「ブレーメンの町楽隊」の版間の差分

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青空文庫に準じてつみごえを強調 おそらく底本では点が打たれていると思われる
75行目:
 
== 三 ==
 さて、四人組の楽隊なかまは、おなかができると、あかりをけして、めいめいのうまれつきとすきずきにまかせて、いいぐあいの<ruby><rb>寝床</rb><rp>(</rp><rt>ねどこ</rt><rp>)</rp></ruby>をさがして休みました。ろばはそとの'''つみごえ'''の上にねました。犬は戸のかげにねました。ねこはへっついの上で、灰のぬくみをさがしてねました。おんどりは、とまり木のかわりに、屋根うらのはりの上にのりました。なにしろ、みんな遠道をして来て、くたびれていましたから、もうさっそくに、ぐっすりねつきました。
 
 真夜中をすぎたときに、どろぼうどもが、とおくからみますと、うちの中にはあかりがともっていず、中はひっそりかんと、しずまりかえっているようでした。
85行目:
 さて、いいつかった手下がはいってみると、家の中はどこもひっそりしていました。そこであかりをつけてみようとおもって、台所へ行きました。すると、やみに光っているねこの目だまを<ruby><rb>炭火</rb><rp>(</rp><rt>すみび</rt><rp>)</rp></ruby>とまちがえて、いきなりマッチをつっこみました。ところが、ねこのほうは、おやすいご用とうけてはくれず、ううう、とたけりながら、顔にとびついて、めったらやたらに引っかきました。
 
 いやはや、おどろいたのなんの、手下のどろぼうは、したたかにやられて、びっくり、はいもう、うらの戸口から逃げだそうとしますと、そこにねていた犬が、とびあがって、むこうずねにかみつきました。そこで、庭へかけだして、'''つみごえ'''のそばをかけぬけようとしますと、ろばがあと足でしたたかに、けとばしました。すると、このさわぎで目をさまさせられためんどりが、はりの上から、はしゃぎきって、ひと声、キケリッキー、とどなりました。
 
 どろぼうは、いのちからがら、足にまかせてにげだして、おかしらの所へかえりました。そうしてこういいました。