「日本撤兵に就て」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
23行目:
<big>撤兵は断じて不可なり而して過激主義を撲滅せよ</big>
 
後貝加爾州より日本軍を撤兵すべしとの日本政府の声明は祖の将来の為に憂慮しつゝある露国人間に非常に重苦しい感を惹起せしめたのである。後貝加爾州より日本軍撤兵は極東に於てポリシエウイズムを禦ぐ最後の関所と城堡である。後貝加爾並に堅氷を踏み全西部シベリヤを普く跋渉し有史以来前代未聞の辛酸を嘗め此地に集まりし名誉ある軍勢をも危地に陥らしむるものである。熟々と惟んみるに極東に在つて日露の利害休戚は親しく相接触し多くの関係にては殆ど相分つべからざる状態であるが故、後貝加爾撤兵は独り露国の利益に対する脅威であるのみならず亦日本の利害関係に一大打撃を来すものと見做さゞるを得ぬのである。
 
<big>△日本撤兵</big>せば後貝加爾州は必ず過激派の掌中に陥るのである。而して之より過激主義は東支鉄道線路区域内に宣伝せられ、欧露の過激派と黒竜州との聯絡生じ赤軍雲霞の如く襲ひ来る事鏡に懸けて見るが如くである。日支関係に就て云はんか支那人が東支鉄道線路区域を己の掌中に入れ日本の管理を脱し却つて過激派と協商するに至るのである。新聞の通信に今回張作霖の訓令に由り六個●●旅団が哈爾浜及其附近に配置せらるべしとの事である。
 
<big>△支那人と</big>過激派とは東支鉄道租借地内に於て結託する事となれば満州地方より日本の勢力を駆逐し尚ほ進んでは朝鮮並に日本内地迄も過激派主義宣伝を為すに至るのである。西方より黒竜州に向つて過激派軍の援兵続々来り、彼地に在る過激派の部隊に応援し日本軍を脅威すべく而して日本軍は黒竜州に在る過激派討伐の為め増兵せざるべからざる事となるのである。又目下