「古今和歌集/巻十五」の版間の差分

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巻十五:恋五
 
 
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つきやあらぬ-はるやむかしの-はるならぬ-わかみひとつは-もとのみにして
 
 
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はなすすき-われこそしたに-おもひしか-ほにいててひとに-むすはれにけり
 
 
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よそにのみ-きかましものを-おとはかは-わたるとなしに-みなれそめけむ
 
 
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わかことく-われをおもはむ-ひともかな-さてもやうきと-よをこころみむ
 
 
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ひさかたの-あまつそらにも-すまなくに-ひとはよそにそ-おもふへらなる
 
 
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みてもまた-またもみまくの-ほしけれは-なるるをひとは-いとふへらなり
 
 
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くももなく-なきたるあさの-われなれや-いとはれてのみ-よをはへぬらむ
 
 
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はなかたみ-めならふひとの-あまたあれは-わすられぬらむ-かすならぬみは
 
 
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うきめのみ-おひてなかるる-うらなれは-かりにのみこそ-あまはよるらめ
 
 
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あひにあひて-ものおもふころの-わかそてに-やとるつきさへ-ぬるるかほなる
 
 
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あきならて-おくしらつゆは-ねさめする-わかたまくらの-しつくなりけり
 
 
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すまのあまの-しほやきころも-をさをあらみ-まとほにあれや-きみかきまさぬ
 
 
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やましろの-よとのわかこも-かりにたに-こぬひとたのむ-われそはかなき
 
 
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あひみねは-こひこそまされ-みなせかは-なににふかめて-おもひそめけむ
 
 
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あかつきの-しきのはねかき-ももはかき-きみかこぬよは-われそかすかく
 
 
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たまかつら-いまはたゆとや-ふくかせの-おとにもひとの-きこえさるらむ
 
 
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わかそてに-またきしくれの-ふりぬるは-きみかこころに-あきやきぬらむ
 
 
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やまのゐの-あさきこころも-おもはぬに-かけはかりのみ-ひとのみゆらむ
 
 
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わすれくさ-たねとらましを-あふことの-いとかくかたき-ものとしりせは
 
 
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こふれとも-あふよのなきは-わすれくさ-ゆめちにさへや-おひしけるらむ
 
 
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ゆめにたに-あふことかたく-なりゆくは-われやいをねぬ-ひとやわするる
 
 
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もろこしも-ゆめにみしかは-ちかかりき-おもはぬなかそ-はるけかりける
 
 
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ひとりのみ-なかめふるやの-つまなれは-ひとをしのふの-くさそおひける
 
 
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わかやとは-みちもなきまて-あれにけり-つれなきひとを-まつとせしまに
 
 
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いまこむと-いひてわかれし-あしたより-おもひくらしの-ねをのみそなく
 
 
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こめやとは-おもふものから-ひくらしの-なくゆふくれは-たちまたれつつ
 
 
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いましはと-わひにしものを-ささかにの-ころもにかかり-われをたのむる
 
 
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いまはこしと-おもふものから-わすれつつ-またるることの-またもやまぬか
 
 
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つきよには-こぬひとまたる-かきくもり-あめもふらなむ-わひつつもねむ
 
 
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うゑていにし-あきたかるまて-みえこねは-けさはつかりの-ねにそなきぬる
 
 
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こぬひとを-まつゆふくれの-あきかせは-いかにふけはか-わひしかるらむ
 
 
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ひさしくも-なりにけるかな-すみのえの-まつはくるしき-ものにそありける
 
 
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すみのえの-まつほとひさに-なりぬれは-あしたつのねに-なかぬひはなし
 
 
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みわのやま-いかにまちみむ-としふとも-たつぬるひとも-あらしとおもへは
 
 
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ふきまよふ-のかせをさむみ-あきはきの-うつりもゆくか-ひとのこころの
 
 
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いまはとて-わかみしくれに-ふりぬれは-ことのはさへに-うつろひにけり
 
 
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ひとをおもふ-こころのこのはに-あらはこそ-かせのまにまに-ちりもみたれめ
 
 
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あまくもの-よそにもひとの-なりゆくか-さすかにめには-みゆるものから
 
 
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ゆきかへり-そらにのみして-ふることは-わかゐるやまの-かせはやみなり
 
 
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からころも-なれはみにこそ-まつはれめ-かけてのみやは-こひむとおもひし
 
 
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あきかせは-みをわけてしも-ふかなくに-ひとのこころの-そらになるらむ
 
 
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つれもなく-なりゆくひとの-ことのはそ-あきよりさきの-もみちなりける
 
 
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してのやま-ふもとをみてそ-かへりにし-つらきひとより-まつこえしとて
 
 
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ときすきて-かれゆくをのの-あさちには-いまはおもひそ-たえすもえける
 
 
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ふゆかれの-のへとわかみを-おもひせは-もえてもはるを-またましものを
 
 
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みつのあわの-きえてうきみと-いひなから-なかれてなほも-たのまるるかな
 
 
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みなせかは-ありてゆくみつ-なくはこそ-つひにわかみを-たえぬとおもはめ
 
 
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よしのかは-よしやひとこそ-つらからめ-はやくいひてし-ことはわすれし
 
 
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よのなかの-ひとのこころは-はなそめの-うつろひやすき-いろにそありける
 
 
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こころこそ-うたてにくけれ-そめさらは-うつろふことも-をしからましや
 
 
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いろみえて-うつろふものは-よのなかの-ひとのこころの-はなにそありける
 
 
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われのみや-よをうくひすと-なきわひむ-ひとのこころの-はなとちりなは
 
 
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おもふとも-かれなむひとを-いかかせむ-あかすちりぬる-はなとこそみめ
 
 
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いまはとて-きみかかれなは-わかやとの-はなをはひとり-みてやしのはむ
 
 
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わすれくさ-かれもやすると-つれもなき-ひとのこころに-しもはおかなむ
 
 
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わすれくさ-なにをかたねと-おもひしは-つれなきひとの-こころなりけり
 
 
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あきのたの-いねてふことも-かけなくに-なにをうしとか-ひとのかるらむ
 
 
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はつかりの-なきこそわたれ-よのなかの-ひとのこころの-あきしうけれは
 
 
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あはれとも-うしともものを-おもふとき-なにかなみたの-いとなかるらむ
 
 
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みをうしと-おもふにきえぬ-ものなれは-かくてもへぬる-よにこそありけれ
 
 
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あまのかる-もにすむむしの-われからと-ねをこそなかめ-よをはうらみし
 
 
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あひみぬも-うきもわかみの-からころも-おもひしらすも-とくるひもかな
 
 
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つれなきを-いまはこひしと-おもへとも-こころよわくも-おつるなみたか
 
 
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ひとしれす-たえなましかは-わひつつも-なきなそとたに-いはましものを
 
 
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それをたに-おもふこととて-わかやとを-みきとないひそ-ひとのきかくに
 
 
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あふことの-もはらたえぬる-ときにこそ-ひとのこひしき-こともしりけれ
 
 
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わひはつる-ときさへものの-かなしきは-いつこをしのふ-なみたなるらむ
 
 
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うらみても-なきてもいはむ-かたそなき-かかみにみゆる-かけならすして
 
 
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ゆふされは-ひとなきとこを-うちはらひ-なけかむためと-なれるわかみか
 
 
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わたつみの-わかみこすなみ-たちかへり-あまのすむてふ-うらみつるかな
 
 
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あらをたを-あらすきかへし-かへしても-ひとのこころを-みてこそやまめ
 
 
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ありそうみの-はまのまさこと-たのめしは-わするることの-かすにそありける
 
 
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あしへより-くもゐをさして-ゆくかりの-いやとほさかる-わかみかなしも
 
 
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しくれつつ-もみつるよりも-ことのはの-こころのあきに-あふそわひしき
 
 
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あきかせの-ふきとふきぬる-むさしのは-なへてくさはの-いろかはりけり
 
 
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あきかせに-あふたのみこそ-かなしけれ-わかみむなしく-なりぬとおもへは
 
 
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あきかせの-ふきうらかへす-くすのはの-うらみてもなほ-うらめしきかな
 
 
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あきといへは-よそにそききし-あたひとの-われをふるせる-なにこそありけれ
 
 
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790 ⟶ 869行目:
 
わすらるる-みをうちはしの-なかたえて-ひともかよはぬ-としそへにける
 
 
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あふことを-なからのはしの-なからへて-こひわたるまに-としそへにける
 
 
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うきなから-けぬるあわとも-なりななむ-なかれてとたに-たのまれぬみは
 
 
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