「古今和歌集/巻十二」の版間の差分

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巻十二:恋二
 
 
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おもひつつ-ぬれはやひとの-みえつらむ-ゆめとしりせは-さめさらましを
 
 
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うたたねに-こひしきひとを-みてしより-ゆめてふものは-たのみそめてき
 
 
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いとせめて-こひしきときは-うはたまの-よるのころもを-かへしてそきる
 
 
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あきかせの-みにさむけれは-つれもなき-ひとをそたのむ-くるるよことに
 
 
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つつめとも-そてにたまらぬ-しらたまは-ひとをみぬめの-なみたなりけり
 
 
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おろかなる-なみたそそてに-たまはなす-われはせきあへす-たきつせなれは
 
 
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こひわひて-うちぬるなかに-ゆきかよふ-ゆめのたたちは-うつつならなむ
 
 
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すみのえの-きしによるなみ-よるさへや-ゆめのかよひち-ひとめよくらむ
 
 
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わかこひは-みやまかくれの-くさなれや-しけさまされと-しるひとのなき
 
 
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よひのまも-はかなくみゆる-なつむしに-まよひまされる-こひもするかな
 
 
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ゆふされは-ほたるよりけに-もゆれとも-ひかりみねはや-ひとのつれなき
 
 
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ささのはに-おくしもよりも-ひとりぬる-わかころもてそ-さえまさりける
 
 
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わかやとの-きくのかきねに-おくしもの-きえかへりてそ-こひしかりける
 
 
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かはのせに-なひくたまもの-みかくれて-ひとにしられぬ-こひもするかな
 
 
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かきくらし-ふるしらゆきの-したきえに-きえてものおもふ-ころにもあるかな
 
 
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きみこふる-なみたのとこに-みちぬれは-みをつくしとそ-われはなりぬる
 
 
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しぬるいのち-いきもやすると-こころみに-たまのをはかり-あはむといはなむ
 
 
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わひぬれは-しひてわすれむと-おもへとも-ゆめといふものそ-ひとたのめなる
 
 
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わりなくも-ねてもさめても-こひしきか-こころをいつち-やらはわすれむ
 
 
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こひしきに-わひてたましひ-まよひなは-むなしきからの-なにやのこらむ
 
 
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きみこふる-なみたしなくは-からころも-むねのあたりは-いろもえなまし
 
 
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よとともに-なかれてそゆく-なみたかは-ふゆもこほらぬ-みなわなりけり
 
 
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ゆめちにも-つゆやおくらむ-よもすから-かよへるそての-ひちてかわかぬ
 
 
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はかなくて-ゆめにもひとを-みつるよは-あしたのとこそ-おきうかりける
 
 
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いつはりの-なみたなりせは-からころも-しのひにそては-しほらさらまし
 
 
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ねになきて-ひちにしかとも-はるさめに-ぬれにしそてと-とははこたへむ
 
 
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わかことく-ものやかなしき-ほとときす-ときそともなく-よたたなくらむ
 
 
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さつきやま-こすゑをたかみ-ほとときす-なくねそらなる-こひもするかな
 
 
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あききりの-はるるときなき-こころには-たちゐのそらも-おもほえなくに
 
 
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むしのこと-こゑにたてては-なかねとも-なみたのみこそ-したになかるれ
 
 
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あきなれは-やまとよむまて-なくしかに-われおとらめや-ひとりぬるよは
 
 
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あきののに-みたれてさける-はなのいろの-ちくさにものを-おもふころかな
 
 
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ひとりして-ものをおもへは-あきのよの-いなはのそよと-いふひとのなき
 
 
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ひとをおもふ-こころはかりに-あらねとも-くもゐにのみも-なきわたるかな
 
 
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あきかせに-かきなすことの-こゑにさへ-はかなくひとの-こひしかるらむ
 
 
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まこもかる-よとのさはみつ-あめふれは-つねよりことに-まさるわかこひ
 
 
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こえぬまは-よしののやまの-さくらはな-ひとつてにのみ-ききわたるかな
 
 
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つゆならぬ-こころをはなに-おきそめて-かせふくことに-ものおもひそつく
 
 
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わかこひに-くらふのやまの-さくらはな-まなくちるとも-かすはまさらし
 
 
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ふゆかはの-うへはこほれる-われなれや-したになかれて-こひわたるらむ
 
 
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たきつせに-ねさしととめぬ-うきくさの-うきたるこひも-われはするかな
 
 
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よひよひに-ぬきてわかぬる-かりころも-かけておもはぬ-ときのまもなし
 
 
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あつまちの-さやのなかやま-なかなかに-なにしかひとを-おもひそめけむ
 
 
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しきたへの-まくらのしたに-うみはあれと-ひとをみるめは-おひすそありける
 
 
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としをへて-きえぬおもひは-ありなから-よるのたもとは-なほこほりけり
 
 
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わかこひは-しらぬやまちに-あらなくに-まよふこころそ-わひしかりける
 
 
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くれなゐの-ふりいてつつなく-なみたには-たもとのみこそ-いろまさりけれ
 
 
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しらたまと-みえしなみたも-としふれは-からくれなゐに-うつろひにけり
 
 
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なつむしを-なにかいひけむ-こころから-われもおもひに-もえぬへらなり
 
 
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かせふけは-みねにわかるる-しらくもの-たえてつれなき-きみかこころか
 
 
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つきかけに-わかみをかふる-ものならは-つれなきひとも-あはれとやみむ
 
 
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こひしなは-たかなはたたし-よのなかの-つねなきものと-いひはなすとも
 
 
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つのくにの-なにはのあしの-めもはるに-しけきわかこひ-ひとしるらめや
 
 
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てもふれて-つきひへにける-しらまゆみ-おきふしよるは-いこそねられね
 
 
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ひとしれぬ-おもひのみこそ-わひしけれ-わかなけきをは-われのみそしる
 
 
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ことにいてて-いはぬはかりそ-みなせかは-したにかよひて-こひしきものを
 
 
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きみをのみ-おもひねにねし-ゆめなれは-わかこころから-みつるなりけり
 
 
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580 ⟶ 638行目:
 
いのちにも-まさりてをしく-あるものは-みはてぬゆめの-さむるなりけり
 
 
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590 ⟶ 649行目:
 
あつさゆみ-ひけはもとすゑ-わかかたに-よるこそまされ-こひのこころは
 
 
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600 ⟶ 660行目:
 
わかこひは-ゆくへもしらす-はてもなし-あふをかきりと-おもふはかりそ
 
 
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610 ⟶ 671行目:
 
われのみそ-かなしかりける-ひこほしも-あはてすくせる-とししなけれは
 
 
00613
620 ⟶ 682行目:
 
いまははや-こひしなましを-あひみむと-たのめしことそ-いのちなりける
 
 
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630 ⟶ 693行目:
 
たのめつつ-あはてとしふる-いつはりに-こりぬこころを-ひとはしらなむ
 
 
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