「Page:死霊解脱物語聞書.pdf/11」の版間の差分
→未校正: ページの作成:「かへり{{r|見|み}}ず。ないし{{r|罪業|ざいごふ}}のかず{{〱}}{{r|増上|そうじやう}}して。{{r|終|つひ}}にその あらため所に{{r|引出|…」 |
|||
ページの状態 | ページの状態 | ||
- | + | 校正済 | |
ページ本文(参照読み込みされます): | ページ本文(参照読み込みされます): | ||
1行目: | 1行目: | ||
かへり{{r|見|み}}ず。ないし{{r|罪業|ざいごふ}}のかず{{〱}}{{r|増上|そうじやう}}して。{{r|終|つひ}}にその |
かへり{{r|見|み}}ず。ないし{{r|罪業|ざいごふ}}のかず{{〱}}{{r|増上|そうじやう}}して。{{r|終|つひ}}にその |
||
あらため所に{{r|引出|ひきいだ}}され。{{r|科|とが}}の{{r|輕重|きやうじう}}{{r|明白|めいはく}}に{{r|決断|けつだん}}せら |
あらため所に{{r|引出|ひきいだ}}され。{{r|科|とが}}の{{r|輕重|きやうじう}}{{r|明白|めいはく}}に{{r|決断|けつだん}}せら |
||
れて。只今{{r|斬罪|ざんざい}}はつつけの{{r|場|ば}}へ{{r|引居|ひきすへ}}られても{{r| |
れて。只今{{r|斬罪|ざんざい}}はつつけの{{r|場|ば}}へ{{r|引居|ひきすへ}}られても{{r|尚|なほ}} |
||
念佛する事かなわざる。{{r|地獄|ぢごく}}の{{r|衆生|しゆじやう}}の{{r|因果|いんぐわ}}のほど。 |
念佛する事かなわざる。{{r|地獄|ぢごく}}の{{r|衆生|しゆじやう}}の{{r|因果|いんぐわ}}のほど。 |
||
{{r|能〻|よく{{〱}}}}わきまへたまひて。あわれみてたべ人〻よと。其{{r|身|み}} |
{{r|能〻|よく{{〱}}}}わきまへたまひて。あわれみてたべ人〻よと。其{{r|身|み}} |
||
7行目: | 7行目: | ||
其時名主をはじめ{{r|集|あつま}}り{{r|居|ゐ}}たる{{r|者共|ものとも}}。{{r|异口同音|いくどうおんに}} |
其時名主をはじめ{{r|集|あつま}}り{{r|居|ゐ}}たる{{r|者共|ものとも}}。{{r|异口同音|いくどうおんに}} |
||
{{r|感|かん}}じあひ。みな{{〱}}{{r|袖|そで}}をぬらしけり。さて名主がいふ |
{{r|感|かん}}じあひ。みな{{〱}}{{r|袖|そで}}をぬらしけり。さて名主がいふ |
||
やう。{{r|爾|しか}}らば念佛を{{r|興行|こう |
やう。{{r|爾|しか}}らば念佛を{{r|興行|こうぎやう}}して{{r|汝|なんぢ}}が{{r|菩提|ぼだい}}を{{r|吊|とぶら}}ふ |
||
べし。{{r|怨|うらみ}}をのこさず。菊が{{r|苦患|くげん}}をやめよといへば。{{r|怨|おん}} |
べし。{{r|怨|うらみ}}をのこさず。菊が{{r|苦患|くげん}}をやめよといへば。{{r|怨|おん}} |
||
{{r|灵|れう}}がいわく。我だに{{r|成仏|じやうぶつ}}せば。何の{{r|遺恨|いこん}}かさらに{{r|殘|のこ}}らん |
{{r|灵|れう}}がいわく。我だに{{r|成仏|じやうぶつ}}せば。何の{{r|遺恨|いこん}}かさらに{{r|殘|のこ}}らん |
||
13行目: | 13行目: | ||
すなはち{{r|惣談|そうだん}}し正月廿六日の{{r|晩|ばん}}ぼたい所{{r|法藏寺|ほうぞうじ}} |
すなはち{{r|惣談|そうだん}}し正月廿六日の{{r|晩|ばん}}ぼたい所{{r|法藏寺|ほうぞうじ}} |
||
を{{r|請對|しやうだい}}し。らうそく一{{r|挺|ちやう}}のたつを{{r|限|かぎ}}りに。念佛を |
を{{r|請對|しやうだい}}し。らうそく一{{r|挺|ちやう}}のたつを{{r|限|かぎ}}りに。念佛を |
||
{{r|勤行|ごん |
{{r|勤行|ごんぎやう}}すゑかうの時にいたつて。{{r|累|かさね}}が{{r|怨灵|おんれう}}たちま |
||
ちさり。本の{{r|菊|きく}}と成ければ。{{r|法藏寺|ほうぞうじ}}をはじめ。名 |
ちさり。本の{{r|菊|きく}}と成ければ。{{r|法藏寺|ほうぞうじ}}をはじめ。名 |
||
主{{r|年寄|としより}}も{{r|安堵|あんど}}して。其上に{{r|村中|むらぢう}}のこゝろざしを |
主{{r|年寄|としより}}も{{r|安堵|あんど}}して。其上に{{r|村中|むらぢう}}のこゝろざしを |