春秋左氏傳/003 莊公/03

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訓読文

【經】　三年春王の正月、溺《でき》、齊《せい》の師《し》に會《くわい》し衞を伐《う》つ。夏四月、宋の莊公《さうこう》を葬《はうむ》る。五月、桓王《くわんこう》を葬る。秋、紀季《きき》、酅《けい》を以て齊に入る。冬、公、滑《くわつ》に次《やど》る。

【傳】　三年（周ノ莊王六年）春、溺^[1]、齊の師に會し衞を伐つとは、之を疾《にく》む也《なり》^[2]。
　夏、五月、桓王を葬るは、緩《おそ》き^[3]なり。
　秋、紀季、酅を以て齊に入る。紀《き》、是《こゝ》に於《おい》てか、始《はじ》めて、判《わか》^[4]れぬ。（→莊公四年）
　冬、公、滑に次るは、將《まさ》に鄭伯《ていはく》と會《くわい》して、紀の故《こと》を謀《はか》らんとすればなり。鄭伯、辭《じ》するに難《なん》を以《もつ》てす^[5]。凡《およ》そ師出《い》づるに一宿《しゆく》を舍《しや》と爲《な》し、再宿《さいしゆく》を信《しん》と爲し、信を過《す》ぐるを次《じ》と爲す。

註

1. 魯の大夫。
2. 其仇を釋きて之と比肩して事に從ふを疾む也。
3. 周の桓王は桓公十五年崩ぜしなり。
4. 判は分かるゝ也。
5. 鄭伯子儀、厲公が櫟に在りて、國内に難有るに託して、魯の約に背きて、齊侯が紀を滅するの謀に同意したるなり。