「土佐日記 (國文大觀)」の版間の差分
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:「住の江に船さしよせよわすれ草しるしありやとつみて行くべく」
となむ。うったへに忘れなむとにはあらで、恋しき心ちしばしやすめて又も恋ふる力にせむとなるべし。かくいひて眺めつゞくるあひだにゆくりなく風吹きてこげどもこげどもしりへしぞきにしぞきてほとほとしくうちはめつべし。楫取のいはく「この住吉の明神は例の神ぞかし。ほしきものぞおはすらむ」とは今めくものか。さて「幣をたてまつり給へ」といふしたがひてぬさたいまつる。かくたいまつれれどももはら風
:「ちはやぶる神のこゝろのあるゝ海に鏡を入れてかつ見つるかな」。
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