有機畜産物の日本農林規格


有機畜産物の日本農林規格

(目的)

第1条 この規格は、有機畜産物の生産の方法についての基準等を定めることを目的とする。

(有機畜産物の生産の原則)

第2条 有機畜産物は、農業の自然循環機能の維持増進を図るため、環境への負荷をできる限り低減して生産された飼料を給与すること及び動物用医薬品の使用を避けることを基本として、動物の生理学的及び行動学的要求に配慮して飼養すること又はこれらの家畜若しくは家きんから生産することとする。

(定義)

第3条 この規格において、次の表左欄の用語の定義は、それぞれ同表右欄のとおりとする。

用語 定義
有機畜産物 次条の基準に従い飼養された家畜若しくは家きん又は次条の基準に従いこれらから生産されたものをいう
家畜 牛、馬、めん羊、山羊及び豚をいう。
家きん 鶏、うずら、だちょう、あひる及びかも(かもにおいては、あひるとの交雑種を含む。以下同じ。)をいう。
有機飼料等 有機農産物の日本農林規格(平成17年10月27日農林水産省告示第1605号。以下「有機農産物規格」という。)により格付の表示が付されているもの、有機加工食品の日本農林規格(平成17年10月27日農林水産省告示第1606号。以下「有機加工食品規格」という。)により格付の表示が付されているもの(乳以外の畜産物を原材料とするものを除く。)、有機飼料の日本農林規格(平成17年10月27日農林水産省告示第1607号。以下「有機飼料規格」という。)により格付の表示が付されているもの又はこの規格により格付の表示が付されている乳をいう。
有機畜産用自家生産飼料 有機畜産物の認証生産行程管理者が生産行程を管理し、又は把握した飼料であって、有機農産物規格第4条の基準(ただし、多年生の牧草を生産する場合にあっては、有機農産物規格第4条の表ほ場の項基準の欄1中「多年生の植物から収穫される農産物にあってはその最初の収穫前3年以上」とあるのは、「多年生の牧草にあってはその最初の収穫前2年以上」と読み替えるものとする。)に従い生産したもの又は有機飼料規格第4条の基準に従い生産したものをいう。
有機畜産用飼料 有機飼料等及び有機畜産用自家生産飼料をいう。
採草放牧地 主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。
野外の飼育場 ほ場等(ほ場及び採草放牧地をいう。以下同じ。)又は野外の運動場(主に家畜又は家きんを運動させる目的で利用される土地であって、家畜又は家きんがその表面を掘り起こすことができるもの。ただし、あひる及びかものためのものについては、このほか水田、小川、池又は湖を有するものでなければならない。)をいう。
化学的処理 次のいずれかに該当することをいう。
1 化学的手段(燃焼、焼成、溶融、乾留及びけん化を除く。以下同じ。)によって、化合物を構造の異なる物質に変化させること。
2 化学的手段により得られた物質を添加すること(最終的な製品に当該物質を含有しない場合を含む。)。
組換えDNA技術 酵素等を用いた切断及び再結合の操作によって、DNAをつなぎ合わせた組換えDNA分子を作製し、それを生細胞に移入し、かつ、増殖させる技術をいう。
使用禁止資材 肥料及び土壌改良資材(別表1に掲げるもののうち製造工程において化学的に合成された物質が添加されていないものを除く。)、農薬(別表2に掲げるもののうち組換えDNA技術を用いずに製造されたものを除く。)及び土壌又は植物に施されるその他の資材(天然物質又は化学処理を行っていない天然物質に由来するものを除く。)をいう。
有機飼養 第4条の表畜舎又は家きん舎の項、野外の飼育場の項、飼料の給与の項、健康管理の項及び一般管理の項の基準に適合した飼養方法をいう。
更新 一事業年度において、その直近の過去三事業年度間に出荷し、又は死亡した家畜の頭数を3で除した数以下の頭数の家畜を新たに飼養することをいう。
肥育の最終期間 と殺直前の期間であって、3月間又は家畜及び家きんの生存期間の5分の1のいずれか短い期間をいう。
平均採食量 家畜1頭又は家きん1羽1日当たりの飼料の給与量と採草放牧地での採食量の合計を乾物重量換算したもの(実数が把握できない場合は、別表3の数値)をいう。
飼料添加物 飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和28年法律第35号)第2条第3項に規定する飼料添加物をいう。
動物用医薬品 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号)第83条の2に規定する動物用医薬品をいう。
動物用生物学的製剤 動物用生物学的製剤の取扱いに関する省令(昭和36年農林省令第4号)第1条第1項に規定する生物学的製剤をいう。
要診察医薬品 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第44条第1項に規定する毒薬、同条第2項に規定する劇薬及び獣医師法施行規則(昭和24年農林水産省令第93号)第10条の5に規定する医薬品をいう。
(飼養及び生産の方法についての基準)

第4条 有機畜産物の飼養及び生産の方法についての基準は、次のとおりとする。

事項 基準
畜舎又は家きん舎
1 畜舎は、次の(1)から(8)までに掲げる基準に適合するものであること。
(1) 家畜が飼料及び新鮮な水を自由に摂取できること。
(2) 適度な温度、湿度、通風、換気及び太陽光による明るさが保たれる頑丈な構造であること。
(3) 清掃及び消毒に必要な器具又は設備が備えられており、適切に清掃及び消毒されていること。
(4) 別表4の薬剤以外のものを清掃又は消毒に使用していないこと。
(5) 床が平坦かつ滑らない構造であること。
(6) 壁や床に、けがの原因となるような突起物がないこと。
(7) 家畜が横臥することができる敷料を敷いた状態又は土の状態の清が潔で乾いた床面を有すること。
(8) 畜種、品種及び年齢に配慮した十分な容積を有する構造とし、別表5左欄の家畜を飼養する畜舎にあっては、家畜1頭当たり同表右欄の面積以上の面積を有すること。
2 家きん舎は、次の(1)から(6)までに掲げる基準に適合するものであること。
(1) 家きんが飼料及び新鮮な水を自由に摂取できること。
(2) 適度な温度、湿度、通風、換気及び太陽光による明るさが保たれる頑丈な構造であること。
(3) 清掃及び消毒に必要な器具又は設備を備えており、適切に清掃及び消毒されていること。
(4) 別表4の薬剤以外のものを清掃又は消毒に使用していないこと。
(5) 種の特性及び群の大きさに応じて適切な止まり木等の休息場所及び十分な大きさの出入口を有すること。
(6) 家きん種、品種及び年齢に配慮した十分な容積を有する構造とし、別表5左欄の家きんを飼養する家きん舎にあっては、1羽当たり同表右欄の面積以上の面積を有すること。
野外の飼育場
1 野外の飼育場は、次の(1)から(7)までに掲げる基準に適合するものであること。
(1) 周辺から使用禁止資材が飛来し、又は流入しないように必要な措置を講じていること。
(2) 組換えDNA技術を用いて生産された種苗がは種又は植え付けされていないこと。
(3) 家畜又は家きんが畜舎又は家きん舎に自由に出入りできない場合にあっては、過度の雨、風、日光及び気温を避けることのできる立木、林又は施設を有していること。
(4) 放牧地の状況、畜種、年齢等に応じて、捕食者の侵入等についての対策を講じていること。
(5) 家畜(豚を除く。2において同じ。)のための野外の飼育場にあっては、次のアからエまでに掲げる期間、使用禁止資材を使用せずに肥培管理及び有害動植物の防除が行われていること。
ア 多年生作物(牧草を除く。)を栽培しているほ場にあっては最初に家畜を放牧する前3年以上の間
イ 牧草を栽培しているほ場にあっては最初に家畜を放牧する前2年以上の間
ウ ア及びイに掲げるもの以外の作物を栽培しているほ場にあってはは種又は植付けの前2年以上の間
エ 採草放牧地にあっては最初に家畜を放牧する前3年以上の間
(6) 豚又は家きんのための野外の飼育場にあっては、最初に豚又は家きんを放牧する前1年以上の間、使用禁止資材が使用されていないこと。
(7) 別表6左欄の家畜又は家きんのための野外の飼育場にあっては、家畜1頭又は家きん1羽当たり同表右欄の面積以上の面積を有すること。
2 1の(5)の基準にかかわらず、有機飼料等及びこの表飼料の給与の項基準の欄1の(2)から(4)までに掲げる飼料(以下「有機畜産用購入飼料」という。)の合計が乾物重量換算で平均採食量の50%未満である場合は、使用禁止資材が使用されていないものであること。この場合においては、ほ場等に放牧された家畜は、当該ほ場等において使用禁止資材を最後に使用した日から起算して2年以上経過するまで飼養しなければならない。
家畜又は家きん
1 家畜にあっては、出産前に6月以上有機飼養された母親の子供であって、出生のときからその家畜を飼養する有機畜産物の認証生産行程管理者により有機飼養されたもの又はこの規格により格付の表示が付されているものであること。
2 家きんにあっては、ふ化のときからその家きんを飼養する有機畜産物の認証生産行程管理者により有機飼養されたもの又はこの規格により格付の表示が付されているものであること。
3 1及び2に掲げるもののほか、農場において新たに有機畜産物の生産に用いるための家畜又は家きんの飼養を開始する場合にあっては、当該家畜又は家きんの有機飼養を開始する以前から当該農場において飼養していた家畜又は家きんを飼養の対象とすることができる。この場合においては、別表7の期間以上有機飼養しなければならない。
4 1から3までに掲げる家畜又は家きんの入手が困難な場合は、次のいずれかのものを飼養の対象とすることができる。この場合においては、別表7の期間以上有機飼養しなければならない。
(1) 家畜の更新の場合にあっては、別表8の基準に適合する家畜
(2) 次のいずれかに該当する場合にあっては、別表9の基準に適合する家畜又は家きん
ア 新たに家畜の飼養を開始する場合
イ 新たな品種の飼養を開始する場合
ウ 有機畜産物の生産を目的として飼養している家畜の30%以上の頭数の家畜を新たに飼養の対象とする場合
エ 家きんを購入する場合
(3) 災害又は疾病により有機畜産物の生産を目的として飼養している家畜又は家きんの25%以上が死亡した場合にあっては、災害又は疾病により死亡した頭羽数以下の家畜又は家きん
(4) (1)から(3)までに掲げる家畜の子
飼料の給与
1 次の(1)から(4)までに掲げる飼料以外の飼料を給与しないこと。
(1) 有機畜産用飼料。ただし、新たに有機畜産物の生産に用いるための家畜又は家きんの飼養を開始してから3年以上経過した場合は、有機農産物規格第5条第2項、有機加工食品規格第5条の表名称の表示の項基準の欄2又は有機飼料規格第5条第2項の基準により「転換期間中」と表示されたものを家畜又は家きんに給与することができる割合は、乾物重量換算で有機飼料等の30%以下とする。
(2) 天然物質又は化学処理を行っていない天然物質に由来するものであって、ミネラルの補給を目的とする飼料。ただし、当該飼料の入手が困難な場合は、ミネラルの補給を目的とする飼料添加物を給与することができる。
(3) 化学処理を行っていない魚粉及び藻類(放射線が照射されたもの及び組換えDNA技術を用いて生産されたものを除き、家畜又は家きんに給与することができる魚粉及び藻類の割合は、(1)に掲げる飼料の乾物重量換算で5%以下に限る。)
(4) 酵素又は微生物(組換えDNA技術を用いて生産されたものを除く。)
2 ほ育期間中の家畜にあっては、母乳を給与すること。ただし、給与する母乳が不足する場合は、母乳以外の天然の乳を給与することができる。
3 1の基準にかかわらず、有機畜産用購入飼料の合計が乾物重量換算で平均採食量の50%未満である場合にあっては、次の(1)及び(2)に掲げる基準に適合するほ場等において生産した農産物を給与し、又は給与する飼料の原材料に用いることができる。この場合においては、当該飼料を給与した家畜は、当該ほ場等が次の(1)及び(2)に掲げる基準に適合した日から起算して2年以上経過するまで飼養しなければならない。
(1) 周辺から使用禁止資材が飛来し、又は流入しないように必要な措置を講じていること。
(2) 有機農産物規格第4条の表ほ場に使用する種子又は苗等の項、ほ場における肥培管理の項、ほ場又は栽培場における有害動植物の防除の項、一般管理の項及び育苗管理の項の基準に適合した管理を行うこと。
4 1の基準にかかわらず、有機飼料の入手が困難な場合にあっては、同等国格付飼料(日本農林規格等に関する法律施行規則(昭和25年農林省令第62号)第37条に規定する国において日本農林規格等に関する法律(昭和25年法律第175号)第12条第2項に規定する格付の制度に基づき格付された飼料のうち、次に掲げる事項が記載され、当該国の政府機関その他これに準ずるものとして農林水産大臣が指定するものによって発行された証明書(同法第12条第1項に規定する証明書をいう。以下同じ。)又はその写しが添付されているもの)を使用することができる。
(1) 証明書を発行したものの名称及び住所
(2) 証明書の発行年月日
(3) 証明に係る飼料の種類及び量
(4) 当該飼料に係る生産行程管理者(同法第10条第2項の生産行程管理者をいう。)の認証に相当する行為を行った外国の機関の名称及び住所
(5) 当該飼料について格付が行われたものである旨
5 1から4までの基準にかかわらず、有機畜産用飼料の入手が困難な場合、必要量の有機畜産用飼料が給与できるようになるまでの期間に限り、次の(1)又は(2)に掲げる割合まで、1から4までに掲げる飼料以外の飼料(組換えDNA技術を用いて生産されたもの並びに抗生物質及び合成抗菌剤を含むものを除く。)を給与することができる。
(1) 牛、めん羊又は山羊にあっては、乾物重量換算で平均採食量から1の(2)から(4)までに掲げる飼料の重量を除いた重量の15%
(2) 馬、豚又は家きんにあっては、乾物重量換算で平均採食量から1の(2)から(4)までに掲げる飼料の重量を除いた重量の20%
6 災害又は輸入若しくは輸送経路の途絶により有機畜産用飼料の入手が著しく困難と認められる場合は、1から4までの基準にかかわらず、入手が可能となるまでの期間に限り、1から4までに掲げる飼料以外の飼料(組換えDNA技術を用いて生産されたもの並びに抗生物質及び合成抗菌剤を含むものを除く。)を乾物重量換算で平均採食量から1の(2)から(4)までに掲げる飼料の重量を除いた重量の50%まで給与することができる。
7 牛、馬、めん羊及び山羊にあっては、生草、乾草又はサイレージ以外の飼料が乾物重量換算で平均採食量の50%未満(肥育の最終期間の牛にあっては75%未満、育成期の馬にあっては80%未満)であること。ただし、次の(1)から(3)までに掲げる期間にあっては、この限りでない。
(1) ほ育期間
(2) 乳用牛又は乳用山羊にあっては搾乳を開始してから最初の3月間
(3) 肥育の最終期間(牛を除く。)
健康管理
1 疾病予防を目的として、病気に対する抵抗力の強化及び感染予防が図られるよう家畜又は家きんの種類に応じた適切な飼養管理を行うこと。
2 家畜又は家きんが傷病に罹患した場合、必要に応じて隔離し、迅速に治療すること。この場合において、家畜又は家きんが不必要に苦しむことのないよう、治療や処置を行うこと。
3 特定の疾病若しくは健康上の問題が発生し、若しくは発生する可能性があって他に適当な治療方法若しくは管理方法がない場合又は法令(法律の規定に基づく命令及び処分を含む。以下同じ。)で義務付けられている場合を除き、動物用医薬品を使用しないこととし、動物用医薬品を使用する場合にあっては、要診察医薬品又は抗生物質以外の動物用医薬品を使用すること。
4 家畜又は家きんへのビタミン、ミネラル、動物用生物学的製剤又は駆虫薬以外の動物用医薬品の使用は、治療目的に限ること。
5 3の基準にかかわらず、要診察医薬品又は抗生物質以外の動物用医薬品を用いた治療が効果的でない場合には、要診察医薬品又は抗生物質を使用することができる。ただし、次のいずれかに該当する場合は、それぞれ(1)又は(2)に掲げる期間、要診察医薬品又は抗生物質を使用することができない。
(1) 動物用医薬品の使用の規制に関する省令(昭和55年農林水産省令第42号)別表第1及び別表第2の医薬品の欄に掲げるものを使用する場合 それぞれ、当該医薬品の種類に応じてこれらの表の使用対象動物の欄に掲げる動物の種類に応じ、これらの表の使用禁止期間の欄に掲げる期間の2倍の期間
(2) (1)に掲げる医薬品以外の医薬品を使用する場合 と殺、搾乳若しくは採卵する前48時間又は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第14条第1項、第14条第9項、第14条の4及び第14条の6に基づく医薬品等の承認、承認事項の変更、再審査及び再評価の際に定められる休薬期間(最後に投薬されてからと殺、搾乳若しくは採卵するまでの期間をいう。)の2倍のいずれか長い期間
6 飼料以外の成長又は生産の促進を目的とした物質を給与しないこと。
一般管理
1 家畜及び家きんを野外の飼育場(牛、馬、めん羊及び山羊のためのものについては、ほ場等を有するものでなければならない。)に自由に出入りさせること。ただし、週2回以上家畜若しくは家きんを野外の飼育場に放牧する場合又は区分された運動場所及び休息場所を有する家きん舎で家きんを飼養する場合にあっては、この限りでない。
2 1の基準にかかわらず、次の(1)から(9)までに掲げる期間にあっては、家畜及び家きんを野外の飼育場に出入りさせずに飼養することができる。)
(1) 積雪、悪天候又は天災により家畜又は家きんの出入りが困難である期間
(2) 牛にあっては、出生から2月又は離乳後7日を経過する日までのいずれか長い期間
(3) 雌牛にあっては、妊娠8月から分娩までの期間
(4) 豚にあっては、出生から離乳するまでの期間
(5) 雌豚にあっては、妊娠3月から出産した子豚の離乳までの期間
(6) 肥育の最終期間
(7) 運動することが疾病や障害からの回復に悪影響を与えると認められる期間
(8) 家畜又は家きんの採食又は運動により、野外の飼育場の維持管理に支障が生じると認められる期間
(9) 法令で家畜又は家きんの野外への出入りが禁止された期間及び農林水産大臣、畜舎又は家きん舎の所在地を管轄する都道府県知事又は家畜保健衛生所長から文書で家畜又は家きんの野外への出入りを制限するよう要請された期間
3 家畜又は家きんを故意に傷つけないこと。ただし、最も適切な時期に家畜又は家きんにできる限り苦痛を与えない方法によって次の(1)から(3)までに掲げる処置を行う場合を除く。
(1) 除角、断嘴、断尾その他の家畜又は家きんの安全又は健康のための処置
(2) 耳標の装着その他の家畜の識別のための処置
(3) 外科的去勢
4 採卵鶏にあっては、人工照明により日長を延長する場合には、延長された日長時間が1日当たり16時間以内であること。
5 次の(1)から(3)までに掲げる技術を用いて繁殖させないこと。
(1) 受精卵移植技術
(2) ホルモンを用いた繁殖技術
(3) 組換えDNA技術を用いた繁殖技術
6 家畜又は家きんの排せつ物は、土壌の劣化又は水質汚濁を招かない方法により管理及び処理を行うこと。
7 家畜又は家きんの捕獲又は輸送に当たっては、電気刺激又は精神安定剤を使用しないこと。
8 乳用牛及び乳用山羊にあっては、搾乳に用いる施設及び器具を清潔に保つとともに、乳頭の洗浄及び消毒に用いる薬剤並びに別表4の薬剤以外のものを使用しないこと。
と殺、解体、選別、調製、洗浄、貯蔵、包装その他の工程に係る管理
1 この表畜舎又は家きん舎の項、野外の飼育場の項、家畜又は家きんの項、飼料の給与の項、健康管理の項及び一般管理の項の基準(以下「畜舎又は家きん舎の項等の基準」という。)に適合しない畜産物が混入しないよう管理を行うこと。
2 と殺は、できる限り家畜又は家きんを意識の喪失状態にし、当該家畜又は家きんの緊張及び苦痛を最小限にする方法で行うこと。
3 有害動植物の防除又は品質の保持改善は、物理的又は生物の機能を利用した方法(組換えDNA技術を用いて生産された生物を利用した方法を除く。以下同じ。)によること。
4 3の規定にかかわらず、物理的又は生物の機能を利用した方法のみによっては効果が不十分な場合には、以下の資材に限り使用することができる。この場合において、(1)の資材を使用するときは、畜産物への混入を防止しなければならない。
(1) 有害動植物の防除目的 別表2の農薬、別表10の薬剤並びに食品及び添加物(これらを原材料として加工したものを含み、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用するものを除く。)
(2) 畜産物の品質の保持改善目的 別表11の調製用等資材
5 放射線照射を行わないこと。
6 この表畜舎又は家きん舎の項等の基準及びこの項1から5までに掲げる基準に従い生産された畜産物が動物用医薬品、洗浄剤、消毒剤その他の資材により汚染されないよう管理を行うこと。
(有機畜産物の表示)

第5条 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の規定に従うほか、有機畜産物の名称の表示は、次の例のいずれかによることとする。

(1) 「有機畜産物」
(2) 「有機畜産物○○」又は「○○(有機畜産物)」
(3) 「有機畜産○○」又は「○○(有機畜産)」
(4) 「有機○○」又は「○○(有機)」
(5) 「オーガニック○○」又は「○○(オーガニック)」
(注1)(1)の表示を行う場合には、食品表示基準第18条及び第24条の規定に従い当該畜産物の名称の表示を別途行うこと。
(注2)「○○」には、当該畜産物の一般的な名称を記載すること。


別表1 肥料及び土壌改良資材

肥料及び土壌改良資材 基準
植物及びその残さ由来の資材 植物の刈取り後又は伐採後に化学的処理を行っていないものであること。
発酵、乾燥又は焼成した排せつ物由来の資材 家畜及び家きんの排せつ物に由来するものであること。
油かす類 天然物質又は化学的処理(有機溶剤による油の抽出を除く。)を行っていない天然物質に由来するものであること。
食品工場及び繊維工場からの農畜水産物由来の資材 天然物質又は化学的処理(有機溶剤による油の抽出を除く。)を行っていない天然物質に由来するものであること。
と畜場又は水産加工場からの動物性産品由来の資材 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
発酵した食品廃棄物由来の資材 食品廃棄物以外の物質が混入していないものであること。
バーク堆肥 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
メタン発酵消化液(汚泥肥料を除く。) 家畜ふん尿等の有機物を、嫌気条件下でメタン発酵させた際に生じるものであること。ただし、し尿を原料としたものにあっては、食用作物の可食部分に使用しないこと。
グアノ
乾燥藻及びその粉末
草木灰 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
炭酸カルシウム 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するもの(苦土炭酸カルシウムを含む。)であること。
塩化加里 天然鉱石を粉砕又は水洗精製したもの及び海水又は湖水から化学的方法によらず生産されたものであること。
硫酸加里 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
硫酸加里苦土 天然鉱石を水洗精製したものであること。
天然りん鉱石 カドミウムが五酸化リンに換算して1kg中90mg以下であるものであること。
硫酸苦土 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
水酸化苦土 天然鉱石を粉砕したものであること。
軽焼マグネシア
石こう(硫酸カルシウム) 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
硫黄
生石灰(苦土生石灰を含む。) 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
消石灰 上記生石灰に由来するものであること。
微量要素(マンガン、ほう素、鉄、銅、亜鉛、モリブデン及び塩素) 微量要素の不足により、作物の正常な生育が確保されない場合に使用するものであること。
岩石を粉砕したもの 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであって、含有する有害重金属その他の有害物質により土壌等を汚染するものでないこと。
木炭 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
泥炭 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。ただし、土壌改良資材としての使用は、野菜(きのこ類及び山菜類を除く。)及び果樹への使用並びに育苗用土としての使用に限ること。
ベントナイト 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
パーライト 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
ゼオライト 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
バーミキュライト 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
けいそう土焼成粒 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
塩基性スラグ トーマス製鋼法により副生するものであること。
鉱さいけい酸質肥料 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
よう成りん肥 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであって、カドミウムが五酸化リンに換算して1kg中90mg以下であるものであること。
塩化ナトリウム 海水又は湖水から化学的方法によらず生産されたもの又は採掘されたものであること。
リン酸アルミニウムカルシウム カドミウムが五酸化リンに換算して1kg中90mg以下であるものであること。
塩化カルシウム
食酢
乳酸 植物を原料として発酵させたものであって、育苗用土等のpH調整に使用する場合に限ること。
製糖産業の副産物
肥料の造粒材及び固結防止材 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。ただし、当該資材によっては肥料の造粒材及び固結防止材を製造することができない場合には、リグニンスルホン酸塩に限り、使用することができる。
その他の肥料及び土壌改良資材 植物の栄養に供すること又は土壌を改良することを目的として土地に施される物(生物を含む。)及び植物の栄養に供することを目的として植物に施される物(生物を含む。)であって、天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するもの(組換えDNA技術を用いて製造されていないものに限る。)であり、かつ、病害虫の防除効果を有することが明らかなものでないこと。ただし、この資材は、この表に掲げる他の資材によっては土壌の性質に由来する農地の生産力の維持増進を図ることができない場合に限り、使用することができる。


別表2 農薬

農薬 基準
除虫菊乳剤及びピレトリン乳剤 除虫菊から抽出したものであって、共力剤としてピペロニルブトキサイドを含まないものに限ること。
なたね油乳剤
調合油乳剤
マシン油エアゾル
マシン油乳剤
デンプン水和剤
脂肪酸グリセリド
乳剤
メタアルデヒド粒剤 捕虫器に使用する場合に限ること。
硫黄くん煙剤
硫黄粉剤
硫黄・銅水和剤
水和硫黄剤
石灰硫黄合剤
シイタケ菌糸体抽
出物液剤
炭酸水素ナトリウム水溶剤及び重曹炭酸水素ナトリウム・銅水和剤
銅水和剤
銅粉剤
硫酸銅 ボルドー剤調製用に使用する場合に限ること。
生石灰 ボルドー剤調製用に使用する場合に限ること。
天敵等生物農薬
天敵等生物農薬・銅水和剤
性フェロモン剤 農作物を害する昆虫のフェロモン作用を有する物質を有効成分とするものに限ること。
クロレラ抽出物液剤
混合生薬抽出物液剤
ワックス水和剤
展着剤 カゼイン又はパラフィンを有効成分とするものに限ること。
二酸化炭素くん蒸剤 保管施設で使用する場合に限ること。
ケイソウ土粉剤 保管施設で使用する場合に限ること。
食酢
燐酸第二鉄粒剤
炭酸水素カリウム
水溶剤
炭酸カルシウム水和剤 銅水和剤の薬害防止に使用する場合に限ること。
ミルベメクチン乳剤
ミルベメクチン水和剤
スピノサド水和剤
スピノサド粒剤
還元澱粉糖化物液剤
次亜塩素酸水


別表3 平均採食量

家畜又は家きんの種類 家畜又は家きんの種別 1日当たり平均採食量
肉を生産することを目的として飼養する牛 10月齢未満(繁殖の用に供している雌を除く。)
10月齢以上(繁殖の用に供している雌を除く。)
繁殖の用に供している雌
6.0kg
9.3kg
7.6kg
乳を生産することを目的として飼養する牛 10月齢未満
10月齢以上泌乳開始まで
泌乳中の牛
泌乳していない経産牛
5.6kg
9.0kg
21.3kg
12.0kg
12月齢未満(繁殖の用に供している雌を除く。)
24月齢未満(繁殖の用に供している雌を除く。)
24月齢以上(繁殖の用に供している雌を除く。)
繁殖の用に供している雌
12.4kg
14.4kg
17.3kg
19.2kg
めん羊 繁殖の用に供している雌
上記以外のもの
1.7kg
1.9kg
山羊 繁殖の用に供している雌
上記以外のもの
2.5kg
1.1kg
3月齢未満
5月齢未満
5月齢以上
妊娠中の豚
授乳中の豚
1.1kg
2.5kg
3.3kg
2.2kg
5.6kg
肉を生産することを目的として飼養する鶏 4週齢未満
4週齢以上
49g
152g
卵を生産することを目的として飼養する鶏 9週齢未満
9週齢以上であって採卵開始まで
採卵開始以降
32g
67g
114g
うずら 18g
あひる及びかも 6週齢未満
6週齢以上
108g
180g
肉を生産することを目的として飼養するだちょう 3月齢未満
3月齢以上
1.0kg
2.5kg
卵を生産することを目的として飼養する雌だちょう 採卵開始以降 2.0kg
(注)1日当たりの平均採食量は、乾物重量で換算した数値である。


別表4 畜舎又は家きん舎の清掃又は消毒用薬剤

石けん、石灰乳、消石灰、生石灰、アルコール類、フェノール類、オルソ剤、ヨウ素剤、ホルムアルデヒド、グルタルアルデヒド、クロルヘキシジン、逆性石けん、両性石けん、塩素剤、過酸化水素水、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム、搾乳施設のための洗浄及び消毒製品、炭酸ナトリウム、その他の植物由来製品


別表5 畜舎又は家きん舎の最低面積

家畜又は家きんの種類 家畜1頭又は家きん1羽当たりの畜舎又は家きん舎の最低面積
肉を生産することを目的として飼養する牛(体重が340kgを超えるものに限る。) 5.0㎡
乳を生産することを目的として飼養する牛(成畜に限る。) 4.0㎡(繋ぎ飼いの場合にあっては1.8㎡)
繁殖の用に供することを目的として飼養する雌牛(成畜に限る。) 3.6㎡(繋ぎ飼いの場合にあっては1.8㎡)
馬(成畜に限る。) 13㎡
めん羊(成畜に限る。) 2.2㎡
山羊(成畜に限る。) 2.2㎡
肉を生産することを目的として飼養する豚(体重が40kgを超えるものに限る。) 1.1㎡
繁殖の用に供することを目的として飼養する雌豚(成畜に限る。) 3.0㎡
肉を生産することを目的として飼養する家きん(28日齢以降のものに限る。) 0.1㎡
卵を生産することを目的として飼養する家きん(28日齢以降のものに限る。) 0.15㎡
(注)「成畜」とは、繁殖の用に供され、又は繁殖の用に供されたことのある家畜をいう。
 「繋ぎ飼い」とは、牛舎内で牛を1頭ずつけい留具でけい留して飼養する飼養方式をいう。


別表6 野外の飼育場の最低面積

家畜又は家きんの種類 家畜1頭又は家きん1羽当たりの野外の飼育場の最低面積
肉を生産することを目的として飼養する牛(体重が340kgを超えるものに限る。) 5.0㎡
乳を生産することを目的として飼養する牛(成畜に限る。) 4.0㎡
繁殖の用に供することを目的として飼養する雌牛(成畜に限る。) 3.6㎡
馬(成畜に限る。) 13㎡
めん羊(成畜に限る。) 2.2㎡
山羊(成畜に限る。) 2.2㎡
肉を生産することを目的として飼養する豚(体重が40kgを超えるものに限る。) 1.1㎡
繁殖の用に供することを目的として飼養する雌豚(成畜に限る。) 3.0㎡
肉を生産することを目的として飼養するだちょう以外の家きん(28日齢以降のものに限る。) 0.1㎡
卵を生産することを目的として飼養するだちょう以外の家きん(28日齢以降のものに限る。) 0.15㎡
かも(28日齢以降のものに限る。) 水田3分の1アール
だちょう(3月齢以降7月齢未満のものに限る。) 6.6㎡(ただし、野外の飼育場の短辺及び長辺の長さは、飼養するだちょうの数にかかわらず、それぞれ5m及び20m以上とする。)
だちょう(7月齢以降のものに限る。) 16.5㎡(ただし、野外の飼育場の短辺及び長辺の長さは、飼養するだちょうの数にかかわらず、それぞれ5m及び20m以上とする。)
(注)「成畜」とは、繁殖の用に供され、又は繁殖の用に供されたことのある家畜をいう。


別表7 転換期間

家畜又は家きんの種類 期間
肉を生産することを目的として飼養する牛 12月間又は生存期間の4分の3のいずれか長い期間(6月齢未満で飼養の対象となった牛にあっては6月間、乳用牛及び繁殖用雌牛を肥育する場合にあっては有機乳又は有機子牛を3産以上継続して生産してからと殺までの期間)
乳を生産することを目的として飼養する牛 6月間(有機畜産物の生産に用いるための牛の飼養を開始する以前から当該農場において飼養していた牛にあっては、4月間)
繁殖の用に供することを目的として飼養する雌牛 6月間(有機畜産物の生産に用いるための牛の飼養を開始する以前から当該農場において飼養していた牛にあっては、4月間)
12月間又は生存期間の4分の3のいずれか長い期間
めん羊 6月間
乳を生産することを目的として飼養する山羊 6月間
肉を生産することを目的として飼養する山羊又は繁殖の用に供することを目的として飼養する雌山羊 6月間
6月間
肉を生産することを目的として飼養するだちょう以外の家きん ふ化後3日からと殺までの期間(採卵用に飼育されていた家きんにあっては、有機卵を45週以上継続して生産してからと殺までの期間)
卵を生産することを目的として飼養するだちょう以外の家きん 6週間
肉を生産することを目的として飼養するだちょう ふ化後14日からと殺までの期間
卵を生産することを目的として飼養するだちょう 6月間


別表8 更新頭数の条件

家畜の種類 基準
乳を生産することを目的として飼養する牛 一事業年度当たり平均経産頭数(直近の過去五事業年度の各期首における分べん経験のある家畜の頭数の合計を5で除した数をいう。以下同じ。)の10%未満の頭数。ただし未経産のものに限る。
繁殖の用に供することを目的に飼養する雌牛 一事業年度当たり平均経産頭数の10%未満の頭数。ただし未経産のものに限る。
繁殖の用に供することを目的に飼養する雌馬 一事業年度当たり平均経産頭数の5%未満の頭数。ただし未経産のものに限る。
乳を生産することを目的として飼養する山羊 一事業年度当たり平均経産頭数の10%未満の頭数。ただし未経産のものに限る。
繁殖の用に供することを目的に飼養する雌豚 一事業年度当たり平均経産頭数の20%未満の頭数。ただし未経産のものに限る。


別表9 外部導入の条件

家畜又は家きんの種類 基準
肉を生産することを目的として飼養する牛 12月齢未満であって、次の(1)から(8)までのいずれかであること。
(1) 黒毛和種であって体重が310kg以下のもの
(2) 褐毛和種であって体重が340kg以下のもの
(3) 無角和種であって体重が300kg以下のもの
(4) 日本短角種であって体重が300kg以下のもの
(5) アンガス種又はヘレフォード種であって体重が280kg以下のもの
(6) 雌を除くホルスタイン種であって体重が310kg以下のもの
(7) ホルスタイン種を母とする交雑種であって体重が310kg以下のもの
(8) (1)から(7)までに該当しない牛であって体重が340kg以下のもの
乳を生産することを目的として飼養する牛 未経産のものであること。
繁殖の用に供することを目的として飼養する雌牛 未経産のものであること。
12月齢未満であること。
めん羊及び山羊 5月齢未満であること。
4月齢未満であること。
肉を生産することを目的として飼養するだちょう以外の家きん 3日齢未満であること。
卵を生産することを目的として飼養するだちょう以外の家きん 18週齢未満であること。
肉を生産することを目的として飼養するだちょう 14日齢未満であること。
卵を生産することを目的として飼養するだちょう 12月齢未満であること。


別表10 薬剤

薬剤 基準
除虫菊抽出物 共力剤としてピペロニルブトキサイドを含まないものに限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
ケイ酸ナトリウム 農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
カリウム石鹸(軟石鹸) 農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
エタノール 農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
ホウ酸 容器に入れて使用する場合に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
フェロモン 昆虫のフェロモン作用を有する物質を有効成分とする薬剤に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
カプサイシン 忌避剤として使用する場合に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
ゼラニウム抽出物 忌避剤として使用する場合に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
シトロネラ抽出物 忌避剤として使用する場合に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
(注)薬剤の使用に当たっては、薬剤の容器等に表示された使用方法を遵守すること。


別表11 調製用等資材

調製用等資材 基準
オゾン 解体の工程における食肉の消毒又は卵の洗浄用に限ること。
次亜塩素酸ナトリウム 解体の工程における食肉の消毒又は卵の洗浄用に限ること。
次亜塩素酸水 解体の工程における食肉の消毒又は卵の洗浄用に限ること。
フマル酸 解体の工程における食肉の消毒又は卵の洗浄用に限ること。
フマル酸一ナトリウム 解体の工程における食肉の消毒又は卵の洗浄用に限ること。


附則(平成17年10月27日農林水産省告示第1608号)
(施行期日)

1 この告示は、公布の日から起算して30日を経過した日から施行する。

(経過措置)

2 別表7の基準に適合する期間以上有機飼養することができない場合は、当分の間、乳を生産することを目的として飼養する牛の項基準の欄中「6月間(有機畜産物の生産に用いるための牛の飼養を開始する以前から当該農場において飼養していた牛にあっては、4月間)」とあるのは「90日間」と、同表乳を生産することを目的として飼養する山羊の項の基準の欄中「6月間」とあるのは「90日間」と読み替えるものとする。


最終改正の改正文(平成30年4月2日農林水産省告示第5108号)抄

平成30年5月2日から施行する。


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