「産業計画会議の勧告に対する運輸省の見解」の版間の差分

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:(4)東京湾内に候補地を選ぶために、航空管制上支障があれば羽田空港を廃止すべしと主張しているが、これは誠に無謀な見解である。航空管制上一つの空港の処理能力には限界があるので将来の空港旅客の大規模な需要をまかなうためには、東京周辺に二つ以上の空港が是非とも必要である。このことは、諸外国の主要都市の実例を見れば明らかである。今、仮に大規模な新空港を建設したとしても、その空港のみによっては将来の需要をまかなえないことが明白であるにも関わらず、羽田空港を廃止しようとすることは、非常識な意見といわざるを得ない。
: 現在の羽田空港は都心から極めて近く、施設もすでに完備されており、国内線用空港して得難い貴重な存在である。これをいかに他の用途に転用するとしても大きな国家的損失となることは必定である。
 
:(5)羽田空港の廃止後もう一つの空港が必要であれば、米軍の厚木飛行場を東京の国内線用空港とすることを提案しているが、これは航空常識から見て適切な見解とは言い難い。厚木、立川、横田、入間川の軍用飛行場群は、互に至近距離に行って、同一方向の滑走路を有しており、一つの飛行場のごとく運用されているのが実態であって、厚木飛行場のみを切り離して民間航空の飛行場に転用しても、効率的運用は不可能であり、かつ危険である。また、短距離旅客の多い国内線専用空港を都心より40キロメートル以上も離れた距離にわざわざ移すというのは、本勧告の前提の趣旨と矛盾している。