「2012ナ14082」の版間の差分

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金銭消費貸借とともに利息の約定をする場合,双方当事者の経済力の差異によりその利率が当時の経済的社会的与件に照らし,社会通念上許容される限度を超過して著しく高率に定められたとすれば,そのような許容しうる限度を超過する部分の利息約定は,貸主がその優越した地位を利用して不当な利得を得,借主に対しては過度な反対給付又はその他の不当な負担を負わせるものであるから,善良な風俗及びその他社会秩序に違反した事項を内容とする法律行為として,向こうであると言え,善良な風俗その他社会秩序に反して無効な部分の利息約定を原因として借主が貸主に対して任意に利息を支払うことは,通常不法の原因による財産給付であると解せられるが,不法原因給付においても,その不法原因が受益者にのみある場合又は受益者の不法性が給付者のそれより著しく大きく,給付者の返還請求を認めないことがむしろ公平及び信義則に反することとなるときは,給付者の返還請求が許されるから,貸主が社会通念上許される限度を超える利率を約定し,支払いを受けたことは,その優越した地位を利用し不当な利得を得,借主には,過度な反対給付又はその他の不当な負担を負わせるものとして,その不法の原因が受益者である貸主にのみあり,又は少なくとも貸主に不法性が借主の不法性に比して著しく大きいと言え,その利息の返還を請求することができる,(最高裁判所2007.2.15言渡2004다504261全員合議体判決参照)
====ロ. 不当利得返還義務の発生====
本件に関して見るに,本件第1借用及び根抵当権設定契約において定める約定利息150,000,000圓を年利で換算すると,年150%程度に至る点,本件第1借用及び根抵当権設定契約以降のものではあるが,旧利息制限法(2007.3.29法律第8322号により制定され,2007.6.30施行されたもの)第2条第1項は,「金銭貸借に関する契約上の最高利率は,年40パーセントを超過しない範囲内において大統領令で定める」と規定しており(以降2011.7.25「年30パーセントを超過しない範囲」と改正され,同年10.26施行された),利息制限法第2条第1項の最高利率に関する規定は,最高利率を年30%と規定している点及びその他本件第1借用及び根抵当権設定契約の締結の経緯等各種事情を総合して見ると,本件第1借用及び根抵当権設定契約の約定利息中,年30%を超過する部分は,過度に高い利率による利息として善良な風俗及びその他社会秩序に反し無効であると言える。
 
====ハ. 不当利得返還の範囲====