ミシェル・ノストラダムス師の予言集>百詩篇第1巻


1

夜に秘密の書斎で着座し、
青銅の坐台の上でひとり休んでいると、
孤独から幽かな火が出でて、
信じるに値することを語らせる。

2

ブランコスの中央で杖を手にし、
水の中で裾と足を彼は濡らす。
恐怖[1]と声が袖を通じて震える。
神性の輝き。神が傍らに座している。

3

敷藁が旋風で裏返り、
彼らの顔がその外套で覆われるであろう時、
共和国は新しい人々に悩まされる。
その時、白と赤は反対に裁くだろう。

4

世界によって一人の君主が産み出されるが、
その平穏と生涯は長くはないだろう。
そのとき釣り舟は失われ
より大きな損害に見舞われるだろう。

5

彼らは、長く戦うことなしに追放されるだろう。
その地方はより酷い負担がかかるだろう。
都市群 (Bourg & cité) にはより大きな戦闘があるだろう。
カルカソンヌナルボンヌは心に被害を受けるだろう。

6

ラヴェンナの眼は奪われるだろう。
その足元で翼が衰えるであろう時に
ブレスの二人は建設するだろう。
トリノヴェルチェッリガリア人が圧搾するだろう。


7

遅れた到着、完遂した処刑。
逆風、書簡は路上で奪われる。
ある派の陰謀を企んだ14人
赤毛によって企ては賛同されるだろう。

8

太陽の都市よ、おまえは何度囚われと
なるのだろうか、野蛮で空虚な諸法をかえつつ。
汝の凶事が近づく。より一層の従属を強いられる。
アドリア海の大物が汝の血管を再び開くだろう。

9

オリエントからカルタゴ人の心が来るだろう。
ロムルスの末裔たちとアドリアを怒らせるために。
リビアの船団に同伴されつつ。
マルタ島が震える。無人になった近隣の島嶼。

10

蛇たち[2]は鉄の檻に移される。
そこには王の七人の子どもたちが囚われている。
老人たちも父たちも地獄から出るだろう。
しかし、子の死と叫びを見て死ぬ。

11

感覚、心情、足、手の動き
ナポリ、レオン[3]シチリアは合意する。
剣、火、水。そしてローマの貴族たちへ[4]
判断力のなさによって溺れさせられ、殺され、滅ぼされる。

12

まもなく二心ある脆弱な人でなしのことが語られるだろう。
(彼は)低きから高きへ速やかに引き上げられる。
すると途端に不誠実で当てにならない者に。
その者はヴェローナで政権を握るだろう。

13

亡命者たちは憤怒と内心の憎悪によって
王に対して大陰謀をめぐらせるだろう。
敵たちを密かに坑道から引き込むだろう。
古くからの仲間たち、彼らへの暴動。

14

隷属させられた人々から歌声、朗唱、請願。
君主や領主たちに投獄されていた捕虜たち。
後世、頭のない痴れ者たちによって、
神への祈りのためだと受け止められるだろう。

15

マルスは武力で我々を脅す。
70回、血が流させられるだろう。
教会勢力の高揚と没落、
その上、彼らから何も聞きたくないという人々。

16

人馬宮の方で鎌が池[5]に結びつく。
その興となる高い絶頂点において。
ペスト、飢饉、軍の手による死。
世紀は革新に近づいている。

17

40年間、イリスは現れないだろう。
40年間、(それは)毎日見られるだろう。
旱魃の大地はますます乾燥していくだろう。
(イリスが)目撃されるときには大洪水。

18

ガリア人の不和と怠慢のせいで、
ムハンマドに道が開かれるだろう。
血に染まったシエーナの陸と海。
帆と船に覆われたフォカイア人の港。

19

蛇たちが祭壇を取り囲みに来るであろう時、
トロイ人の血統がスペイン人に悩まされる。
彼らによって、その大人数が失われるだろう。
指導者は逃げ、沼地の水溜りに隠される。

20

トゥールオルレアンブロワアンジェランスナント
諸都市が急激な変化に悩まされる。
異国語(を話す人々)によって天幕が張られるだろう。
大河、レンヌの投槍[6]、大地と海が震える。

21

奥深い白い粘土が岩を養う。
それ(粘土)は深淵から出てくる乳白色のものである。
人々は無為に困惑させられ、それにあえて触れようとはしないだろう。
底に粘土質の土があるとは知らずに。

22

生きていても何の感覚も持たぬ者が、
その生みの親を傷つけに来て死なせるだろう。
オータンシャロンラングル、二箇所のサンス[7]
雹と氷が大きな不幸をもたらすだろう

23

第三番目の月に太陽が昇り、
猪と豹は戦うためにマルスの野へ。
疲れた豹は天に目を見開き、
太陽の周りを一羽の鷲が飛び回るのを見る。

24

新しい都市で刑の宣告について悩みつつ
猛禽が天へと身を捧げに来る。
勝利の後で捕虜たちを赦す。
クレモナマントヴァ、(人々は)大いなる凶事に見舞われるだろう。

25

非常に長い間失われ、見いだされ、隠されてきた
牧者は半ば神と称えられるだろう。
しかし、月がその大いなる周期を完成する前に、
別の祈りによって(牧者は)名誉を傷つけられるだろう。

26

雷の大きいものが昼に落ちる。
凶事、そして抗議の持ち主によって予言されたこと[8]
続く予兆が夜間に落ちる。
紛争、ランスロンドンエトルリア、悪疫。

27

空から撃たれしギュイエンヌのナラの下、
そこから遠くないところに宝が隠されている。
それは何世紀にもわたって奪われていたものである。
発見した者は死ぬだろう、目をバネに引き裂かれるから。

28

ブークの塔はバルバロイの船(の帆)を高く掲げるだろう。
少しの間。長い時を隔てて、今度はヘスペリアの船(の帆)を。
どちらも家畜、人々、家財に大損害をもたらすだろう。
金牛宮天秤宮、何という致命的な死闘か。

29

陸棲であり水棲でもある魚が
強い波で砂浜に打ち上げられるであろう時、
-- その姿は柔和で[9]恐ろしい奇妙なものである --
間をおかず海を渡って、敵たちが城壁へと。

30

異国の船が大時化の海のせいで
見知らぬ港の近くに着岸するだろう、
シュロの小枝の合図にも構うことなしに。
のちに死と略奪。遅れて届く有用な助言。


31

幾年にもわたりガリアでは戦争が続くだろう、
カストゥロの王の生涯(の長さ)を超えて。
不確かな勝利、三人の大物は戴冠するだろう。
鷲、雄鶏、月、獅子、太陽が印の中に。

32

大帝国がすぐに移されるだろう、
小さな土地へと。それはすぐに成長するだろう。
狭い伯爵領の極小の場所、
そこへは、中央に王笏を置きに来るだろう。

33

広い平原の大きな橋の近くに、
大いなる獅子がカエサルの軍隊を用いて、
頑強な都市を外から打ち倒させるだろう。
恐怖にかられ、門は彼に開かれるだろう。

34

左に飛ぶ猛禽は
紛争の前にフランス人たちに姿を見せる。
ある者は吉祥と受け取り、別の者は曖昧で不吉なものと見る。
弱い一党は吉兆によって保つだろう。

35

若き獅子は老いたるに打ち勝つだろう、
一騎討ちによる戦いの野で。
黄金の籠の中の両目を、「彼」は引き裂くであろう。
二艦隊の一方、そして死す、酷き死。


36

君主が手遅れに悔いるだろう、
彼の敵対者を葬っておかなかったことについて。
しかし、彼はより高いことに同意しに来るだろう。
彼の血統全てを死に絶えさせることに。

37

太陽が隠れる少し前
与えられた紛争、疑わしい大物たち。
打ち倒され 海港は返事をしない。
二つの奇妙な場にある橋と王笏

38

太陽と鷲が勝者の前に現れるだろう
敗者にはむなしい返事が保証される
角笛でも叫びでも甲冑は止まらないだろう。
懲罰、そして死による平和はその時分に完遂する。

39

夜に寝床で最高位のものが絞殺される、
非常に長く逗留したために。選ばれた金髪が、
-- 帝国は3人から要求を受けて疲れさせられる --
死ぬだろう。読まれないカードと包み。[10]

40

狂気を隠蔽する虚偽のトランペットが
ビザンチンに法制の変更をさせるだろう。
(ある者が)エジプトから出るだろう。その望みは撤回にあり。
貨幣とその品位を変更する勅令について

41

都市での攻囲、夜に襲撃
ほとんどのものは逃れられない。紛争は海から遠くない処で。
婦人は息子の帰還に喜び失神する。
毒と隠された手紙[11]は封筒に。

42

ゴシック式の[12]四月の十のカレンダエ
邪悪な人々によって今一度蘇らせられる。
消された火、悪魔の集会。
愛人とプセルロスの黄金を求めつつ[13]

43

帝国に変化が到来する前に、
まさしく驚倒すべき事件が起こるだろう。
野は揺さぶられる。斑岩の柱は
節くれだった岩の上に移され、置かれる。

44

すぐに生贄たちが戻るだろう。
違反者たちは殉教させられ、
修道士も大修道院長も修練士も最早いないだろう。
蜂蜜は蜜蝋よりもずっと高価になるだろう。


45

諸宗派の迫害者(は)、密告者へと大きな報酬。
劇場には獣、舞台での芸を仕込まれる。
この古い方法を発案した者は高みに置かれる。
諸宗派によって、世界には混乱と分裂。

46

オーシュレクトゥールミランドのすぐ近くで、
三夜に渡って天から大火が降るだろう。
まさに呆然・驚倒すべき事件がおきるだろう。
すぐ後に大地が震えるだろう。

47

レマン湖の説教が怒らせるだろう。
日々は週によって換算され、
そして月々、さらに年々となって、全てが絶えるだろう。
行政官たちは彼らの空虚な諸法を痛罵するだろう。

48

月の支配の20年が過ぎた。
7000年、別のものがその体制を保つだろう。
太陽が残された日々を受け取るであろう時に、
私の予言は成就し、終わる。[14]

49

そうした計略のずっとずっと前に、
オリエントの人々は月の威徳によって、
千七百年に、大略奪をするだろう、
アクィロンの地域の片隅をほとんど征服しつつ。

50

水の三宮から生まれるだろう、
木曜日を自らの祝日とするであろう者が。
その名声、称賛、治世、権力は増大するだろう。
陸と海を通じてオリエントへ嵐が。

51

牡羊座の頭、木星と土星。
永遠の神、何が変わるのか !
そして、長い一世紀を経て、再び悪い時代が戻ってくる。
フランスとイタリアはなんという混乱だろう。

52

スコピオで2つの邪悪な影響が重なる。
大公が自室で殺害される。
新しく就任した王は教会を迫害する。
ヨーロッパの下層部や北方では

53

嗚呼、大国がひどく悩むのを見ることになるとは
聖なる律法は完全に破滅している。
キリスト教は他の法律によって全体が(支配され)ている。
新しい金銀の源泉が発見された時。

54

邪悪な鎌を持つ者により、二つの革命が起こるだろう
治世と世紀を変える。
こうして移動性の兆候はその家に移動する。
両者にとって有利になる。

55

バビロンとは逆の気候の土地で
大きな流血が起こるだろう。
天は陸海空ともに不公平に見えるだろう。
宗派、飢饉、王国、災い、混乱。

56

遅かれ早かれ、大きな変化が起こるのを見るだろう。
恐ろしい恐怖と復讐。
月がその天使にこうして導かれるように
天秤に近づく。

57

トランペットは大きな不和を伴って震える。
協定が破られる:天に向かって顔を上げる。
血塗られた口は血で泳ぐ。
乳と蜜で塗られた顔は地面に横たわる。

58

腹の裂け目から、二つの頭を持つ生き物が生まれる。
4本の腕を持ち、数年間は生き延びることができる。
アルキロワが祭りを祝う日
フォッサナ、トリノ、フェラーラの支配者が後に続くだろう。

59

島々に追放された亡命者たち
より残酷な王の出現で
殺害される。二人は焼かれる
言葉を慎まなかった者

60

イタリア近郊に皇帝が誕生する。
帝国に多大な犠牲を強いることになる。
彼らは彼の同盟国を見て言うだろう。
彼は王子というより肉屋である。

61

惨めで不運な共和国は
新しい権力者によって再び破滅させられるだろう。
亡命中に蓄積された膨大な悪意は
スイスの重要な協定を破棄させるだろう。

62

嗚呼、学問のなんと大きな損失であろうか
月の周期が完成する前に
より無知な支配者による火、大洪水。
それが回復すると見られるまで、何世紀かかることか。

63

疫病が消滅し、世界が小さくなる。
長い間、平和な土地に住むことになる。
人々は空(陸)と海を安全に行き来する。
その後、戦争が再び始まる。

64

夜、彼らは太陽を見たように思うだろう。
半豚野郎を見たとき
騒音、叫び声、空で繰り広げられる戦いが見える。
獣たちが話すのが聞こえるだろう。

65

手のない子供、これほど大きな雷を見たことはない。
テニスの試合で負傷した王家の子供。
井戸で雷が落ち、結合する
樫の木の下で三人組が真ん中で組んでいる。

66

その時、知らせを伝える者。
しばらくすると、息が止まる。
ヴィヴィエ、トゥルノン、モンフェラン、プラデール。
雹と嵐は,かれらを悲しませる。

67

大飢饉が近づいているのを感じる
しばしば(各地に)転じ、やがて世界的なものになる。
それは非常に広大で長く続くので,(かれらが)掴み取るのは
木から根を取り、乳房から子を取る。

68

ああ、なんという恐ろしい、惨めな苦悩に
3人の罪のない人々が引き渡されようとしている。
毒の暗示、油断、裏切り。
酔った死刑執行人により、恐怖に引き渡される。

69

大山、丸7スタジア。
平和の後、戦争、飢饉、洪水。
それは遠くまで広がり、大国を溺れさせる。
古代のもの、その強大な基盤さえも。

70

ペルシャに雨、飢饉、戦争はやまない。
あまりにも大きな信仰が君主を裏切るだろう。
フランスで始まった(行動)はフランスで終わる。
慈悲深い人のための秘密のサイン。

71

海上の塔は三度捕らえられ、奪還される。
スペイン人、蛮族、リグリア人によって。
マルセイユとエクス、ピサの男たちによるアレス。
アヴィニョンではトリニェーゼによる破壊、火災、剣、略奪が行われた。

72

マルセイユの住人はすっかり変わってしまった。
リヨンまで逃げ、追われる。
ナルボンヌ、トゥールーズがボルドーに怒られる。
死者と捕虜はおよそ100万人にのぼる。

73

フランスは5つの相手国から怠慢を非難されるであろう。
チュニス、アルジェはペルシャ軍にかき回される。
レオン、セビリア、バルセロナは失敗した。
ベネチア人のために艦隊を持たない。

74

休息後、彼らはエピルスに移動します。
アンティオキア周辺から大きな援助が得られる。
巻き毛の王は帝国のために大いに努力することだろう。
図太い髭は串焼きにされる。

75

シエナの暴君はサヴォナを占領する。
砦を手に入れた彼は、海上艦隊を制圧する。
アンコーナの旗の下に二つの軍隊がある。
指導者は恐れて彼らを調べるだろう。

76

その男は野蛮な名で呼ばれることになる。
三姉妹が運命から受け取るもの。
彼はその時、偉大な民に言葉と行いで語りかけるだろう。
他の誰よりも名声と評判を得るだろう。

77

二つの海の間に岬が立っている。
馬に咬まれて後に死ぬ男。
ネプチューンはその男のために黒い帆を広げる。
ジブラルタルとロシュヴァル付近の船団。

78

年老いた指導者のもとに、愚かな後継者が生まれるだろう。
知識も戦争も弱い。
フランスの指導者は、その妹に恐れられている。
戦場は分断され、兵士に譲られた。

79

バザス、レクトゥール、コンドーム、オーシュ、アジャン
法律、紛争、独占に悩まされている。
カルカソン、ボルドー、トゥールーズ、バイヨンヌは破滅する
大虐殺の再開を望むとき。

80

6番目の明るい天の光から
ブルゴーニュ地方で非常に強い雷が鳴り響くようになるだろう。
その時、非常にhideuosな獣から怪物が生まれるだろう。
3月、4月、5月、6月に大きな傷と心配がある。

81

9人は人間の群れから切り離されることになる。
判断と助言から切り離される。
彼らの運命は、出発するときに分かれることになる。
K. Th. L.[カッパ、シータ、ラムダ]は死に、追放され、散り散りになる。

82

大きな木の柱が震えるとき
南風に吹かれ、血にまみれながら
その時、このような大集会が繰り広げられ
ウィーンとオーストリアの地が震え上がるように。

83

異民族が戦利品を分配する。
土星は火星に恐ろしい縦横比を持つ。
トスカーナ人とラテン人にとって恐ろしく異質なもの。
打ちたいと思うであろうギリシャ人。

84

月が深い暗がりに隠されている。
弟は真っ赤な色になる。
長い間、影に隠れていた偉大な者が
血塗られた傷口に刃を突き立てます。

85

王は王妃の返答に悩む。
大使は命を狙われるだろう。
兄弟のうち大きい方は、その行動を二重に偽装するだろう。
二人は怒りと憎しみと妬みによって死ぬだろう。

86

大女王は自分が征服されるのを見ると
彼女は男性的な勇気を過剰に示すだろう。
裸で馬に乗り、川の上を通り過ぎるだろう。
剣に追われる身となり、信仰を失う。

87

地球の中心から火が出て、地響きがする
新市街を中心に震動を起こす。
二つの大きな岩が長い間戦争する。
そして、アレトゥーサは新しい川を赤く染めるだろう。

88

神の怒りが偉大な王子を覆い尽くす。
結婚する少し前に
支持者も信用も突然に減少する。
顧問弁護士、彼は剃られた頭のために死ぬだろう。

89

レリダの者はモーゼルになる。
ロワール川とセーヌ川から来た者をすべて殺す。
海辺の道は高い谷の近くに来るだろう。
スペイン人がすべての航路を開くとき。

90

ボルドーやポワチエは鐘の音とともに
大船団を率いてランゴンまで行くだろう。
フランスに対して大いなる怒りが沸き起こるだろう。
オルゴンの近くで恐ろしい怪物が生まれたとき。

91

神々が人類に見せるのは
自分たちが大戦争の張本人であることを。
空には武器やロケットがないことが確認される前。
最大の被害は左翼に与えられるだろう。

92

一人の男の下で、あらゆる場所で平和が宣言される。
しかし、ほどなくして略奪と反乱が起こるだろう。
拒否のため、町、土地、見るがブローシャーされるだろう。
約3分の1が死亡または捕虜になる。

93

山の近くのイタリアの土地は震えるだろう。
コックとライオンは強く結束していない。
恐怖に代わって、彼らは互いに助け合うだろう。
自由だけがフランス人を和らげる。

94

暴君セリムは港で処刑される。
しかし、自由を取り戻すことはできない。
復讐と自責の念から新たな戦争が勃発する。
恐怖の力によって、一人の女性が名誉を受ける。

95

修道院の前で双子の幼児を発見する。
古来よりの名僧の血筋より。
その名声、評判、宗派や言論を通じた権力は
生きている双子は選ばれて当然だと言われるほどである。

96

某は、破壊に荷担することになる
空想によって変化した寺院や宗派の
彼は生者よりも岩を害するだろう。
耳は華麗な演説で満たされている。

97

武器でも炎でも成し得ないことを
評議会で甘美に話す舌によって達成されるだろう。
王は夢の中で眠っているのを見るだろう。
敵は戦争中でなく、武士の血筋でもない。

98

大勢の民衆を指揮する頭目
自分たちの空から遠く離れた、外国の習慣や言語に
クレタ島とテッサリア島で五千人が死ぬだろう。
頭目は海を行く補給船で逃げる。

99

大王は
二人の王と、友情で結ばれている。
大御所たちはどんなにため息をつくことだろう。
ナルボンあたりは、子供たちがどんなにかわいそうだろう。

100

長い間、空には灰色の鳥が見える。
ドールやトスカーナの土地の近く。
彼はくちばしに花の枝をくわえている。
しかし、彼はあまりにも早く死に、戦争は終わりを告げる。

編集

  1. 19世紀の注釈者ビュジェは、「恐怖 (Un peur)」は「蒸気 (Vapeur)」の誤植と推測し、ブランダムールやラメジャラーもこれを支持している(Brind'Amour[1996], Lemesurier [2003])。
  2. 「蛇たち (Serpens)」は1672年版では「執達吏たち (Sergens)」となっており、ブランダムールはこれを支持。ラメジャラーも一応支持(Brind'Amour[1996], Lemesurier [2003])。
  3. ブランダムールは、イタリアのレオンティーニの略とする(Brind'Amour[1996])。
  4. 「そしてローマの貴族たちへ」(puis aux nobles Romains) をブランダムールは 「ローマの貴族たちを井戸へ」(aux puits nobles Romains) と見なし、ラメジャラーらもこれを支持している(Brind'Amour[1996], Lemesurier [2003])。
  5. ブランダムールは「池」(étang) を「錫」(étain) の誤植としており、ラメジャラ―らも支持(Brind'Amour[1996], Lemesurier [2003])。鎌は土星、錫は木星の象徴。
  6. ジャン・デュペーブの指摘に基づき、ブランダムールは「大河、レンヌの投槍」(Fluves, dards Renes) を「砂まみれの大河」(Fluves d'arènes) と読んでいる。ラメジャラーらも支持(Brind'Amour[1996], Lemesurier [2003])。
  7. les deux Sens. サンス=シュル=ヨンヌサンス=シュル=セイユか?(Brind'Amour[1996])
  8. ブランダムールやラメジャラーはMal & predict par porteur postulaire を Mal est predict par porteur postulaire(凶事が抗議の持ち主によって予言される)と読んでいる(Brind'Amour[1996], Lemesurier [2003])。
  9. ブランダムールは「柔和な」(suave)を「脂ぎった」(suate)の誤記とする(Brind'Amour[1996])。
  10. 3行目を挿入的に読むのはブランダムールによる(Brind'Amour[1996])。
  11. ブランダムールやラメジャラーは、この場合の「隠された」(cachées)は「封蝋をされた」(cachetées)の語中音消失と見ている(Brind'Amour[1996], Lemesurier [2003])。
  12. ブランダムールは「ゴシック式の」(du fait Gothique)を「グノーシス的行為が」(le fait Gnostique)と読んでいる(Brind'Amour[1996])。
  13. 「愛人の」(du d’Amant)は文法的におかしな綴り。ブランダムールやラメジャラーは「アダマンティウス」(Adamant)と読んでいる(Brind'Amour[1996], Lemesurier [2003])。四行目全体は様々な異文があり、専門家の間でも複数の読み方があるが、逐一紹介はしない。
  14. w:ミシェル・ノストラダムス師の予言集#百詩篇第1巻48番を参照のこと。

翻訳に関する情報 編集

  • 底本はLes Prophéties de M. Michel Nostradamus, Macé Bonhomme, Lyon, 1555
    • 明らかな誤植は後の版に基づいて読み替えた。
  • 翻訳者はウィキソースユーザーのsumaru。
  • 参考文献の一覧はミシェル・ノストラダムス師の予言集にある。