「ユダヤ人問題によせて」の版間の差分

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 ユダヤ人とキリスト教徒の間の対立の最も硬直的な形式は'''宗教的な'''対立である。人はどのように対立を解決するだろうか?対立を不可能とすることによってである。人はどうやって'''宗教的な'''対立を不可能とするだろうか?'''宗教'''を'''廃止'''することによってである。ユダヤ人とキリスト教徒が、お互いの宗教を、ひとえに'''人間的な精神のそれぞれ異なった発展段階'''だと認識し、'''歴史'''とはそれぞれ異なった脱ぎ捨てられたヘビの抜け殻だと認識し、そして'''人間'''をそれぞれの抜け殻の中で脱皮したヘビとして認識するやいなや、もはやユダヤ人とキリスト教徒は、宗教的な関係に立つのではなく、もっぱら批判的な、'''学問的な'''関係に、人間的な関係に立つのである。そのとき、'''学問'''はユダヤ人とキリスト教徒の一体性である。しかし、学問における対立は学問それ自身によって解決されるのである。
 
 '''ドイツ'''ユダヤ人にはとりわけ政治的な解放一般の欠陥と国家の明瞭なキリスト教性が対置されている。しかしながら、バウアーの考えでは、ユダヤ人問題は特殊なドイツの事情から独立した一般的な意義を持っているのである。それは、宗教の国家に対する関係の問題、'''宗教的な偏見と政治的な解放の矛盾'''の問題である。政治的に解放されたいユダヤ人でも、解放を行う国家およびそれ自身解放されるべきである国家でも、宗教からの解放が条件として置かれたのである。