明治元訳新約聖書(大正4年)/哥林多人後書

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[千九百五十五]
新約全書使徒しんやくぜんしょしとパウロコリントびとにおくれる後書のちのふみ

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第一章

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かみむねよりイエス キリスト使徒しととなれるパウロおよ兄弟きゃうだいテモテコリントにあるかみ教會けうくわいあまねアカヤにあるすべて聖徒せいとふみおく
ねがはくハ爾曹我儕なんぢらわれらちゝなるかみおよびしゅイエス キリストより恩寵めぐみ平康やすきうけ


頌美ほむべきかな神即かみすなは我儕われらしゅイエス キリスト父慈悲ちゝじひちゝすべての安慰なぐさめたまふのかみ
かみ我儕われら諸般もろゝゝ患難なやみうちにをるものなぐさめたまふ是我儕これわれらをしてかみ我儕われらなぐさめたまふ安慰なぐさめまたもろゝゝの患難なやみにをるものなぐさむることをしめんためなり
そはキリストくるしみわれらにおほくあるがごと我儕われら安慰なぐさめキリストよりおほくあればなり
われらあるひ患難なやみうくるも爾曹なんぢら安慰なぐさめすくひためなり此安慰このなぐさめすくひ爾曹なんぢらうちはたらきて我儕われらうくごとくるしみ爾曹なんぢらにもおなじしのばしむるなり我儕われらあるひハ安慰なぐさめうくるもまたなんぢらが安慰なぐさめすくひためなり

爾曹なんぢらくるしみともうくごとくまた安慰なぐさめをもともうくることを我儕われらしるこのゆゑ爾曹なんぢらにつき我儕われらのぞむところハかた
兄弟きゃうだい我儕われらアジアおいあひところ苦難なやみ爾曹なんぢらしらざるをこのまずすなはせめらるゝことはなはだしくしていきほあたりがたく生命いのちたもたのぞみをもうしなふにいたれり
かつわれら心中こゝろのうち必死ひっしさだ是故このゆゑおのれたのまずしてしにものよみがへらするかみたのめり


かみすでに我儕われらかくごときのよりすくいままたすくへりのちなほわれらをすくたまハんことをのぞ
十一 爾曹なんぢら我儕われらためいのりて相助あひたすかく許多おほくひとにより我儕われらたまはりし恩寵めぐみ許多おほくひと我儕われらため感謝かんしゃするにいたらん


十二 我儕われら良心りゃうしんわれらかみたまところ丹心まごゝろ信實しんじつよりまたにく智慧ちゑよらかみ恩寵めぐみによりありおこなひをなしこと爾曹なんぢらむかひてかくごとおこなひなせりとあかしこれわれらがほこところなり
十三 我儕われらなんぢらに書遣かきおくところ
[千九百五十六]
爾曹なんぢらよむところさとところほかあらざるなり
十四 われ爾曹なんぢらをはりいたるまでこと爾曹なんぢらうち識者しるものあるがごとしらんことをのぞすなはしゅイエス爾曹なんぢら我儕われらよりほこごと我儕われら爾曹なんぢらよりほここれなり
十五 われこれをしんずるによりふたゝ爾曹なんぢらえきさせんためさきにハまづなんぢらにいた
十六
また爾曹なんぢらすぎマケドニヤにゆきまたマケドニヤより爾曹なんぢらかへ爾曹なんぢらをしてわれユダヤかたおくらしめんことをおもへり
十七 わがかくさだめしとき虛浮心うきたるこゝろあらんまたさだめしところにくよりてさだめなりなりといひまたなりなりといはんや
十八 眞實まことかみわれらが爾曹なんぢらむかひていへことばいひまたいひしことなしとあかし
十九 そはわれらすなはわれシルワノおよテモテ爾曹なんぢらうちつたへたるかみイエス キリストいひまたいふごとことなしかれには唯是たゞぜいふことあるのみ
二十 すべかみ約束やくそくかれうちにアメンとなり我儕われらよりかみさかえあらはるゝにおよ
二一
我儕われら爾曹なんぢらともキリスト堅固かたうかつわれらにあぶらそゝぎものかみなり
二二 かれまた我儕われらいん且質かつかたとしてみたま我儕われらこゝろたまへり


二三 われいまだコリントいたらざるは爾曹なんぢら寛容ゆるやかにせんがためなり
二四 我儕われらなんぢらの信仰しんかうつかさどらんとするにあらたゞなんぢらの喜樂よろこびたすけんとするなりそはなんぢら信仰しんかうよりたてバなり

第二章

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われうれへふたゝ爾曹なんぢらいたらじとみづかさだめたり
もしわれ爾曹なんぢらをしてうれへしめば我憂わがうれへしむるところものほかたれわれよろこばせん
われさき爾曹なんぢら書遣かきおくりしハわがいたらんときわれよろこばすべきものかえっわれうれへしめんことをおそれてなりなんぢらみなわが喜樂よろこびおの喜樂よろこびとすることをしんずるなり
われおほいなる患難なやみこゝろ哀痛いたみあるによりおほくなみだ爾曹なんぢら書遣かきおくれり爾曹なんぢらをしてうれへしめんと
[千九百五十七]
するにあらわがなんぢらをあいすることふかきしらしめんためなり


もしうれへしむるものあらばわれうれへしむるにあらほゞなんぢらすべてうれへしむるなり如此かくいふハわれこれをはなはだしくせむることをねがハざるなり

かゝひとおほくひとせめうくることすでたれ
され爾曹なんぢらかえっかれゆるなぐさむべしおそらくハかれはなはだしくうれへしづまん
是故このゆゑわれなんぢらのあいかれあらはさんことを爾曹なんぢらすゝ
われさきふみ爾曹なんぢらおくりしハ爾曹なんぢらすべてことしたがふやいなこゝろみてこれしらためなり
なんぢら何事なにごとによらずひとゆるすことあらばわれまたこれゆるさんわれもしゆるしゝことあらば爾曹なんぢらためキリストまへゆるしゝなり
十一 是我これわれサタンかたれざらんためなり我儕われらかれの詭計はかりごとしらざるにあら


十二 われキリスト福音ふくいんためトロアスいた主我爲しゅわがためもんひらたまひしに
十三 わが兄弟きゃうだいテトスあはざるがゆゑわが心安こゝろやすからず彼等かれらわかれつげマケドニヤゆけ
十四 つね我儕われらをしてキリストありかちしめかつかれをしるにほい我儕われらをもてあまねあらはかみ感謝かんしゃ
十五 すくはるゝものついても沈淪者ほろぶるものついても我儕神われらかみためにハキリスト馨 香かうばしきにほひなり
十六 沈淪者ほろぶるものためにハにほひにて彼等かれらいたらしむすくはるゝものためにハいのちにほひにて彼等かれらいのちいたらしむたれこれたへんや
十七 我儕われらおほくのひとごとかみことば混亂こんらんせずすなはまことによりかみまへキリストありいふなり

第三章

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我儕われらまたみづかおのれすゝめんわれら或人あるひとごとひとより薦書そへぶみうけ爾曹なんぢらわた爾曹なんぢらより薦書そへぶみうけひとわたすべきものならん
爾曹なんぢら我儕われらふみなりすなは我儕心われらこゝろしるせりすべてひとしるところよむところなり
爾曹なんぢらあきらかに我儕われら役事つとめよりかけキリストふみなり是墨これすみあら活神いけるかみみたまにてしる又石碑またせきひあらこゝろ肉碑にくひしるしたり
我儕われらキリストによりかみむかひてかくごと信仰しんかう
[千九百五十六]
あり
され我儕己われらおのれよりみづか何事なにごとをも思得おもひうるにあら我儕われら思得おもひうるハかみよれ
かれ我儕われらをして新約しんやく役者つかへびととなるにたらしむ儀文ぎぶんつかふるにあらみたまつかふるなりそハ儀文ぎぶんころみたまいかせバなり
ついすたるべきモーセかほさかえよりてすらイスラエル人々ひとゞゝかれのかほ注目みとむることあたはざりきいししる儀文ぎぶん死法しのゝりなほさかえあるときは
ましみたまのりさかえあらざらん
つみさだむるのりもしさかえあらバましとするのり其榮そのさかえさらにまさらざらん
昔榮もとさかえありとしものものちさかえくらぶればさかえなきものとなれりそはのちのさかえさらまされるによりてなり
十一 もしすたらんものさかえありしならばまし長存ながらふものさかえあらざらん
十二 われらかくごときことをのぞむがゆゑ侃々はゞからずしていふなり
十三 これモーセイスラエル人々ひとゞゝ其廢そのすたらんとするもの終局をはりみせざらんため帕子かほおほひにて其面そのかほおほひごときにあら
十四 され彼等心かれらこゝろかたくなにせり今日けふいたるまで彼等舊約かれらきゅうやくよむとき其帕子そのかほおほひなほのこれり其存そののこりすたらざるハこれキリストよりすたるべきものなればなり
十五 今日けふいたるまでモーセよむとき其帕子そのかほおほひなほ其心そのこゝろおほへり
十六 され其心主そのこゝろしゅするにおよバゞそのかほおほひのぞかるべし
十七 しゅすなはみたまなりしゅみたまあるところにハ自由じゆうあり
十八 すべ我儕帕子われらかほおほひなくしてかゞみうつすがごとしゅさかえいやまさりてそのおなじかたちかはなりこれしゅすなハちみたまよりてなり


第四章

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われら恩慈あはれみかうむりて此職このつとめうけたればあえおくせず
はづべき隠匿かくれたることすて詭譎あしきたくみなさかみみちみださず眞理まことあらはしてかみまへおのれすべてひと良心りゃうしんたゞすなり
我儕われら福音ふくいんもしかくるゝならば沈淪者ほろぶるものかくるゝなり
かくごとひと此世このよかみそのこゝろくらましたる不信者ふしんじゃなり是神これかみかたちなるキリストさかえ福音ふくいんひかりをして彼等かれらてらさゞらしめんがためなり
われら自己おのれことのぶるにあらたゞ
[千九百五十九]
リスト イエスしゅたることまたわれらイエスより爾曹なんぢらしもべたることをのぶるなり
ひかりめいじてくらきより照出てりいでしめたる神我儕かみわれらをしてイエス キリストかほにあるかみ榮光えいくわうしるひかりあらはさしめんため我儕われらこゝろてらたまへり
我儕われらこのたから瓦器つちのうつわもてこれおほいにすぐれたるちからわれよりいづるにあらかみちからなることあらはれんためなり
われら四方しはうより患難なやみうくれどもきうせずせんかたつくれどものぞみうしなはず
迫害せめらるれどもすてられず跌倒たふさるれどもほろび
われら何處いづくゆくにもつねイエスためおへイエスいけることを我儕われらあらはれしむるなり
十一 それわれら生者いけるものつねイエスためわたさるゝハイエスいけることを我儕われらしぬべき肉體にくたいあらはれしむるなり
十二 かく我儕われらはたらいのち爾曹なんぢらはたらくなり
十三 しるして我信われしんずるによりいへりとあるごとく我儕われらかくのごとき信仰しんかうれいあればしんずるによりいふなり
十四 我儕われらしゅイエスよみがへらしゝものイエスとも我儕われらをもよみがへらせ亦我儕またわれらをして爾曹なんぢらともたゝしむることしれ
十五 萬 事すべてのことみななんぢらのえきとなれりハその鴻 恩おほいなるめぐみおほくのひと感謝かんしゃよりかみさかえあらはさんためなり
十六 是故このゆゑ我儕臆われらおくせず我儕われらそとなるひとやぶるゝともうちなるひと日々ひゞあらたなり
十七 夫我儕それわれらうく片刻しばらくかろくるしみきはめおほいなるかぎりなきおもさかえ我儕われらしむるなり
十八 我儕われらかへりみところみゆところものあらみえざるところのものなりそはみゆところもの暫時しばらくにしてみえざるところもの永遠かぎりなけれバなり


第五章

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我儕われらこれをしるわれらがにある幕屋まくやもしやぶれなバかみたまところ屋天いへてんにありにてつくらざるかぎりなくたもつところのいへなり
我儕われらこの幕屋まくやをりなげてんよりたま我儕われらいへころもごとんことをふかねがへり
まこときることをはだかになることなからん
我儕われらこの幕屋まくやにをりおもきおひなげくなり
[千九百六十]
これころもごとぬがんことをねがハずかれころもごとんことをねが是生これいのちしぬべきもののまれんがためなり
それ此事このことかなもの我儕われらなしたまものかみなり彼靈かれみたま其質そのかたとなして我儕われらたまへり
是故このゆゑ我儕われらこゝろつねに剛毅つよしまたをるうちハしゅより離居はなれをることをしれ
そはわれらところよら信仰しんかうよりあゆめバなり
我儕われら心剛毅こゝろつよしもっともねがところはなれてしゅともをらんことなり
是故このゆゑ我儕身われらみをりてもはなれてもかれこゝろかなはんことをつと
そはわれらかならみなキリスト臺前だいぜんいでぜんにもあれあくにもあれ各 身おのゝゝみをりなしところのことにしたが其報そのむくいうくべきものなれバなり


十一 如此かくわれらしゅおそるべきをしるゆゑひとすゝ我儕われらすでにかみあきらかにしられたりまたなんぢらの良心りゃうしんにもあきらかにしられたるならんとおも
十二 我儕われらまたみづかおのれ爾曹なんぢらすゝめ我儕われらためほこるべきもと爾曹なんぢらあたこれなんぢらがこれ外貌うはべによりこゝろよらずしてほこものこたへためなり
十三 我儕われらもし心狂こゝろくるへるならば是神これかみためなり心慥こゝろたしかならバこれなんぢらのためなり
十四 キリストあいわれらをはげませり我儕思われらおもふ一人衆ひとりすべてひとかはりしにたれバすべてひとすでにしにたるなり
十五 そのすべてひとかはりしにしハ生者いけるものをして以後このゝちおのがためならでおのれかはしによみがへりしもののためにすごさしめんとてなり
十六 是故このゆゑいまよりのちわれら肉體にくたいよりひとしるまじ我儕肉體われらにくたいよりキリストしりしかどもいまよりのちかくごとこれしるまじ
十七 是故このゆゑひとキリストあるときハあらたつくられたるものなりふるきさりてみなあたらしくなるなり
十八 一切すべてのものかみよりいづかれキリストにより我儕われらをしておのれやはらがしめかつそのやはらがしむるつとめ我儕われらさづ
十九 すなはかみキリストありおのれやはらがしめ其罪そのつみこれおはせず且和かつやはらがしむることば我儕われらゆだねたまへり
二十 是故このゆゑ我儕召われらめされてキリスト使者つかひとなれりすなはかみわれらによりなんぢらを勸給すゝめたまふがごと我儕われら
[千九百六十一]
キリストかはり爾曹なんぢらかみやはらがんことを爾曹なんぢらねが
二一 神罪かみつみしらざるもの我儕われらかはり罪人つみびととなせり是我儕これわれらをしてかれありかみとなることをしめんためなり


第六章

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かみともはたらところ我儕われらなんぢらにすゝ爾曹神なんぢらかみめぐみいたづらにうくることなか
かれいふわれ慈惠めぐみとききゝまたすくひなんぢたすけたりといま恩惠めぐみときなりすくひなり
我儕われらこのつとめそしらるゝことなからんため何事なにごとにもひとつまづかせず
かつわれらすべてことおい己神おのれかみごとおこなひておのれたゞしきひとあらはせりすなはおほく忍耐しのびにも患難なやみにも窮乏ともしきにも困苦くるしみにも
責打うたるゝにもひとやいるにも擾亂さわぎときにも勤勞ほねをるにもねぶらざるにもくらはざるにも
貞潔いさぎよきことゝ知識ちしき恒忍しのび仁慈なさけ聖靈せいれいいつはりなきのあい
まことことばかみちから左右さいうあるところの武具ぶぐもち
また榮耀ほまれ羞辱はずかしめ惡名あしききこえ令聞よききこえよりおのれたゞしきひとあらはせり
ひとまどはものたれども眞實まことひとしられざるにたれどもひとしらしにたるものたれどもいけるものせめうくるにたれどもころされず
うれふるにたれどもつねよろこまづしきにたれどもすべてものもて


十一 コリントびと我儕われらくちなんぢらにひら我儕われら心 廣こゝろひろくなれり
十二 爾曹なんぢらわれらにせばめらるゝにあらかへりおのこゝろせばめらるゝなり
十三 われ爾曹なんぢらかたること我子わがこかたるがごと爾曹なんぢらみづかこゝろひろくしてわれむくいをなすべし
十四
なんぢら不信者ふしんじゃそふなかれ蓋義そはぎ不義ふぎなにともなることがあらひかりくらきなにまじはることかあら
十五
キリストベリアルなにあふことかあら信者しんじゃ不信者ふしんじゃなにあづかることかあら
十六 かみ殿みや偶像ぐうざうなにおなじきことかあらそれなんぢらは活神いけるかみ殿みやなり神甞かみかつわれかれらのうちやどまたあゆまんわれかれらのかみとなり彼等かれらわがたみとならんと曰給いひたまひしがごと
十七 またなんぢら彼等かれらなかよりいでこれはな
[千九百六十二]
汚穢けがれさはることなかわれなんぢらをうけ
十八 われ爾曹なんぢらちゝとなり爾曹なんぢらわが子女むすこむすめなるべしといへ是全能これぜんのうしゅことばなり

第七章

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されあいするもの我儕われらこの約束やくそくたれバにくれいすべてけがれさり自己みづからきよくしかみおそれて聖潔きよきことを成就じょうじゅすべし
爾曹なんぢらわれらを容納うけいれ我儕誰われらたれにも不義ふぎをなさずたれをもそこなハずたれをもかすめしことなし
われ如此かくいふハ爾曹なんぢらせめんとにあらそはわれすでいへごと爾曹恒なんぢらつね我儕われらこゝろありともしにともにいきんとおもへバなり
われ爾曹なんぢらしんずることおほいなりまたなんぢらによりほこりおほし我儕われらうくすべて患難なやみうちにもわれなぐさ滿みちよろこあまりあり
そはわれらマケドニヤいたれる時我儕ときわれらにくすこしもやすきことなく各様さまゞゝ患難なやみにあひそとにハあらそうちにハおそれありき
され心憂こゝろうれふものなぐさたまかみテトスいたるにより我儕われらなぐさたまへり
たゞ其至そのいたるによりのみならず爾曹なんぢら思慕したふところ又憂愁またうれふるところまたわれにむか爾曹なんぢら熱心ねっしんわれつぐるときかれみづか安慰なぐさめたる其安慰そのなぐさめ我儕われらなぐさたまへり是故このゆゑわれますゝゝよろこべり
われふみ爾曹なんぢらうれへしめしをさきにハくいたれどもいまくいそはわれ其書そのふみより爾曹なんぢらうれへしめしハ暫時しばらくあひだなりしをしりたれバなり
いまわがよろこぶは爾曹なんぢらうれへしめしによるあら爾曹なんぢらうれへ悔改くいあらたむることをしによりなりなんぢらかみしたがひてうれふるにより我儕われらすこしそこなハるゝことなし
それかみしたがうれへくいなきのすくひうる悔改くいあらためいたらしむされうれへいたらしむるなり
十一 爾曹なんぢらかみしたがひてうれへところこと爾曹なんぢら如何いかなる勉勵はげみまた自訴いひひらきまた忿恚いかりまた畏懼おそれまた戀慕したひまた熱心ねっしんまたつみせむこゝろしょうぜしや一切すべてなんぢら彼事かのことおいみづかきよきことをあらはせり
十二 われふみ爾曹なんぢらおくりしハ不義ふぎなしたるもののためにあら又不義またふぎうけたるもの
[千九百六十三]
のためにもあらたゞわれらが爾曹なんぢらためもつところの熱心ねっしんかみまへにて爾曹なんぢらあらはさんことをおもひてなり
十三 是故このゆゑ我儕安慰われらなぐさめたり我儕われら安慰なぐさめたるうへテトスよろこびより益 喜ますゝゝよろこべりそはテトスこゝろなんぢらもろゝゝより平安やすきたれバなり
十四 われ爾曹なんぢらことかれほこりしかどこれはぢとせず我儕われら爾曹なんぢらかたりことのみな眞實まことなりしごとテトスまへほこりこと亦眞實またまことなり
十五 かれ爾曹なんぢら衆人すべてのもの恐懼おそれ戦慄おののきおのれをむかへしたがひしことをおもひいだしますゝゝそのこゝろ爾曹なんぢらあいせり
十六 われすべてこと爾曹なんぢらゆだぬべきをしん是故このゆゑよろこべり

第八章

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兄弟きゃうだいわれマケドニヤ諸教會しょけうくわいたまはりしかみめぐみ爾曹なんぢらつぐ
すなはおほいなるなやみうちこゝろみうくるとき彼等かれらよろこはなはだしく亦大またおほいなる其貧そのひんかれらのをしみなくほどこところ富厚とみあらはせり
三 四 われこれをあかし彼等かれら聖徒せいとため施濟ほどこしともにせんことをせつもとみづかねがひ其力量そのちからしたがかつその力量ちからすぎほどこすことをせり
如此かくおこなひて我儕われらのぞみなししのみならずかみ意旨みこゝろしたが先己まづおのれしゅあたつぎ我儕われらあたへたり
是故このゆゑ我儕われらテトスさき爾曹なんぢらをして此恩このめぐみおこなハしむることはじめたれバいまこれを成就じょうじゅせんことをかれすゝ
なんぢら諸 事もろゝゝのことすなハち信仰しんかうことば知識ちしきすべて勉勵はげみおよび我儕われらむか愛心あいしんとめごと此恩このめぐみにもとむべし
われかくいふ爾曹なんぢらめいずるにあらされほか人勵ひとはげむによりてなりまたなんぢらのあいまことこゝろみんがためなり
爾曹なんぢらわれらのしゅイエス キリストめぐみしるかれハとめものなりしが爾曹なんぢらためまづしものとなれりこれなんぢらがかれ窮乏まづしきよりとめものとならんためなり
われ施濟ほどこしことについておもひしめせりこれなんぢらのえきなり蓋爾曹なんぢらひとさきだ此事このこと一年前いちねんまへおこなはじめしのみならず以前はやくよりこれおこなハんことをねがへるものなれバなり
十一 されいま
[千九百六十六]
なんぢら其作そのなすところを成遂なしとげ爾曹なんぢらあつねがひしごとく其所有そのしょゆうしたがひこれ成遂なしとぐべし
十二 もしひとねがふこゝろざしあらば其無そのなきところによら其有そのあるところにより納給うけたまふべし
十三 われほかひと安逸やすくして爾曹なんぢら困苦くるしめんとするにあら平均ひとしくせんことをおも爾曹なんぢらあまりあるを彼等かれらたらざるをおぎな
十四 またかれらのあまりあるを爾曹なんぢら不足たらざるおぎなひて平均ひとしくせんがためなり
十五 しるしておほあつむものあまりあらずすくなあつむものたらざることなしとあるごと


十六 爾曹なんぢらむか熱心ねっしんわれおなじテトスこゝろたまひしかみしゃ
十七 そはかれわがすゝめいれかつ熱心ねっしんなるものにしてみづかねがひ爾曹なんぢらゆけ
十八 またわれらかれとも一人ひとり兄弟きゃうだいつかはせり此人このひと福音ふくいんをもて諸教會しょけうくわいうち頌美ほまれたるものなり
十九 第此しかのみならず我儕われらしゅさかえ爾曹なんぢら熱心ねっしんあらはさんとて理掌つかさどるところの此餽物このめぐみたづさふるため諸教會しょけうくわいえらばれて我儕われらともゆくものなり
二十 我儕われらかれおくりしハ許多おほく餽物めぐみ掌理つかさどることによりつゝしみひとそしりうくることなからんためなり
二一
我儕われら如此かくするはしゅまへのみならずひとまへにもよからんことをはかるなり
二二 我儕われらまた一人ひとり兄弟きゃうだい彼等かれらともつかはせり我儕われらしバゝゝかれ多事おほくのこともちゐて其熱心そのねっしんなるをしるかれふか爾曹なんぢらしんずるにより今殊いまこと熱心ねっしんになれり
二三 テトスこといはかれ我儕われら伴侶ともなりまたわれととも爾曹なんぢらためつとむものなり二人ふたり兄弟等きゃうだいたちのことをいはかれ諸教會しょけうくわい使者つかひなりキリストさかえなり
二四 是故このゆゑ彼等かれら亦諸教會またしょけうくわいまへ爾曹なんぢらそのあい我儕われら爾曹なんぢらについてほこりしことのあかしとをあらはすべし


第九章

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聖徒せいとほどこことについてわれなんぢらに書遣かきおくるにおよば
そはわれ爾曹なんぢら熱心ねっしんしれバなりすなは爾曹なんぢらことマケドニヤびとほこりてアカヤ去年きょねんよりすでそなへをなせりといへかつなんぢらの熱心ねっしんおほくのひとはげませたり
され我儕われら爾曹なんぢらついほこりしことのむなしくならんことをおそいひごと
[千九百六十五]
爾曹なんぢらをしてそなへをなさしめんため兄弟等きゃうだいたちつかはせり
おそらくハマケドニヤびとわれとともきた爾曹なんぢらそなへせざるをんとき爾曹なんぢらハいふにおよば我儕われらまで此疑このうたがハずほこりしによりはぢうけ
是故このゆゑ我兄弟われきゃうだいすゝめまづなんぢらにゆかしめ彼等かれらをしてさき爾曹なんぢらつげところめぐみのことをあらかじめそなへしむるハかならなすべきことゝおもはるゝなりそはこの施濟ほどこしをしこゝろよりなさずめぐこゝろよりなさしめんとすればなり
それすくな播者まくものすくなかりおほく播者まくものおほかるべし
各人おのゝゝそのこゝろうちおもところしたがひてほどこすべしうれへなすべからず亦強またしひなすべからず蓋神そはかみよろこびてほどこしをするものをあいたまへバなり
かみ爾曹なんぢらをしてつねすべてものたらざることなくすべて善事よきわざおほおこなハしめんため諸恩すべてのめぐみおほ爾曹なんぢらあたうるなり
しるしてかれあまねほどこ亦貧者またまづしきものあたへたりそのたゞしきかぎりなくたもたんとあるがごと
播者まくものたねあたくひものためにパンをそなへたまふもの爾曹なんぢらたね繁衍ふやまたなんぢらの増給ましたまふべし
十一 なんぢら毎事ことゞゝとみたれバをしみなくほどこしおこなふことをうるなり是人これひとをして我儕われらよりかみ感謝かんしゃせしむ
十二 そはこの施濟ほどこしのことたゞ聖徒せいとともしきおぎなふのみならず推擴おしひろあまたひとをして[1]かみ感謝かんしゃせしむるにいたれバなり
十三 彼等かれら此施このほどこし證據しょうこにより爾曹なんぢら言現いひあらはしてキリスト福音ふくいんしたがふことゝをしみなく彼等かれらおよびすべてひとほどこしすることをしり
十四 またかみ爾曹なんぢらたまひし厚恩あつきめぐみより爾曹なんぢらした爾曹なんぢらためいのりさかえかみ
十五 その言盡いひつくされぬかみ賜物たまものより我神われかみ感謝かんしゃするなり


  1. 「命と平和の契約となった、…真実の律法が彼の口にあった、、彼が咎(とが)から立ち返らせた人は多かった…祭司の唇は知識を保つべきものであり、律法は、民が彼の口に求める…、彼は万軍の[神]エホバの使者だからである、……」新世訳、聖句。マラキ2:5-7!!

第十章

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われパウロすなは爾曹なんぢらうちあり爾曹なんぢらかほ覿あはするときハ謙卑へりくだりなんぢらをはなるゝときハ勇敢者いさましきものいまキリスト柔和にゅうわ寛容くわんよう爾曹なんぢらすゝ
我儕われらにくしたがひてあるくおもものありわれかくのごとひとあしらふにハ勇敢いまさしくせんとおもへりたゞねがふところたゞねがふところ爾曹なんぢらあふときかくごと勇敢いさましくせざらんこと
[千九百六十九]
なり
我儕われらにくありあるけどもにくしたがひてたゝかハず
それわれらがたゝかひうつはにくぞくするものあら營壘とりでやぶるほどかみよりちからあり
我儕われらかみをしへさからひてたてたるところすべてやぐらろんくづすべて意思おもひとりこにしてキリストしたがハしむ
われなんぢらがまったしたがハんときすべて違逆者もとるものばつせんとすで其備そのそなへをなせり


爾曹なんぢらかたちのみをみるひとみづからキリストつけるものとしんぜば復自またみづかこれおもふべしおのれキリストつけごと我等われらキリストつけものなりと
しゅ我儕われらたまひしところ權威けんゐすなハち爾曹なんぢらやぶためにあらずたてためたまひしものについて愈々誇いよゝゝほこるとも我愧われはぢなさ
われこれをいふふみ爾曹なんぢらおそれしむるごとみえざらんためなり
そはかれらのことば其書そのふみおもくかつきびし其會そのあへるときのかたちよわ其言そのことばいやしいへばなり
十一 かくごとひとこれをおもふべし我儕われら暌違はなれをるときのふみことばきびしきがごとあふときにおこなことまたかくのごとくならん
十二 みづかほむものあり我儕敢われらあへこれならびこれとくらぶることをせずされ彼等かれらみづからたがひはかりみづからたがひくらぶればなきものなり
十三 我儕われらはかりこえほこらず惟神たゞかみわれらに頒給わかちたまひしところのりはかりしたが我儕われらこのはかりしたがひて爾曹なんぢらにまでいたれり
十四
我儕われら爾曹なんぢらいたるべからずものごとみづかはかりこえ爾曹なんぢらおよべるにあらそはキリスト福音ふくいんつたへすで爾曹なんぢらにまでいたればなり
十五 我儕われらはかりこえほかひと功勞はたらきほこらずたゞなんぢらが信仰しんかういよいよあつくなり我儕われらはかりなんぢらのうちありさらおほいならんことのぞ
十六 これわれらほかひとはかりよりすでそなはれるものをほこらず爾曹なんぢらこえほかところ福音ふくいんつたへんがためなり
十七 ほこものしゅほこるべし
十八 そはみづからほむるにあらずしてしゅほむるものよしせらるればなり


第十一章

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ねがはくは爾曹なんぢらすこしくいれ爾曹なんぢらもとよりわれいるものなり
われかみ熱心ねっしんごと
[千九百六十七]
熱心ねっしんをもて爾曹なんぢらおもわれなんぢらを一人ひとりおっと聘定いいなづけせりこれなんぢらをきよむすめとしてキリストさゝげんとするなり
へび詭詐あしきたくみエバまどはされしごと爾曹なんぢら心壞こゝろそこなハれてキリストむかふの誠實まことはなれこと我儕懼われらおそ
もしひときたりて我儕われらいまのべざるほかイエスのべんに爾曹なんぢらあるひハいまのべざるほかれいをうけあるひいまうけざるほか福音ふくいんうくるときハ爾曹能なんぢらよくこれをいれ
われ何事なにごとにももっとたいなる使徒等しとたちおとらずとおもふなり
われことばつたなけれども知識ちしきしからず我儕われらことすべてことについて爾曹なんぢら顯明あきらかなり
われ爾曹なんぢらたかくせんがためみづかへりくだりてあたひなしにかみ福音ふくいん爾曹なんぢらつたへしハつみをかしたる
われほか教會けうくわいよりうばひて給料きゅうりょうとりなんぢらのためつとめたり
またわれ爾曹なんぢらうちありともしかりしときたれをもわづらはせざりきそはマケドニヤよりきたりし兄弟きゃうだいわがともしところおぎなひたればなりすべてのことおいわれみづからまもり爾曹なんぢらわづらはせざりきなほみづからまもらんとす
われあるキリストまことしたがひてわれいふわがこのほこところのことをアカヤにてとゞむものあらじ
十一 これ何故なにゆゑぞや爾曹なんぢらあいせざるによる神知かみしりたまへり
十二 われをりもとむものをりたゝんためにおこなところをなほおこなハんとす是彼等これかれらをして其誇そのほこるところ我儕われらおなじからしめんためなり
十三 かのともがらいつはり使徒しとまた詭譎いつはりおこなものにしてキリスト使徒しとかたちへんじたるものなり
十四 これめづらしきことあらサタンみづか光明ひかり使つかひかたちへんずるなり
十五 是故このゆゑかれ役者つかへびとたとひ役者つかへびとかたちへんずるともおほいなることあら彼等かれらをはりかならずそのなすところにかなふべし
十六 またいふひとわれをおもなかしからずば爾曹なんぢらわれをなるものとして受納うけいれこれわれもすこしくほこらんためなり
十七 わがいふところハしゅしたがひていふあらなるものごとはゞからずほこりいふなり
十八 おほくの人肉ひとにくよりほこればわれ亦誇またほこるべし
十九 そは爾曹なんぢら
[千九百六十八]
ものにしてよろこびてなるものいるればなり
二十 ひともし爾曹なんぢら奴隷どれいとしひともし爾曹なんぢらくらひともし爾曹なんぢらかすひともし爾曹なんぢらたかぶひともし爾曹なんぢらかほうつとも爾曹なんぢらこれをいるるなり
二一 われはぢいふわれらハ懦弱者よわきものごとくなりきされひとつよところにはわれ亦強またつよし(わが如此かくいふハおろかなるがごとし)
二二 彼等かれらヘブルびとなるかわれしか彼等かれらイスラエルひとなるかわれしか彼等かれらアブラハムすゑなるわれもしか
二三 彼等かれらキリスト役者つかへびとなるかわれこれまされり(わが如此かくいふハくるへものごとし)われ勞苦ほねをりしこと彼等かれらよりおほむちうたれしこと彼等かれらよりおびたゞしくひとやれらるゝことおほあふことしばゝゝなり
二四 またわれハ五次いつたびユダヤびと四十しじふひとつげんじたるむちうけ
二五 たびえだにてうた一次石ひとたびいしにてうたたび破船はせんにあひ一晝夜いっちゅうやうみにあり
二六 またしバゝゝ旅路たびぢかつかはなん盗賊たうぞくなん同族どうぞくなん異邦人いはうじんなん城裏まちのうちなんうちなん海中かいちうなんいつはり兄弟きゃうだいうちなんあへ
二七 また彼等かれらまさり勞苦ほねをりつかれ屢 寢しばゝゞねぶら飢渇うゑかわきしバゝゝしょく凍 裸こゞえはだかなりしなり
二八 こゝいはざるほかことありて日々我ひゞわれせますなはすべて教會けうくわい憂 慮おもんぱかりなり
二九 たれよわり我弱われよわらざらんやたれつまづき心熱こゝろねっせざらん
三十 もしわれかならずほこるべくバよわきことをほこるべし
三一 永遠頌かぎりなくほむべき神主かみしゅイエス キリストちゝわがいつはらざるをしりたまふ
三二 ダマスコおいアレタわうつけ邑宰まちづかさわれをとらへんとしてダマスコびとまちまもれり
三三 われかごまどより石垣いしがきにそひ縋下つりおろされてかれまぬかれたり

第十二章

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わがほこりもとよりえきなしいましゅ顯現けんげん黙示もくしおよバん
われキリストにある一人ひとりのものをしれ此人十四年前このひとじゅうよねんぜんたづさへられて第三だいさんてんいたる(あるひ肉體にくたいありしかわれしらずあるひ肉體にくたいほかありしかわれしらず神知かみしりたまふ)
われこのひとる(かれあるひ肉體にくたいありしかあるひ肉體にくたいほかありしかしら
[千九百六十九]
かみしりたまふ)
かれたずさへられて樂園パラダイスいたいふべからざる言即ことばすなはひとかたるまじきことばきけ
われかくのごとひとためほこるべしよわきことのほかみづかほこらず
われもしみづかほこらんとするともおろかなるものとならず蓋眞そはまこといへバなりしかれどもひとわれみるところあるひわれきくところにすぎわれはからんことをおそるゝによりほこることをとゞむべし
またたまはりしあまた默示もくしよりたかぶることなからんためひとつとげ肉體にくたいあたすなはたかぶることなからんためわれうつサタン使者つかひなり
われこれがため三次主みたびしゅこれわれよりさらんことをもとめたり
われ言給いひたまひけるハめぐみなんぢにたれそはわがちからよわきおいまったくなれバなりこのゆゑむしよろこびて自己みづからよわきほこらんこれキリストちからわれにやどらんためなり
これよりわれキリストため懦弱よわき凌辱はずかしめ空乏ともしき迫害せめ患難なやみあふたのしみとせりそはわれよわときつよければなり
十一 われほこるによりおろかなるものとなれり爾曹なんぢらわれをしひ如此かくなせりそはわれとるたらざるものなれどもすべてこともっともだいなる使徒しとおとらずもとより爾曹なんぢらほめらるべきものなれバなり
十二 われ休徴しるし奇跡ふしぎなるわざ妙用ちからあるわざをもて爾曹なんぢらうちおほしのびて使徒しとしるしをなせり
十三 爾曹なんぢらわづらハせざることほか爾曹他なんぢらほか教會けうくわいなにおとところかあるねがはくはわがこの不義ふぎゆる
十四 われ今第三次いまみたびめなんぢらにいたらんとてそなへせりまたなんぢらをわづらハせざらんとすそはわれ爾曹なんぢら所有ものもとめずたゞなんぢらをもとむれバなりそれおやためたくはふべきものあらおやためたくはふべきものなり
十五 われいよゝゝ爾曹なんぢらあいすればいよゝゝ爾曹なんぢらあいせられずされよろこびて爾曹なんぢら霊魂たましひためざいついやつくすべし
十六
され或人言あるひといはわがなんぢらをわづらはせざるハたくみなるものなるにより詭計いつはり爾曹なんぢら牢籠とりこむるなりと
十七
われ爾曹なんぢらつかはしゝものうちたれよりしや
十八 われこひテトス爾曹なんぢらつかはまた
[千九百七十]
れととも我儕われら兄弟きゃうだいをもつかはせりテトス爾曹なんぢらよりわれら同心おなじこゝろにてあゆまざりしや同跡おなじあとあゆまざりし


十九 爾曹なんぢらまた我儕われらみづから爾曹なんぢらいひわけするとおもふやわれキリストありかみまへにいふあいするもの我儕われらおこなところ皆爾曹みななんぢらとくたてためなり
二十 わがいたらんときわれ爾曹なんぢらみるおもひごとくならず爾曹なんぢらわれみるにも爾曹なんぢらおもひごとくならざらんことをおそるまた爭鬪あらそひ娼嫉ねたみ忿怒いかりあらそわかるること、毀謗そしり讒言ざんげん驕衿たかぶり混亂さわぎなどのあらんことをおそ
二一 またわがふたゝいたらんときわが神我かみわれをして爾曹なんぢらうちはぢしめたまハんことをおそるまたわれおほくのひとつみをかし其行そのおこなひしところ汚穢けがれ姦淫かんいん放肆はうしなどのこと悔改くいあらためざるをうれへんことをおそ


第十三章

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われいま第三次みたびめなんぢらにいたらん二人ふたりあるひハ三人さんにん證人あかしびとくちよりすべて事定ことさだまるべし
われさきに爾曹なんぢらつげたり我第二次われふたゝびめなんぢらに覿あひしときかたりしごとつみをかしゝもの其餘そのほか人々ひとゞゝいままたあらかじめ暌違はなれをりつぐわれまたいたらばかならゆるさじ
これなんぢらキリストわれありかたあかしもとむるによりてなりかれ爾曹なんぢらむかひよわからず爾曹なんぢらうちつよきなり
かれよわきより十字架じふじかつけられたれどかみちからよりいきたり我儕われらかれあり弱者よわきものなれど爾曹なんぢらむかかみちからよりかれともいき
なんぢら信仰しんかうをるいなみづかかへりみづかこゝろむべし爾曹なんぢらもしすてらるゝものならずバイエス キリスト爾曹なんぢらうちにありこれみづかしらざらん
われらすてらるゝものあらざるを爾曹知なんぢらしらんことをわれのぞむ
我儕われらなんぢらがすこしあくおこなハざらんことをかみねがこれわれらのなることをあらはすにあら我儕棄われらすてらるゝものごとみゆるも爾曹なんぢらぜんおこなハんことをねがふなり
そはわれら眞理まことさからひてちからなし眞理まことしたがひてちからあれバなり
われらよわくして爾曹強なんぢらつよきときハ我喜われよろこ我儕願われらねがところ爾曹なんぢらまったくならん
[千九百七十一]
ことなり
是故このゆゑ我暌違われはなれてあるときこれ書遣かきおくこれなんぢらに覿あはんときしゅわれたまひし權威けんゐすなハちやぶためあらたつためたまひしものしたがひてきびし爾曹なんぢらあしらふことなからんためなり
十一 此外このほかまたいは兄弟きゃうだい爾曹喜なんぢらよろこ且全かつまったくなり且慰かつなぐさ且心かつこゝろおなじうし且和睦かつやはらぐことをせよしからバあい平安へいあんかみなんぢらとともあら
十二 なんぢらきよ接吻くちつけをもてたがひ相問あひとふべし
十三 すべて聖徒せいとなんぢらにやすきとへ
十四 ねがはくはしゅイエス キリストめぐみかみあい聖靈せいれい交際まじはりなんぢらすべてともあらんことをアメン



新約全書哥林多後書 終