「利用者:白駒/Draft」の版間の差分

増訂版序言+付記、対応表
(字体を変更)
(増訂版序言+付記、対応表)
==== 白駒による注増訂版序言 ====
本書改版の機会に於て改訂又は増補を施した要点としては,先づ第一に新設の第九章に於てルベック積分論の一般的解説を試みたことを挙げねばならない.又初版本文に関しては,無限級数の絶対及び条件収斂の差別の説明を合理化し,又新たにフゥリエ積分公式を解説したが,その外各所微細の改訂は枚挙し難い.
『解析概論』増訂第二版を元に、片仮名を平仮名に、旧字体を新字体に変換したサンプルです。第三版と見比べると、異なる点が多々あることが分かります(第三パラグラフで §53 とあるのはミスか。第三版では修正済み)。どうせ旧字体を完全に再現するのは無理ですから、初めからこのサンプルのように投稿してはどうか、というのが私の考えです。増訂第二版を元に機械的に字体を変えるだけならば、第三版の著作権を侵害することにはならないでしょう。
 
ルベック積分論は,組立てに於てはザックスに従ひ,細目に関しては,ルベックの原著の外ヴァレイ・プサン,カラテオドリ,ハァン,コルモゴロフ,ホップ等を参考して書いたが,この試作に於て解説の不行届き又は論点の見落しなどの少からぬことを惧れる.ルベック積分論の追加に伴つて,125頁に述べたやうな意味に於けるリィマン積分論の縮小は当然考へらるべきであつたが,伝統を顧慮して姑らく原形を存することにした.その外,本書を通覧して感ぜられるのは,初版緒言にいはゆる全書式に属すべき材料が予想外に累積して,全体を不明朗ならしめた憾みがあることである.これら第一義的でない事項は適宜取捨して参考の資料とすることを読者に期待せねばならない.
==== 64.指数函数,三角函数 ====
§54 で実数に関する展開
{{解析概論/equation|<math>e^z =\sum \frac{z^n}{n!}</math>}}
に於て <math>z</math> を複素数にして,<math>e^z</math> の定義を拡張したが,このやうな拡張は全く規約的 (conventional) で,拘束力薄弱である.然るに前節に述べた解析的延長の原則によれば,<math>e^z</math> を拡張して解析函数を得るには,上記が唯一無二の方法であることが確定したのである(261頁注意).<math>\sin z</math>, <math>\cos z</math> 等に関しても同様である.
 
河田敬義,岩澤健吉両君が第九章の校正刷を精査して有益なる助言を寄せられたことを特記して謝意を表する.
本節では,このやうな立場から指数函数,三角函数を再考する.(所謂代数解析の現代化!)
 
<div style="text-align:left margin-left: 2em; font-size:small;">
この拡張の実質上の意味を示すために次の考察を附け加へる.§53 で,拡張されたる <math>e^z=\exp(z)</math> に関しても加法定理 <math>\exp(z_1+z_2)=\exp(z_1)\cdot\exp(z_2)</math> が成立つことを計算によつて証明したが,解析的延長の原則によれば,それは当然で,計算を用ゐずして明白である.今先づ <math>z_2</math> を一つの実数とする.然らば左辺の <math>\exp(z_1+z_2)</math> も又右辺の <math>\exp(z_1)\cdot\exp(z_2)</math> も <math>z_1</math> に関しては正則で,それらが実数軸上の <math>z_1</math> に関しては一致することが既知だから,任意の <math>z_1</math> に関しても一致する.さて今度は <math>z_1</math> を任意の複素数として,上記の両辺を <math>z_2</math> の函数と見て,同様に解析的延長の方法を適用すれば,任意の複素数 <math>z_1, z_2</math> に関して指数函数の加法定理が成立つことが分かる.約言すれば函数 <math>\exp(z)</math> は解析的延長に際して,その解析的性質を保有する.これは重要なる論点である.
昭和十八年五月
</div>
<div style="text-align:right; margin-right: 2em; font-size:x-large;">
著者
</div>
 
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今回増刷の機会に,誤植を訂正し,且つ巻末の「解説補遺」に次の一項を追加した.それは,Stirling の公式について§69で紹介した Artin の証明法に関して,同君から通知された証明の補正である.
 
<div style="text-align:left margin-left: 2em; font-size:small;">
昭和二十九年二月
</div>
 
== 漢字字体対応表 ==
デザインの差とされるものは省略。しんにょうが二点か一点かのみの違いも省略。Unicode にない旧字の表現は「青空文庫・外字注記辞書」による。あまりに似た字体は見逃している可能性あり。
 
{| class="wikitable sortable"
! 旧字体 !! 新字体 !! 主な読み !! 主な用例 !! 初出頁
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| 增 || 増 || ゾウ || || 0
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| 會 || 会 || カイ || || 0
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| 點 || 点 || テン || || 0
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| 「言+兌」 || 説 || セツ || || 0
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| 擧 || 挙 || キョ || || 0
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| 關 || 関 || カン || 關數 || 0
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| 數 || 数 || スウ || || 0
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| 「絶」の「危-厄」に代えて「刀」 || 絶 || ゼツ || 「絶」對収斂 || 0
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| 對 || 対 || タイ || 對數 || 0
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| 條 || 条 || ジョウ || 條件 || 0
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| 「訛-言」 || 化 || カ || || 0
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| 「所」の「戸」に代えて「戸の旧字」 || 所 || ショ || || 0
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| 從 || 従 || ジュウ || 從屬變數 || 0
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| 「墸のつくり」 || 著 || チョ || || 0
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| 參 || 参 || サン || || 0
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| 屆 || 届 || とどく || || 0
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| 「にんべん+絆のつくり」 || 伴 || ハン || || 0
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| 「二点しんにょう+朮」 || 述 || ジュツ || || 0
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| 當 || 当 || トウ || 當然 || 0
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| 傳 || 伝 || デン || 傳統 || 0
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| 「顧」の「戸」に代えて「戸の旧字」 || 顧 || コ || || 0
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| 覽 || 覧 || ラン || || 0
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| 緖 || 緒 || ショ || || 0
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| 「銓のつくり」 || 全 || ゼン || || 0
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| 屬 || 属 || ゾク || 從屬變數 || 0
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| 豫 || 予 || ヨ || 豫想 || 0
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| 體 || 体 || タイ || || 0
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| 朗 || 朗 || ロウ || || 0
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| 「てへん+舍」 || 捨 || シャ || || 0
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| 讀 || 読 || ドク || || 0
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| 「睹のつくり」 || 者 || シャ || || 0
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| 兩 || 両 || リョウ || || 0
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| 精 || 精 || セイ || || 0
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| 益 || 益 || エキ || || 0
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| 「言+蜈のつくり」 || 誤 || ゴ || || 0
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| 卷 || 巻 || カン || || 0
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| 證 || 証 || ショウ || 證明 || 0
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