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第八 鳩と蟻との事
第八 鳩と蟻との事


ある川の邊に、蟻あそぶこと有けり、俄に水かさまさりきて、彼蟻をさそひ流す、うきぬしづみぬする所に、鳩木末より是を見て、あはれなる有樣かなと、木末を少くい切て、河の中におとしければ、蟻是にのつて、なぎさにあがりぬ、かゝりける所、或人竿のさきにとりもちをつけて、はとをさゝんとす、蟻心に思ふやう、只今の恩を送らう物をと思ひ、人の足にしつかと喰付ければ、おびえあがつて、竿をかしこになげ捨て、其者の色や知る、{{*|誤カ}}然るに鳩是をさとつて、何國共なく飛去ぬ、其如く、人の恩をうけたらん者は、いか樣にも其むくひをせばやと思志を可{{re}}持、
ある川の邊に、蟻あそぶこと有けり、俄に水かさまさりきて、彼蟻をさそひ流す、うきぬしづみぬする所に、鳩木末より是を見て、あはれなる有樣かなと、木末を少くい切て、河の中におとしければ、蟻是にのつて、なぎさにあがりぬ、かゝりける所、或人竿のさきにとりもちをつけて、はとをさゝんとす、蟻心に思ふやう、只今の恩を送らう物をと思ひ、人の足にしつかと喰付ければ、おびえあがつて、竿をかしこになげ捨て、其者の色や知る、{{*|誤カ}}然るに鳩是をさとつて、何國共なく飛去ぬ、其如く、人の恩をうけたらん者は、いか樣にも其むくひをせばやと思志を可{{re}}持、


第九 おとかみと犬との事
第九 おとかみと犬との事