著作権法 (檀紀4278年法律第432号)

この法令等は、現在、廃止又は失効、使用主体の消滅その他の理由により法的効力を失ったか、最新の改正を反映していないものです。

著作権法 編集

第1章 総則 編集

第1條 (目的) 本法は,學問的又は藝術的著作物の著作者を保護し,民族文化の向上發展を圖ることを目的とする。

第2條 (著作物) 本法において著作物と言うのは,表現の方法又は形式の如何を問わず,文書,演述,繪畵,彫刻,工藝,建築,地圖,圖形,模型,寫眞,樂曲,樂譜,演奏,歌唱,舞譜,脚本,演出,音盤,錄音フィルム,映畵その他學問又は藝術の範圍に屬する一切の物を言う。

第3條 (非著作物) 次に記載したものは,これを本法に依る著作物と見做さない。

1. 法律,命令及び官公署文書の本文 但し,內秘中であるものは,例外とする
2. 時事報道
3. 新聞又は雜誌に揭載された雜報
4. 公開の法廷,國會,地方議會における演述

第4條 (著作者) 本法において著作者と言うのは,著作物を創作した者を言う。

第5條 (同前) ①他人の著作物をその創作者の同意を受けて飜譯,改作又は編輯した者は,原著作者の權利を害しない範圍內においてこれを本法に依る著作者と見做す。

②本法において改作と言うのは,新たな著作物となり得る程度に原著作物に修正增減を加え,又は次の方法に依り變形複製するものを言う。

1. 原著作物を映畵化(脚色して映畵化する境遇を含む)し,又は映畵を脚本化,小說化すること
2. 美術的著作物を原著作物と異なる技術をもって轉化させること
3. 音樂的著作物を原著作物と異なる技術をもって轉化させ,その旋律を變化させること
4. 原著作物を音盤又はフィルムに寫調又は錄音すること
5. 小說を脚本化し,又は脚本を小說化すること
6. 小說脚本を詩歌化し,又は詩歌を小說,脚本化すること

第6條 (同前) 次の各號の一に該當する者は,これを本法による著作者と推定する。

1. 既に發行した著作物においてその著作者として姓名を揭記した者
2. また發行していない脚本,樂譜及び映畵化した著作物の公演において著作者として姓名を揭記した者
3. 著作者の姓名を揭記しないときは,その出版者又はその公演者

第7條 (著作權) 本法において著作權と言うのは,著作者がその著作物上に有している一切の人格的財産權利を言う。

第8條 (發行) ①本法において發行と言うのは,著作物を複製し,發賣又は配布する行爲を言う。

②無名又は變名著作物においては,その著作物に發行者として姓名を揭記した者を發行人と推定する。

第9條 (出版) 本法において出版と言うのは,文書,繪畵等の著作物を印刷術其他の機械的,化學的方法によって複製し,發賣又は配布することを言う。

第10條 (公演) 本法において公演と言うのは,脚本,樂譜,音盤,映畵等の著作物を上演,演奏,上映,其他の方法により 公開演出することを言う。

第11條 (著作權審議會) ①本法に規定された諸登錄,第20條第3項又は第22條第3項の規定による補償金の額又は著作權に關する全般的事項等に關して主務長官の諮問に應じ,又は이に關する事項を調査審議するために著作權審議會を置く。

②著作權審議會は,德望ある著作者で構成する。

③著作權審議會の組織及び其他必要な事項は,大統領令で定める。

第2章 著作權 編集

第12條 (合著作物) ①數人の合著作に關する著作物の著作權は,各著作者の共有に屬する。

②各著作者の分擔した部分が明確でない境遇において,著作者中にその發行又は公演を拒絶する者があるときは,その外の著作者は,その者に賠償することによりその持分を取得することができる。但し,反對の契約があるときは,例外とする。

③各著作者の分擔した部分が明確した部分において著作者中にその發行又は公演を拒絶する者があるときは,その以外の著作者は,自己の部分を分離し,單獨の著作物として發行又は公演することができる。但し,反對の契約があるときは,例外とする。

④本條第2項の境遇において發行又は公演を拒絶した著作者の姓名は,その意思に反してその姓名をその著作物に揭記することができない。

第13條 (囑託著作物) 他人の囑託によって著作された寫眞,肖像の著作權は,その囑託者に屬する。

第14條 (歸屬權) 著作者は,著作物に關する財産的權利に關係なく,また權利の移轉後においてもその著作物の創作者であることを主張する權利を有する。

第15條 (公表權) 未公表の著作物の著作者は,これを公表し,又は公表しないことを自由に決定する權利を有する。

第16條 (原狀維持權) 著作者は,著作物に關する財産的權利に關係なく,またその權利の移轉後においてもその著作物の內容又は題號を改竄,截除又は其他變更を加え,その名譽及び聲望を害した者に對して,異義を主張する權利を有する。

第17條 (變更權) 著作者は,その著作物の內容形式及び題號を變更する權利を有する。

第18條 (發行權) 著作者は,その著作物を發行する權利を有する。

第19條 (出版權) 著作者は,その著作物を出版する權利を有する。

第20條 (公演權) ①著作者は,その著作物を公演する權利を有する。

②著作者の不明した著作物であっていまだ発行又は公演していないものは,大統領令の定めるところによってこれを發行又は公演することができる。

③著作權者の居所が不明であり,又は著作權者と協議することができないときは,大統領令の定めるところにより相當の補償金を供託してその著作物を發行又は公演することができる。

④前項の補償金の額に關して異議がある者は,法院に出訴することができる。

第21條 (演述權) 著作者は,その著作物を演述する權利を有する。

第22條 (放送權) ①著作者は,その著作物の「ラジオ」又は「テレビジョン」による放送を許諾する權利を有する。

②既に發行又は公演された著作物を放送しようとするときは,放送者は,著作權者の承諾を受けなければならない。

③前項の承諾を受けることができず,その著作物の放送が公益上必要であるときは,放送者は,大統領令の定めるところにより,相當の補償金を支給し,著作物を放送することができる。

第23條 (實施權) 著作者は,その著作物を建造其他の方法により 實施する權利を有する。

第24條 (展覽權) 著作者は,その著作物を展覽する權利を有する。

第25條 (飜譯權) 著作者は,その著作物を飜譯する權利を有する。

第26條 (改作權) 著作者は,その著作物を改作する權利を有する。

第27條 (編輯權) 著作者は,その著作物を編輯する權利を有する。

第28條 (押留禁止) 未だ發行又は公演していない著作物の原本及びその著作權は,債權者のために押留されない。但し,著作權者の承諾があるときは,例外とする。

第29條 (著作權の存續期間) 第14條ないし第17條の權利は,永久に存續する。

第30條 (同前) ①發行又は公演した著作物の著作權は,著作者の生存の間及び死後30年間存續する。

②數人の合著作に關する著作物の著作權は,最終死亡者の死後30年間存續する。

第31條 (同前) 著作者の死後發行又は公演した著作物の著作權は,發行又は公演した日から30年間存續する。

第32條 (同前) 無名又は變名著作物の著作權は,發行又は公演した日から30年間存續する。 但し,期間內に著作者がその實名の登錄を受けるときは,第30條の規定による。

第33條 (同前) 官公署,學校,會社又は其他社會團體が著作者として發行又は公演した著作物の著作權は,發行又は公演した日から30年間存續する。

第34條 (同前) ①著作權者が原著作物發行日から5年內にその飜譯物を發行しないときは,その飜譯權は,消滅する。

②前項の期間內に著作者がその保護を受けようとする國語の飜譯物を發行するときは,その國語の飜譯權は,第30條の規定による。

第35條 (同前) ①寫眞著作權は,10年間存續する。

②寫眞術に依り適法に藝術上の著作權を複製した者は,原著作物に關する著作權と同一の期間內本法の保護を受ける。但し,當事者間に契約があるときは,その契約の制限による。

第36條 (同前) 學問的又は藝術的著作物中に揷入された寫眞として特にその著作物のために著作し,又は著作させたときは,その寫眞著作權は,學問的又は藝術的著作物の著作者に屬し,その著作權は,その學問的又は藝術的著作權と同一の期間內存續する。

第37條 (同前) 寫眞に關する規定は,寫眞術と類似した方法によって製作した著作物に準用する。

第38條 (同前) 映畵製作權は,獨創性を有したものにおいては,第30條ないし第33條の規定を適用し,これを缺くものにおいては,第35條の規定を準用する。

第39條 (存續期間の始期) 第30條ないし第34條の境遇において著作權の期間を計算することには,著作者死亡の年又は著作物を發行又は公演したときの翌年から起算する。

第40條 (同前) 寫眞著作權の期間は,その著作物を最初に發行した年の翌年から起算する。 萬一發行しないときは,原板を製作した年の翌年から起算する。

第41條 (同前) ①冊號により順次に發行する著作物に關しては,第30條ないし第34條の期間は,每冊又は每號發行日から起算する。

②部分ごとに順に發行して全部完成した著作物に關しては,第30條ないし第34條の期間は,最終部分を發行した日から起算する。 但し,3年を經過して未だ繼續の部分を發行しないときは,既に發行した部分をもって最終のものとみる。

第42條 (讓渡權) ①著作權は,その全部又は一部を讓渡することができる。

②著作權の讓渡は,飜譯權の讓渡を含まないものと推定する。

第43條 (對抗要件) ①著作權の相續,讓渡,信託,入質は,その登錄をしなければこれにより第三者に對抗することができない。

②無名又は變名著作物の著作者は,現在のその著作權の所有與否に關係なく,その實名の登錄をすることができる。

③著作者は,現在のその著作權の所有與否に關係なく,その著作物の著作年月日の登錄をすることができる。

④無名又は變名著作物の發行者又は公演者は,著作權者に屬する權利を保全することができる。但し,著作者がその實名を登錄をしたときは,例外とする。

第44條 (登錄) ①登錄は,文敎部長官がこれを管掌する。

②登錄に關して必要な事項は,大統領令で定める。

第45條 (消滅) 相續人のないときは,著作權は,消滅する。

第46條 (外國人著作權) 外國人の著作權に對しては,條約に別段の規定があるものを除外いては,本法の規定を適用する。 但し,著作權保護に關して條約に規定がないときは,國內において最初にその著作物を發行した者に限って本法の保護を受ける。

第3章 出版權及び公演權 編集

第47條 (設定) 著作權者は,その著作物の出版を引受する者に対して出版權を設定することができる。

第48條 (出版權者) ①出版權者は,設定行爲の定めるところにより出版權の目的たる著作物を原作通りに出版する權利を有する。

②出版權者は,出版權を表示するために各出版物に著作權者の檢印を貼付しなければならない。 但し,出版權者が著作權の讓渡を受けたときは,その趣旨を出版物に表示しなければならない。

第49條 (存續期間) 出版權は,設定行爲に別途定めのない限り,設定日から3年間存續する。

第50條 (讓渡入質) 出版權者は,著作權者の同意なくしては,讓渡又は入質することができない。

第51條 (出版義務) ①出版權者は,特約のない限り,出版權設定日から6月以內に著作物を出版しなければならない。

②出版權者は,特約のない限り,著作物を繼續して出版しなければならない。

第52條 (通知義務) 出版權者が出版物を再版,重版するときは,著作者に修正增減の機會を与えるため事前に著作者にその趣旨を通知しなければならない。

第53條 (修正加減權) 著作權者は,各版の複製完了まで,その著作物に正當した範圍內の修正增減を加することができる。

第54條 (別途出版權) 著作權者たる著作者が死亡したとき又は設定行爲に別途定めるものがない場合において出版權設定後3年を經過したときは,著作權者は,著作物を全集其他の編輯物に輯錄し,又は全集其他の編輯物の一部を分離して別途出版することができる。

第55條 (消滅通告權) ①出版權者が出版權設定後6月以內に出版をせず,又は繼續して出版をしないときは,著作權者は,6月以上の期間を定めその履行を催告し,その期間內に履行しないときは,出版權の消滅を通告することができる。

②出版が不可能な場合又は出版意思のないことが明白である場合は,卽時に出版權の消滅を通告することができる。

③出版權の消滅を通告したときは,通告したときに出版權が消滅する。

第56條 (消滅請求權) 著作權者は,前條の境遇においていつでも原狀回復を請求し,又は出版を中止することによる損害の賠償を請求することができる。

第57條 (對抗要件) 出版權の得喪,變更及び入質は,その登錄をしなければ,第三者に對抗することができない。 第44條の規定は,出版權の登錄にこれを準用する。

第58條 (侵害) 出版權の侵害に對しては,本法中第64條の規定を除いては,著作權侵害に關する規定を準用する。

第59條 (公演權) 著作權者は,その著作物の公演を引受する者に對して公演權を設定することができる。

第60條 (同前) 公演權者は,設定行爲の定めるところにより公演權の目的たる著作物を原作そのままに公演する權利を有する。

第61條 (同前) 公演權設定に關しては,本章出版權設定の規定を準用する。 但し,第49條の準用においてその期間は,1年とする。

第4章 著作權侵害 編集

第62條 (民法其他法令の準用) 著作權を侵害した行爲に對しては,本法に特別の規定がある場合以外には,民法其の他の法令を適用する。

第63條 (不正出版物の部數推定) 著作者の承諾なく著作物を出版し,又は第48條第2項の規定に違反して著作者の檢印なくして著作物を出版したときに不正出版物の部數を算定し難いときは,これを3千部と推定する。

第64條 (非侵害行爲) 既に發行された著作物を次の方法によって複製することは,これを著作權侵害と見做さない。

1. 發行する意思なくして,機械的又は化學的方法に依らずに複製すること
2. 自己の著作物中に正當な範圍內において節錄引用すること
3. 敎科用圖書の目的のために正當な範圍內において拔萃蒐輯すること
4. 學問的又は藝術的著作物の文句を自己が著作した脚本に揷入し,又は樂譜に充用すること
5. 學問的又は藝術的著作物を說明する資料として學問的又は藝術的著作物を揷入したこと
6. 繪畵を彫刻物模型として製作し,又は彫刻物模型を繪畵として製作すること
7. 脚本又は樂譜を敎育を目的として公演し,又は公演を放送すること
8. 音盤,錄音フィルム等を公演又は放送の用に供すること

本條の境遇においては,その出所を明示しなければならない。 但し,前項第3號の境遇には,例外とする。

第65條 (侵害行爲) 次の各號の一に該當するときは,これを著作權侵害と見做す。

1. 著作權を侵害した著作物を輸入し,國內で發賣,配布すること
2. 練習用のために著作された問題の解答書を發行すること

第66條 (利得返還義務) 善意で,また過失なく著作權を侵害し利益を受けることにより他人に損失を加えた者は,その利益が現存する限度においてこれを返還しなければならない。

第67條 (合著作者) 數人の合著作に關する著作物の著作權侵害に對しては,他の著作權者の同意なく告訴をし,自己の持分に對した損害の賠償を請求し,又は自己の持分に應じて前條の利益の返還を請求することができる。

第68條 (臨時處分) ①著作權侵害に關して民事の出訴又は刑事の起訴あるときは,裁判所は,原告又は告訴人の申請によって保證をたて,又はたてず臨時に著作權侵害の疑心がある著作物の發賣,配布を禁止し,又はこれを押留,或はその公演を禁止させることができる。

②前項の場合において著作權の侵害がない旨の判決が確定したときは,申請者は,禁止又は押留に因り發生した損害を賠償しなければならない。

第5章 罰則 編集

第69條 (著作人格權の侵害) 第14條,第16條の規定に違反して著作者の名譽を毁損させた者は,6月以下の懲役又は10萬ファン以下の罰金に處する。

第70條 (不正發行) 著作者でない者の姓名稱號を附して著作物を發行した者は,50萬ファン以下の罰金に處する。

第71條 (不正出版公演) ①著作權を侵害して著作物を出版又は公演した者は,1年以下の懲役に處する。

②第48條第2項の規定に違反した者は,前項と同様とする。

③前2項の境遇においては,50萬ファン以下の罰金を倂科することができる。

④第1項第2項の著作物をその情をしってこれを發賣又は配布した者は,6個月以下の懲役又は20萬ファン以下の罰金に處する。

第72條 (出處不明示) 第64條第2項の規定に違反して出所を明示せずに複製した者は,10萬ファン以下の罰金に處する。

第73條 (虛僞登錄) 虛僞の登錄をした者は,6月以下の懲役又は20萬ファン以下の罰金に處する。

第74條 (沒收) 著作權を侵害した著作物は,著作權侵害者,印刷者,發賣者及び配付者の所有である場合に限ってこれを沒收する。

第75條 (親告) 本章に規定する罪は,被害者の告訴を待ってその罪を論する。 但し,第69條の場合において著作者が死亡したとき及び第70條,第73條の場合においては,例外とする。

附則 <1957.1.28.> 編集

本法は,公布の日から施行する。

檀紀4278年8月15日以前に國語又は漢文でなされた著作物に關する著作權讓渡契約は,これを無效とする。

「著作權法ヲ朝鮮ニ施行スルコトニ關スル件」は,これを廢止する。

本法公布日前にすでに各出版物の販賣所に配付された出版物であって,第48條第2項の規定に違反する出版物は,本法公布日から3月以內に第48條第2項の要件を具備しなければならない。

 

この著作物又はその原文は、大韓民国著作権法7条により同法の保護対象から除外されるため、同国においてパブリックドメインの状態にあります。該当する著作物には、次のものが含まれます。:

  1. 憲法・法律・条約・命令・条例及び規則
  2. 国又は地方公共団体の告示、公告、訓令その他これに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判又は行政審判手続その他これに類する手続による議決、決定等
  4. 国又は地方公共団体が作成したものであって第1号から第3号までに規定されたものの編輯物又は翻訳物
  5. 事実の伝達にすぎない時事報道

この著作物又はその原文は、本国又は著作物の最初の発行地の著作権法によって保護されない著作物であり、保護期間が0年の著作物と見なされるため、日本国においてパブリックドメインの状態にあります。(日本国著作権法第58条及びウィキペディアの解説参照。)


この著作物又はその原文は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令(Edict of government参照)等であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。このような文書には、"制定法、裁判の判決、行政の決定、国の命令、又は類似する形式の政府の法令資料"が含まれます。詳細は、“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。

 
 

原文の著作権・ライセンスは別添タグの通りですが、訳文はクリエイティブ・コモンズ 表示-継承ライセンスのもとで利用できます。追加の条件が適用される場合があります。詳細については利用規約を参照してください。