『小学唱歌集 第三編』(1884年) 編集

第七十八菊(きく)

庭(には)の千草(ちぐさ)も。むしのねも。
かれてさびしく。なりにけり。
あゝしらぎく。嗚呼(あゝ)白菊(しらぎく)。
ひとりおくれて。さきにけり。

露(つゆ)にたわむや。菊(きく)の花。
しもにおごるや。きくの花。
あゝあはれ。あゝ白菊。
人のみさをも。かくてこそ。

 
 

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