福田内閣総理大臣の談話 テロ対策特別措置法の失効に伴う対応措置の終了
本日、政府は、テロ対策特別措置法が失効することに伴い、インド洋における海上自衛隊の補給活動等を終了させることとしました。これらの活動は国民の皆様のご理解とご協力の下で実施できたものであり、あらためて感謝いたします。また、これまで厳しい勤務環境の下で着実にかつ整然とこれらの活動を実施してきた自衛官諸君に対し、その労をねぎらいたいと思います。
しかし、国際社会による「テロとの闘い」は道半ばです。9. 11のテロ攻撃での犠牲者は3000人近くに上り、日本人24人も犠牲となりましたが、その脅威は今なお除去されていないのが現実です。テロリズムは、自由で開かれた社会に対する挑戦であり、「テロとの闘い」は、我が国自身の国益に関わるものです。だからこそ、我が国は補給活動を通じてその一翼を担ってきたのであり、この活動を速やかに再開する必要があります。
「テロとの闘い」における国際社会の様々な努力の中核は、アフガニスタンを再びテロの温床としないための取組です。民生・復興支援の分野では、我が国は1400億円以上の支援を行っており、世界第2の支援国となっています。今後とも、政府は、国際社会と緊密に協力し、復興支援を行っていきます。
しかしながら、復興支援のみではテロを根絶することはできず、テロリストの掃討・治安対策があってはじめてこうした支援も実を結びます。アフガニスタンにおいては、40ヵ国以上が尊い犠牲を出しながらも忍耐強く治安回復のための活動を続けています。海上阻止活動はそうした取組の一環として、インド洋でテロリストの行動を抑止しています。自衛隊の技術と能力を活用した補給活動は、その重要な基盤として定着しており、国連安保理決議第1776号においても評価されるとともに、各国から活動継続に強い期待が寄せられています。同時に、この活動は、我が国にとって重要なインド洋の海上交通の安全にも貢献しています。
我が国がテロリズムの根絶に向けた国際社会の連帯において責任を果たしていくためには、補給活動の継続が是非とも必要です。政府としては、今後とも補給活動の透明性の向上をはかるなど、国民の皆様のご理解とご協力の下に補給活動を可能な限り早期に再開できるよう、補給支援特措法案の速やかな成立に向けて全力を尽くしてまいります。
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