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かたりをはるとき{{Ruby|午夜|ごや}}の時計ほがらかに鳴りて、はや舞踏の{{Ruby|大休|おおやすみ}}となり、妃はおほとのごもり玉ふべきをりなれば、イイダ姫あわただしく坐を{{Ruby|起|た}}ちて、こなたへ差しのばしたる{{Ruby|右手|めて}}の指に、わが唇触るるとき、隅の観兵の{{Ruby|間|ま}}に設けたる{{Ruby|夕餉|スペー}}に急ぐまらうど、群立ちてここを過ぎぬ。姫の姿はその間にまじり、次第に遠ざかりゆきて、をりをり人の肩のすきまに見ゆる、けふの{{Ruby|晴衣|はれぎ}}の水いろのみぞ名残なりける。
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