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若菜 作者:前田某
年はまだ、幾日(いくか)も経たぬ笹竹に、今朝そよそよの春風を、我が知り顔に鶯の、百百(もも)喜びの音をたてて。うたひ連れ立ち乙女子(をとめご)が、摘むや千歳の初若菜、若菜摘む手の柔(やさ)しさに、梅が枝に囀づる百百千鳥(ももちどり)、声そへば色さへ音(ね)さへめでたき。
この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。