渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保に関する条例
令和元年六月二〇日
条例第二一号
渋谷区は、「ダイバーシティとインクルージョン」という理念の下、渋谷区に集まる全ての人の力をまちづくりの原動力にしている。多様な人々で満たされ、その中にも人と人とのつながりが強固にある、末永く世界に愛される魅力的な都市を渋谷区は目指している。
しかし、国内外を問わず様々な地域から多くの人々が集まる渋谷駅周辺地域において、特にハロウィーン、年末カウントダウン等の特定の期間にあっては、一部の来街者のマナーに欠ける行為及び迷惑行為によって、街の安全で快適な秩序が脅かされる事態が発生している。
そこで、区、区民、事業者及び来街者が、渋谷を愛する気持ちを共有し、街を楽しむ気持ちを互いに尊重するために必要なルールを定めることによって、区民、事業者及び来街者の安全及び安心を確保し、渋谷区が成熟した魅力ある国際都市へと進化していくために、ここに条例を制定する。
(目的)
第一条 この条例は、渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境を確保するために、区、事業者及び来街者の責務を明確にし、渋谷駅周辺地域におけるマナーの向上及び迷惑行為の防止を推進することにより、もって渋谷区が成熟した魅力ある国際都市へと進化していくことを目的とする。
(定義)
第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一 渋谷駅周辺地域 渋谷一丁目、渋谷二丁目、渋谷三丁目、桜丘町、道玄坂一丁目、道玄坂二丁目、宇田川町、神南一丁目及び神宮前六丁目の区域をいう。
二 事業者 主に渋谷駅周辺地域において、飲食店若しくは物品の販売その他の営業を行うための店舗を設置する者若しくは運営する者又はその従業者をいう。
三 来街者 渋谷駅周辺地域を訪れる者又は通過する者をいう。
(区の責務)
第三条 区は、渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境を確保するため、関係行政機関及び関係団体との協力体制を確立し、来街者に対するマナーの向上及び事業者に対する意識啓発のために必要な施策を策定し、これを実施するものとする。
2 区は、前項の施策の策定に当たっては、関係行政機関及び関係団体との協議の場を設け、その意見を尊重し、反映することに努めなければならない。
(事業者の責務)
第四条 事業者は、この条例の趣旨を十分に理解し、関係法令を遵守するとともに、渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保のため、区が実施する酒類の販売自粛等の施策に協力しなければならない。
(来街者の責務)
第五条 来街者は、渋谷駅周辺地域の安全で安心な環境の確保のため、関係法令を遵守し、次条及び第七条に規定する行為をしてはならない。
(公共の場所における飲酒の制限)
第六条 来街者は、次の各号に掲げる期間において、渋谷駅周辺地域のうち、区規則で定める区域内の公共の場所(道路、公園、広場その他公共性を有する場所をいう。以下同じ。)で飲酒をしてはならない。
一 十月三十一日及び十一月一日並びに十月二十四日から同月三十日までの金曜日、土曜日及び日曜日
二 十二月三十一日及び一月一日
三 前二号に掲げる期間のほか、区長が特に必要と認める期間
2 区長は、前項の規定による飲酒の制限について、時間帯を限って行うことができる。
(迷惑行為等の禁止)
第七条 来街者は、法令に定めのあるもののほか、渋谷駅周辺地域の公共の場所において、正当な理由なく、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
一 音響機器等により音を異常に大きく出す行為
二 放尿等をする行為
三 街路灯、標識、屋根等に上る行為
四 前三号に掲げるもののほか、他人に迷惑を及ぼす行為又は危害を及ぼすおそれのある行為
(指導)
第八条 区長は、第六条の規定に違反する行為をしていると認められる者に対し、当該行為を中止するよう指導することができる。
(委任)
第九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、区規則で定める。
附 則
この条例は、公布の日から施行する。
この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。
- 憲法その他の法令
- 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
- 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
- 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
- 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道
この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。