減刑令
朕󠄁は、減刑令を裁可し、ここにこれを公󠄁布せしめる。
御名御璽
昭和二十一年十一月三日
內閣總理大臣兼󠄁 外務大臣 |
𠮷田 茂 | |
國務大臣 | 男爵󠄂 | 幣󠄁原喜重郞 |
司法大臣 | 木村篤太郞 | |
內務大臣 | 大村 淸一 | |
文󠄁󠄁部大臣 | 田中耕󠄁太郞 | |
農林大臣 | 和田 博󠄁雄 | |
國務大臣 | 齋藤 隆夫 | |
遞信大臣 | 一松󠄁 定吉 | |
商工大臣 | 星島 二郞 | |
厚生大臣 | 河合 良成󠄁 | |
國務大臣 | 植原悅次󠄁郞 | |
運󠄁輸󠄁大臣 | 平塚常次󠄁郞 | |
大藏大臣 | 石橋 湛山 | |
國務大臣 | 金森德次󠄁郞 | |
國務大臣 | 膳 桂之助 |
勅令第五百十二號
- 減刑令
- 第一條
- 昭和二十一年十一月三日前󠄁に禁錮以上の刑に處せられた者でその刑の執行前󠄁、執行猶豫中、執行中、執行停止中又は假出獄中のものは、この勅令によりその刑を減輕する。但し、その執行を遁れる者は、この限りでない。
- 第二條
- 死刑は、これを無期懲役とする。
- 第三條
- 無期懲役は、これを二十年の有期懲役とし、無期禁錮は、これを二十年の有期禁錮とする。但し、昭和二十一年十一月三日において七十歲以上の者及び犯時十六歲未滿の者については、これを十五年の懲役又は禁錮とする。
- 第四條
- 有期の懲役又は禁錮については、左の例により刑期を變更󠄁󠄁する。
- 一 刑の執行を始めない者については、刑期の四分の一を減ずる。
- 二 刑の執行を始めた者については、殘刑期の二分の一を減ずる。但し、刑の執行が刑期の二分の一に至らない者については、前󠄁號の例による。
- 三 昭和二十一年十一月三日において七十歲以上の者及び犯時十六歲未滿の者については、前󠄁二號の例によらないで刑期の三分の一を減ずる。
- 短期と長期を定めて言渡した刑については、短期及び長期について前󠄁項の例による。但し、犯時十六歲以上の者で短期を經過󠄁したものについては、長期について同項第二號の例による。
- 前󠄁二項の計算をするに當り、年、月又は日の端數を生ずるときは、一年はこれを十二月、一月はこれを三十日とし、日の端數はこれを切り捨てる。
- 第五條
- 左に揭げる罪については、その刑を減輕しない。
- 一 刑法第七十三條及び第七十五條の罪
- 二 刑法第百八條の罪及びその未遂󠄂罪
- 三 刑法第百四十八條の罪及びその未遂󠄂罪
- 四 刑法第百八十一條の罪
- 五 刑法第二百條の罪及びその未遂󠄂罪
- 六 自己又は配󠄁偶者の直系尊󠄁屬に對して犯した刑法第二百四條の罪
- 七 刑法第二百五條第二項の罪
- 八 刑法第二百十八條第二項の罪及びその罪を犯し因つて人を死傷に致した罪
- 九 刑法第二百二十條第二項の罪及びその罪を犯し因つて人を死傷に致した罪
- 十 刑法第二百三十六條及び第二百三十八條乃至第二百四十一條の罪竝びにその未遂󠄂罪
- 十一 前󠄁各號に揭げる罪と性質を同じくする職時刑法特別法の罪
- 十二 陸軍刑法第八十六條第二項、第八十八條及び第八十八條ノ二第二項の罪竝びにその未遂󠄂罪
- 十三 海軍刑法第八十六條第二項、第八十八條及び第八十八條ノ二第二項の罪竝びにその未遂󠄂罪
- 十四 前󠄁各號に揭げる罪と性質を同じくする舊法の罪
- 十五 昭和二十一年勅令第九十號第二條第一項及び第二項の罪竝びにその未遂󠄂罪
- 十六 連合國占領軍の占領目的に反する行爲(昭和二十一年勅令第三百十一號第一條第二號乃至第八號又は第二條第三項に揭げる行爲)から成る罪
- 十七 朝鮮、臺灣、關東州又は南洋群島に行はれた法令の罪で前󠄁各號に揭げる罪と性質を同じくするもの
- 第六條
- 併合罪につき併合して一個の刑の言渡があつた場合において、その併合罪の中に前󠄁條に揭げる罪があるときは、減刑をしない。
- 前󠄁條に揭げない罪名に觸れる行爲が、同時に同條に揭げる罪名に觸れるとき、又は同條に揭げる罪の手段若しくは結果であるときも前󠄁項と同樣である。
- 第七條
- 前󠄁に禁錮以上の刑に處せられた者で、昭和二十一年十一月三日前󠄁十五年以內に特赦、減刑又は勅令によらない複數の恩赦を得、その後七年以內に禁錮以上の刑に處せられたものについては、その刑を減輕しない。
附則
この勅令は、公󠄁布の日から、これを施行する。
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- 法律命令及官公󠄁文󠄁書
- 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
- 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁
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