核兵器廃絶に向けた取り組みの強化を求める決議


衆議院 編集

 わが国は、唯一の被爆国として、世界の核兵器廃絶に向けて先頭に立って行動する責務がある。他方、冷戦後の現在においても、核兵器のみならず、核爆弾搭載可能なミサイルの開発、核物質や核技術の流出、拡散等の脅威はむしろ高まりつつある。我々はこの現実を重く受け止め、非核保有国等と連携をとり、核保有国の理解を求め、核軍縮・核不拡散の取り組みと実効性ある査察体制の確立を積極的に進めるべきである。

 去る四月五日、オバマ米国大統領は「核兵器のない世界」を追求する決意を表明した。また、国連安全保障理事会も北朝鮮の核実験に対し国連安保理決議第一八七四号等で断固たる拒否の姿勢を示した。政府はこの機会を捉え、核兵器廃絶の動き、とりわけ北朝鮮の核問題を含む地域の核廃絶への対応を世界的な潮流とすべく努力しなければならない。二〇一〇年核拡散防止条約(NPT)再検討会議において、そのために主導的役割を果たすとともに、核保有国をはじめとする国際社会に働きかけ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効や兵器用核分裂物質生産禁止(カットオフ)条約の推進など、核廃絶・核軍縮・核不拡散に向けた努力を一層強化すべきである。

 右決議する。

参議院 編集

 わが国は、唯一の被爆国として、これまで世界の核兵器廃絶に向けて、一九九四年以来、国連総会へ「核兵器の究極的廃絶に向けた核軍縮」決議案提出など、先頭に立って活動してきたが、これからも、一層行動する責務がある。

 しかし、冷戦後の現在においても、核兵器のみならず、核爆弾搭載可能なミサイルの開発、核物質や核技術の流出、拡散等の脅威はむしろ高まりつつある。この状況を打開する為、去る四月五日、オバマ米国大統領は「核兵器のない世界」を追求する決意を表明した。また、国連安全保障理事会も北朝鮮の核実験に対し国連安保理決議第一八七四号等で断固たる拒否の姿勢を示した。

 我々はこの事態を重く受け止め、核保有国・非核保有国等と連携をとり、核軍縮、核不拡散の取り組みと実効性ある査察体制の確立を積極的に進めるべきである。また、政府はこの機会を捉え、二〇一〇年核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議において、主導的役割を果たすとともに、核保有国をはじめとする国際社会に働きかけ、包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効や兵器用核分裂性物質生産禁止条約(カットオフ条約)の推進など、核廃絶・核軍縮・核不拡散に向けた努力を一層強化すべきである。

 右決議する。

 

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