特許法等の一部を改正する法律 (令和元年法律第3号)

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 特許法等の一部を改正する法律をここに公布する。

御名御璽

    令和元年五月十七日

内閣総理大臣 安倍 晋三  

法律第三号

   特許法等の一部を改正する法律

 (特許法の一部改正)

第一条 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)の一部を次のように改正する。

  第六十五条第六項中「、第百五条の二」を「から第百五条の二の十一まで」に改める。

  第百二条第一項中「その譲渡した物の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、特許権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、特許権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた額を超えない限度において」を「次の各号に掲げる額の合計額を」に改め、同項ただし書を削り、同項に次の各号を加える。

  一 特許権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物の単位数量当たりの利益の額に、自己の特許権又は専用実施権を侵害した者が譲渡した物の数量(次号において「譲渡数量」という。)のうち当該特許権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた数量(同号において「実施相応数量」という。)を超えない部分(その全部又は一部に相当する数量を当該特許権者又は専用実施権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)を乗じて得た額

  二 譲渡数量のうち実施相応数量を超える数量又は特定数量がある場合(特許権者又は専用実施権者が、当該特許権者の特許権についての専用実施権の設定若しくは通常実施権の許諾又は当該専用実施権者の専用実施権についての通常実施権の許諾をし得たと認められない場合を除く。)におけるこれらの数量に応じた当該特許権又は専用実施権に係る特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額

  第百二条第四項中「前項」を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

 4 裁判所は、第一項第二号及び前項に規定する特許発明の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、特許権者又は専用実施権者が、自己の特許権又は専用実施権に係る特許発明の実施の対価について、当該特許権又は専用実施権の侵害があつたことを前提として当該特許権又は専用実施権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該特許権者又は専用実施権者が得ることとなるその対価を考慮することができる。

  第百五条第四項中「民事訴訟法第一編第五章第二節第一款に規定する専門委員」を「専門委員(民事訴訟法第一編第五章第二節第一款に規定する専門委員をいう。第百五条の二の六第四項において同じ。)」に改める。

  第百五条の二を第百五条の二の十一とし、第百五条の次に次の十条を加える。

  (査証人に対する査証の命令)

 第百五条の二 裁判所は、特許権又は専用実施権の侵害に係る訴訟においては、当事者の申立てにより、立証されるべき事実の有無を判断するため、相手方が所持し、又は管理する書類又は装置その他の物(以下「書類等」という。)について、確認、作動、計測、実験その他の措置をとることによる証拠の収集が必要であると認められる場合において、特許権又は専用実施権を相手方が侵害したことを疑うに足りる相当な理由があると認められ、かつ、申立人が自ら又は他の手段によつては、当該証拠の収集を行うことができないと見込まれるときは、相手方の意見を聴いて、査証人に対し、査証を命ずることができる。ただし、当該証拠の収集に要すべき時間又は査証を受けるべき当事者の負担が不相当なものとなることその他の事情により、相当でないと認めるときは、この限りでない。

 2 査証の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。

  一 特許権又は専用実施権を相手方が侵害したことを疑うに足りる相当な理由があると認められるべき事由

  二 査証の対象とすべき書類等を特定するに足りる事項及び書類等の所在地

  三 立証されるべき事実及びこれと査証により得られる証拠との関係

  四 申立人が自ら又は他の手段によつては、前号に規定する証拠の収集を行うことができない理由

  五 第百五条の二の四第二項の裁判所の許可を受けようとする場合にあつては、当該許可に係る措置及びその必要性

 3 裁判所は、第一項の規定による命令をした後において、同項ただし書に規定する事情により査証をすることが相当でないと認められるに至つたときは、その命令を取り消すことができる。

 4 査証の命令の申立てについての決定に対しては、即時抗告をすることができる。

  (査証人の指定等)

 第百五条の二の二 査証は、査証人がする。

 2 査証人は、裁判所が指定する。

 3 裁判所は、円滑に査証をするために必要と認められるときは、当事者の申立てにより、執行官に対し、査証人が査証をするに際して必要な援助をすることを命ずることができる。

  (忌避)

 第百五条の二の三 査証人について誠実に査証をすることを妨げるべき事情があるときは、当事者は、その査証人が査証をする前に、これを忌避することができる。査証人が査証をした場合であつても、その後に、忌避の原因が生じ、又は当事者がその原因があることを知つたときは、同様とする。

 2 民事訴訟法第二百十四条第二項から第四項までの規定は、前項の忌避の申立て及びこれに対する決定について準用する。この場合において、同条第二項中「受訴裁判所、受命裁判官又は受託裁判官」とあるのは、「裁判所」と読み替えるものとする。

  (査証)

 第百五条の二の四 査証人は、第百五条の二第一項の規定による命令が発せられたときは、査証をし、その結果についての報告書(以下「査証報告書」という。)を作成し、これを裁判所に提出しなければならない。

 2 査証人は、査証をするに際し、査証の対象とすべき書類等が所在する査証を受ける当事者の工場、事務所その他の場所(次項及び次条において「工場等」という。)に立ち入り、又は査証を受ける当事者に対し、質問をし、若しくは書類等の提示を求めることができるほか、装置の作動、計測、実験その他査証のために必要な措置として裁判所の許可を受けた措置をとることができる。

 3 執行官は、第百五条の二の二第三項の必要な援助をするに際し、査証の対象とすべき書類等が所在する査証を受ける当事者の工場等に立ち入り、又は査証を受ける当事者に対し、査証人を補助するため、質問をし、若しくは書類等の提示を求めることができる。

 4 前二項の場合において、査証を受ける当事者は、査証人及び執行官に対し、査証に必要な協力をしなければならない。

  (査証を受ける当事者が工場等への立入りを拒む場合等の効果)

 第百五条の二の五 査証を受ける当事者が前条第二項の規定による査証人の工場等への立入りの要求若しくは質問若しくは書類等の提示の要求又は装置の作動、計測、実験その他査証のために必要な措置として裁判所の許可を受けた措置の要求に対し、正当な理由なくこれらに応じないときは、裁判所は、立証されるべき事実に関する申立人の主張を真実と認めることができる。

  (査証報告書の写しの送達等)

 第百五条の二の六 裁判所は、査証報告書が提出されたときは、その写しを、査証を受けた当事者に送達しなければならない。

 2 査証を受けた当事者は、査証報告書の写しの送達を受けた日から二週間以内に、査証報告書の全部又は一部を申立人に開示しないことを申し立てることができる。

 3 裁判所は、前項の規定による申立てがあつた場合において、正当な理由があると認めるときは、決定で、査証報告書の全部又は一部を申立人に開示しないこととすることができる。

 4 裁判所は、前項に規定する正当な理由があるかどうかについて査証報告書の全部又は一部を開示してその意見を聴くことが必要であると認めるときは、当事者等、訴訟代理人、補佐人又は専門委員に対し、査証報告書の全部又は一部を開示することができる。ただし、当事者等、補佐人又は専門委員に対し、査証報告書の全部又は一部を開示するときは、あらかじめ査証を受けた当事者の同意を得なければならない。

 5 第二項の規定による申立てを却下する決定及び第三項の査証報告書の全部又は一部を開示しないこととする決定に対しては、即時抗告をすることができる。

  (査証報告書の閲覧等)

 第百五条の二の七 申立人及び査証を受けた当事者は、前条第二項に規定する期間内に査証を受けた当事者の申立てがなかつたとき、又は同項の規定による申立てについての裁判が確定したときは、裁判所書記官に対し、同条第三項の規定により全部を開示しないこととされた場合を除き、査証報告書(同項の規定により一部を開示しないこととされた場合にあつては、当該一部の記載を除く。)の閲覧若しくは謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。

 2 前項に規定する場合のほか、何人も、その提出された査証報告書の閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製を求めることができない。

 3 民事訴訟法第九十一条第四項及び第五項の規定は、第一項に規定する査証報告書について準用する。この場合において、同条第四項中「前項」とあるのは「特許法第百五条の二の七第一項」と、「当事者又は利害関係を疎明した第三者」とあるのは「申立人又は査証を受けた当事者」と読み替えるものとする。

  (査証人の証言拒絶権)

 第百五条の二の八 査証人又は査証人であつた者が査証に関して知得した秘密に関する事項について証人として尋問を受ける場合には、その証言を拒むことができる。

 2 民事訴訟法第百九十七条第二項の規定は、前項の場合に準用する。

  (査証人の旅費等)

 第百五条の二の九 査証人に関する旅費、日当及び宿泊料並びに査証料及び査証に必要な費用については、その性質に反しない限り、民事訴訟費用等に関する法律(昭和四十六年法律第四十号)中これらに関する規定の例による。

  (最高裁判所規則への委任)

 第百五条の二の十 この法律に定めるもののほか、第百五条の二から前条までの規定の実施に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

  第百五条の四第一項第一号中「書類」の下に「、第百五条の二の六第四項の規定により開示された査証報告書の全部若しくは一部」を加える。

  第百六十九条第六項中「(昭和四十六年法律第四十号)」を削る。

  第二百条の見出しを削り、同条の前に見出しとして「(秘密を漏らした罪)」を付する。

  第二百条の二を第二百条の三とし、第二百条の次に次の一条を加える。

 第二百条の二 査証人又は査証人であつた者が査証に関して知得した秘密を漏らし、又は盗用したときは、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 (実用新案法の一部改正)

第二条 実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)の一部を次のように改正する。

  第二十九条第一項中「その譲渡した物品の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、実用新案権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、実用新案権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた額を超えない限度において」を「次の各号に掲げる額の合計額を」に改め、同項ただし書を削り、同項に次の各号を加える。

  一 実用新案権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物品の単位数量当たりの利益の額に、自己の実用新案権又は専用実施権を侵害した者が譲渡した物品の数量(次号において「譲渡数量」という。)のうち当該実用新案権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた数量(同号において「実施相応数量」という。)を超えない部分(その全部又は一部に相当する数量を当該実用新案権者又は専用実施権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)を乗じて得た額

  二 譲渡数量のうち実施相応数量を超える数量又は特定数量がある場合(実用新案権者又は専用実施権者が、当該実用新案権者の実用新案権についての専用実施権の設定若しくは通常実施権の許諾又は当該専用実施権者の専用実施権についての通常実施権の許諾をし得たと認められない場合を除く。)におけるこれらの数量に応じた当該実用新案権又は専用実施権に係る登録実用新案の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額

  第二十九条第四項中「前項」を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

 4 裁判所は、第一項第二号及び前項に規定する登録実用新案の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、実用新案権者又は専用実施権者が、自己の実用新案権又は専用実施権に係る登録実用新案の実施の対価について、当該実用新案権又は専用実施権の侵害があつたことを前提として当該実用新案権又は専用実施権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該実用新案権者又は専用実施権者が得ることとなるその対価を考慮することができる。

  第三十条中「第百六条」を「第百五条」に、「、書類の提出等、」を「及び書類の提出等)及び第百五条の二の十一から第百六条まで(」に改める。

  第三十七条第一項第二号中「が第十一条第一項」を「が同項」に改める。

 (意匠法の一部改正)

第三条 意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)の一部を次のように改正する。

  第二条第一項中「第八条を除き、」を削り、「又はこれらの結合」を「若しくはこれらの結合(以下「形状等」という。)、建築物(建築物の部分を含む。以下同じ。)の形状等又は画像(機器の操作の用に供されるもの又は機器がその機能を発揮した結果として表示されるものに限り、画像の部分を含む。次条第二項、第三十七条第二項、第三十八条第七号及び第八号、第四十四条の三第二項第六号並びに第五十五条第二項第六号を除き、以下同じ。)」に改め、同条第二項を次のように改める。

 2 この法律で意匠について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。

  一 意匠に係る物品の製造、使用、譲渡、貸渡し、輸出若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。以下同じ。)をする行為

  二 意匠に係る建築物の建築、使用、譲渡若しくは貸渡し又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為

  三 意匠に係る画像(その画像を表示する機能を有するプログラム等(特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第二条第四項に規定するプログラム等をいう。以下同じ。)を含む。以下この号において同じ。)について行う次のいずれかに該当する行為

   イ 意匠に係る画像の作成、使用又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出(提供のための展示を含む。以下同じ。)をする行為

   ロ 意匠に係る画像を記録した記録媒体又は内蔵する機器(以下「画像記録媒体等」という。)の譲渡、貸渡し、輸出若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為

  第二条第三項を削り、同条第四項を同条第三項とする。

  第三条第二項中「知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「知られ、頒布された刊行物に記載され、又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となつた形状等又は画像」に、「前項の」を「同項の」に改める。

  第五条第二号中「物品」の下に「、建築物又は画像」を加え、同条第三号中「形状」の下に「若しくは建築物の用途にとつて不可欠な形状」を、「意匠」の下に「又は画像の用途にとつて不可欠な表示のみからなる意匠」を加える。

  第五条の二第三項中「(昭和三十四年法律第百二十一号)」を削る。

  第六条第一項第三号中「物品」の下に「又は意匠に係る建築物若しくは画像の用途」を加え、同条第三項中「物品の記載」を「物品若しくは意匠に係る建築物の用途の記載」に、「物品の材質」を「物品又は建築物の材質」に改め、同条第四項中「又は色彩がその物品」を「若しくは色彩、建築物の形状、模様若しくは色彩又は画像がその物品、建築物又は画像」に、「形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」を「形状等、建築物の形状等又は画像」に、「及びその物品」を「及びその物品、建築物又は画像」に改め、同条第七項中「物品」の下に「、建築物又は画像」を加える。

  第七条中「物品の区分により」を「ところにより、」に改める。

  第八条中「物品」の下に「、建築物又は画像」を加え、同条の次に次の一条を加える。

  (内装の意匠)

 第八条の二 店舗、事務所その他の施設の内部の設備及び装飾(以下「内装」という。)を構成する物品、建築物又は画像に係る意匠は、内装全体として統一的な美感を起こさせるときは、一意匠として出願をし、意匠登録を受けることができる。

  第十条第一項中「第十五条」を「第十五条第一項」に改め、「第四十三条第一項」の下に「、第四十三条の二第一項」を加え、「第二十条第三項の規定によりその本意匠の意匠登録出願が掲載された意匠公報(同条第四項の規定により同条第三項第四号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)の発行の日」を「当該本意匠の意匠登録出願の日から十年を経過する日」に改め、同項に次のただし書を加える。

   ただし、当該関連意匠の意匠権の設定の登録の際に、その本意匠の意匠権が第四十四条第四項の規定により消滅しているとき、無効にすべき旨の審決が確定しているとき、又は放棄されているときは、この限りでない。

  第十条第四項中「本意匠に係る二以上の関連意匠」を「関連意匠の意匠登録出願があつた場合において、当該意匠登録出願が基礎意匠(当該関連意匠に係る最初に選択した一の意匠をいう。以下同じ。)に係る関連意匠(当該基礎意匠の関連意匠及び当該関連意匠に連鎖する段階的な関連意匠をいう。以下同じ。)にそれぞれ該当する二以上の意匠」に、「があつた」を「であつた」に、「これらの関連意匠」を「これらの意匠」に改め、同項を同条第七項とし、同条第三項を削り、同条第二項中「前項」を「第一項及び第四項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第一項の次に次の四項を加える。

 2 第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた自己の意匠のうち前項の規定により意匠登録を受けようとする意匠の本意匠と同一又は類似のものは、当該意匠登録を受けようとする意匠についての同条第一項及び第二項の規定の適用については、同条第一項第一号又は第二号に該当するに至らなかつたものとみなす。

 3 第一項の規定により意匠登録を受けようとする意匠についての第三条の二ただし書の規定の適用については、同条ただし書中「同条第四項の規定により同条第三項第四号に掲げる事項が掲載されたものを除く。)」とあるのは、「当該先の意匠登録出願について第十四条第一項の規定により秘密にすることを請求したときは、第二十条第四項の規定により同条第三項第四号に掲げる事項が掲載されたものに限る。)」とする。

 4 第一項の規定により意匠登録を受ける関連意匠にのみ類似する意匠については、当該関連意匠を本意匠とみなして、同項の規定により意匠登録を受けることができるものとする。当該意匠登録を受けることができるものとされた関連意匠にのみ類似する意匠及び当該関連意匠に連鎖する段階的な関連意匠にのみ類似する意匠についても、同様とする。

 5 前項の場合における第一項の規定の適用については、同項中「当該本意匠」とあるのは、「当該関連意匠に係る最初に選択した一の意匠」とする。

  第十条に次の一項を加える。

 8 前項に規定する場合において、第三条第一項第一号又は第二号に該当するに至つた自己の意匠のうち当該基礎意匠に係る関連意匠(当該関連意匠の意匠登録出願が放棄され、取り下げられ、若しくは却下されたとき、若しくは当該関連意匠の意匠登録出願について拒絶をすべき旨の査定若しくは審決が確定したとき、又は当該関連意匠の意匠権が第四十四条第四項の規定により消滅したとき、無効にすべき旨の審決が確定したとき、若しくは放棄されたときを除く。)と同一又は類似のものは、第一項の規定により意匠登録を受けようとする意匠についての第三条第一項及び第二項の規定の適用については、同条第一項第一号又は第二号に該当するに至らなかつたものとみなす。

  第十条の二第二項ただし書及び第三項中「同法」の下に「第四十三条の二第二項(第十五条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び」を加える。

  第十五条第一項中「、第四十三条第一項から第五項まで、第八項及び第九項(パリ条約による優先権主張の手続)並びに第四十三条の三(」を「及び第四十三条から第四十三条の三まで(パリ条約による優先権主張の手続及び」に改め、「、同条第八項中「第六項の規定による通知を受けた者」とあるのは「第二項に規定する書類又は第五項に規定する書面を提出する者」と、「前項」とあるのは「第二項」と、「第二項」とあるのは「同項」と、同法第四十三条の三第三項中「前二条」とあるのは「第四十三条」と」を削る。

  第十七条第一号中「第八条」の下に「、第八条の二」を加え、「から第三項まで」を「、第四項若しくは第六項」に改める。

  第二十一条第一項中「設定の登録」を「意匠登録出願」に、「二十年」を「二十五年」に改め、同条第二項中「本意匠の意匠権の設定の登録」を「基礎意匠の意匠登録出願」に、「二十年」を「二十五年」に改める。

  第二十二条及び第二十六条の二第二項中「本意匠」を「基礎意匠」に改める。

  第二十七条第一項ただし書及び第三項中「本意匠」を「基礎意匠」に、「すべて」を「全て」に改める。

  第三十七条第二項中「物(プログラム等(特許法第二条第四項に規定するプログラム等をいう。次条において同じ。)を含む。以下同じ。)」を「物品、建築物若しくは画像(その画像を表示する機能を有するプログラム等を含む。第六十四条及び第六十五条第一号を除き、以下同じ。)若しくは画像を記録した記録媒体若しくは内蔵する機器(以下「一般画像記録媒体等」という。)又はプログラム等(画像を表示する機能を有するプログラム等を除く。以下同じ。)若しくはプログラム等を記録した記録媒体若しくは記憶した機器(以下「プログラム等記録媒体等」という。)」に改める。

  第三十八条第一号を次のように改める。

  一 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造にのみ用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について業として行う次のいずれかに該当する行為

   イ 当該製造にのみ用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為

   ロ 当該製造にのみ用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為

  第三十八条第二号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。

  二 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造に用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等(これらが日本国内において広く一般に流通しているものである場合を除く。)であつて当該登録意匠又はこれに類似する意匠の視覚を通じた美感の創出に不可欠なものにつき、その意匠が登録意匠又はこれに類似する意匠であること及びその物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等がその意匠の実施に用いられることを知りながら、業として行う次のいずれかに該当する行為

   イ 当該製造に用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為

   ロ 当該製造に用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為

  第三十八条に次の六号を加える。

  四 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物の建築にのみ用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について業として行う次のいずれかに該当する行為

   イ 当該建築にのみ用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為

   ロ 当該建築にのみ用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為

  五 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物の建築に用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等(これらが日本国内において広く一般に流通しているものである場合を除く。)であつて当該登録意匠又はこれに類似する意匠の視覚を通じた美感の創出に不可欠なものにつき、その意匠が登録意匠又はこれに類似する意匠であること及びその物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等がその意匠の実施に用いられることを知りながら、業として行う次のいずれかに該当する行為

   イ 当該建築に用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為

   ロ 当該建築に用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為

  六 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物を業としての譲渡又は貸渡しのために所有する行為

  七 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る画像の作成にのみ用いる物品若しくは画像若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について業として行う次のいずれかに該当する行為

   イ 当該作成にのみ用いる物品若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為

   ロ 当該作成にのみ用いる画像又はプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為

  八 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る画像の作成に用いる物品若しくは画像若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等(これらが日本国内において広く一般に流通しているものである場合を除く。)であつて当該登録意匠又はこれに類似する意匠の視覚を通じた美感の創出に不可欠なものにつき、その意匠が登録意匠又はこれに類似する意匠であること及びその物品若しくは画像若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等がその意匠の実施に用いられることを知りながら、業として行う次のいずれかに該当する行為

   イ 当該作成に用いる物品若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をする行為

   ロ 当該作成に用いる画像又はプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をする行為

  九 登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像を業としての電気通信回線を通じた提供のために保有する行為又は登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像記録媒体等を業としての譲渡、貸渡し若しくは輸出のために所持する行為

  第三十九条第一項中「その譲渡した物品の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、意匠権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、意匠権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた額を超えない限度において」を「次の各号に掲げる額の合計額を」に改め、同項ただし書を削り、同項に次の各号を加える。

  一 意匠権者又は専用実施権者がその侵害の行為がなければ販売することができた物品の単位数量当たりの利益の額に、自己の意匠権又は専用実施権を侵害した者が譲渡した物品の数量(次号において「譲渡数量」という。)のうち当該意匠権者又は専用実施権者の実施の能力に応じた数量(同号において「実施相応数量」という。)を超えない部分(その全部又は一部に相当する数量を当該意匠権者又は専用実施権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)を乗じて得た額

  二 譲渡数量のうち実施相応数量を超える数量又は特定数量がある場合(意匠権者又は専用実施権者が、当該意匠権者の意匠権についての専用実施権の設定若しくは通常実施権の許諾又は当該専用実施権者の専用実施権についての通常実施権の許諾をし得たと認められない場合を除く。)におけるこれらの数量に応じた当該意匠権又は専用実施権に係る登録意匠の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額

  第三十九条第四項中「前項」を「第三項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

 4 裁判所は、第一項第二号及び前項に規定する登録意匠の実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、意匠権者又は専用実施権者が、自己の意匠権又は専用実施権に係る登録意匠の実施の対価について、当該意匠権又は専用実施権の侵害があつたことを前提として当該意匠権又は専用実施権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該意匠権者又は専用実施権者が得ることとなるその対価を考慮することができる。

  第四十一条中「第百五条の六」を「第百五条」に、「、書類の提出等、」を「及び書類の提出等)、第百五条の二の十一から第百五条の六まで(」に改める。

  第四十二条第一項第二号中「第二十年」を「第二十五年」に改め、同条第三項中「、第一項」を「、同項」に改める。

  第四十四条の三第一項中「輸入し、又は」を「、輸入をし、若しくは」に、「製造し、」を「製造」に、「取得した」を「取得をした」に、「登録意匠又は」を「登録意匠若しくは」に、「物品」を「物品若しくは画像記録媒体等、日本国内において建築若しくは取得をした当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る建築物又は日本国内において作成若しくは取得をした当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像」に改め、同条第二項第二号を次のように改める。

  二 当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造に用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について行つた次のいずれかに該当する行為

   イ 当該製造に用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為

   ロ 当該製造に用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をした行為

  第四十四条の三第二項に次の四号を加える。

  四 当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物の建築に用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について行つた次のいずれかに該当する行為

   イ 当該建築に用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為

   ロ 当該建築に用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をした行為

  五 当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物を譲渡又は貸渡しのために所有した行為

  六 当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る画像の作成に用いる物品若しくは画像若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について行つた次のいずれかに該当する行為

   イ 当該作成に用いる物品若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為

   ロ 当該作成に用いる画像又はプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をした行為

  七 当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像を電気通信回線を通じた提供のために保有した行為又は当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像記録媒体等を譲渡、貸渡し若しくは輸出のために所持した行為

  第四十八条第一項第一号中「第十条第二項若しくは第三項」を「第十条第六項」に改める。

  第五十五条第一項中「善意に輸入し又は」を「、善意に輸入をし、若しくは」に、「製造し」を「製造」に、「取得した」を「取得をした」に、「登録意匠又は」を「登録意匠若しくは」に、「物品」を「物品若しくは画像記録媒体等、善意に日本国内において建築若しくは取得をした当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る建築物又は善意に日本国内において作成若しくは取得をした当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像」に改め、同条第二項第二号を次のように改める。

  二 善意に、当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品の製造に用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について行つた次のいずれかに該当する行為

   イ 当該製造に用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為

   ロ 当該製造に用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をした行為

  第五十五条第二項に次の四号を加える。

  四 善意に、当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物の建築に用いる物品又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について行つた次のいずれかに該当する行為

   イ 当該建築に用いる物品又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為

   ロ 当該建築に用いるプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をした行為

  五 善意に、当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る建築物を譲渡又は貸渡しのために所有した行為

  六 善意に、当該登録意匠又はこれに類似する意匠に係る画像の作成に用いる物品若しくは画像若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等若しくはプログラム等記録媒体等について行つた次のいずれかに該当する行為

   イ 当該作成に用いる物品若しくは一般画像記録媒体等又はプログラム等記録媒体等の製造、譲渡、貸渡し若しくは輸入又は譲渡若しくは貸渡しの申出をした行為

   ロ 当該作成に用いる画像又はプログラム等の作成又は電気通信回線を通じた提供若しくはその申出をした行為

  七 善意に、当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像を電気通信回線を通じた提供のために保有した行為又は当該登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る画像記録媒体等を譲渡、貸渡し若しくは輸出のために所持した行為

  第六十条の六第一項中「(以下「国際登録の日」という。)」を削り、同条第三項の表下欄中「物品」の下に「又は意匠に係る建築物若しくは画像の用途(上欄に掲げる製品が建築物又は画像である場合において、当該製品に係る国際登録簿に記録された事項から当該建築物又は画像の用途を認識することができるときに限る。)」を加える。

  第六十条の八中「第十条第一項」の下に「(同条第五項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この項及び次項において同じ。)」を加え、「同項」を「同条第一項」に改め、同条に次の二項を加える。

 2 本意匠の意匠権が第六十条の十四第二項に規定する国際登録を基礎とした意匠権である場合における第十条第一項ただし書の規定の適用については、同項ただし書中「第四十四条第四項」とあるのは、「第六十条の十四第二項」とする。

 3 基礎意匠に係る一又は二以上の関連意匠の意匠権が第六十条の十四第二項に規定する国際登録を基礎とした意匠権である場合における第十条第八項の規定の適用については、同項中「第四十四条第四項」とあるのは、「第四十四条第四項若しくは第六十条の十四第二項」とする。

  第六十条の十第一項中「第四十三条第一項から第五項まで、第八項及び第九項(第十五条第一項」を「第四十三条(同項」に、「読み替えて準用する同法」を「準用する同法第四十三条の二第二項(第十五条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び」に改め、「並びに」の下に「第十五条第一項において準用する同法第四十三条の二第一項(第十五条第一項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)及び」を加え、同条第二項中「第五項まで、第八項及び第九項」を「第九項まで」に、「「経済産業省令で定める期間内」と、同条第八項中「第六項の規定による通知を受けた者」とあるのは「第二項に規定する書類又は第五項に規定する書面を提出する者」と、「前項」とあるのは「第二項」と、「第二項」とあるのは「同項」を「、「経済産業省令で定める期間内」に改める。

  第六十条の十二第二項中「、第百五条の二」を「から第百五条の二の十一まで」に、「第百五条の二まで」を「第百五条まで、第百五条の二の十一」に改める。

  第六十条の十五及び第六十条の十六中「本意匠」を「基礎意匠」に改める。

  第六十条の二十一第二項中「(国際登録の日から十五年を経過した後にするものを除く。)」を削る。

  第六十四条中「又はその物品の包装にその物品」を「若しくはその包装、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等若しくはその包装に当該物品、建築物又は画像」に、「附する」を「付する」に改める。

  第六十五条第一号中「以外の物品又はその物品の」を「、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等以外の物品若しくはその包装、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等若しくはその」に、「附する」を「付する」に改め、同条第二号及び第三号を次のように改める。

  二 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等以外の物品、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等であつて、当該物品若しくはその包装、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等若しくはその包装に意匠登録表示又はこれと紛らわしい表示を付したものについて行う次のいずれかに該当する行為

   イ 当該物品、建築物又は画像記録媒体等の譲渡、貸渡し又は譲渡若しくは貸渡しのための展示をする行為

   ロ 当該画像の電気通信回線を通じた提供又はそのための展示をする行為

  三 登録意匠又はこれに類似する意匠に係る物品、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等以外の物品、建築物又は画像若しくは画像記録媒体等について行う次のいずれかに該当する行為

   イ 当該物品又は画像記録媒体等の製造若しくは使用をさせるため、又は譲渡若しくは貸渡しをするため、広告に当該物品又は画像記録媒体等が登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為

   ロ 当該建築物の建築若しくは使用をさせるため、又は譲渡若しくは貸渡しをするため、広告に当該建築物が登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為

   ハ 当該画像の作成若しくは使用をさせるため、又は電気通信回線を通じた提供をするため、広告に当該画像が登録意匠若しくはこれに類似する意匠に係る旨を表示し、又はこれと紛らわしい表示をする行為

  第六十六条第三項中「すべて」を「全て」に、「意匠登録出題」を「意匠登録出願」に改める。

  第六十八条第一項中「、第四条並びに第五条第一項及び第二項」を「から第五条まで」に改める。

  別表中第七号を第九号とし、第四号から第六号までを二号ずつ繰り下げ、第三号の次に次の二号を加える。

第六十八条第一項において準用する特許法第五条第三項の規定による期間の延長(第十九条において準用する同法第五十条の規定により指定された期間に係るものを除く。)を請求する者 一件につき四千二百円
第六十八条第一項において準用する特許法第五条第三項の規定による期間の延長(第十九条において準用する同法第五十条の規定により指定された期間に係るものに限る。)を請求する者 一件につき七千二百円

 (商標法の一部改正)

第四条 商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)の一部を次のように改正する。

  第十三条の二第五項中「第百五条の二」を「第百五条の二の十一」に改める。

  第三十一条第一項ただし書を削る。

  第三十八条第一項中「その譲渡した商品の数量(以下この項において「譲渡数量」という。)に、商標権者又は専用使用権者がその侵害の行為がなければ販売することができた商品の単位数量当たりの利益の額を乗じて得た額を、商標権者又は専用使用権者の使用の能力に応じた額を超えない限度において」を「次の各号に掲げる額の合計額を」に改め、同項ただし書を削り、同項に次の各号を加える。

  一 商標権者又は専用使用権者がその侵害の行為がなければ販売することができた商品の単位数量当たりの利益の額に、自己の商標権又は専用使用権を侵害した者が譲渡した商品の数量(次号において「譲渡数量」という。)のうち当該商標権者又は専用使用権者の使用の能力に応じた数量(同号において「使用相応数量」という。)を超えない部分(その全部又は一部に相当する数量を当該商標権者又は専用使用権者が販売することができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)を乗じて得た額

  二 譲渡数量のうち使用相応数量を超える数量又は特定数量がある場合(商標権者又は専用使用権者が、当該商標権者の商標権についての専用使用権の設定若しくは通常使用権の許諾又は当該専用使用権者の専用使用権についての通常使用権の許諾をし得たと認められない場合を除く。)におけるこれらの数量に応じた当該商標権又は専用使用権に係る登録商標の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額

  第三十八条第五項中「前二項」を「第三項及び前項」に改め、同項を同条第六項とし、同条第四項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。

 4 裁判所は、第一項第二号及び前項に規定する登録商標の使用に対し受けるべき金銭の額に相当する額を認定するに当たつては、商標権者又は専用使用権者が、自己の商標権又は専用使用権に係る登録商標の使用の対価について、当該商標権又は専用使用権の侵害があつたことを前提として当該商標権又は専用使用権を侵害した者との間で合意をするとしたならば、当該商標権者又は専用使用権者が得ることとなるその対価を考慮することができる。

  第三十九条中「、第百五条」の下に「(書類の提出等)、第百五条の二の十一」を加え、「書類の提出等、」を削る。

  第六十八条の二十八第一項中「により指定された期間内」を「による通知を受けた後は、事件が審査、審判又は再審に係属している場合」に改める。

   附 則

 (施行期日)

第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 一 附則第四条の規定 公布の日

 二 第四条中商標法第三十一条第一項ただし書の改正規定 公布の日から起算して十日を経過した日

 三 第一条中特許法第六十五条第六項の改正規定、同法第百五条第四項の改正規定、同法第百五条の二を同法第百五条の二の十一とし、同法第百五条の次に十条を加える改正規定、同法第百五条の四第一項第一号の改正規定、同法第百六十九条第六項の改正規定、同法第二百条の見出しを削り、同条の前に見出しを付する改正規定及び同法第二百条の二を同法第二百条の三とし、同法第二百条の次に一条を加える改正規定、第二条中実用新案法第三十条の改正規定、第三条中意匠法第四十一条の改正規定及び同法第六十条の十二第二項の改正規定並びに第四条中商標法第十三条の二第五項の改正規定及び同法第三十九条の改正規定並びに附則第五条の規定 公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日

 四 第三条中意匠法第七条の改正規定、同法第十条第一項の改正規定(「第四十三条第一項」の下に「、第四十三条の二第一項」を加える部分に限る。)、同法第十条の二第二項ただし書及び第三項の改正規定、同法第十五条第一項の改正規定、同法第六十条の十の改正規定、同法第六十八条第一項の改正規定並びに同法別表の改正規定並びに次条第二項から第五項までの規定 公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日

 (意匠法の一部改正に伴う経過措置)

第二条 第三条の規定(前条第三号及び第四号に掲げる改正規定を除く。)による改正後の意匠法第二条第一項、第三条第二項、第五条第二号及び第三号、第六条第一項第三号、第三項、第四項及び第七項、第八条、第八条の二、第十条、第十七条第一号、第二十一条、第四十二条第一項第二号、第四十八条第一項第一号、第六十条の六第三項、第六十条の八並びに第六十条の二十一第二項の規定は、この法律の施行の日(以下この項及び次条において「施行日」という。)以後にする意匠登録出願について適用し、施行日前にした意匠登録出願については、なお従前の例による。

2 第三条の規定(前条第四号に掲げる改正規定に限る。以下この項において同じ。)による改正後の意匠法(以下この条において「新意匠法」という。)第十五条第一項及び第六十条の十第二項において準用する特許法第四十三条第六項の規定は、同号に掲げる規定の施行の日(以下この条において「第四号施行日」という。)前に第三条の規定による改正前の意匠法(次項及び第五項において「旧意匠法」という。)第十五条第一項及び第六十条の十第二項において読み替えて準用する特許法第四十三条第二項に規定する期間を経過している意匠登録出願については、適用しない。

3 新意匠法第十五条第一項及び第六十条の十第二項において準用する特許法第四十三条第八項及び第九項の規定は、第四号施行日以後に新意匠法第十五条第一項及び第六十条の十第二項において準用する特許法第四十三条第七項に規定する期間を経過する意匠登録出願について適用し、第四号施行日前に旧意匠法第十五条第一項及び第六十条の十第二項において読み替えて準用する特許法第四十三条第二項に規定する期間を経過している意匠登録出願については、なお従前の例による。

4 新意匠法第十五条第一項において準用する特許法第四十三条の二(同項において準用する同法第四十三条の三第三項において準用する場合を含む。)の規定は、第四号施行日前にした意匠登録出願に伴う優先権の主張については、適用しない。

5 新意匠法第六十八条第一項において準用する特許法第五条第三項の規定は、第四号施行日前に旧意匠法の規定により特許庁長官、審判長又は審査官が指定した手続をすべき期間を経過している手続については、適用しない。

 (商標法の一部改正に伴う経過措置)

第三条 第四条の規定(附則第一条第二号及び第三号に掲げる改正規定を除く。)による改正後の商標法第六十八条の二十八第一項の規定は、施行日以後にする標章の国際登録に関するマドリッド協定の千九百八十九年六月二十七日にマドリッドで採択された議定書第三条の三に規定する領域指定であって日本国を指定するもの(以下この条において「日本国を指定する領域指定」という。)について適用し、施行日前にした日本国を指定する領域指定については、なお従前の例による。

 (政令への委任)

第四条 前二条に規定するもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

 (執行官法の一部改正)

第五条 執行官法(昭和四十一年法律第百十一号)の一部を次のように改正する。

  第八条第一項第一号の二の次に次の一号を加える。

  一の三 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第百五条の二の二第三項の規定による援助

  第八条第二項第一号中「又は前項第一号の二」を「、前項第一号の二」に改め、「調査」の下に「又は同項第一号の三の援助」を加え、「又は同号」を「、同項第一号の二」に改める。

法務大臣 山下 貴司  
経済産業大臣 世耕 弘成  
内閣総理大臣 安倍 晋三  

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  2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
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