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第四十 しゝわうとろばとの事 |
第四十 しゝわうとろばとの事 |
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あるとき、ろば獅子王に行あひ、いかにしゝ王、わが山に來り給へ、威勢の程を見せまいらせんといふ、しゝ王おかしく思へども、さらぬていにてともなひ行、山のかたはらにおゐて、ろば夥しく走り迥りければ、其音に恐れて狐たぬきぞなどいふ物、こゝかしこより逃去りぬ、ろばしゝ王に申けるは、あれ見給へやしゝわう、かほどめでたきいせいにて侍ると誇りければ、しゝわう怒つていはく、{{r|奇怪|きつくわい}}なりろば、われは是しゝ王なり、汝等が如く{{r|下郞|げらう}}の身として、{{r|尾籠|びろう}}をふるまふこと、狼藉なりとて、いましめられてまかりしりぞく、其{{*|如く |
あるとき、ろば獅子王に行あひ、いかにしゝ王、わが山に來り給へ、威勢の程を見せまいらせんといふ、しゝ王おかしく思へども、さらぬていにてともなひ行、山のかたはらにおゐて、ろば夥しく走り迥りければ、其音に恐れて狐たぬきぞなどいふ物、こゝかしこより逃去りぬ、ろばしゝ王に申けるは、あれ見給へやしゝわう、かほどめでたきいせいにて侍ると誇りければ、しゝわう怒つていはく、{{r|奇怪|きつくわい}}なりろば、われは是しゝ王なり、汝等が如く{{r|下郞|げらう}}の身として、{{r|尾籠|びろう}}をふるまふこと、狼藉なりとて、いましめられてまかりしりぞく、其{{*|如く脫カ}}下輩の身として、人と爭ふことなかれ、やゝもすれば我身の程を顧ずして、人々爭ふはては、恥辱をうくる物也、ゆるかせに思ふ事なかれ、 |
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{{resize|120%|伊曾保物語中}}終 |
{{resize|120%|伊曾保物語中}}終 |