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地歌 園の秋
(相違点なし)

2009年7月12日 (日) 01:52時点における版

たゆふすは皆かしにいで露ばかり。あとに苅萱、桔梗屋ききやうやの、その庭面にはもせも秋くれば、時に尾花や女郎花をみなへし廓景色くるわけしきと打ちつれて。しやんと小褄を鳥兜とりかぶと、おのが頼り風寄り添ひて、咲き乱れたる萩薄はぎすすき。その手にからむ朝顔の。東雲方しののめがた朝嵐あさあらし、空も匂ふか秋の七草。


  • 底本: 今井通郎『生田山田両流 箏唄全解』中、武蔵野書院、1975年。
  • Public Domain この作品は1899年3月4日以前に公表されたもので、作者の死亡から100年以上経過しているため全世界でパブリックドメインの状態にあります。