自然環境保全法の一部を改正する法律


 自然環境保全法の一部を改正する法律をここに公布する。

御名御璽

    平成三十一年四月二十六日

内閣総理大臣臨時代理    
国務大臣 菅  義偉  

法律第二十号

   自然環境保全法の一部を改正する法律

 自然環境保全法(昭和四十七年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。

 目次中「第五章 雑則(第三十六条-第四十四条)」を

「第四章の二 沖合海底自然環境保全地域

  第一節 指定等(第三十五条の二・第三十五条の三)

  第二節 保全(第三十五条の四-第三十五条の七)

  第三節 雑則(第三十五条の八-第三十五条の十二)

 第五章 雑則(第三十六条-第四十四条)      」

に、「第八章 罰則(第五十三条-第五十八条)」を

「第八章 罰則(第五十三条-第五十九条)

 第九章 外国船舶に係る担保金等の提供による釈放等(第六十条-第六十四条)」

に改める。

 第十二条第二項中「次の各号に」を「次に」に改め、同項第二号中「及び自然環境保全地域」を「、自然環境保全地域及び沖合海底自然環境保全地域」に改める。

 第十七条第二項中「附する」を「付する」に改める。

 第十八条第一項中「附せられた」を「付された」に改める。

 第二十二条第三項中「きかなければ」を「聴かなければ」に改め、同条第四項中「その案」を「当該指定の案」に改め、同条第五項中「供された案」を「供された指定の案」に改め、同条第六項中「供された案」を「供された指定の案」に、「きく」を「聴く」に改める。

 第二十八条第一項中「次の各号に」を「次に」に改め、「行為をしようとする者は」の下に「、あらかじめ」を加え、同項第一号中「こえる」を「超える」に改める。

 第三十条中「附せられた」を「付された」に、「第十七条第二項」を「前条第二項」に改める。

 第四章の次に次の一章を加える。

   第四章の二 沖合海底自然環境保全地域

    第一節 指定等

 (指定)

第三十五条の二 環境大臣は、自然環境保全地域以外の沖合の区域(我が国の内水及び領海(水深二百メートルを超える海域に限る。)、排他的経済水域並びに大陸棚(排他的経済水域及び大陸棚に関する法律(平成八年法律第七十四号)第二条に規定する大陸棚をいう。)に係る海域をいう。第三十五条の八及び第三十五条の九において同じ。)でその区域の海底の地形若しくは地質又は海底における自然の現象に依存する特異な生態系を含む自然環境が優れた状態を維持していると認めるもののうち、自然的社会的諸条件からみてその区域における自然環境を保全することが特に必要なものを沖合海底自然環境保全地域として指定することができる。

2 自然公園法第二条第一号に規定する自然公園の区域は、沖合海底自然環境保全地域の区域に含まれないものとする。

3 環境大臣は、沖合海底自然環境保全地域の指定をしようとするときは、あらかじめ、関係地方公共団体の長及び中央環境審議会の意見を聴かなければならない。この場合においては、次条第一項に規定する沖合海底自然環境保全地域に関する保全計画の案についても、あわせて、その意見を聴かなければならない。

4 環境大臣は、沖合海底自然環境保全地域を指定しようとするときは、あらかじめ、環境省令で定めるところにより、その旨を公告し、当該指定の案を当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。

5 前項の規定による公告があつたときは、当該区域に係る利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された指定の案について、環境大臣に意見書を提出することができる。

6 環境大臣は、前項の規定により縦覧に供された指定の案について異議がある旨の意見書の提出があつたとき、又は当該沖合海底自然環境保全地域の指定に関し広く意見を聴く必要があると認めたときは、公聴会を開催するものとする。

7 第十四条第四項及び第五項の規定は沖合海底自然環境保全地域の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について、第三項前段の規定は沖合海底自然環境保全地域の指定の解除及びその区域の変更について、同項後段及び前三項の規定は沖合海底自然環境保全地域の区域の拡張について、それぞれ準用する。

 (沖合海底自然環境保全地域に関する保全計画の決定)

第三十五条の三 沖合海底自然環境保全地域に関する保全計画(沖合海底自然環境保全地域における自然環境の保全のための規制、調査その他の事項に関する計画をいう。以下同じ。)は、環境大臣が決定する。

2 沖合海底自然環境保全地域に関する保全計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。

 一 保全すべき自然環境の特質その他当該地域における自然環境の保全に関する基本的な事項

 二 当該地域における自然環境の特質に即して、特に保全を図るべき区域(以下「沖合海底特別地区」という。)の指定に関する事項

 三 当該地域における自然環境の保全のための規制に関する事項

 四 前三号に掲げるもののほか、当該地域における自然環境の保全のための調査に関する事項その他の当該地域における自然環境の保全に関し必要な事項

3 第十五条第二項の規定は沖合海底自然環境保全地域に関する保全計画の決定、廃止及び変更について、前条第三項前段の規定は沖合海底自然環境保全地域に関する保全計画の廃止及び変更について、同条第四項から第六項までの規定は沖合海底自然環境保全地域に関する保全計画の決定及び変更(前項第二号又は第三号に掲げる事項に係る変更に限る。)について、それぞれ準用する。

    第二節 保全

 (沖合海底特別地区)

第三十五条の四 環境大臣は、沖合海底自然環境保全地域に関する保全計画に基づいて、その区域内に、沖合海底特別地区を指定することができる。

2 第十四条第四項及び第五項の規定は、沖合海底特別地区の指定及び指定の解除並びにその区域の変更について準用する。

3 沖合海底特別地区内においては、次に掲げる行為(以下この章及び第五十六条第六号において「特定行為」という。)は、環境大臣の許可を受けなければ、してはならない。

 一 鉱物を掘採すること。

 二 鉱物の探査を行うことであつて環境大臣が経済産業大臣の同意を得て定める方法によるもの

 三 海底に生息し、又は生育する動植物を捕獲し、又は採取することであつて環境大臣が農林水産大臣の同意を得て定める方法によるもの

 四 前三号に掲げるもののほか、沖合海底自然環境保全地域における自然環境の保全に影響を及ぼすおそれがある行為で政令で定めるもの

4 第十七条第二項の規定は、前項の許可について準用する。

5 環境大臣は、特定行為で当該特定行為に伴う海底の形質の変更が沖合海底特別地区における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれが少ないことその他の環境省令で定める基準に適合しないものについては、第三項の許可をしてはならない。

6 第三項の規定により特定行為が規制されることとなつた時において既に当該特定行為に着手している者は、その規制されることとなつた日から起算して六月間は、同項の規定にかかわらず、引き続き当該特定行為をすることができる。

7 前項に規定する者が同項の期間内に当該特定行為について環境大臣に届け出たときは、第三項の許可を受けたものとみなす。

8 特定行為のうち、沖合海底特別地区における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので環境省令で定めるものについては、第三項の規定は、適用しない。

 (沖合海底特別地区に含まれない区域)

第三十五条の五 沖合海底自然環境保全地域の区域のうち沖合海底特別地区に含まれない区域内において特定行為をしようとする者は、あらかじめ、環境大臣に対し、環境省令で定めるところにより、特定行為の種類、場所、施行方法及び着手予定日その他環境省令で定める事項を届け出なければならない。

2 環境大臣は、前項の規定による届出があつた場合において、沖合海底自然環境保全地域における自然環境の保全のために必要があると認めるときは、その届出をした者に対して、その届出があつた日から起算して三十日以内に限り、当該自然環境の保全のために必要な限度において、その届出に係る特定行為を禁止し、若しくは制限し、又は必要な措置をとるべき旨を命ずることができる。

3 第一項の規定による届出をした者は、その届出をした日から起算して三十日を経過した後でなければ、当該届出に係る特定行為に着手してはならない。

4 第二十八条第三項及び第五項の規定は、第一項の規定による届出について準用する。この場合において、同条第三項中「前項」とあるのは「第三十五条の五第二項」と、同条第五項中「前項」とあるのは「第三十五条の五第三項」と読み替えるものとする。

5 次に掲げる行為については、第一項、第二項及び前項において準用する第二十八条第三項の規定は、適用しない。

 一 特定行為のうち、沖合海底自然環境保全地域における自然環境の保全に支障を及ぼすおそれがないもので環境省令で定めるもの

 二 沖合海底自然環境保全地域が指定され、又はその区域が拡張された際着手している特定行為

 (報告及び検査等)

第三十五条の六 環境大臣は、沖合海底自然環境保全地域における自然環境の保全のために必要な限度において、船舶の船長その他の特定行為に関係があると認められる者に対し、特定行為の実施状況その他必要な事項について報告を求め、又はその職員に、船舶その他の必要な場所に立ち入り、特定行為の実施状況を検査させ、若しくは当該特定行為の自然環境に及ぼす影響を調査させることができる。

2 第二十九条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査又は立入調査について準用する。

 (準用)

第三十五条の七 第十八条の規定は沖合海底自然環境保全地域の区域内における特定行為に対する命令について、第二十一条の規定は当該区域内において国の機関又は地方公共団体が行う特定行為について、それぞれ準用する。この場合において、第十八条第一項中「前条第一項の規定に違反し、又は同条第二項の規定により許可に付された条件」とあるのは「第三十五条の四第三項の規定に違反し、若しくは同条第四項において準用する前条第二項の規定により許可に付された条件に違反した者、第三十五条の五第一項の規定による届出をせず、第三十五条の四第三項に規定する特定行為をした者又は第三十五条の五第二項の規定による処分」と、第二十一条第一項中「第十七条第一項ただし書又は第十九条第三項第五号」とあるのは「第三十五条の四第三項」と、同条第二項中「第十七条第三項」とあるのは「第三十五条の五第一項」と、「したとき」とあるのは「しようとするとき」と読み替えるものとする。

    第三節 雑則

 (科学的知見の充実のための措置)

第三十五条の八 国は、沖合の区域の生物の多様性の確保その他の自然環境の保全に関する科学的知見の充実を図るため、これらに関する情報の収集、整理及び分析並びに研究の推進その他必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

 (関係行政機関等の協力)

第三十五条の九 環境大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長、関係する独立行政法人(独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人をいう。)の長その他の関係者に対し、沖合の区域の生物の多様性の確保その他の自然環境の保全に関し、資料又は情報の提供、意見の開陳その他必要な協力を求めることができる。

 (連絡及び協力)

第三十五条の十 環境大臣、農林水産大臣及び経済産業大臣は、この法律の施行に当たつては、沖合海底自然環境保全地域における自然環境の保全に関する事項について、相互に緊密に連絡し、及び協力しなければならない。

 (準用)

第三十五条の十一 第三十二条の規定は第三十五条の四第三項又は第三十五条の五第二項の規定による環境大臣の処分について、第三十三条第一項から第三項まで及び第三十四条の規定は第三十五条の四第三項の許可を得ることができないため、同条第四項において準用する第十七条第二項の規定により許可に条件を付されたため、又は第三十五条の五第二項の規定による処分を受けたため損失を受けた者について、それぞれ準用する。この場合において、第三十四条第一項中「前条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)」とあるのは、「第三十五条の十一において準用する前条第三項」と読み替えるものとする。

 (配慮)

第三十五条の十二 沖合海底自然環境保全地域に関する規定の適用に当たつては、当該地域において行われる漁業その他の生業の安定に配慮しなければならない。

 第四十三条第一項中「、自然環境保全地域」の下に「、沖合海底自然環境保全地域」を加え、「若しくは海域特別地区」を「、海域特別地区若しくは沖合海底特別地区」に、「若しくは自然環境保全地域に関する保全計画」を「、自然環境保全地域に関する保全計画若しくは沖合海底自然環境保全地域に関する保全計画」に、「若しくは第二十七条第五項」を「、第二十七条第五項若しくは第三十五条の四第五項」に改める。

 第五十三条第二号中「第三十条」の下に「又は第三十五条の七」を、「違反した者」の下に「(次条に規定する者を除く。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。

第五十三条の二 外国船舶(船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第一条に規定する日本船舶以外の船舶をいう。以下同じ。)において第三十条又は第三十五条の七において準用する第十八条第一項又は第二項の規定による命令(第三十条において準用する場合にあつては、海域における行為に対するものに限る。)に違反した者は、千万円以下の罰金に処する。

 第五十四条第一号中「及び第二十七条第四項」を「、第二十七条第四項及び第三十五条の四第四項」に改め、「違反した者」の下に「(次条第二号に規定する者を除く。)」を加え、同条第二号中「又は第二十七条第三項」を「、第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項」に改め、「違反した者」の下に「(次条第一号に規定する者を除く。)」を加え、同条の次に次の一条を加える。

第五十四条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、五百万円以下の罰金に処する。

 一 外国船舶において第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項の規定に違反した者

 二 外国船舶において第二十七条第四項又は第三十五条の四第四項において準用する第十七条第二項の規定により許可に付された条件に違反した者

 第五十五条中「の規定」を「又は第三十五条の五第二項の規定」に改める。

 第五十六条第一号中「又は第二十九条第一項」を「、第二十九条第一項又は第三十五条の六第一項」に改め、同条第二号中「した者」を「して、同項各号に掲げる行為をした者」に改め、同条第三号中「の規定」を「又は第三十五条の五第三項の規定」に改め、同条第四号中「の規定」を「又は第三十五条の六第一項の規定」に改め、同条に次の一号を加える。

 六 第三十五条の五第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をして、特定行為をした者

 本則に次の一条及び一章を加える。

 (第一審の裁判権の特例)

第五十九条 第五十三条の二及び第五十四条の二の罪に係る訴訟の第一審の裁判権は、地方裁判所にも属する。

   第九章 外国船舶に係る担保金等の提供による釈放等

 (外国船舶に係る担保金等の提供による釈放等)

第六十条 司法警察員である者であつて政令で定めるもの(以下「取締官」という。)は、次に掲げる場合には、当該船舶の船長(船長に代わつてその職務を行う者を含む。)及び違反者(当該船舶の乗組員に限る。以下同じ。)に対し、遅滞なく、次項に掲げる事項を告知しなければならない。

 一 海域における第五十三条の二、第五十四条の二、第五十五条、第五十六条第一号から第四号まで若しくは第六号又は第五十七条(第五十三条の二、第五十四条の二、第五十五条並びに第五十六条第一号から第四号まで及び第六号の違反行為に係る部分に限る。)の罪に当たる事件であつて外国船舶に係るもの(以下「事件」という。)に関して船長その他の乗組員の逮捕が行われた場合

 二 前号に掲げる場合のほか、事件に関して船舶又は船舶の国籍を証する文書その他の船舶の航行のために必要な文書(次項第一号において「船舶国籍証書等」という。)の押収が行われた場合であつて船長その他の乗組員が前号に規定する罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認められるとき。

2 前項の規定により告知しなければならない事項は、次に掲げるものとする。

 一 担保金又はその提供を保証する書面が次条第一項の政令で定めるところにより主務大臣に対して提供されたときは、遅滞なく、違反者は釈放され、及び船舶、船舶国籍証書等その他の押収物(以下「押収物」という。)は返還されること。

 二 提供すべき担保金の額

3 前項第二号の担保金の額は、事件の種別及び態様その他の情状に応じ、政令で定めるところにより、主務大臣の定める基準に従つて、取締官が決定するものとする。

第六十一条 前条第一項の規定により告知した額の担保金又はその提供を保証する書面が政令で定めるところにより主務大臣に対して提供されたときは、主務大臣は、遅滞なく、その旨を取締官又は検察官に通知するものとする。

2 取締官は、前項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、違反者を釈放し、及び押収物を返還しなければならない。

3 検察官は、第一項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、違反者の釈放及び押収物の返還に関し、必要な措置を講じなければならない。

第六十二条 担保金は、主務大臣が保管する。

2 担保金は、事件に関する手続において、違反者がその求められた期日及び場所に出頭せず、又は返還された押収物で提出を求められたものがその求められた期日及び場所に提出されなかつたときは、当該期日の翌日から起算して一月を経過した日に、国庫に帰属する。ただし、当該期日の翌日から起算して一月を経過する日までに、当該期日の翌日から起算して三月を経過する日以前の特定の日に出頭し又は当該押収物を提出する旨の申出があつたときは、この限りでない。

3 前項ただし書の場合において、当該申出に係る特定の日に違反者が出頭せず、又は当該押収物が提出されなかつたときは、担保金は、その日の翌日に、国庫に帰属する。

4 担保金は、事件に関する手続が終結した場合その他のその保管を必要としない事由が生じた場合には、返還する。

 (主務省令への委任)

第六十三条 前三条の規定の実施のため必要な手続その他の事項は、主務省令で定める。

 (主務大臣等)

第六十四条 第六十条から第六十二条までにおける主務大臣及び前条における主務省令は、政令で定める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次条及び附則第四条の規定は、公布の日から施行する。

 (準備行為)

第二条 環境大臣は、この法律の施行の日(以下この条及び次条において「施行日」という。)前においても、この法律による改正後の自然環境保全法(以下「新法」という。)第十二条の規定の例により、同条第一項の自然環境の保全を図るための基本方針を定めることができる。

2 前項の規定により定められた新法第十二条第一項の自然環境の保全を図るための基本方針は、施行日において同条の規定により定められたものとみなす。

3 環境大臣は、新法第三十五条の二第一項の規定による指定及び新法第三十五条の三第一項の規定による決定のため、施行日前においても、関係地方公共団体の長及び中央環境審議会の意見の聴取その他の必要な準備行為をすることができる。

4 新法第三十五条の四第五項の環境省令の制定又は変更及びこれらに関し必要な手続その他の行為は、施行日前においても、新法第四十三条第一項の規定の例により行うことができる。

 (罰則に関する経過措置)

第三条 施行日前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第四条 前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (検討)

第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

 (鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律の一部改正)

第六条 鉱業等に係る土地利用の調整手続等に関する法律(昭和二十五年法律第二百九十二号)の一部を次のように改正する。

  第一条第二号ヲ中「同法」の下に「第三十五条の十一及び」を加える。

  第四十五条第四項中「、自然環境保全地域」の下に「、沖合海底自然環境保全地域」を加え、同条第五項中「における」を「又は沖合海底自然環境保全地域における」に、「又は第二十七条第四項」を「、第二十七条第四項又は第三十五条の四第四項」に、「附せられた」を「付された」に改める。

 (地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律の一部改正)

第七条 地域における多様な主体の連携による生物の多様性の保全のための活動の促進等に関する法律(平成二十二年法律第七十二号)の一部を次のように改正する。

  第四条第六項第二号中「若しくは第二十七条第三項」を「、第二十七条第三項若しくは第三十五条の四第三項」に、「の届出」を「若しくは第三十五条の五第一項の届出」に改め、同項第三号中「第三十条」の下に「及び第三十五条の七」を加え、「又は第二十七条第三項」を「、第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項」に改める。

  第七条第一項中「という。)」の下に「又は同法第三十五条の二第一項の規定による沖合海底自然環境保全地域(次項において「沖合海底自然環境保全地域」という。)」を加え、「又は第二十七条第三項」を「、第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項」に改め、同条第二項中「の区域内」を「又は沖合海底自然環境保全地域の区域内」に、「及び同法第三十条」を「及び第三十五条の五第一項の規定並びに同法第三十条及び第三十五条の七」に、「又は第二十七条第三項」を「、第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項」に改める。

 (地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関する法律の一部改正)

第八条 地域自然資産区域における自然環境の保全及び持続可能な利用の推進に関する法律(平成二十六年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。

  第四条第六項第二号中「若しくは第二十七条第三項」を「、第二十七条第三項若しくは第三十五条の四第三項」に、「の届出」を「若しくは第三十五条の五第一項の届出」に改め、同項第三号中「第三十条」の下に「及び第三十五条の七」を加え、「又は第二十七条第三項」を「、第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項」に改める。

  第七条第一項中「という。)」の下に「又は同法第三十五条の二第一項の規定により沖合海底自然環境保全地域として指定された区域(次項において「沖合海底自然環境保全地域」という。)」を加え、「又は第二十七条第三項」を「、第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項」に改め、同条第二項中「の区域内」を「又は沖合海底自然環境保全地域の区域内」に、「及び同法第三十条」を「及び第三十五条の五第一項の規定並びに同法第三十条及び第三十五条の七」に、「又は第二十七条第三項」を「、第二十七条第三項又は第三十五条の四第三項」に改める。

総務大臣 石田 真敏  
環境大臣 原田 義昭  
内閣総理大臣臨時代理    
国務大臣 菅  義偉  

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