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朝の一景

本文編集

朝の一景
萩原恭次郎


つめたくすんだ冬が、
山のてっぺんに、白いものを置いた。
麦の畑がすつかり色づいた。
枯草かげの流れが水音を立て、
赤い朝日が林の向うからのぼる、
すべてが長い影をひく、
うら若い夫婦が
黒い手をひき
光つた金具の鋤をかつぎ
白い息をふかしてくる。
霜柱のくづれる道を、
小さい笑みの渦を頬にうかべて、
囁きもたのしく、
赤い小豆が
どつかではじける音がする。

 

著作者は1938年に亡くなっているので、この著作物は、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(回復期日を参照)の時点で著作権の保護期間が著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後50年以下(団体著作物にあっては公表後又は創作後)である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。