特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づく特定船舶の入港禁止措置について (平成18年内閣告示第3号)

○内閣告示第三号

特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法(平成十六年法律第百二十五号)第三条第一項の規定に基づき、特定船舶の入港禁止措置を次のとおり決定したので、同法第四条の規定により告示する。

平成十八年七月五日 内閣総理大臣 小泉純一郎

特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づく特定船舶の入港禁止措置について

北朝鮮による今回の弾道ミサイル又は飛翔体の発射を受け、特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法(平成十六年法律第百二十五号。以下「法」という。)第三条第一項に基づき、次のとおり、同条第二項の事項を定める。

一  入港禁止の理由

平成十八年七月五日未明より複数回にわたり、北朝鮮から、テポドン2を含めた弾道ミサイル又は何らかの飛翔体が発射されたものと考えられる。今回、我が国を含む関係各国による事前の警告にもかかわらず発射を強行したことは、我が国の安全保障や国際社会の平和と安定、さらには大量破壊兵器の不拡散という観点から重大な問題であり、船舶・航空機の航行の安全に関する国際法上問題であると同時に、日朝平壌宣言にあるミサイル発射モラトリアムにも違反する。また、六者会合の共同声明とも相容れない。今回の事案を始めとする我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全を維持するため特に必要があると認め、法第三条第一項に基づき、三に掲げる特定船舶の本邦の港への入港を禁止することとする。

二  特定の外国

北朝鮮

三  特定船舶

万景峰九二号(北朝鮮船籍船舶、貨客船)

四  入港禁止の期間

法第四条の告示の日(以下「告示日」という。)から六箇月間

五  法第二条第二項第二号の船舶を特定船舶とする場合にあっては、同号に規定する日

なし

六  法第六条第一項の規定により特定船舶を出港させなければならない期日

告示日において本邦の港に入港している場合にあっては、告示日

七  その他入港禁止の実施に関し必要な事項

ただし、必要な人道上の配慮を行う。


(参考)その後の改正を織り込んだもの(最終改正:令和3年内閣告示第1号)

一  入港禁止の理由

平成十八年十月九日、北朝鮮により核実験を実施した旨の発表がなされた。北朝鮮が同年七月五日に弾道ミサイルを発射したことに加え、核実験を実施したとしていることは、我が国のみならず、東アジア及び国際社会の平和と安全に対する重大な脅威である。これは核兵器不拡散条約(NPT)体制に対する重大な挑戦であり、また、日朝平壌宣言及び六者会合の共同声明のみならず、国際連合安全保障理事会決議第千六百九十五号及び同年十月七日の国際連合安全保障理事会議長声明にも違反するものである。さらに、平成二十八年一月六日に北朝鮮が核実験を実施したこと及び同年二月七日に「人工衛星」と称する弾道ミサイルを発射したこと、平成二十八年三月二日(ニューヨーク時間)に国際連合安全保障理事会決議第二千二百七十号が採択されたこと並びに平成二十八年九月九日及び平成二十九年九月三日に北朝鮮が核実験を実施したこと等を踏まえ、また、我が国を取り巻く国際情勢にかんがみ、我が国の平和及び安全を維持するため特に必要があると認め、法第三条第一項に基づき、三に掲げる特定船舶の本邦の港への入港を禁止することとする。

二  特定の外国

北朝鮮

三  特定船舶

(一)北朝鮮籍のすべての船舶

(二)外国の国籍を有する船舶(北朝鮮籍のものを除く。)のうち、平成二十八年二月十九日以後に北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続等によって確認されたもの

(三)国際連合安全保障理事会の決定又は国際連合安全保障理事会決議第千七百十八号十二に従って設置された委員会による決定若しくは指定(以下「関連決定等」という。)に基づき、国際連合安全保障理事会決議第千七百十八号八(d)等の規定により課された凍結又はその他の関連する措置の対象とされた船舶(その後、当該措置の対象とならないこととされた船舶は除く。)であって、その国際海事機関船舶識別番号が関連決定等において明示されるもの(上記(一)又は(二)に該当する船舶を除く。)

(四)日本の国籍を有する船舶のうち、平成二十八年十二月九日以後に北朝鮮の港に寄港したことが我が国の法令に基づく手続等によって確認されたもの(上記(三)に該当する船舶を除く。)

四  入港禁止の期間

(一)については、平成十八年十月十四日から令和五年四月十三日までの間。ただし、万景峰九二号(北朝鮮船籍船舶、貨客船)については、平成十八年十月十三日から令和五年四月十三日までの間。

(二)については、平成二十八年二月二十日から令和五年四月十三日までの間。

(三)については、平成二十八年4月2日から令和5年四月十三日までの間。ただし、平成二十八年四月一日以降に(三)の対象となる船舶については、その国際海事機関船舶識別番号の告示の日の翌日から令和五年四月十三日までの間。

(四)については、平成二十八年十二月十日から令和五年四月十三日までの間。

五  法第二条第二項第二号の船舶を特定船舶とする場合にあっては、同号に規定する日

(二)については平成二八年二月十九日。

(四)については平成二十八年十二月九日。

六  法第六条第一項の規定により特定船舶を出港させなければならない期日

平成二十八年十二月九日以降に(三)の対象となる船舶については、その国際海事機関船舶識別番号の告示の日の翌日。

七  その他入港禁止の実施に関し必要な事項

必要な人道上の配慮を行うとともに、法令の執行及び我が国が締結した条約その他の国際約束の誠実な履行に支障を及ぼさないようにする。

また、(三)に関し、外務大臣は、関連決定等に基づき、国際連合安全保障理事会決議第第千七百十八号八(d)等の規定により課された凍結若しくはその他の関連する措置の対象とされた船舶又は当該措置の対象とならないこととされた船舶の国際海事機関船舶識別番号を直ちに告示する。

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