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袖をきせんとすれば。菊がいわく。あらもつたいなし何
袖をきせんとすれば。菊がいわく。あらもつたいなし何
とてか。{{r|弘經寺様|ぐきやうじさま}}の御小袖を。我等が{{r|手|て}}にもふれら
とてか。{{r|弘經寺様|ぐきやうじさま}}の御小袖を。我等が{{r|手|て}}にもふれら
れんといへば。{{r|実|けに}}{{r|尤|もつとも}}なりとて。後日に是を{{r|打敷|うちしき}}にぬい。{{r|法|ほう}}
れんといへば。{{r|実|けに}}{{r|尤|もつとも}}なりとて。後日に是を{{r|打敷|うちしき}}にぬい。{{r|法|ほう}}
{{r|蔵寺|ぞうじ}}の{{r|佛殿|ぶつてん}}にぞかけたりける。扨{{r|祐天和尚|ゆうてんおしやう}}の御ふるぎ
{{r|蔵寺|ぞうじ}}の{{r|佛殿|ぶつてん}}にぞかけたりける。扨{{r|祐天和尚|ゆうてんおしやう}}の御ふるぎ
其外人〻よりあたへられたる{{r|着物|きるもの}}をも、いろ{{〱}}{{r|辞退|じたい}}せし
其外人〻よりあたへられたる{{r|着物|きるもの}}をも、いろ{{〱}}{{r|辞退|じたい}}せし
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ば。人〻是をふしんして問けるに。何とはしらず口中
ば。人〻是をふしんして問けるに。何とはしらず口中
に{{r|味|あぢはひ}}有て。外の{{r|食物|しよくもつ}}に{{r|望|のそみ}}なしといへば。扨は{{r|極楽|ごくらく}}の
に{{r|味|あぢはひ}}有て。外の{{r|食物|しよくもつ}}に{{r|望|のそみ}}なしといへば。扨は{{r|極楽|ごくらく}}の
{{r|飲食|おんじき}}を。時〻{{r|食|しよく}}するにやあらんとて。さながら{{r|浄土|じやうど}}
{{r|飲食|おんじき}}を。時〻{{r|食|しよく}}するにやあらんとて。さながら{{r|浄土|じやうど}}
より{{r|化來|けらい}}せる者かと。あやしみうやまひめぐむ事。かぎ
より{{r|化來|けらい}}せる者かと。あやしみうやまひめぐむ事。かぎ
りなし。
りなし。