしたれば

災害なんぢにいたらず苦難なんぢの幕屋に近づかじ

そは至上者なんぢのためにその使者輩におほせて 汝があゆむもろもろの道になんぢを守らせ給へばなり

彼ら手にてなんぢの足の石にふれざらんために汝をささへん

なんぢは獅と蝮とをふみ壮獅と蛇とを足の下にふみにじらん

彼その愛をわれにそそげるがゆゑに我これを助けん かれわが名をしるがゆゑに我これを高處におかん

かれ我をよはば我こたへん 我その苦難のときに偕にをりて之をたすけ之をあがめん

われ長寿をもてかれを足はしめ且わが救をしめさん

第92篇

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安息日にもちゐる歌なり 讃美なり

いとたかき者よヱホバにかんしやし聖名をほめたたふるは善かな

あしたに汝のいつくしみをあらはし 夜々なんぢの眞實をあらはすに

十絃のなりものと筝とをもちゐ 琴の妙なる音をもちゐるはいと善かな

そはヱホバよ なんぢその作爲をもて我をたのしませたまへり 我なんぢの手のわざをよろこびほこらん

ヱホバよ汝のみわざは大なるかな汝のもろもろの思念はいとふかし

無知者はしることなく愚なるものは之をさとらず

惡きものは草のごとくもえいで 不義をおこなふ衆庶はさかゆるとも 遂にはとこしへにほろびん

されどヱホバよ汝はとこしへに高處にましませり

ヱホバよ吁なんぢの仇ああなんぢの仇はほろびん 不義をおこなふ者はことごとく散されん

されど汝わが角をたかくあげて 野の牛のつののごとくならしめたまへり 我はあたらしき膏をそそがれたり

又わが目はわが仇につきて願へることを見わが耳はわれにさからひておこりたつ惡をなすものにつきて願へることをききたり

義しきものは棕櫚の樹のごとく榮え レバノンの香柏のごとくそだつべし

ヱホバの宮にうゑられしものはわれらの神の大庭にさかえん

かれらは年老てなほ果をむすび豊かにうるほひ緑の色みちみちて

ヱホバの直きものなることを示すべし ヱホバはわが巌なりヱホバには不義なし

第93篇

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ヱホバは統治たまふ ヱホバは稜威をきたまへり ヱホバは能力をころもとなし帶となしたまへり さればまた世界もかたくたちて動かさるることなし

なんぢの寳座はいにしへより堅くたちぬ 汝はとこしへより在せり

大水はこゑをあげたり ヱホバよおほみづは聲をあげたり おほみづは浪をあぐ

ヱホバは高處にいましてその威力はおほくの水のこゑ海のさかまくにまさりて盛んなり

なんぢの證詞はいとかたし ヱホバよ聖潔はなんぢの家にとこしへまでも適應なり

第94篇

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ヱホバよ仇をかへすは汝にあり神よあたを報すはなんぢにあり ねがはくは光をはなちたまへ

世をさばきたまふものよ 願くは起てたかぶる者にそのうくべき報をなしたまヘ

ヱホバよ惡きもの幾何のときを經んとするや あしきもの勝誇りていくそのとしを經るや

かれらはみだりに言をいだして誇りものいふ すべて不義をおこなふ者はみづから高ぶれり

ヱホバよ彼等はなんぢの民をうちくだき なんぢの業をそこなふ

かれらは嫠婦と旅人との生命をうしなひ孤子をころす

かれらはいふ ヤハは見ずヤコブの神はさとらざるべしと

民のなかなる無知よ なんぢらさとれ 愚かなる者よ いづれのときにか智からん

みみを植るものきくことをせざらんや 目をつくれるもの見ることをせざらんや

もろもろの國ををしふる者ただすことを爲ざらんや 人に知識をあたふる者しることなからんや

ヱホバは人の思念のむなしきを知りたまふ

ヤハよなんぢの懲めたまふ人なんぢの法ををしへらるる人は さいはひなるかな

かかる人をわざはひの日よりのがれしめ 惡きもののために坑のほらるるまで これに平安をあたへたまはん

そはヱホバその民をすてたまはず その嗣業をはなれたまはざるなり

審判はただしきにかへり心のなほき者はみなその後にしたがはん

誰かわがために起りたちて惡きものを責んや 誰か我がために立て不義をおこなふ者をせめんや

もしヱホバ我をたすけたまはざりせば わが霊魂はとくに幽寂ところに住ひしならん

されどわが足すべりぬといひしとき ヱホバよなんぢの憐憫われをささへたまへり

わがうちに憂慮のみつる時 なんぢの安慰わがたましひを喜ばせたまふ

律法をもて害ふことをはかる惡の位はなんぢに親むことを得んや

彼等はあひかたらひて義人のたましひをせめ罪なき血をつみに定む

然はあれどヱホバはわがたかき櫓 わが神はわが避所の磐なりき

神はかれらの邪曲をその身におはしめ かれらをその惡き事のなかに滅したまはん われらの神ヱホバはこれを滅したまはん

第95篇

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率われらヱホバにむかひてうたひ すくひの磐にむかひてよろこばしき聲をあげん

われら感謝をもてその前にゆき ヱホバにむかひ歌をもて歓ばしきこゑをあげん

そはヱホバは大なる神なり もろもろの神にまされる大なる王なり

地のふかき處みなその手にあり 山のいただきもまた神のものなり

うみは神のものその造りたまふところ旱ける地もまたその手にて造りたまへり

いざわれら拝みひれふし我儕をつくれる主ヱホパのみまへに曲跪くべし

彼はわれらの神なり われらはその草苑の民その手のひつじなり 今日なんぢらがその聲をきかんことをのぞむ

なんぢらメリバに在りしときのごとく 野なるマサにありし日の如く その心をかたくなにするなかれ

その時なんぢらの列祖われをこころみ我をためし 又わがわざをみたり

われその代のためにうれへて四十年を歴 われいへり かれらは心あやまれる民わが道を知ざりきと

このゆゑに我いきどほりて彼等はわが安息にいるべからずと誓ひたり

第96篇

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あたらしき歌をヱホバにむかひてうたへ 全地よヱホバにむかひて謳ふべし

ヱホバに向ひてうたひその名をほめよ 日ごとにその救をのべつたへよ

もろもろの國のなかにその榮光をあらはし もろもろの民のなかにその奇しきみわざを顕すべし

そはヱホバはおほいなり大にほめたたふべきものなり もろもろの神にまさりて畏るべきものなり

もろもろの民のすべての神はことごとく虚し されどヱホバはもろもろの天をつくりたまへり

尊貴と稜威とはその前にあり能と善美とはその聖所にあり

もろもろの民のやからよ榮光とちからとをヱホバにあたへよヱホバにあたへよ

その聖名にかなふ榮光をもてヱホバにあたへ 献物をたづさへてその大庭にきたれ

きよき美しきものをもてヱホバををがめ 全地よその前にをののけ

もろもろの國のなかにいヘ ヱホバは統治たまふ世界もかたくたちて動かさるることなし ヱホバは正直をもてすべての民をさばきたまはんと

天はよろこび地はたのしみ海とそのなかに盈るものとはなりどよみ

田畑とその中のすべての物とはよろこぶべし かくて林のもろもろの樹もまたヱホバの前によろこびうたはん

ヱホバ來りたまふ地をさばかんとて來りたまふ 義をもて世界をさばきその眞實をもてもろもろの民をさばきたまはん

第97篇

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ヱホバは統治たまふ 全地はたのしみ多くの島々はよろこぶべし

雲とくらきとはそり周環にあり 義と公平とはその寳座のもとゐなり

火ありそのみまへにすすみ その四周の敵をやきつくす

ヱホバのいなびかりは世界をてらす 地これを見てふるへり

もろもろの山はヱホバのみまへ全地の主のみまへにて蝋のごとくとけぬ

もろもろの天はその義をあらはし よろづの民はその榮光をみたり

すべてきざめる像につかへ虚しきものによりてみづから誇るものは恥辱をうくべし もろもろの神よみなヱホバをふしをがめ

ヱホバよなんぢの審判のゆゑによりシオンはききてよろこびユダの女輩はみな樂しめり

ヱホバよなんぢ全地のうへにましまして至高く なんぢもろもろの神のうへにましまして至貴とし

ヱホバを愛しむものよ惡をにくめ ヱホバはその聖徒のたましひをまもり 之をあしきものの手より助けいだしたまふ

光はただしき人のためにまかれ 欣喜はこころ直きもののために播れたり

義人よヱホバにより喜べ そのきよき名に感謝せよ

第98篇

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歌なり

あたらしき歌をヱホバにむかひてうたへ そは妙なる事をおこなひその右の手そのきよき臂をもて 己のために救をなし畢たまへり

ヱホバはそのすくひを知しめ その義をもろもろの國人の目のまへにあらはし給へり

又その憐憫と眞實とをイスラエルの家にむかひて記念したまふ 地の極もことごとくわが神のすくひを見たり

全地よヱホバにむかひて歓ばしき聲をあげよ 聲をはなちてよろこびうたへ讃うたへ

琴をもてヱホバをほめうたへ 琴の音と歌のこゑとをもてせよ

ラッパと角笛をふきならし 王ヱホバのみまへによろこばしき聲をあげよ

海とそのなかに盈るもの 世界とせかいにすむものと鳴響むべし

大水はその手をうち もろもろの山はあひともにヱホバの前によろこびうたふべし

ヱホバ地をさばかんために來りたまへばなり ヱホバ義をもて世界をさばき 公平をもてもろもろの民をさばきたまはん

第99篇

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ヱホバは統治たまふ もろもろの民はをののくべし ヱホバはケルビムの間にいます 地ふるはん

ヱホバはシオンにましまして大なり もろもろの民にすぐれてたふとし

かれらは汝のおほいなる畏るべき名をほめたたふべし ヱホバは聖なるかな

王のちからは審判をこのみたまふ 汝はかたく公平をたてヤコブのなかに審判と公義とをおこなひたまふ

われらの神ヱホバをあがめ その承足のもとにて拝みまつれ ヱホバは聖なるかな

その祭司のなかにモーセとアロンとあり その名をよぶ者のなかにサムエルあり かれらヱホバをよびしに應へたまへり

ヱホバ雲の柱のうちにましましてかれらに語りたまへり かれらはその證詞とその賜はりたる律法とを守りたりき

われらの神ヱホバよなんぢ彼等にこたへたまへり かれらのなしし事にむくいたまひたれど また赦免をあたへたまへる神にてましませり

われらの神ヱホバを崇めそのきよき山にてをがみまつれ そはわれらの神ヱホバは聖なるなり

第100篇

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感謝のうた

全地よヱホバにむかひて歡ばしき聲をあげよ

欣喜をいだきてヱホバに事へ うたひつつその前にきたれ

知れヱホバこそ神にますなれ われらを造りたまへるものはヱホバにましませば我儕はその屬なり われらはその民その草苑のひつじなり

感謝しつつその門にいり ほめたたへつつその大庭にいれ 感謝してその名をほめたたへよ

ヱホバはめぐみふかくその憐憫かぎりなく その眞實よろづ世におよぶべければなり

第101篇

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ダビデのうた

われ憐憫と審判とをうたはん ヱホバよ我なんぢを讃うたはん

われ心をさとくして全き道をまもらん なんぢいづれの時われにきたりたまふや 我なほき心をもてわが家のうちをありかん

われわが眼前にいやしき事をおかず われ叛くものの業をにくむ そのわざは我につかじ

僻めるこころは我よりはなれん 惡きものを知ることをこのまず

隠にその友をそしるものは我これをほろぼさん 高ぶる眼また驕れる心のものは我これをしのばじ

わが眼は國のうちの忠なる者をみて之をわれとともに住はせん 全き道をあゆむ人はわれに事へん

欺くことをなす者はわが家のうちに住むことをえず 虚偽をいふものはわが目前にたつことを得じ

われ朝な朝なこの國のあしき者をことごとく滅し ヱホバの邑より不義をおこなふ者をことごとく絶除かん

第102篇

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なやみたる者おもひくづほれてその歎息をヱホバの前にそそぎいだせるときの祈祷

ヱホバよわが祈をききたまへ 願くはわが號呼のこゑの御前にいたらんことを

わが窮苦の日みかほを蔽ひたまふなかれ なんぢの耳をわれにかたぶけ 我がよぶ日にすみやかに我にこたへたまへ

わがもろもろの日は煙のごとくきえ わが骨はたきぎのごとく焚るるなり

わがこころは草のごとく撃れてしほれたり われ糧をくらふを忘れしによる

わが歎息のこゑによりてわが骨はわが肉につく

われは野の鸅鸕のごとく荒たる跡のふくろふのごとくになりぬ

われ醒てねぶらず ただ友なくして屋蓋にをる雀のごとくなれり

わが仇はひねもす我をそしる 猖狂ひて我をせむるもの我をさして誓ふ

われは糧をくらふごとくに灰をくらひ わが飮ものには涙をまじへたり

102:10

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こは皆なんぢの怒と忿恚とによりてなり なんぢ我をもたげてなげすて給へり

102:11

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わが齡はかたぶける日影のごとし またわれは草のごとく萎れたり

102:12

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されどヱホバよなんぢは永遠にながらへ その名はよろづ世にながらへん

102:13

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なんぢ起てシオンをあはれみたまはん そはシオンに恩惠をほどこしたまふときなり そのさだまれる期すでに來れり

102:14

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なんぢの僕はシオンの石をもよろこび その塵をさへ愛しむ

102:15

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もろもろの國はヱホバの名をおそれ 地のもろもろの王はその榮光をおそれん

102:16

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ヱホバはシオンをきづき榮光をもてあらはれたまへり

102:17

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ヱホバは乏しきものの祈をかへりみ彼等のいのりを藐しめたまはざりき

102:18

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來らんとするのちの世のためにこの事をしるさん 新しくつくられたる民はヤハをほめたたふべし

102:19

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ヱホバその聖所のたかき所よりみおろし天より地をみたまへり

102:20

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こは俘囚のなげきをきき死にさだまれる者をときはなち

102:21

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人々のシオンにてヱホバの名をあらはしヱルサレムにてその頌美をあらはさんが爲なり

102:22

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かかる時にもろもろの民もろもろの國つどひあつまりてヱホバに事へまつらん

102:23

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ヱホバはわがちからを途にておとろへしめ わが齢をみじかからしめ給へり

102:24

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我いへりねがはくはわが神よわがすべての日のなかばにて我をとりさりたまふなかれ 汝のよはひは世々かぎりなし

102:25

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汝いにしへ地の基をすゑたまへり 天もまたなんぢの手の工なり

102:26

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これらは亡びん されど汝はつねに存らへたまはん これらはみな衣のごとくふるびん 汝これらを袍のごとく更たまはん されば彼等はかはらん

102:27

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然れども汝はかはることなし なんぢの齢はをはらざるなり

102:28

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汝のしもべの子輩はながらへん その裔はかたく前にたてらるべし

第103篇

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ダビデのうた

わが霊魂よヱホバをほめまつれ わが衷なるすべてのものよそのきよき名をほめまつれ

わがたましひよヱホバを讃まつれ そのすべての恩惠をわするるなかれ

ヱホバはなんぢがすべての不義をゆるし汝のすべての疾をいやし

なんぢの生命をほろびより贖ひいだし 仁慈と憐憫とを汝にかうぶらせ

なんぢの口を嘉物にてあかしめたまふ 斯てなんぢは壮ぎて鷲のごとく新になるなり

ヱホバはすべて虐げらるる者のために公義と審判とをおこなひたまふ

おのれの途をモーセにしらしめ おのれの作爲をイスラエルの子輩にしらしめ給へり

ヱホバはあはれみと恩惠にみちて怒りたまふことおそく仁慈ゆたかにましませり

恒にせむることをせず永遠にいかりを懐きたまはざるなり

103:10

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ヱホバはわれらの罪の量にしたがひて我儕をあしらひたまはず われらの不義のかさにしたがひて報いたまはざりき

103:11

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ヱホバをおそるるものにヱホバの賜ふそのあはれみは大にして 天の地よりも高きがごとし

103:12

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そのわれらより愆をとほざけたまふことは東の西より遠きがごとし

103:13

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ヱホバの己をおそるる者をあはれみたまふことは父がその子をあはれむが如し

103:14

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ヱホバは我儕のつくられし状をしり われらの塵なることを念ひ給へばなり

103:15

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人のよはひは草のごとく その榮はのの花のごとし

103:16

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風すぐれば失てあとなくその生いでし處にとへど尚しらざるなり

103:17

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然はあれどヱホバの憐憫はとこしへより永遠まで ヱホバをおそるるものにいたり その公義は子孫のまた子孫にいたらん

103:18

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その契約をまもりその訓諭を心にとめて行ふものぞその人なる

103:19

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ヱホバはその寳座をもろもろの天にかたく置たまへり その政權はよろづのもののうへにあり

103:20

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ヱホバにつかふる使者よ ヱホバの聖言のこゑをきき その聖言をおこなふ勇士よ ヱホバをほめまつれ

103:21

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その萬軍よ その聖旨をおこなふ僕等よ ヱホバをほめまつれ

103:22

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その造りたまへる萬物よ ヱホバの政權の下なるすべての處にてヱホバをほめよ わがたましひよヱホバを讃まつれ

第104篇

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わが霊魂よヱホパをほめまつれ わが神ヱホバよなんぢは至大にして尊貴と稜威とを衣たまへり

なんぢ光をころものごとくにまとひ天を幕のごとくにはり

水のなかにおのれの殿の棟梁をおき 雲をおのれの車となし 風の翼にのりあるき

かぜを使者となし熖のいづる火を僕となしたまふ

ヱホバは地を基のうへにおきて 永遠にうごくことなからしめたまふ

衣にておほふがごとく大水にて地をおほひたまへり 水たたへて山のうへをこゆ

なんぢ叱咤すれば水しりぞき 汝いかづちの聲をはなてば水たちまち去ぬ

あるひは山にのぼり或ひは谷にくだりて 汝のさだめたまへる所にゆけり

なんぢ界をたてて之をこえしめず ふたたび地をおほふことなからしむ

104:10

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ヱホバはいづみを谷にわきいだし給ふ その流は山のあひだにはしる

104:11

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かくて野のもろもろの獣にのましむ 野の驢馬もその渇をやむ

104:12

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空の鳥もそのほとりにすみ 樹梢の間よりさえづりうたふ

104:13

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ヱホバはその殿よりもろもろの山に灌漑たまふ 地はなんぢのみわざの實によりて飽足ぬ

104:14

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ヱホバは草をはえしめて家畜にあたへ 田產をはえしめて人の使用にそなへたまふ かく地より食物をいだしたまふ

104:15

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人のこころを歓ばしむる葡萄酒 ひとの顔をつややかならしむるあぶら 人のこころを強からしむる糧どもなり

104:16

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ヱホバの樹とその植たまへるレバノンの香柏とは飽足ぬべし

104:17

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鳥はそのなかに巣をつくり鶴は松をその棲とせり

104:18

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たかき山は山羊のすまひ磐石は山鼠のかくるる所なり

104:19

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ヱホバは月をつくりて時をつかさどらせたまへり 日はその西にいることをしる

104:20

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なんぢ黑暗をつくりたまへば夜あり そのとき林のけものは皆しのびしのびに出きたる

104:21

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わかき獅ほえて餌をもとめ神にくひものをもとむ

104:22

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日いづれば退きてその穴にふす

104:23

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人はいでて工をとりその勤勞はゆふべにまでいたる

104:24

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ヱホバよなんぢの事跡はいかに多なる これらは皆なんぢの智慧にてつくりたまへり 汝のもろもろの富は地にみつ

104:25

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かしこに大なるひろき海あり そのなかに數しられぬ匍ふもの小なる大なる生るものあり

104:26

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舟そのうへをはしり汝のつくりたまへる鰐そのうちにあそびたはぶる

104:27

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彼ら皆なんぢを俟望む なんぢ宜時にくひものを之にあたへたまふ

104:28

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彼等はなんぢの予へたまふ物をひろふ なんぢ手をひらきたまへばかれら嘉物にあきたりぬ

104:29

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なんぢ面をおほひたまへば彼等はあわてふためく 汝かれらの氣息をとりたまへばかれらは死て塵にかへる

104:30

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なんぢ霊をいだしたまへば百物みな造らるなんぢ地のおもてを新にしたまふ

104:31

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願くはヱホバの榮光とこしへにあらんことを ヱホバそのみわざを喜びたまはんことを

104:32

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ヱホバ地をみたまへば地ふるひ山にふれたまへば山は煙をいだす

104:33

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生るかぎりはヱホバに向ひてうたひ 我ながらふるほどはわが神をほめうたはん

104:34

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ヱホバをおもふわが思念はたのしみ深からん われヱホバによりて喜ぶべし

104:35

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罪人は地より絶滅され あしきものは復あらざるべし わが霊魂よヱホバをほめまつれヱホバを讃稱へよ

第105篇

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ヱホバに感謝してその名をよび そのなしたまへる事をもろもろの民輩のなかにしらしめよ

ヱホバにむかひてうたヘヱホバを讃うたへ そのもろもろの妙なる事跡をかたれ

そのきよき名をほこれ ヱホバをたづねもとむるものの心はよろこぶべし

ヱホバとその能力とをたづねもとめよ つねにその聖顔をたづねよ

その僕アブラムの裔よヤコブの子輩よ そのえらびたまひし所のものよ そのなしたまへる妙なるみわざと奇しき事跡とその口のさばきとを心にとむれ

彼はわれらの神ヱホバなり そのみさばきは全地にあり

ヱホバはたえずその契約をみこころに記たまへり 此はよろづ代に命じたまひし聖言なり

アブラハムとむすびたまひし契約イサクに與へたまひし誓なり

105:10

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之をかたくしヤコブのために律法となし イスラエルのためにとこしへの契約となして

105:11

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言たまひけるは我なんぢにカナンの地をたまひてなんぢらの嗣業の分となさん

105:12

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この時かれらの數おほからず甚すくなくしてかしこにて旅人となり

105:13

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この國よりかの國にゆき この國よりほかの民にゆけり

105:14

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人のかれらを虐ぐるをゆるし給はず かれらの故によりて王たちを懲しめて

105:15

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宣給くわが受膏者たちにふるるなかれ わが預言者たちをそこなふなかれ

105:16

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ヱホバは饑饉たを地にまねき 人の杖とする糧をことごとく碎きたまへり

105:17

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又かれらの前にひとりを遣したまへり ヨセフはうられて僕となりぬ

105:18

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かれら足械をもてヨセフの足をそこなひ くろかねの鏈をもてその霊魂をつなげり

105:19

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斯てそのことばの験をうるまでに及ぶ ヱホバのみことば彼をこころみたまへり

105:20

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王は人をつかはしてこれを解き もろもろの民の長はこれをゆるし

105:21

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之をその家司となし その財寶をことごとく司どらせ

105:22

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その心のままにかの國のきみたちを縛しめ 長老たちに智慧ををしへしむ

105:23

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イスラエルも亦エジプトにゆき ヤコブはハムの地にやどれり

105:24

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ヱホバはその民を大にましくはへ之をその敵よりも強くしたまへり

105:25

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また敵のこころをかへておのれの民をにくましめ おのれの僕輩をあざむき待さしめたまへり

105:26

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又そのしもベモーセとその選びたまへるアロンとを遣したまへり

105:27

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かれらはヱホバの預兆をハムの地におこなひ またその國にくすしき事をおこなへり

105:28

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ヱホバは闇をつかはして暗くしたまへり かれらその聖言にそむくことをせざりき

105:29

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彼等のすべての水を血にかへてその魚をころしたまへり

105:30

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かれらの國は蛙むれいでて王の殿のうちにまでみちふさがりぬ

105:31

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ヱホバいひたまへば蝿むらがり蚤そのすべての境にいりきたりぬ

105:32

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また雨にかへて霰をかれらに與へもゆる火をかれらの國にふらし

105:33

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かれらの葡萄の樹といちじくの樹とをうちその境のもろちろの樹ををりくだきたまへり

105:34

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ヱホバいひたまへば算しられぬ蝗と蟊賊きたり

105:35

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かれらの國のすべての田產をはみつくしその地のすべての實を食つくせり

105:36

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ヱホバはかれらの國のすべての首出者をうち かれらのすべての力の始をうちたまへり

105:37

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しろかね黄金をたづさへて彼等をいでゆかしめたまへり その家族のうちに一人のよわき者もなかりき

105:38

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エジプトはかれらの出るをよろこべり かれらをおそるるの念そのうちにおこりたればなり

105:39

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ヱホバは雲をしきて蓋となし夜は火をもて照したまへり

105:40

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又かれらの求によりて鶉をきたらしめ天の餅にてかれらを飽しめたまへり

105:41

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磐をひらきたまへば水ほどばしりいで 潤ひなきところに川をなして流れいでたり

105:42

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ヱホバそのきよき聖言とその僕アブラハムとをおもひいでたまひたればなり

105:43

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その民をみちびきて歓びつついでしめ そのえらべる民をみちびきて謳ひつついでしめたまへり

105:44

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もろもろの國人の地をかれらに與へたまひしかば 彼等もろもろのたみの勤勞をおのが有とせり

105:45

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こは彼等がその律にしたがひその法をまもらんが爲なり ヱホバをほめたたへよ

第106篇

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ヱホバをほめたたヘヱホバに感謝せよ そのめぐみはふかくその憐憫はかぎりなし

たれかヱホバの力ある事跡をかたり その讃べきことを悉とくいひあらはし得んや

審判をまもる人々つねに正義をおこなふ者はさいはひなり

ヱホバよなんぢの民にたまふ惠をもて我をおぼえ なんぢの救をもてわれに臨みたまへ

さらば我なんぢの撰びたまへる者のさいはひを見 なんぢの國の歓喜をよろこび なんぢの嗣業とともに誇ることをせん

われら列祖とともに罪ををかせり 我儕よこしまをなし惡をおこなへり

われらの列祖はなんぢがエジプトにてなしたまへる奇しき事跡をさとらず 汝のあはれみの豊かなるを心にとめず 海のほとり即ち紅海のほとりにて逆きたり

されどヱホバはその名のゆゑをもて彼等をすくひたまへり こは大なる能力をしらしめんとてなり

また紅海を叱咤したまひたれば乾きたり かくて民をみちびきて野をゆくがごとくに淵をすぎしめ

106:10

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恨むるものの手よりかれらをすくひ 仇の手よりかれらを贖ひたまへり

106:11

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水その敵をおほひたればその一人だにのこりし者なかりき

106:12

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このとき彼等そのみことばを信じその頌美をうたへり

106:13

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彼等しばしがほどにその事跡をわすれその訓誨をまたず

106:14

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野にていたくむさぼり荒野にて神をこころみたりき

106:15

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ヱホバはかれらの願欲をかなへたまひしかど その霊魂をやせしめたまへり

106:16

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たみは營のうちにてモーセを嫉みヱホパの聖者アロンをねたみしかば

106:17

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地ひらけてダタンを呑みアビラムの黨類をおほひ

106:18

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火はこのともがらの中にもえおこり熖はあしき者をやきつくせり

106:19

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かれらはホレブの山にて犢をつくり鑄たる像ををがみたり

106:20

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かくの如くおのが榮光をかへて草をくらふ牛のかたちに似す

106:21

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救主なる神はエジプトにて大なるわざをなし

106:22

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ハムの地にて奇しき事跡をなし紅海のほとりにて懼るべきことを爲たまへり かれは斯る神をわすれたり

106:23

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この故にヱホバかれらを亡さんと宣まへり されど神のえらみたまへる者モーセやぶれの間隙にありてその前にたちその烈怒をひきかへして滅亡をまぬかれしめたり

106:24

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かれら美しき地を蔑しそのみことばを信ぜず

106:25

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剰さへその幕屋にてつぶやきヱホバの聲をもきかざりき

106:26

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この故に手をあげて彼等にむかひたまへり これ野にてかれらを斃れしめんとし

106:27

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又もろもろの國のうちにてその裔をたふれしめ もろもろの地にかれらを散さんとしたまへるなり

106:28

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彼らはバアルベオルにつきて死るものの祭物をくらひたり

106:29

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斯のごとくその行爲をもてヱホバの烈怒をひきいだしければえやみ侵しいりたり

106:30

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そのときピネハスたちて裁判をなせり かくて疫癘はやみぬ

106:31

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ピネハスは萬代までとこしへにこのことを義とせられたり

106:32

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民メリバの水のほとりにてヱホバの烈怒をひきおこししかば かれらの故によりてモーセも禍害にあへり

106:33

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かれら神の霊にそむきしかばモーセその口唇にて妄にものいひたればなり

106:34

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かれらはヱホバの命じたまへる事にしたがはずしてもろもろの民をほろぼさず

106:35

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反てもろもろの國人とまじりをりてその行爲にならひ

106:36

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おのが羂となりしその偶像につかへたり

106:37

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かれらはその子女を鬼にささぐ

106:38

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罪なき血すなはちカナンの偶像にささげたる己がむすこむすめの血をながしぬ 斯てくには血にてけがされたり

106:39

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またそのわざは自己をけがし そのおこなふところは姦淫なり

106:40

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このゆゑにヱホバの怒その民にむかひて起り その嗣業をにくみて

106:41

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かれらをもろもろの國の手にわたしたまへり 彼等はおのれを恨るものに制へられ

106:42

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おのれの仇にしへたげられ その手の下にうちふせられたり

106:43

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ヱホバはしばしば助けたまひしかどかれらは謀略をまうけて逆き そのよこしまに卑くせられたり

106:44

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されどヱホバはかれらの哭聲をききたまひしとき その患難をかへりみ

106:45

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その契約をかれらの爲におもひいだし その憐憫のゆたかなるにより聖意をかへさせ給ひて

106:46

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かれらを己がとりこにせられたる者どもに憐まるることを得しめたまへり

106:47

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われらの神ヱホバよ われらをすくひて列邦のなかより取集めたまへ われらは聖名に謝し なんぢのほむべき事をほこらん

106:48

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イスラエルの神ヱホバはとこしへより永遠までほむべきかな すべての民はアーメンととなふべし ヱホバを讃稱へよ

第107篇

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ヱホバに感謝せよ ヱホバは惠ふかくましましてその憐憫かぎりなし

ヱホバの救贖をかうぶる者はみな然いふべきなり

ヱホバは敵の手よりかれらを贖ひもろもろの地よ東西北南よりとりあつめたまへり

かれら野にてあれはてたる路にさまよひその住ふべき邑にあはざりき

かれら飢また渇きそのうちの霊魂おとろへたり

斯てその困苦のうちにてヱホバをよばはりたればヱホバこれを患難よりたすけいだし

住ふべき邑にゆかしめんとて直き路にみちびきたまへり

願くはすべての人はヱホバの惠により人の子になしたまへる奇しき事跡によりてヱホバを讃稱へんことを

ヱホバは渇きしたふ霊魂をたらはせ飢たるたましひを嘉物にてあかしめ給へばなり

107:10

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くらきと死の蔭とに居るもの患難とくろがねとに縛しめらるるもの

107:11

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神の言にそむき至高者のをしへを蔑しめけれぱ

107:12

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勤勞をもてその心をひくうしたまへり かれら仆れたれど助くるものもなかりき

107:13

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斯てその困苦のうちにてヱホバをよばはりたればヱホバこれを患難よりすくひ

107:14

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くらきと死のかげより彼等をみちびき出してその械をこぼちたまへり

107:15

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願くはすべての人はヱホバの惠により人の子になしたまへる奇しき事跡によりてヱホバを讃稱へんことを

107:16

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そはあかがねの門をこぼち くろがねの關木をたちきりたまへり

107:17

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愚かなる者はおのが愆の道により己がよこしまによりて惱めり

107:18

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かれらの霊魂はすべての食物をきらひて死の門にちかづく

107:19

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かくてその困苦のうちにてヱホバをよばふ ヱホバこれを患難よりすくひたまふ

107:20

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その聖言をつかはして之をいやし之をその滅亡よりたすけいだしたまふ

107:21

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願くはすべての人ヱホバのめぐみにより人の子になしたまへる奇しき事跡によりてヱホバをほめたたへんことを

107:22

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かれらは感謝のそなへものをささげ喜びうたひてその事跡をいひあらはすべし

107:23

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舟にて海にうかび大洋にて事をいとなむ者は

107:24

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ヱホバのみわざを見また淵にてその奇しき事跡をみる

107:25

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ヱホバ命じたまへばあらき風おこりてその浪をあぐ

107:26

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かれら天にのぼりまた淵にくだり患難によりてその霊魂とけさり

107:27

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左た右たにかたぶき酔たる者のごとく踉蹌てなす所をしらず

107:28

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かくてその困苦のうちにてヱホバをよばふ ヱホバこれを患難よりたづさへいで

107:29

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狂風をしづめて浪をおだやかになし給へり

107:30

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かれらはおのが静かなるをよろこぶ 斯てヱホバはかれらをその望むところの湊にみちびきたまふ

107:31

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願くはすべての人ヱホバの惠により人の子になしたまへる奇しき事跡によりてヱホバをほめたたへんことを

107:32

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かれら民の會にてこれをあがめ長老の座にてこれを讃稱ふべし

107:33

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ヱホバは河を野にかはらせ泉をかわける地に變らせ

107:34

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また豊かなる地にすめる民の惡によりてそこを鹵の地にかはらせ給ふ

107:35

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野を池にかはらせ乾ける地をいづみにかはらせ

107:36

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ここに餓たるものを住はせたまふ されば彼らは己がすまひの邑をたて

107:37

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畠にたねをまき葡萄園をまうけてそのむすべる實をえたり

107:38

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ヱホバはかれらの甚くふえひろごれるまでに惠をあたへ その牲畜のへることをも許したまはず

107:39

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されどまた虐待くるしみ悲哀によりて減ゆき且うなたれたり

107:40

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ヱホバもろもろの君に侮辱をそそぎ道なき荒地にさまよはせたまふ

107:41

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然はあれど貧しきものを患難のうちより挙てその家族をひつじの群のごとくならしめたまふ

107:42

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直きものは之をみて喜びもろもろの不義はその口をふさがん

107:43

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すべて慧者はこれらのことに心をよせヱホバの憐憫をさとるべし

第108篇

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ダビデの歌なり讃美なり

神よわが心はさだまれり われ謳ひまつらん 稱まつらん わが榮をもてたたへまつらん

筝よ琴よさむべし われ黎明をよびさまさん

ヱホバよ我もろもろの民のなかにてなんぢに感謝し もろもろの國のなかにてなんぢをほめうたはん

そは汝のあはれみは大にして天のうへにあがり なんぢの眞實は雲にまでおよぶ

神よねがはくはみづからを天よりもたかくし榮光を全地のうへに挙たまへ

ねがはくは右の手をもて救をほどこし われらに答をなして愛しみたまふものに助をえしめたまへ

神はその聖をもていひたまへり われ甚くよろこぱん我シケムをわかちスコテの谷をはからん

ギレアデはわがものマナセはわが有なりエフライムも亦わが首のまもりなりユダはわが杖

モアブはわが足盥なりエドムにはわが履をなげんペリシテよわが故によりて聲をあげよと

108:10

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誰かわれを堅固なる邑にすすましめんや 誰かわれをみちびきてエドムにゆきしや

108:11

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神よなんぢはわれらを棄たまひしにあらずや 神よなんぢはわれらの軍とともに出ゆきたまはず

108:12

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ねがはくは助をわれにあたへて敵にむかはしめたまへ 人のたすけは空しければなり

108:13

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われらは神によりて勇しくはたらかん われらの敵をふみたまふものは神なればなり

第109篇

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伶長にうたはしめたるダビデのうた

わが讃たたふる神よもだしたまふなかれ

かれらは惡の口とあざむきの口とをあけて我にむかひ いつはりの舌をもて我にかたり

うらみの言をもて我をかこみ ゆゑなく我をせめて闘ふことあればなり

われ愛するにかれら反りてわが敵となる われただ祈るなり

かれらは惡をもてわが善にむくい恨をもてわが愛にむくいたり

ねがはくは彼のうへに惡人をたてその右方に敵をたたしめたまへ

かれが鞫かるるときはその罪をあらはにせられ又そのいのりは罪となり

その日はすくなく その職はほかの人にえられ

その子輩はみなしごとなり その妻はやもめとなり

109:10

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その子輩はさすらひて乞丐 そのあれたる處よりいできたりて食をもとむべし

109:11

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彼のもてるすべてのものは債主にうばはれ かれの勤勞は外人にかすめらるべし

109:12

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かれに惠をあたふる人ひとりだになく かれの孤子をあはれむ者もなく

109:13

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その裔はたえその名はつぎの世にきえうすべし

109:14

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その父等のよこしまはヱホバのみこころに記され その母のつみはきえざるべし

109:15

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かれらは恒にヱホバの前におかれ その名は地より断るべし

109:16

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かかる人はあはれみを施すことをおもはず反りて貧しきもの乏しきもの心のいためる者をころさんとして攻たりき

109:17

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かかる人は詛ふことをこのむ この故にのろひ己にいたる惠むことをたのしまず この故にめぐみ己にとほざかれり

109:18

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かかる人はころものごとくに詛をきる この故にのろひ水のごとくにおのれの衷にいり油のごとくにおのれの骨にいれり

109:19

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ねがはくは詛をおのれのきたる衣のごとく帯のごとくなして恒にみづから纏はんことを

109:20

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これらの事はわが敵とわが霊魂にさからひて惡言をいふ者とにヱホバのあたへたまふ報なり

109:21

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されど主ヱホバよなんぢの名のゆゑをもて我をかへりみたまへ なんぢの憐憫はいとふかし ねがはくは我をたすけたまへ

109:22

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われは貧しくして乏し わが心うちにて傷をうく

109:23

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わがゆく状はゆふ日の影のごとく また蝗のごとく吹さらるるなり

109:24

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わが膝は断食によりてよろめき わが肉はやせおとろふ

109:25

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われは彼等にそしらるる者となれり かれら我をみるときは首をふる

109:26

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わが神ヱホバよねがはくは我をたすけその憐憫にしたがひて我をすくひたまヘ

109:27

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ヱホバよこれらは皆なんぢの手よりいで 汝のなしたまへることなるを彼等にしらしめたまへ

109:28

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かれらは詛へども汝はめぐみたまふ かれらの立ときは恥かしめらるれどもなんぢの僕はよろこばん

109:29

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わがもろもろの敵はあなどりを衣おのが恥を外袍のごとくにまとふべし

109:30

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われはわが口をもて大にヱホバに謝し おほくの人のなかにて讃まつらむ

109:31

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ヱホバはまづしきものの右にたちてその霊魂を罪せんとする者より之をすくひたまへり

第110篇

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ダビデのうた

ヱホバわが主にのたまふ 我なんぢの仇をなんぢの承足とするまではわが右にざすべし

ヱホバはなんぢのちからの杖をシオンよりつきいださしめたまはん 汝はもろもろの仇のなかに王となるべし

なんぢのいきほひの日になんぢの民は聖なるうるはしき衣をつけ 心よりよろこびて己をささげん なんぢは朝の胎よりいづる壮きものの露をもてり

ヱホバ誓をたてて聖意をかへさせたまふことなし 汝はメルキセデクの状にひとしくとこしへに祭司たり

主はなんぢの右にありてそのいかりの日に王等をうちたまへり

主はもろもろの國のなかにて審判をおこなひたまはん 此處にも彼處にも屍をみたしめ 寛濶なる地をすぶる首領をうちたまへり

かれ道のほとりの川より汲てのみ斯てかうべを挙ん

第111篇

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ヱホバを讃たたへよ 我はなほきものの會あるひは公會にて心をつくしてヱホバに感謝せん

ヱホバのみわざは大なりすべてその事跡をしたふものは之をかんがへ究む

その行ひたまふところは榮光ありまた稜威あり その公義はとこしへに失することなし

ヱホバはその奇しきみわざを人のこころに記しめたまへり ヱホバはめぐみと憐憫とにて充たまふ

ヱホバは己をおそるるものに糧をあたへたまへり またその契約をとこしへに心にとめたまはん

ヱホバはもろもろの國の所領をおのれの民にあたへてその作爲のちからを之にあらはしたまへり

その手のみわざは眞實なり公義なり そのもろもろの訓諭はかたし

これらは世々かぎりなく堅くたち眞實と正直とにてなれり

ヱホバはそのたみに救贖をほどこし その契約をとこしへに立たまへり ヱホバの名は聖にしてあがむべきなり

111:10

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ヱホバをおそるるは智慧のはじめなり これらを行ふものは皆あきらかなる聰ある人なり ヱホバの頌美はとこしへに失ることなし

第112篇

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ヱホバを讃まつれヱホバを畏れてそのもろもろの誡命をいたく喜ぶものはさいはひなり

かかる人のすゑは地にてつよく直きものの類はさいはひを得ん

富と財とはその家にあり その公義はとこしへにうすることなし

直き者のために暗きなかにも光あらはる 彼は惠ゆたかに憐憫にみつる義しきものなり

惠をほどこし貸ことをなす者はさいはひなり かかる人は審判をうくるときおのが訴をささへうべし

又とこしへまで動かさるることなからん義者はながく忘れらるることなかるべし

彼はあしき音信によりて畏れず その心ヱホバに依頼みてさだまれり

その心かたくたちて懼るることなく敵につきての願望をつひに見ん

彼はちらして貧者にあたふ その正義はとこしへにうすることなし その角はあがめをうけて挙られん

112:10

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惡者はこれを見てうれへもだえ切歯しつつ消さらん また惡きものの願望はほろぶべし

第113篇

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ヱホバをほめまつれ汝等ヱホバの僕よほめまつれヱホバの名をほめまつれ

今より永遠にいたるまでヱホバの名はほむべきかな

日のいづる處より日のいる處までヱホバの名はほめらるべし

ヱホバはもろもろの國の上にありてたかく その榮光は天よりもたかし

われらの神ヱホバにたぐふべき者はたれぞや 寳座をその高處にすゑ己をひくくして天と地とをかへりみ給ふ

まづしきものを塵よりあげ乏しきものを糞土よりあげて

もろもろの諸侯とともにすわらせ その民のきみたちと共にすわらせたまはん

又はらみなき婦に家をまもらせ おほくの子女のよろこばしき母たらしめたまふ ヱホバを讃まつれ

第114篇

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イスラエルの民エジプトをいで ヤコブのいへ異言の民をはなれしとき

ユダはヱホバの聖所となりイスラエルはヱホバの所領となれり

海はこれを見てにげヨルダンは後にしりぞき

山は牡羊のごとくをどり小山はこひつじのごとく躍れり

海よなんぢ何とてにぐるやヨルダンよなんぢ何とて後にしりぞくや

山よなにとて牡羊のごとくをどるや小山よなにとて小羊のごとく躍るや

地よ主のみまへヤコブの神の前にをののけ

主はいはを池にかはらせ石をいづみに變らせたまへり

第115篇

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ヱホバよ榮光をわれらに歸するなかれ われらに歸するなかれ なんぢのあはれみと汝のまこととの故によりてただ名にのみ歸したまへ

もろもろの國人はいかなればいふ 今かれらの神はいづくにありやと

然どわれらの神は天にいます 神はみこころのままにすべての事をおこなひ給へり

かれらの偶像はしろかねと金にして人の手のわざなり

その偶像は口あれどいはず目あれどみず

耳あれどきかず鼻あれどかがず

手あれどとらず脚あれどあゆまず喉より聲をいだすことなし

此をつくる者とこれに依頼むものとは皆これにひとしからん

イスラエルよなんぢヱホバに依頼め ヱホバはかれらの助かれらの盾なり

115:10

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アロンの家よなんぢらヱホバによりたのめ ヱホバはかれらの助かれらの盾なり

115:11

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ヱホバを畏るるものよヱホバに依頼め ヱホバはかれらの助かれらの盾なり

115:12

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ヱホバは我儕をみこころに記たまへり われらを惠みイスラエルの家をめぐみアロンのいへをめぐみ

115:13

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また小なるも大なるもヱホバをおそるる者をめぐみたまはん

115:14

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願くはヱホバなんぢらを増加へ なんぢらとなんぢらの子孫とをましくはへ給はんことを

115:15

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なんぢらは天地をつくりたまへるヱホバに惠まるる者なり

115:16

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天はヱホバの天なり されど地は人の子にあたへたまへり

115:17

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死人も幽寂ところに下れるものもヤハを讃稱ふることなし

115:18

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然どわれらは今より永遠にいたるまでヱホバを讃まつらむ 汝等ヱホバをほめたたへよ

第116篇

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われヱホバを愛しむ そはわが聲とわが願望とをききたまへばなり

ヱホバみみを我にかたぶけたまひしが故に われ世にあらんかぎりヱホバを呼まつらむ

死の繩われをまとひ陰府のくるしみ我にのぞめり われは患難とうれへとにあへり

その時われヱホバの名をよべり ヱホバよ願くはわが霊魂をすくひたまへと

ヱホバは恩惠ゆたかにして公義ましませり われらの神はあはれみ深し

ヱホバは愚かなるものを護りたまふ われ卑くせられしがヱホバ我をすくひたまへり

わが霊魂よなんぢの平安にかへれ ヱホバは豊かになんぢを待ひたまへばなり

汝はわがたましひを死より わが目をなみだより わが足を顛蹶よりたすけいだしたまひき

われは活るものの國にてヱホバの前にあゆまん

116:10

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われ大になやめりといひつつもなほ信じたり

116:11

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われ惶てしときに云らく すべての人はいつはりなりと

116:12

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我いかにしてその賜へるもろもろの恩惠をヱホバにむくいんや

116:13

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われ救のさかづきをとりてヱホバの名をよびまつらむ

116:14

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我すべての民のまへにてヱホバにわが誓をつくのはん

116:15

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ヱホバの聖徒の死はそのみまへにて貴とし

116:16

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ヱホバよ誠にわれはなんぢの僕なり われはなんぢの婢女の子にして汝のしもべなり なんぢわが縲絏をときたまへり

116:17

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われ感謝をそなへものとして汝にささげん われヱホバの名をよばん

116:18

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我すべての民のまへにてヱホバにわがちかひを償はん

116:19

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ヱルサレムよ汝のなかにてヱホバのいへの大庭のなかにて此をつくのふべし ヱホバを讃まつれ

第117篇

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もろもろの國よなんぢらヱホバを讃まつれ もろもろの民よなんぢらヱホバを稱へまつれ

そはわれらに賜ふその憐憫はおほいなり ヱホバの眞實はとこしへに絶ることなし ヱホバをほめまつれ

第118篇

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ヱホバに感謝せよヱホバは恩惠ふかくその憐憫とこしへに絶ることなし

イスラエルは率いふべし その憐憫はとこしへにたゆることなしと

アロンの家はいざ言ふべし そのあはれみは永遠にたゆることなしと

ヱホバを畏るるものは率いふべし その憐憫はとこしへにたゆることなしと

われ患難のなかよりヱホバをよべば ヱホバこたへて我をひろき處におきたまへり

ヱホバわが方にいませばわれにおそれなし 人われに何をなしえんや

ヱホバはわれを助くるものとともに我がかたに坐す この故にわれを憎むものにつきての願望をわれ見ることをえん

ヱホバに依頼むは人にたよるよりも勝りてよし

ヱホバによりたのむはもろもろの侯にたよるよりも勝りてよし

118:10

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もろもろの國はわれを圍めり われヱホバの名によりて彼等をほろぼさん

118:11

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かれらは我をかこめり我をかこめりヱホバの名によりて彼等をほろぼさん

118:12

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かれらは蜂のごとく我をかこめり かれらは荊の火のごとく消たり われはヱホバの名によりてかれらを滅さん

118:13

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汝われを倒さんとしていたく剌つれど ヱホバわれを助けたまへり

118:14

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ヱホバはわが力わが歌にしてわが救となりたまへり

118:15

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歓喜とすくひとの聲はただしきものの幕屋にあり ヱホバのみぎの手はいさましき動作をなしたまふ

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ヱホバのみぎの手はたかくあがりヱホバの右の手はいさましき動作をなしたまふ

118:17

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われは死ることなからん 存へてヤハの事跡をいひあらはさん

118:18

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ヤハはいたく我をこらしたまひしかど死には付したまはざりき

118:19

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わがために義の門をひらけ 我そのうちにいりてヤハに感謝せん

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こはヱホバの門なりただしきものはその内にいるべし

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われ汝に感謝せん なんぢ我にこたへてわが救となりたまへばなり

118:22

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工師のすてたる石はすみの首石となれり

118:23

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これヱホバの成たまへる事にしてわれらの目にあやしとする所なり

118:24

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これヱホバの設けたまへる日なり われらはこの日によろこびたのしまん

118:25

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ヱホバよねがはくはわれらを今すくひたまへ ヱホバよねがはくは我儕をいま榮えしめたまヘ

118:26

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ヱホバの名によりて來るものは福ひなり われらヱホバの家よりなんぢらを祝せり

118:27

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ヱホバは神なり われらに光をあたへたまへり 繩をもて祭壇の角にいけにへをつなげ

118:28

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なんぢはわが神なり我なんぢに感謝せん なんぢはわが神なり我なんぢを崇めまつらん

118:29

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ヱホバにかんしやせよ ヱホバは恩惠ふかくその憐憫とこしへに絶ることなし

第119篇

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アレフ

おのが道をなほくしてヱホバの律法をあゆむ者はさいはひなり

ヱホバのもろもろの證詞をまもり 心をつくしてヱホバを尋求むるものは福ひなり

かかる人は不義をおこなはずしてヱホバの道をあゆむなり

ヱホバよなんぢ訓諭をわれらに命じてねんごろに守らせたまふ

なんぢわが道をかたくたててその律法をまもらせたまはんことを

われ汝のもろもろの誡命にこころをとむるときは恥ることあらじ

われ汝のただしき審判をまなばば 直き心をもてなんぢに感謝せん

われは律法をまもらん われを棄はてたまふなかれ

○ベテ

わかき人はなにによりてかその道をきよめん 聖言にしたがひて愼むのほかぞなき

119:10

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われ心をつくして汝をたづねもとめたり 願くはなんぢの誡命より迷ひいださしめ給ふなかれ

119:11

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われ汝にむかひて罪ををかすまじき爲になんぢの言をわが心のうちに蔵へたり

119:12

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讃べきかなヱホバよねがはくは律法をわれに教へたまへ

119:13

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われわが口唇をもてなんぢの口よりいでしもろもろの審判をのべつたへたり

119:14

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我もろもろの財貨をよろこぶごとくに汝のあかしの道をよろこべり

119:15

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我なんぢの訓諭をおもひ汝のみちに心をとめん

119:16

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われは律法をよろこび聖言をわするることなからん

○ギメル

119:17

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ねがはくは汝のしもべを豊にあしらひて存へしめたまへ さらばわれ聖言をまもらん

119:18

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なんぢわが眼をひらき なんぢの法のうちなる奇しきことを我にみせたまへ

119:19

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われは世にある旅客なり 我になんぢの誡命をかくしたまふなかれ

119:20

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断るときなくなんぢの審判をしたふが故にわが霊魂はくだくるなり

119:21

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汝はたかぶる者をせめたまへり なんぢの誡命よりまよひづる者はのろはる

119:22

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我なんぢの證詞をまもりたり 我より謗とあなどりとを取去たまへ

119:23

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又もろもろの侯は坐して相語りわれをそこなはんとせり 然はあれど汝のしもべは律法をふかく思へり

119:24

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汝のもろもろの證詞はわれをよろこばせわれをさとす者なり

○ダレテ

119:25

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わが霊魂は塵につきぬ なんぢの言にしたがひて我をいかしたまへ

119:26

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我わがふめる道をあらはししかば汝こたへを我になしたまへり なんぢの律法をわれに教へたまへ

119:27

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なんぢの訓諭のみちを我にわきまへしめたまへ われ汝のくすしき事跡をふかく思はん

119:28

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わがたましひ痛めるによりてとけゆく ねがはくは聖言にしたがひて我にちからを予へたまへ

119:29

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願くはいつはりの道をわれより遠ざけ なんぢの法をもて我をめぐみたまへ

119:30

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われは眞實のみちをえらび 恒になんぢのもろもろの審判をわが前におけり

119:31

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我なんぢの證詞をしたひて離れず ヱホバよねがはくは我をはづかしめ給ふなかれ

119:32

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われ汝のいましめの道をはしらん その時なんぢわが心をひろく爲たまふべし

○へ

119:33

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ヱホバよ願くはなんぢの律法のみちを我にをしへたまへ われ終にいたるまで之をまもらん

119:34

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われに智慧をあたへ給へ さらば我なんぢの法をまもり心をつくして之にしたがはん

119:35

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われに汝のいましめの道をふましめたまへ われその道をたのしめばなり

119:36

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わが心をなんぢの證詞にかたぶかしめて 貪利にかたぶかしめ給ふなかれ

119:37

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わが眼をほかにむけて虚しきことを見ざらしめ 我をなんぢの途にて活し給へ

119:38

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ひたすらに汝をおそるる汝のしもべに 聖言をかたくしたまへ

119:39

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わがおそるる謗をのぞきたまへ そはなんぢの審判はきはめて善し

119:40

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我なんぢの訓諭をしたへり 願くはなんぢの義をもて我をいかしたまへ

○ワウ

119:41

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ヱホバよ聖言にしたがひてなんぢの憐憫なんぢの拯救を我にのぞませたまへ

119:42

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さらば我われを謗るものに答ふることをえん われ聖言によりたのめばなり

119:43

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又わが口より眞理のことばをことごとく除き給ふなかれ われなんぢの審判をのぞみたればなり

119:44

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われたえずいや永久になんぢの法をまもらん

119:45

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われなんぢの訓諭をもとめたるにより障なくしてあゆまん

119:46

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われまた王たちの前になんぢの證詞をかたりて恥ることあらじ

119:47

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我わが愛するなんぢの誡命をもて己をたのしましめん

119:48

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われ手をわがあいする汝のいましめに挙げ なんぢの律法をふかく思はん

○ザイン

119:49

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ねがはくは汝のしもべに宣ひたる聖言をおもひいだしたまへ 汝われに之をのぞましめ給へり

119:50

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なんぢの聖言はわれを活ししがゆゑに 今もなほわが艱難のときの安慰なり

119:51

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高ぶる者おほいに我をあざわらへり されど我なんぢの法をはなれざりき

119:52

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ヱホバよわれ汝がふるき往昔よりの審判をおもひいだして自から慰めたり

119:53

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なんぢの法をすつる惡者のゆゑによりて 我はげしき怒をおこしたり

119:54

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なんぢの律法はわが旅の家にてわが歌となれり

119:55

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ヱホバよわれ夜間になんぢの名をおもひいだして なんぢの法をまもれり

119:56

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われ汝のさとしを守りしによりてこの事をえたるなり

○ヘテ

119:57

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ヱホバはわがうくべき有なり われ汝のもろもろの言をまもらんといへり

119:58

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われ心をつくして汝のめぐみを請求めたり ねがはくは聖言にしたがひて我をあはれみたまへ

119:59

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我わがすべての途をおもひ 足をかへしてなんぢの證詞にむけたり

119:60

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我なんぢの誡命をまもるに速けくしてたゆたはざりき

119:61

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惡きものの繩われに纏ひたれども 我なんぢの法をわすれざりき

119:62

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我なんぢのただしき審判のゆゑに 夜半におきてなんぢに感謝せん

119:63

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われは汝をおそるる者 またなんぢの訓諭をまもるものの侶なり

119:64

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ヱホバよ汝のあはれみは地にみちたり 願くはなんぢの律法をわれにをしへたまへ

○テテ

119:65

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ヱホバよなんぢ聖言にしたがひ惠をもてその僕をあしらひたまへり

119:66

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われ汝のいましめを信ず ねがはくはわれに聡明と智識とををしへたまへ

119:67

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われ苦しまざる前にはまよひいでぬ されど今はわれ聖言をまもる

119:68

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なんぢは善にして善をおこなひたまふ ねがはくは汝のおきてを我にをしへたまへ

119:69

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高ぶるもの虚偽をくはだてて我にさからへり われ心をつくしてなんぢの訓諭をまもらん

119:70

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かれらの心はこえふとりて脂のごとし されど我はなんぢの法をたのしむ

119:71

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困苦にあひたりしは我によきことなり 此によりて我なんぢの律法をまなびえたり

119:72

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なんぢの口の法はわがためには千々のこがね白銀にもまされり

○ヨーデ

119:73

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なんぢの手はわれを造りわれを形づくれり ねがはくは智慧をあたへて我になんぢの誡命をまなばしめたまへ

119:74

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なんぢを畏るるものは我をみて喜ばん われ聖言によりて望をいたきたればなり

119:75

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ヱホバよ我はなんぢの審判のただしく又なんぢが眞實をもて我をくるしめたまひしを知る

119:76

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ねがはくは汝のしもべに宣ひたる聖言にしたがひて 汝の仁慈をわが安慰となしたまへ

119:77

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なんぢの憐憫をわれに臨ませたまへ さらばわれ生ん なんぢの法はわが樂しめるところなり

119:78

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高ぶるものに恥をかうぷらせたまへ かれらは虚偽をもて我をくつがへしたればなり されど我なんぢの訓諭をふかくおもはん

119:79

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汝をおそるる者となんぢの證詞をしるものとを我にかへらしめたまへ

119:80

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わがこころを全くして汝のおきてを守らしめたまへ さらばわれ恥をかうぶらじ

○カフ

119:81

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わが霊魂はなんぢの救をしたひてたえいるばかりなり 然どわれなほ聖言によりて望をいだく

119:82

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なんぢ何のとき我をなぐさむるやといひつつ 我みことばを慕ふによりて眼おとろふ

119:83

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我は煙のなかの革嚢のごとくなりぬれども 尚なんぢの律法をわすれず

119:84

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汝のしもべの日は幾何ありや 汝いづれのとき我をせむるものに審判をおこなひたまふや

119:85

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たかぶる者われを害はんとて阱をほれり かれらはなんぢの法にしたがはず

119:86

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なんぢの誡命はみな眞實なり かれらは虚偽をもて我をせむ ねがはくは我をたすけたまへ

119:87

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かれらは地にてほとんど我をほろぼせり されど我はなんぢの訓諭をすてざりき

119:88

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願くはなんぢの仁慈にしたがひて我をいかしたまへ 然ばわれ御口よりいづる證詞をまもらん

○ラメテ

119:89

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ヱホバよみことばは天にてとこしえに定まり

119:90

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なんぢの眞實はよろづ世におよぶ なんぢ地をかたく立たまへば地はつねにあり

119:91

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これらのものはなんぢの命令にしたがひ 恒にありて今日にいたる 萬のものは皆なんぢの僕なればなり

119:92

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なんぢの法わがたのしみとならざりしならば我はつひに患難のうちに滅びたるならん

119:93

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われ恒になんぢの訓諭をわすれじ 汝これをもて我をいかしたまへばなり

119:94

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我はなんぢの有なりねがはくは我をすくひたまへ われ汝のさとしを求めたり

119:95

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惡きものは我をほろぼさんとして窺ひぬ われは唯なんぢのもろもろの證詞をおもはん

119:96

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我もろもろの純全に限あるをみたり されど汝のいましめはいと廣し

○メム

119:97

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われなんぢの法をいつくしむこといかばかりぞや われ終日これを深くおもふ

119:98

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なんぢの誡命はつねに我とともにありて 我をわが仇にまさりて慧からしむ

119:99

編集

我はなんぢの證詞をふかくおもふが故に わがすべての師にまさりて智慧おほし

119:100

編集

我はなんぢの訓諭をまもるがゆゑに 老たる者にまさりて事をわきまふるなり

119:101

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われ聖言をまもらんために わが足をとどめてもろもろのあしき途にゆかしめず

119:102

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なんぢ我ををしへたまひしによりて 我なんぢの審判をはなれざりき

119:103

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みことばの滋味はわが腭にあまきこといかばかりぞや 蜜のわが口に甘きにまされり

119:104

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我なんぢの訓諭によりて智慧をえたり このゆゑに虚偽のすべての途をにくむ

○ヌン

119:105

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なんぢの聖言はわがあしの燈火わが路のひかりなり

119:106

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われなんぢのただしき審判をまもらんことをちかひ且かたくせり

119:107

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われ甚いたく苦しめり ヱホバよねがはくは聖言にしたがひて我をいかしたまヘ

119:108

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ヱホバよねがはくは誠意よりするわが口の献物をうけて なんぢの審判ををしへたまへ

119:109

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わが霊魂はつねに危険ををかす されど我なんぢの法をわすれず

119:110

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あしき者わがために羂をまうけたり されどわれ汝のさとしより迷ひいでざりき

119:111

編集

われ汝のもろもろの證詞をとこしへにわが嗣業とせり これらの證詞はわが心をよろこばしむ

119:112

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われ汝のおきてを終までとこしへに守らんとて之にこころを傾けたり

○サメク

119:113

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われ二心のものをにくみ汝のおきてを愛しむ

119:114

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なんぢはわが匿るべき所わが盾なり われ聖言によりて望をいだく

119:115

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惡きをなすものよ我をはなれされ われわが神のいましめを守らん

119:116

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聖言にしたがひ我をささへて生存しめたまへ わが望につきて恥なからしめたまへ

119:117

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われを支へたまへ さらばわれ安けかるべし われ恒になんぢの律法にこころをそそがん

119:118

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すべて律法よりまよひいづるものを汝かろしめたまへり かれらの欺詐はむなしければなり

119:119

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なんぢは地のすべての惡きものを渣滓のごとく除きさりたまふ この故にわれ汝のあかしを愛す

119:120

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わが肉體なんぢを懼るるによりてふるふ 我はなんぢの審判をおそる

○アイン

119:121

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われは審判と公義とをおこなふ 我をすてて虐ぐるものに委ねたまふなかれ

119:122

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汝のしもべの中保となりて福祉をえしめたまへ 高ぶるものの我をしへたぐるを容したまふなかれ

119:123

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わが眼はなんぢの救となんぢのただしき聖言とをしたふによりておとろふ

119:124

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ねがはくはなんぢの憐憫にしたがひてなんぢの僕をあしらひ 我になんぢの律法ををしへたまへ

119:125

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我はなんぢの僕なり われに智慧をあたへてなんぢの證詞をしらしめたまへ

119:126

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彼等はなんぢの法をすてたり 今はヱホバのはたらきたまふべき時なり

119:127

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この故にわれ金よりもまじりなき金よりもまさりて汝のいましめを愛す

119:128

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この故にもろもろのことに係るなんぢの一切のさとしを正しとおもふ 我すべてのいつはりの途をにくむ

○べ

119:129

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汝のあかしは妙なり かかるが故にわが霊魂これをまもる

119:130

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聖言うちひらくれば光をはなちて 愚かなるものをさとからしむ

119:131

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我なんぢの誡命をしたふが故に わが口をひろくあけて喘ぎもとめたり

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ねがはくは聖名を愛するものに恒になしたまふごとく身をかへして我をあはれみたまへ

119:133

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聖言をもてわが歩履をととのへ もろもろの邪曲をわれに主たらしめたまふなかれ

119:134

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われを人のしへたげより贖ひたまへ さらばわれ訓諭をまもらん

119:135

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ねがはくは聖顔をなんぢの僕のうへにてらし 汝のおきてを我にをしへ給へ

119:136

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人なんぢの法をまもらざるによりて わが眼のなみだ河のごとくに流る

○ツァデー

119:137

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ヱホバよなんぢは義しくなんぢの審判はなほし

119:138

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汝ただしきと此上なき眞實とをもて その證詞を命じ給へり

119:139

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わが敵なんぢの聖言をわすれたるをもて わが熱心われをほろぼせり

119:140

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なんぢの聖言はいときよし 此故になんぢの僕はこれを愛す

119:141

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われは微なるものにて人にあなどらるれども汝のさとしを忘れず

119:142

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なんぢの義はとこしへの義なり汝ののりは眞理なり

119:143

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われ患難と憂とにかかれども 汝のいましめはわが喜樂なり

119:144

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なんぢの證詞はとこしへに義し ねがはくはわれに智慧をたまへ 我ながらふることを得ん

○コフ

119:145

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われ心をつくしてよばはれり ヱホバよ我にこたへたまへ 我なんぢの律法をまもらん

119:146

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われ汝をよばはれり ねがはくはわれを救ひ給へ 我なんぢの證詞をまもらん

119:147

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われ詰朝おきいでて呼はれり われ聖言によりて望をいだけり

119:148

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夜の更のきたらぬに先だち わが眼はさめて汝のみことばを深くおもふ

119:149

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ねがはくはなんぢの仁慈にしたがひてわが聲をききたまへ ヱホバよなんぢの審判にしたがひて我をいかしたまへ

119:150

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惡をおひもとむるものは我にちかづけり 彼等はなんぢの法にとほくはなる

119:151

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ヱホバよ汝はわれに近くましませり なんぢのすべての誡命はまことなり

119:152

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われ早くよりなんぢの證詞によりて汝がこれを永遠にたてたまへることを知れり

○レシ

119:153

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ねがはくはわが患難をみて我をすくひたまへ 我なんぢの法をわすれざればなり

119:154

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ねがはくはわが訟をあげつらひて我をあがなひ 聖言にしたがひて我をいかしたまへ

119:155

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すくひは惡きものより遠くはなる かれらはなんぢの律法をもとめざればなり

119:156

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ヱホバよなんぢの憐憫はおほいなり 願くはなんぢの審判にしたがひて我をいかしたまへ

119:157

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我をせむる者われに敵するものおほし 我なんぢの證詞をはなるることなかりき

119:158

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虚偽をおこなふもの汝のみことばを守らざるにより 我かれらを見てうれへたり

119:159

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ねがはくはわが汝のさとしを愛すること幾何なるをかへりみたまヘ ヱホバよなんぢの仁慈にしたがひて我をいかしたまへ

119:160

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なんぢのみことばの総計はまことなり 汝のただしき審判はとこしへにいたるまで皆たゆることなし

○シン

119:161

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もろもろの侯はゆゑなくして我をせむ 然どわが心はただ汝のみことばを畏る

119:162

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われ人のおほいなる掠物をえたるごとくに 汝のみことばをよろこぶ

119:163

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われ虚偽をにくみ之をいみきらへども 汝ののりを愛す

119:164

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われ汝のただしき審判のゆゑをもて 一日に七次なんぢを讃稱ふ

119:165

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なんぢの法をあいするものには大なる平安あり かれらには躓礙をあたふる者なし

119:166

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ヱホバよ我なんぢの救をのぞみ汝のいましめをおこなへり

119:167

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わが霊魂はなんぢの證詞をまもれり 我はいたく之をあいす

119:168

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われなんぢの訓諭となんぢの證詞とをまもりぬ わがすべての道はみまへにあればなり

○タウ

119:169

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ヱホバよ願くはわがよぶ聲をみまへにちかづけ 聖言にしたがひて我にちゑをあたへたまへ

119:170

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わが願をみまへにいたらせ 聖言にしたがひて我をたすけたまへ

119:171

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わがくちびるは讃美をいだすべし 汝われに律法ををしへ給へばなり

119:172

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わが舌はみことばを謳ふべし なんぢの一切のいましめは義なればなり

119:173

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なんぢの手をつねにわが助となしたまへ われなんぢの訓諭をえらび用ゐたればなり

119:174

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ヱホバよ我なんぢの救をしたへり なんぢの法はわがたのしみなり

119:175

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願くはわが霊魂をながらへしめたまへ さらば汝をほめたたへん 汝のさばきの我をたすけんことを

119:176

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われは亡はれたる羊のごとく迷ひいでぬ なんぢの僕をたづねたまへ われ汝のいましめを忘れざればなり

第120篇

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京詣のうた

われ困苦にあひてヱホバをよびしかば我にこたへたまへり

ヱホバよねがはくは虚偽のくちびる欺詐の舌よりわが霊魂をたすけいだしたまへ

あざむきの舌よなんぢに何をあたへられ 何をくはへらるべきか

ますらをの利き箭と金萑花のあつき炭となり

わざはひなるかな我はメセクにやどりケダルの幕屋のかたはらに住めり

わがたましひは平安をにくむものと偕にすめり

われは平安をねがふ されど我ものいふときにかれら戦争をこのむ

第121篇

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京まうでの歌

われ山にむかひて目をあぐ わが扶助はいづこよりきたるや

わがたすけは天地をつくりたまへるヱホバよりきたる

ヱホバはなんぢの足のうごかさるるを容したまはず 汝をまもるものは微睡たまふことなし

視よイスラエルを守りたまふものは微睡こともなく寝ることもなからん

ヱホバは汝をまもる者なり ヱホバはなんぢの右手をおほふ蔭なり

ひるは日なんぢをうたず夜は月なんぢを傷じ

ヱホバはなんぢを守りてもろもろの禍害をまぬかれしめ並なんぢの霊魂をまもりたまはん

ヱホバは今よりとこしへにいたるまで 汝のいづると入るとをまもりたまはん

第122篇

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ダビデがよめる京まうでの歌

人われにむかひて率ヱホバのいへにゆかんといへるとき我よろこべり

ヱルサレムよわれらの足はなんぢの門のうちにたてり

ヱルサレムよなんぢは稠くつらなりたる邑のごとく固くたてり

もろもろのやから即ちヤハの支派かしこに上りきたり イスラエルにむかひて證詞をなし またヱホバの名にかんしやをなす

彼處にさばきの寳座まうけらる これダビデの家のみくらなり

ヱルサレムのために平安をいのれ ヱルサレムを愛するものは榮ゆべし

ねがはくはなんぢの石垣のうちに平安あり なんぢの諸殿のうちに福祉あらんことを

わが兄弟のためわが侶のために われ今なんぢのなかに平安あれといはん

われらの神ヱホバのいへのために我なんぢの福祉をもとめん

第123篇

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京まうでの歌

天にいますものよ我なんぢにむかひて目をあぐ

みよ僕その主の手に目をそそぎ 婢女その主母の手に目をそそぐがごとく われらはわが神ヱホバに目をそそぎて そのわれを憐みたまはんことをまつ

ねがはくはわれらを憐みたまヘ ヱホバよわれらを憐みたまへ そはわれらに軽侮はみちあふれぬ

おもひわづらひなきものの凌辱と たかぶるものの軽侮とはわれらの霊魂にみちあふれぬ

第124篇

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ダビデのよめる京まうでの歌

今イスラエルはいふべし ヱホバもしわれらの方にいまさず

人々われらにさからひて起りたつとき ヱホバもし我儕のかたに在さざりしならんには

かれらの怒のわれらにむかひておこりし時 われらを生るままにて呑しならん

また水はわれらをおほひ 流はわれらの霊魂をうちこえ

高ぶる水はわれらの霊魂をうちこえしならん

ヱホバはほむべきかな我儕をかれらの歯にわたして噛くらはせたまはざりき

我儕のたましひは捕鳥者のわなをのがるる鳥のごとくにのがれたり 羅はやぶれてわれらはのがれたり

われらの助は天地をつくりたまへるヱホバの名にあり

第125篇

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みやこ詣のうた

ヱホバに依頼むものはシオンの山のうごかさるることなくして永遠にあるがごとし

ヱルサレムを山のかこめるごとくヱホバも今よりとこしへにその民をかこみたまはん

惡の杖はただしきものの所領にとどまることなかるべし斯てただしきものはその手を不義にのぶることあらじ

ヱホバよねがはくは善人とこころ直きものとに福祉をほどこしたまへ

されどヱホバは轉へりておのが曲れる道にいるものを惡きわざをなすものとともに去しめたまはん 平安はイスラエルのうへにあれ

第126篇

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京まうでの歌

ヱホバ、シオンの俘囚をかへしたまひし時 われらは夢みるもののごとくなりき

そのとき笑はわれらの口にみち歌はわれらの舌にみてり ヱホバかれらのために大なることを作たまへりといへる者もろもろの國のなかにありき

ヱホバわれらのために大なることをなしたまひたれば我儕はたのしめり

ヱホバよ願くはわれらの俘囚をみなみの川のごとくに歸したまへ

涙とともに播くものは歡喜とともに穫らん

その人は種をたづさへ涙をながしていでゆけど禾束をたづさへ喜びてかへりきたらん

第127篇

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ソロモンがよめる京まうでのうた

ヱホバ家をたてたまふにあらずば 建るものの勤勞はむなしく ヱホバ城をまもりたまふにあらずば衛士のさめをるは徒勞なり

なんぢら早くおき遅くいねて辛苦の糧をくらふはむなしきなり 斯てヱホバその愛しみたまふものに寝をあたへたまふ

みよ子輩はヱホバのあたへたまふ嗣業にして 胎の實はその報のたまものなり

年壮きころほひの子はますらをの手にある矢のごとし

矢のみちたる箙をもつ人はさいはひなり かれら門にありて仇とものいふとき恥ることあらじ

第128篇

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京まうでの歌

ヱホバをおそれその道をあゆむものは皆さいはひなり

そはなんぢおのが手の勤勞をくらふべければなり なんぢは福祉をえまた安處にをるべし

なんぢの妻はいへの奥にをりておほくの實をむすぶ葡萄の樹のごとく汝の子輩はなんぢの筵に円居してかんらんの若樹のごとし

見よヱホバをおそるる者はかく福祉をえん

ヱホバはシオンより惠をなんぢに賜はん なんぢ世にあらんかぎりヱルサレムの福祉をみん

なんぢおのが子輩の子をみるべし 平安はイスラエルの上にあり

第129篇

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京まうでのうた

今イスラエルはいふべし彼等はしばしば我をわかきときより惱めたり

かれらはしばしば我をわかきときより惱めたり されどわれに勝ことを得ざりき

耕すものはわが背をたがへしてその畎をながくせり

ヱホバは義し あしきものの繩をたちたまへり

シオンをにくむ者はみな恥をおびてしりぞかせらるべし

かれらは長たざるさきにかるる屋上の草のごとし

これを刈るものはその手にみたず 之をつかぬるものはその束ふところに盈ざるなり

かたはらを過るものはヱホバの惠なんぢの上にあれといはず われらヱホバの名によりてなんぢらを祝すといはず

第130篇

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京まうでの歌

ああヱホバよわれふかき淵より汝をよべり

主よねがはくはわが聲をきき汝のみみをわが懇求のこゑにかたぶけたまヘ

ヤハよ主よなんぢ若もろもろの不義に目をとめたまはば誰たれかよく立ことをえんや

されどなんぢに赦あれば人におそれかしこまれ給ふべし

我ヱホバを俟望む わが霊魂はまちのぞむ われはその聖言によりて望をいだく

わがたましひは衛士があしたを待にまさり 誠にゑじが旦をまつにまさりて主をまてり

イスラエルよヱホバによりて望をいだけ そはヱホバにあはれみあり またゆたかなる救贖あり

ヱホバはイスラエルをそのもろもろの邪曲よりあがなひたまはん

第131篇

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ダビデのよめる京まうでのうた

ヱホバよわが心おごらずわが目たかぶらず われは大なることと我におよばぬ奇しき事とをつとめざりき

われはわが霊魂をもださしめまた安からしめたり 乳をたちし嬰兒のその母にたよるごとく 我がたましひは乳をたちし嬰兒のごとくわれに恃れり

イスラエルよ今よりとこしへにヱホバにたよりて望をいだけ

第132篇

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京まうでの歌

ヱホバよねがはくはダビデの爲にそのもろもろの憂をこころに記たまヘ

ダビデ、ヱホバにちかひヤコブの全能者にうけひていふ

われヱホバのために處をたづねいだし ヤコブの全能者のために居所をもとめうるまでは 我家の幕屋にいらず わが臥床にのぼらず わが目をねぶらしめず わが眼瞼をとぢしめざるべしと

われらエフラタにて之をききヤアルの野にて見とめたり

われらはその居所にゆきて その承足のまへに俯伏さん

ヱホバよねがはくは起きて なんぢの稜威の櫃とともになんぢの安居所にいりたまへ

なんぢの祭司たちは義を衣 なんぢの聖徒はみな歓びよばふべし

132:10

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なんぢの僕ダビデのためになんぢの受膏者の面をしりぞけたまふなかれ

132:11

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ヱホバ眞實をもてダビデに誓ひたまひたれば之にたがふことあらじ 曰くわれなんぢの身よりいでし者をなんぢの座位にざせしめん

132:12

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なんぢの子輩もしわがをしふる契約と證詞とをまもらばかれらの子輩もまた永遠になんぢの座位にざすべしと

132:13

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ヱホバはシオンを擇びておのが居所にせんとのぞみたまへり

132:14

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曰くこれは永遠にわが安居處なり われここに住ん そはわれ之をのぞみたればなり

132:15

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われシオンの糧をゆたかに祝し くひものをもてその貧者をあかしめん

132:16

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われ救をもてその祭司たちに衣せん その聖徒はみな聲たからかによろこびよばふべし

132:17

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われダビデのためにかしこに一つの角をはえしめん わが受膏者のために燈火をそなへたり

132:18

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われかれの仇にはぢを衣せん されどかれはその冠弁さかゆべし

第133篇

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ダビデがよめる京まうでの歌

観よはらから相睦てともにをるはいかに善いかに樂きかな

首にそそがれたる貴きあぶら鬚にながれ アロンの鬚にながれ その衣のすそにまで流れしたたるるがごとく

またヘルモンの露くだりてシオンの山にながるるがごとし そはヱホバかしこに福祉をくだし窮なき生命をさへあたへたまへり

第134篇

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京まうでの歌

夜間ヱホバの家にたちヱホバに事ふるもろもろの僕よ ヱホバをほめまつれ

なんぢら聖所にむかひ手をあげてヱホバをほめまつれ

ねがはくはヱホバ天地をつくりたまへるもの シオンより汝をめぐみたまはんことを

第135篇

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なんぢらヱホバを讃稱へよ ヱホバの名をほめたたへよ ヱホバの僕等ほめたたへよ

ヱホバの家われらの神のいへの大庭にたつものよ讃稱へよ

ヱホバは惠ふかし なんぢらヱホバをほめたたへよ その聖名はうるはし讃うたへ

そはヤハおのがためにヤコブをえらみ イスラエルをえらみてその珍寳となしたまへり

われヱホバの大なるとわれらの主のもろもろの神にまされるとをしれり

ヱホバその聖旨にかなふことを天にも地にも海にも淵にもみなことごとく行ひ給ふなり

ヱホバは地のはてより霧をのぼらせ 雨のために電光をつくりその庫より風をいだしたまふ

ヱホバは人より畜類にいたるまでエジプトの首出をうちたまへり

エジプトよヱホバはなんぢの中にしるしと奇しき事跡とをおくりて パロとその僕とに臨ませ給へり

135:10

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ヱホバはおほくの國々をうち 又いきほひある王等をころし給へり

135:11

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アモリ人のわうシホン、バシヤンの王オグならびにカナンの國々なり

135:12

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かれらの地をゆづりとしその民イスフルの嗣業としてあたへ給へり

135:13

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ヱホバよなんぢの名はとこしへに絶ることなし ヱホバよなんぢの記念はよろづ世におよばん

135:14

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ヱホバはその民のために審判をなしその僕等にかかはれる聖意をかへたまふ可ればなり

135:15

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もろもろのくにの偶像はしろかねと金にして人の手のわざなり

135:16

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そのぐうざうは口あれどいはず目あれど見ず

135:17

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耳あれどきかず またその口に氣息あることなし

135:18

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これを造るものと之によりたのむものとは皆これにひとしからん

135:19

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イスラエルの家よヱホバをほめまつれ アロンのいへよヱホバをほめまつれ

135:20

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レビの家よヱホバをほめまつれ ヱホバを畏るるものよヱホバをほめまつれ

135:21

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ヱルサレムにすみたまふヱホバはシオンにて讃まつるべきかな ヱホバをほめたたへよ

第136篇

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ヱホバに感謝せよヱホバはめぐみふかし その憐憫はとこしへに絶ることなければなり

もろもろの神の神にかんしやせよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

もろもろの主の主にかんしやせよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

ただ獨りおほいなる奇跡なしたまふものに感謝せよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

智慧をもてもろもろの天をつくりたまへるものに感謝せよ そのあはれみはとこしへにたゆることなければなり

地を水のうへに布たまへるものに感謝せよ そのあはれみは永遠にたゆることなければなり

巨大なる光をつくりたまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへに絶ることなければなり

晝をつかさどらするために日をつくりたまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

夜をつかさどらするために月ともろもろの星とをつくりたまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

136:10

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もろもろの首出をうちてエジプトを責たまへるものに感謝せよ そのあはれみは永遠にたゆることなければなり

136:11

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イスラエルを率てエジプト人のなかより出したまへる者にかんしやせよ そのあはれみはとこしへに絶ることなければなり

136:12

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臂をのばしつよき手をもて之をひきいだしたまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

136:13

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紅海をふたつに分たまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

136:14

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イスラエルをしてその中をわたらしめ給へるものに感謝せよ そのあはれみは永遠にたゆることなければなり

136:15

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パロとその軍兵とを紅海のうちに仆したまへるものに感謝せよ そのあはれみは永遠にたゆることなければなり

136:16

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その民をみちびきて野をすぎしめたまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

136:17

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大なる王たちを撃たまへるものに感謝せよ そのあはれみは永遠にたゆることなければなり

136:18

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名ある王等をころしたまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへに絶ることなければなり

136:19

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アモリ人のわうシホンをころしたまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

136:20

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バシヤンのわうオグを誅したまへるものに感謝せよ そのあはれみは永遠にたゆることなければなり

136:21

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かれらの地を嗣業としてあたへたまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへにたゆることなければなり

136:22

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その僕イスラエルにゆづりとして之をあたへたまへるものに感謝せよ そのあはれみは永遠にたゆることなければなり

136:23

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われらが微賤かりしときに記念したまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへに絶ることなければなり

136:24

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わが敵よりわれらを助けいだしたまへる者にかんしやせよ その憐憫はとこしへに絶ることなければなり

136:25

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すべての生るものに食物をあたへたまふものに感謝せよ そのあはれみはとこしへに絶ることなければなり

136:26

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天の神にかんしやせよ その憐憫はとこしへに絶ることなければなり

第137篇

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われらバビロンの河のほとりにすわり シオンをおもひいでて涙をながしぬ

われらそのあたりの柳にわが琴をかけたり

そはわれらを虜にせしものわれらに歌をもとめたり 我儕をくるしむる者われらにおのれを歓ばせんとて シオンのうた一つうたへといへり

われら外邦にありていかでヱホバの歌をうたはんや

エルサレムよもし我なんぢをわすれなばわが右の手にその巧をわすれしめたまへ

もしわれ汝を思ひいでず もしわれヱルサレムをわがすべての歓喜の極となさずばわが舌をわが腭につかしめたまヘ

ヱホバよねがはくはヱルサレムの日にエドムの子輩がこれを掃除けその基までもはらひのぞけといへるを聖意にとめたまへ

ほろぼさるべきバビロンの女よ なんぢがわれらに作しごとく汝にむくゆる人はさいはひなるべし

なんぢの嬰兒をとりて岩のうへになげうつものは福ひなるべし

第138篇

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ダビデのうた

われはわが心をつくしてなんぢに感謝し もろもろの神のまへにて汝をほめうたはん

我なんぢのきよき宮にむかひて伏拝み なんぢの仁慈とまこととの故によりて聖名にかんしやせん そは汝そのみことばをもろもろの聖名にまさりて高くしたまひたればなり

汝わがよばはりし日にわれにこたへ わが霊魂にちからをあたへて雄々しからしめたまへり

ヱホバよ地のすべての王はなんぢに感謝せん かれらはなんぢの口のもろもろの言をききたればなり

かれらはヱホバのもろもろの途についてうたはん ヱホバの榮光おほいなればなり

ヱホバは高くましませども卑きものを顧みたまふ されど亦おごれるものを遠よりしりたまへり

縦ひわれ患難のなかを歩むとも汝われをふたたび活し その手をのばしてわが仇のいかりをふせぎ その右の手われをすくひたまふべし

ヱホバはわれに係れることを全うしたまはん ヱホバよなんぢの憐憫はとこしへにたゆることなし願くはなんぢの手のもろもろの事跡をすてたまふなかれ

第139篇

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伶長にうたはしめたるダビデの歌

ヱホバよなんぢは我をさぐり我をしりたまへり

なんぢはわが坐るをも立をもしり 又とほくよりわが念をわきまへたまふ

なんぢはわが歩むをもわが臥をもさぐりいだし わがもろもろの途をことごとく知たまへり

そはわが舌に一言ありとも観よヱホバよなんぢことごとく知たまふ

なんぢは前より後よりわれをかこみ わが上にその手をおき給へり

かかる知識はいとくすしくして我にすぐ また高くして及ぶことあたはず

我いづこにゆきてなんぢの聖霊をはなれんや われいづこに往てなんぢの前をのがれんや

われ天にのぼるとも汝かしこにいまし われわが榻を陰府にまうくるとも 観よなんぢ彼處にいます

我あけぼのの翼をかりて海のはてにすむとも

139:10

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かしこにて尚なんぢの手われをみちびき汝のみぎの手われをたもちたまはん

139:11

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暗はかならす我をおほひ 我をかこめる光は夜とならんと我いふとも

139:12

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汝のみまへには暗ものをかくすことなく 夜もひるのごとくに輝けり なんぢにはくらきも光もことなることなし

139:13

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汝はわがはらわたをつくり 又わがははの胎にわれを組成たまひたり

139:14

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われなんぢに感謝す われは畏るべく奇しくつくられたり なんぢの事跡はことごとくくすし わが霊魂はいとつばらに之をしれり

139:15

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われ隠れたるところにてつくられ地の底所にて妙につづりあはされしとき わが骨なんぢにかくるることなかりき

139:16

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わが體いまだ全からざるに なんぢの目ははやくより之をみ 日々かたちづくられしわが百體の一だにあらざりし時に ことごとくなんぢの冊にしるされたり

139:17

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神よなんぢりもろもろの思念はわれに寶きこといかばかりぞや そのみおもひの総計はいかに多きかな

139:18

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我これを算へんとすれどもそのかずは沙よりもおほし われ眼さむるときも尚なんぢとともにをる

139:19

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神よなんぢはかならず惡者をころし給はん されば血をながすものよ我をはなれされ

139:20

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かれらはあしき企圖をもて汝にさからひて言ふ なんぢの仇はみだりに聖名をとなふるなり

139:21

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ヱホバよわれは汝をにくむ者をにくむにあらずや なんぢに逆ひておこりたつものを厭ふにあらずや

139:22

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われ甚くかれらをにくみてわが仇とす

139:23

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神よねがはくは我をさぐりてわが心をしり 我をこころみてわがもろもろの思念をしりたまへ

139:24

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ねがはくは我によこしまなる途のありやなしやを見て われを永遠のみちに導きたまへ

第140篇

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伶長にうたはしめたるダビデのうた

ヱホバよねがはくは惡人よりわれを助けいだし 我をまもりて強暴人よりのがれしめたまへ

かれらは心のうちに殘害をくはだて たえず戦闘をおこす

かれらは蛇のごとくおのが舌を利す そのくちびるのうちに蝮の毒ありセラ

ヱホバよ願くはわれを保ちてあしきひとの手よりのがれしめ 我をまもりてわが足をつまづかせんと謀るあらぶる人よりのがれしめ給へ

高ぶるものはわがために羂と索とをふせ 路のほとりに網をはり かつ機をまうけたりセラ

われヱホバにいへらく汝はわが神なり ヱホバよねがはくはわが祈のこゑをきき給へ

わが救のちからなる主の神よ なんぢはたたかひの日にわが首をおほひたまへり

ヱホバよあしきひとの欲のままにすることをゆるしたまふなかれ そのあしき企図をとげしめたまふなかれ おそらくは彼等みづから誇らんセラ

われを圍むものの首はおのれのくちびるの殘害におほはるべし

140:10

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もえたる炭はかれらのうへにおち かれらは火になげいれられ ふかき穴になげいれられて再びおきいづることあたはざるべし

140:11

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惡言をいふものは世にたてられず 暴ぶるものはわざはひに追及れてたふさるべし

140:12

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われは苦しむものの訴とまづしきものの義とをヱホバの守りたまふを知る

140:13

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義者はかならず聖名にかんしやし直者はみまへに住ん

第141篇

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ダビデのうた

ヱホバよ我なんぢを呼ふ ねがはくは速かにわれにきたりたまへ われ汝をよばふときわが聲に耳をかたぶけたまへ

われは薫物のごとくにわが祈をみまへにささげ 夕のそなへものの如くにわが手をあげて聖前にささげんことをねがふ

ヱホバよねがはくはわが口に門守をおきて わがくちびるの戸をまもりたまへ

惡事にわがこころを傾かしめて邪曲をおこなふ者とともに惡きわざにあづからしめ給ふなかれ 又かれらの珍饈をくらはしめたまふなかれ

義者われをうつとも我はこれを愛しみとしその我をせむるを頭のあぶらとせん わが頭はこれを辭まず かれらが禍害にあふときもわが祈はたえじ

その審士ははほの崕になげられん かれらわがことばの甘美によりて聴ことをすべし

人つちを耕しうがつがごとく我儕のほねははかの口にちらさる

されど主ヱホバよわが目はなほ汝にむかふ 我なんぢに依頼めり ねがはくはわが霊魂をともしきままに捨おきたまなかれ

我をまもりてかれらがわがためにまうくる羂とよこしまを行ふものの機とをまぬかれしめたまへ

141:10

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われは全くのがれん あしきものをおのれの網におちいらしめたまへ

第142篇

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ダビデが洞にありしときよみたる教へのうたなり祈なり

われ聲をいだしてヱホバによばはり 聲をいだしてヱホバにこひもとむ

われはその聖前にわが歎息をそそぎいだし そのみまへにわが患難をあらはす

わが霊魂わがうちにきえうせんとするときも汝わがみちを識たまへり 人われをとらへんとてわがゆくみちに羂をかくせり

願くはわがみぎの手に目をそそぎて見たまへ 一人だに我をしるものなし われには避所なくまたわが霊魂をかへりみる人なし

ヱホバよわれ汝をよばふ 我いへらく汝はわがさけどころ有生の地にてわがうべき分なりと

ねがはくはわが號呼にみこころをとめたまへ われいたく卑くせられたればなり 我をせむる者より助けいだしたまへ 彼等はわれにまさりて強ければなり

願くはわがたましひを囹圄よりいだし われに聖名を感謝せしめたまへ なんぢ豊かにわれを待ひたまふべければ 義者われをめぐらん

第143篇

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ダビデのうた

ヱホバよねがはくはわが祈をきき わが懇求にみみをかたぶけたまへ なんぢの眞實なんぢの公義をもて我にこたへたまへ

汝のしもべの審判にかかつらひたまふなかれ そはいけるもの一人だにみまへに義とせらるるはなし

仇はわがたましひを迫めわが生命を地にうちすて 死てひさしく世を經たるもののごとく我をくらき所にすまはせたり

又わがたましひはわが衷にきえうせんとし わが心はわがうちに曠さびれたり

われはいにしへの日をおもひいで 汝のおこなひたまひし一切のことを考へ なんぢの手のみわざをおもふ

われ汝にむかひてわが手をのべ わがたましひは燥きおとろへたる地のごとく汝をしたへりセラ

ヱホバよ速かにわれにこたへたまへ わが霊魂はおとろふ われに聖顔をかくしたまふなかれ おそらくはわれ穴にくだるもののごとくならん

朝になんぢの仁慈をきかしめたまへ われ汝によりたのめばなり わが歩むべき途をしらせたまへ われわが霊魂をなんぢに挙ればなり


ヱホバよねがはくは我をわが仇よりたすけ出したまへ われ匿れんとして汝にはしりゆく

143:10

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汝はわが神なり われに聖旨をおこなふことををしへたまへ 惠ふかき聖霊をもて我をたひらかなる國にみちびきたまヘ

143:11

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ヱホバよねがはくは聖名のために我をいかし なんぢの義によりてわがたましひを患難よりいだしたまへ

143:12

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又なんぢの仁慈によりてわが仇をたち 霊魂をくるしむる者をことごとく滅したまへ そは我なんぢの僕なり

第144篇

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ダビデのうた

戦することをわが手にをしへ 闘ふことをわが指にをしへたまふ わが磐ヱホバはほむべきかな

ヱホバはわが仁慈わが城なり わがたかき櫓われをすくひたまふ者なり わが盾わが依頼むものなり ヱホバはわが民をわれにしたがはせたまふ

ヱホバよ人はいかなる者なれば之をしり 人の子はいかなる者なれば之をみこころに記たまふや

人は氣息にことならず その存らふる日はすぎゆく影にひとし

ヱホバよねがはくはなんぢの天をたれてくだり 手を山につけて煙をたたしめたまへ

電光をうちいだして彼等をちらし なんぢの矢をはなちてかれらを敗りたまへ

上より手をのべ我をすくひて 大水より外人の手よりたすけいだしたまへ

かれらの口はむなしき言をいひ その右の手はいつはりのみぎの手なり

神よわれ汝にむかひて新らしき歌をうたひ 十絃の琴にあはせて汝をほめうたはん

144:10

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なんぢは王たちに救をあたへ 僕ダビデをわざはひの劍よりすくひたまふ神なり

144:11

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ねがはくは我をすくひて外人の手よりたすけいだしたまへ かれらの口はむなしき言をいひ その右の手はいつはりのみぎの手なり

144:12

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われらの男子はとしわかきとき育ちたる草木のごとくわれらの女子は宮のふりにならひて刻みいだしし隅の石のごとくならん

144:13

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われらの倉はみちたらひてさまざまのものをそなへ われらの羊は野にて千萬の子をうみ

144:14

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われらの牡牛はよく物をおひ われらの衢にはせめいることなく亦おしいづることなく叫ぶこともなからん

144:15

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かかる状の民はさいはひなり ヱホバをおのが神とする民はさいはひなり

第145篇

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ダビデの讃美のうた

わがかみ王よわれ汝をあがめ 世かぎりなく聖名をほめまつらん

われ日ごとに汝をほめ世々かぎりなく聖名をはめたたへん

ヱホバは大にましませば最もほむべきかな その大なることは尋ねしることかたし

この代はかの代にむかひてなんぢの事跡をほめたたへ なんぢの大能のはたらきを宣つたへん

われ汝のほまれの榮光ある稜威となんぢの奇しきみわざとを深くおもはん

人はなんぢのおそるべき動作のいきほひをかたり 我はなんぢの大なることを宣つたへん

かれらはなんぢの大なる惠の跡をいひいで なんぢの義をほめうたはん

ヱホバは惠ふかく憐憫みち また怒りたまふことおそく憐憫おほいなり

ヱホバはよろづの者にめぐみあり そのふかき憐憫はみわざの上にあまねし

145:10

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ヱホバよ汝のすべての事跡はなんぢに感謝し なんぢの聖徒はなんぢをほめん

145:11

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かれらは御國のえいくわうをかたり汝のみちからを宣つたへて

145:12

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その大能のはたらきとそのみくにの榮光あるみいづとを人の子輩にしらすべし

145:13

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なんぢの國はとこしへの國なり なんぢの政治はよろづ代にたゆることなし

145:14

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ヱホバはすべて倒れんとする者をささへ かがむものを直くたたしめたまふ

145:15

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よろづのものの目はなんぢを待 なんぢは時にしたがひてかれらに糧をあたへ給ふ

145:16

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なんぢ手をひらきてもろもろの生るものの願望をあかしめたまふ

145:17

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ヱホバはそのすべての途にただしく そのすべての作爲にめぐみふかし

145:18

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すべてヱホバをよぶもの 誠をもて之をよぶものに ヱホバは近くましますなり

145:19

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ヱホバは己をおそるるものの願望をみちたらしめ その號呼をききて之をすくひたまふ

145:20

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ヱホバはおのれを愛しむものをすべて守りたまへど 惡者をことごとく滅したまはん

145:21

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わが口はヱホバの頌美をかたり よろづの民は世々かぎりなくそのきよき名をほめまつるべし

第146篇

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ヱホバを讃稱へよ わがたましひよヱホバをほめたたへよ

われ生るかぎりはヱホバをほめたたへ わがながらふるほどはわが神をほめうたはん

もろもろの君によりたのむことなく 人の子によりたのむなかれ かれらに助あることなし

その氣息いでゆけばかれ土にかへる その日かれがもろもろの企圖はほろびん

ヤコブの神をおのが助としその望をおのが神ヱホバにおくものは福ひなり

此はあめつちと海とそのなかなるあらゆるものを造り とこしへに眞實をまもり

虐げらるるもののために審判をおこなひ 飢ゑたるものに食物をあたへたまふ神なり ヱホバはとらはれたる人をときはなちたまふ

ヱホバはめしひの目をひらき ヱホバは屈者をなほくたたせ ヱホバは義しきものを愛しみたまふ

ヱホバは他邦人をまもり 孤子と寡婦とをささへたまふ されど惡きものの徑はくつがへしたまふなり

146:10

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ヱホバはとこしへに統治めたまはん シオンよなんぢの神はよろづ代まで統治めたまはん ヱホバをほめたたへよ

第147篇

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ヱホバをほめたたへよ われらの神をほめうたふは善ことなり樂しきことなり 稱へまつるはよろしきに適へり

ヱホバはヱルサレムをきづきイスラエルのさすらへる者をあつめたまふ

ヱホバは心のくだけたるものを醫しその傷をつつみたまふ

ヱホバはもろもろの星の數をかぞへてすべてこれに名をあたへたまふ

われらの主はおほいなりその能力もまた大なりその智慧はきはまりなし

ヱホバは柔和なるものをささへ惡きものを地にひきおとし給ふ

ヱホバに感謝してうたへ琴にあはせてわれらの神をほめうたヘ

ヱホバは雲をもて天をおほひ地のために雨をそなへ もろもろの山に草をはえしめ

くひものを獣にあたへ並なく小鴉にあたへたまふ

147:10

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ヱホバは馬のちからを喜びたまはず 人の足をよみしたまはず

147:11

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ヱホバはおのれを畏るるものと おのれの憐憫をのぞむものとを好したまふ

147:12

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ヱルサレムよヱホバをほめたたへよ シオンよなんぢの神をほめたたへよ

147:13

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ヱホバはなんぢの門の關木をかたうし 汝のうちなる子輩をさきはひ給ひたればなり

147:14

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ヱホバは汝のすべての境にやはらぎをあたへ いと嘉麥をもて汝をあかしめたまふ

147:15

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ヱホバはそのいましめを地にくだしたまふ その聖言はいとすみやかにはしる

147:16

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ヱホバは雪をひつじの毛のごとくふらせ霜を灰のごとくにまきたまふ

147:17

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ヱホバは氷をつちくれのごとくに擲ちたまふ たれかその寒冷にたふることをえんや

147:18

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ヱホバ聖言をくだしてこれを消し その風をふかしめたまへばもろもろの水はながる

147:19

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ヱホバはそのみことばをヤコブに示し そのもろもろの律法とその審判とをイスラエルにしめしたまふ

147:20

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ヱホバはいづれの國をも如此あしらひたまひしにあらず ヱホバのもろもろの審判をかれらはしらざるなり ヱホバをほめたたへよ

第148篇

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ヱホバをほめたたへよ もろもろの天よりヱホバをほめたたへよ もろもろの高所にてヱホバをほめたたへよ

その天使よみなヱホバをほめたたへよ その萬軍よみなヱホバをほめたたへよ

日よ月よヱホバをほめたたへよ ひかりの星よみなヱホバをほめたたへよ

もろもろの天のてんよ 天のうへなる水よ ヱホバをほめたたへよ

これらはみなヱホバの聖名をほめたたふべし そはヱホバ命じたまひたればかれらは造られたり

ヱホバまた此等をいやとほながに立たまひたり 又すぎうすまじき詔命をくだしたまへり

龍よ すべての淵よ地よりヱホバをほめたたへよ

火よ霰よ雪よ霧よみことばにしたがふ狂風よ

もろもろの山もろもろのをか實をむすぶ樹すべての香柏よ

148:10

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獣もろもろの牲畜はふもの翼ある鳥よ

148:11

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地の王たち もろもろのたみ 地の諸侯よ 地のもろもろの審士よ

148:12

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少きをのこ 若きをみな 老たる人 をさなきものよ

148:13

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みなヱホバの聖名をほめたたふべし その聖名はたかくして類なく そのえいくわうは地よりも天よりもうへにあればなり

148:14

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ヱホバはその民のために一つの角をあげたまへり こはそもろもろの聖徒のほまれ ヱホバにちかき民なるイスラエルの子輩のほまれなり ヱホバを讃稱へよ

第149篇

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ヱホバをほめたたへよ ヱホバに對ひてあたらしき歌をうたへ 聖徒のつどひにてヱホバの頌美をうたヘ

イスラエルはおのれを造りたまひしものをよろこび シオンの子輩は己が王のゆゑによりて樂しむべし

かれらをどりつつその聖名をほめたたへ 琴鼓にてヱホバをほめうたべし

ヱホバはおのが民をよろこび 救にて柔和なるものを美しくしたまへばなり

聖徒はえいくわうの故によりてよろこび その寝牀にてよろこびうたふべし

その口に神をほむるうたあり その手にもろはの劍あり

こはもろもろの國に仇をかへし もろもろの民をつみなひ

かれらの王たちを鏈にてかれらの貴人をくろかねの械にていましめ

録したる審判をかれらに行ふべきためなり 斯るほまれはそのもろもろの聖徒にあり ヱホバをほめたたへよ

第150篇

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ヱホバをほめたたへよ その聖所にて神をほめたたへよ その能力のあらはるる穹蒼にて神をほめたたへよ

その大能のはたらきのゆゑをもて神をほめたたへよ その秀ておほいなることの故によりてヱホバをほめたたへよ

ラッパの聲をもて神をほめたたへよ 筝と琴とをもて神をほめたたへよ

つづみと蹈舞とをもて神をほめたたへよ 絃簫をもて神をほめたたへよ

音のたかき鐃鈸をもて神をほめたたへよ なりひびく鐃鈸をもて神をほめたたへよ

氣息あるものは皆ヤハをほめたたふべし なんぢらヱホバをほめたたへよ