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日用文字便覽/國訓便覽

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國訓便覽

（括弧（くわつこ）中（ちゆう）に記（しる）せるは漢字（かんじ）の原義（げんぎ）） 國訓（こくくん）は、我（わ）が國（くに）で、漢字（かんじ）の意義（いぎ）を引（ひ）き伸（の）べて轉用（てんよう）したり、種類（しゆるゐ）や字體（じたい）の類似（るゐじ）から誤用（ごよう）したり、全（まつた）く漢字（かんじ）の原義（げんぎ）に頓著（とんぢやく）なく使用（しよう）したもので、中（なか）には、隨分（ずゐぶん）不穩當（ふをんたう）なものもあるが、慣用（くわんよう）久（ひさ）しくして、今更（いまさら）改（あらた）めることの出來（でき）ぬものである。

二畫

厂
かり。がん。（きし。いは。）
丁
ちやう。偶數（ぐうすう）。町（ちやう）。書物（しよもつ）の紙（かみ）を數（かぞ）へるに用（もち）ひる字（じ）。（壯丁（さうてい）。ひのと。）

三畫

丸
まる。圓形（ゑんけい）。全形（ぜんけい）。城（しろ）の郭內（くわくない）の稱（しよう）。本丸（ほんまる）・二の丸（まる）の類（るゐ）。人物（じんぶつ）・船舶（せんぱく）・器具（きぐ）等（とう）の名（な）に添（そ）へて用（もち）ひる字（じ）。牛若丸（うしわかまる）・八幡丸（はちまんまる）・雲切丸（くもきりまる）の類（るゐ）。（たま。）

四畫

勻〔ママ〕
にほふ。かをり。（ひとし。ととのふ。）
尤
もつとも。（とがむ。すぐる。）
反
たん。田畠（でんぱた）布帛（ふはく）等（など）を計（はか）る名（な）。（そむく。）

五畫

立
リツトル。（たつ。）
平
ひらに。（たひらか。）
半
はん。奇數（きすう）。（なかば。）
仕
つかまつる。（つかふ。）
叭
あくび。（こゑ。）
叶
かなふ。成（な）る、能（よ）くす。（協（けふ）に同（おな）じ。）
丼
どんぶり。（井中（せいちぃゆう）に物（もの）の落（お）つる聲（こゑ）。）
瓦
グラム。（かはら。）

六畫

企
くはだつ。事（こと）を爲（な）し始（はじ）む。（踵（くびす）を擧（あ）げて立（た）つ。つまだつ。）
安
やすし。物價（ぶつか）の廉（れん）なること。（安泰（あんたい）。）
存
ぞんず。思（おも）ふ、知（し）るなどの意（い）で、存意（ぞんい）・存念（ぞんねん）・存分（ぞんぶん）・愚存（ぐそん）〔ママ〕などと用（もち）ひる。存在（そんざい）。）
扠
さて。（さす。はさむ。）
吋
インチ。（しかる。）

七畫

串
くし。（つらぬく。）
床
とこ。ゆかし。床（とこ）の間（ま）の略（りやく）。疊（たたみ）の心（しん）。車（くるま）の屋形（やかた）。理髪床（りはつどこ）の略（りやく）。室床（むろどこ）の略（りやく）。（ゆか。）
伽
とぎ。（梵語（ぼんご）のカ・ガの音（おん）をあらはすに用（もち）ひる字（じ）。）
忍
しのぶ。思（おも）ひ慕（した）ふ。ひそかにかくれる。草（くさ）の名（な）。（こらふ。たふ。）
沖
おき。（湧（わ）く。深（ふか）し。）
呆
あきる。（おろか。癡呆（ちほう）。）
抔
など。（手（て）で物（もの）をすくふ。）
吳
くる。くれる。（國名（こくめい）。）
私
わたくし。わたし。自家（じか）の謙稱（けんしよう）。（公（こう）の反對（はんたい）。）
辿
たどる。尋（たづ）ね迷（まよ）ふ。心（こころ）を籠（こ）めて考（かんが）へる。（緩（ゆる）く步（あゆ）む。）
扱
あつかふ。（收（をさ）む。）
杜
もり。（ふさぐ。）
作
さく。裝飾（さうしよく）、體裁（ていさい）、耕作（かうさく）のみのり。（つくる。）
佗
わぶ。侘（た）をも用（もち）ひる。（ほか。他（た）に同（おな）じ。）
折
をり。場合（ばあひ）、機會（きくわい）。へぎを折（を）り曲（ま）げて作（つく）つた匣（はこ）。（をる。）
忰
せがれ。倅（さい）の字（じ）の誤（あやまり）。（憔悴（せうすゐ）と熟（じゆく）する字（じ）で、やつる、おとろふ。）

八畫

社
やしろ。（土地（とち）の神（かみ）。）
亞
アール。（つぐ。）
坪
つぼ。（平地（へいち）。）
咄
はなし。（しかる。しかる聲（こゑ）。）
芝
しば。（くさびら。靈芝（れいし）。）
侘
わぶ。（おごる。ほこる。）
戾
もどる。もどす。（そむく。）
門
もん。大砲（たいはう）を數（かぞ）へるに用（もち）ひる。（入口（いりくち）。）
帖
でふ。折本（をりほん）、折手本（をりでほん）、紙（かみ）の枚數（まいす）。（布帛（ふはく）に字（じ）を書（か）いたもの。）
屆
とどく。申（まを）し上（あ）げる。（とどく。及（およ）ぶ、いたる。）
返
かへし。かへり。返歌（へんか）、手紙（てがみ）の返事（へんじ）。漢文訓讀（かんぶんくんどく）の符號（ふごう）。（かへる。）
杭
くひ（ふね。いかだ。）
卸
おろし。問屋（とひや）から商品（しやうひん）を受賣人（うけうりにん）に渡（わた）して賣（う）らせること。（おろす。ぬぐ。）
宛
あて。づつ。（あたかも。かがむ。）
和
わ。種々しゆじゆの事物（じぶつ）に冠（かむ）らせて日本（にほん）の義（ぎ）に用（もち）ひる。（やはらぐ。）

九畫

柏
かしは。槲（かしは）。（ひのき。）
砌
みぎり。時（とき）、折柄（をりから）（みぎり。いしだたみ。）
拵
こしらふ。こしらへ。（据（すゑ）る。）
若
わかし。弱（じやく）の字（じ）と同音（どうおん）であるので借（か）りて用（もち）ひる。（汝（なんぢ）。もし。）
柄
がら。身分（みぶん）。性質（せいしつ）。（器物（きぶつ）の把手（とつて）。え。）
挊
かせぐ。（もてあそぶ。）

十畫

倩
つらつら。（うるはし。）
唄
うた。（梵唄（ぼんばい）。佛德（ぶつとく）をほめるうた。）
俵
たはら。（散（ち）る。分（わか）つ。）
哢
あざける。なぶる。（さへづる。）
併
しかし。（あはす。）
䖣
たこ。（のみ。蚤（のみ）。）
倥
ぬかる。（いそがし。）
哩
マイル。わい。（助語（じよご）。）
差
さす。さし。（たがふ。）
能
のう。謠曲（えうきよく）にあはせて演（えん）ずる舞樂（ぶがく）の名（な）。（よくす。）
捌
さばく。（わかつ。）
徒
いたづら。惡戲（あくぎ）、私通（しつう）。（ただ。いたづらに。）
株
かぶ。株劵（かぶけん）。營業權（えいげふけん）。家格（かかく）名跡（めいせき）。おきまり。（木（き）の根幹（こんかん）。）
捗
はかどる。（收（をさ）む。）
胴
どう。（大腸（だいちやう）。）
荒
ある。あらし。騒亂（さうらん）。粗暴（そばう）。（ある。荒廢（くわうはい）。）
紋
もん。家々いへいへの定（さだ）めの徽章（きしやう）（模樣（もやう）。）
粉
デシメーメル。一メートルの十分（ぶん）の一。（こ。）

十一畫

偖
さて（さけひらく。撦の訛（くわ）。）
這
はふ。（迎（むか）ふ。）
悴
せがれ。（忰（せがれ）と同（おな）じ。）
淋
さびし。（そそぐ。）
梶
かぢ。（こずゑ。）
掟
おきて。（揮（ふる）ひ張（は）る。）
𧉣
たまむし。（一種（しゆ）の蟲（むし）の名（な）。）
尉
じよう。（おさふ。うかがふ。）
掛
かゝり。受持（うけもち）。費用（ひよう）。（かく。）
陸
ろく。面形（めんけい）の正（ただ）しく整（ととの）へること。（りく。くが。）
崎
さき。（けはし。岸（きし）。）
荵
しのぶぐさ。（にんどう。葱冬（にんどう）。）
偲
しのぶ。（つとむ。）
蚫
あはび。（不詳（ふしやう）。）
笧
しがらみ。（册（さく）又（また）は策（さく）に同（おな）じ。）
据
すう。（もつ。よる。）
笯
ど。竹（たけ）で作（つく）つて鰻（うなぎ）・鰌（どぢやう）などを捕（とら）へる具（ぐ）。（鳥（とり）かご。）
娵
よめ。（星宿（せいしゆく）の名（な）。）
寄
よる。集合（しふがふ）。途中（とちゆう）の訪問（はうもん）。（よる。よす。わが身（み）をよせること。）
組
くむ。徒黨（とたう）。仲間（なかま）。（くみひも。くむ。）
健
したたか。（たけし。すこやか。）

十二畫

番
ばん。雜用（ざつよう）の粗品（そひん）に被（かぶ）らす字（じ）で、番茶（ばんちや）。番傘（ばんがさ）。等級（とうきふ）順序（じゆんじよ）を示（しめ）す字（じ）で、一番（ばん）二番（ばん）。つがふ。組合（くみあ）ふ。（かはる〴〵。）
菅
すげ。（かや。）
茸
きのこ。たけ。（しげし。）
揃
そろふ。（きる。わかつ。）
「晴」
はる。はらす。はれ。思（おもひ）の解（と）け開（ひら）くこと。多勢（たぜい）の中（うち）でおもてだつこと。（はる。靑天（せいてん）。）
揉
もめ。不和（ふわ）。混雜（こんざつ）。（もむ。）
犇
ひしめく。（はしる。奔（ほん）に同（おな）じ。）
貰
もらふ。（代價（だいか）を借（か）る。）
渡
わたらひ。生計（せいけい）。わたり。舶來（はくらい）（わたる。）
森
もり。（木（き）の多（おほ）き貌（かたち）。）
筈
はず。當然（たうぜん）の意（い）。（はず。弦（つる）を受（う）ける矢（や）の末端（まつたん）。）
嵐
あらし。（山氣（さんき）。）
筒
つつ。鐵砲（てつぱう）。井戶側（ゐどがた）〔ママ〕（つつ。くだ。）
貼
てふ。藥（くすり）の包（つつみ）を數（かぞ）へるに用（もち）ひる字（じ）。（つく。）
給
たまふ。（あてがふ。）
割
わり。わり前（まへ）。十分（ぶん）の一。（さく。）

十三畫

賄
まかなふ。（たから。財貨（ざいくわ）。）
詰
つむ。つまり。（せむ。なじる。）
椿
つばき。（年壽（ねんじゆ）最（もつと）も長（なが）しと稱（しよう）する一種（しゆ）の靈木（れいぼく）。）
椹
さはら。（桑（くは）の實（み）。）
蛸
たこ。（あしたかぐも。）
嵩
かさ。（山（やま）の名（な）、五嶽（がく）の一。）
極
きまり。（きはまる。きはむ。）
楠
くす。（ゆづりは。）
腟
ちつ。女子（ぢよし）の陰門（いんもん）。（肉（にく）生（しやう）ず。）
遉
さすがに。（偵（てい）に同（おな）じ。うかがふ。さぐる。）
殿
との。どの。貴人（きじん）の尊稱（そんしよう）。他（た）の姓名（せいめい）に添（そ）へて敬（うやま）ひ呼（よ）ぶに用（もち）ひる字（じ）。（莊嚴（さうどん）〔ママ〕なる堂屋（だうをく）。）
萩
はぎ。（よもぎ。）
詫
わび。わぶ。謝罪（しやざい）。（あざむく。ほこる。）
溜
たまる。ため。（したたる。）
鉢
はち。（僧家（そうか）の食器（しよくき）。）
誂
あつらふ。（いざなふ。）
預
あづかる。あづく。他（た）の物（もの）を我（われ）〔ママ〕が保管（ほくわん）し、又（また）我（わ）が物（もの）を他（た）に保管（ほくわん）させること。（あづかる。かかはる。參與（さんよ）する。）

十四畫

摺
する。（ひだ。やぶる。）
摑
つかむ。（うつ。）
漢
かん。から。あや。種々しゆじゆの事物（じぶつ）の上（うへ）に冠（かぶ）らせて、支那（しな）の義（ぎ）に用（もち）せる〔ママ〕字（じ）。支那（しな）上代（じやうだい）の國號（こくがう）。）
槇
まき。（こずゑ。）
榎
えのき。（ひさぎ。）
𧌊
たひらぎ。一種（しゆ）の介蟲（かいちゆう）。（はたおり。蟹（かに）の鹽漬（しほづけ）。）
蜷
にな。みな。一種（しゆ）の介蟲（かいちゆう）。（蟲（むし）の屈曲（くつきよく）して行（ゆ）く貌（かたち）。）
𩵔
はえ。はや。（すなふき。鮀（た）に同（おな）じ。）
態
わざわざ。（かたち。）
認
したたむ。（みとむ。）
嘘
うそ。（ふく。氣（き）を緩（ゆる）く出（だ）す。）
駄
だ。事物（じぶつ）の上（うへ）に冠（くわん）して劣等（れつとう）の義（ぎ）を示（しめ）にす。駄菓子（だぐわし）、駄作（ださく）、駄洒落（だしやれ）〔ママ〕の類（るゐ）。（本字（ほんじ）は馱（だ）で、馬（うま）が荷物（にもつ）を負（お）ふ貌（かたち）。）

十五畫

調
しらぶ。點檢（てんけん）。吟味（ぎんみ）。（とゝのふ。聲音（せいおん）の和合（わがふ）すること。）
樛
つき。（枝（えだ）が下（さが）り曲（まが）ること。）
樣
さま。人（ひと）の姓名（せいめい）の下（した）に添（そ）へて敬（うやま）ひ呼（よ）ぶに用（もち）ひる字（じ）。（かたち。もやう。）
樋
ひ。とひ。（一種（しゆ）の木（き）。）
熨
のし。のしあはび。うちあはび。（ひのし。あたたむ。）
潟
かた。（そそぐ。）
稼
かせぐ。（植（う）う。禾穀（くわこく）のよくみのりし實（み）。）
嘸
さぞ。（應答（おうたふ）の明（あきらか）ならぬ貌（かたち）。）
噇
どつと。多人數（たにんずう）が一時（じ）に高（たか）く聲（こゑ）を出（だ）すさま。（むさぼり食（く）ふ貌（かたち）。）
暮
くらす。くらし。日（ひ）を送（おく）る。活計（くわつけい）。（くる。ひぐれ。）
髱
たぼ。つと。（鬚（ひげ）多（おほ）き貌（かたち）。）
魥
こち。ほしうを。（枯魚（こぎよ）。）
魳
かます。（鰤（ぶり）に同（おな）じ。一種（しゆ）の毒魚（どくぎよ）。）

十六畫

澳
おき。沖（おき）に同（おな）じ。（ふかし。）
㯝
ひひらぎ。（きり。）
儚
はかなし。（くらし。）
擋
とても。（おほひかくす。）
澪
みを。みよ。（川（かは）の名〔ママ〕。）
積
つもる。つもり。心算（しんさん）。豫算（よさん）。（つつむ。つもる。累（かさ）ぬ。聚（あつ）む。）
𤹠
しやく。（瘠（や）す。）
膳
ぜん。（そなふ。くらふ。）
錆
さび。（くはし。）
鋺
かなまり。わん。（鋤（すき）の頭（あたま）の曲（まが）つた鐵（てつ）。）
錧
たたら。ふいがうの大（だい）なるもの。（くさび。車（くるま）の具（ぐ）。）
縞
しま。（ねり絹（ぎぬ）。しろ絹（ぎぬ）。）
鮎
あゆ。香魚（かうぎよ）。（なまづ。）

十七畫

薄
すすき。（くさむら。）
嚊
かかあ。（鼻（はな）いき。）
檜
ひのき。（びやくしん。柏心（びやくしん）。）
磯
いそ。（かはら。）
縮
ちぢみ。織物（おりもの）の名（な）。（ちぢむ。）
戴
いただく。謹（つつし）んでもらひ受（う）ける。（いただく。頭上（つじやう）に物（もの）を載（の）せること。）
鍍
くさり。（かざる。きせ。）
鍔
つば。（刀（かたな）の刃（は）。）
霞
かすみ。（朝（あさ）やけ。夕（ゆふ）やけ。）
餅
もち。（麫（むぎのこ）をこね合（あは）せて作（つく）りたる食物（しよくもつ））
𩶧
かます。魳（かます）に同（おな）じ。（不詳（ふしやう）。）
鮬
せいご。（たなご。）
鮠
はえ。はや。𩵔（はえ）に同（おな）じ。（こなまづ。）
鮭
さけ。（ふぐ。）

十八畫

儲
まうく。利益（りえき）を得（え）ること。（まうく。ま設（まう）け備（そな）へること。）
擽
こそぐる。（うつ。）
鵜
鸕鷀（う）。（伽藍鳥（がらんてう）。ペリカン。）
鵊
ほほじろ。（ほととぎす。）
礑
はたと。物音（ものおと）。事（こと）の行（ゆ）きつまるさま。にらみつけるさま。（底（そこ）。）
鎬
しのぎ。（なべ。）
鮹
たこ。䖣（さう）に同（おな）じ。（一種（しゆ）の魚（うを）。）
𩷕
あぢ。（𩷕䱺（らうがい）は雄蟹（をがに）。）

十九畫

瀧
たき。（雨（あめ）の降（ふ）るさま。はやせ。）
瀞
とろ。河水（かすゐ）の波（なみ）の穩（おだやか）なこと。（きよし。）
壜
びん。（さかがめ。）
藪
やぶ。（大澤（だいたく）。）
鯡
にしん。（魚（うを）の子（こ）。）
鯛
たひ。（一種（しゆ）の魚（うを）。）
鵺
ぬえ。（雉（きじ）に似（に）た鳥（とり）。）
鵼
ぬえ。鵺（ぬえ）に同（おな）じ。（一種（しゆ）の怪鳥（くわいてう）。）
襠
まち。衣服（いふく）や袴（はかま）などの幅（はば）の足（た）らぬ處（ところ）に添（そ）へるきれ。（したももひき。）
襖
ふすま。唐紙（からかみ）。（うはぎ。）

二十畫

鯷
ひしこいわし。鰯（いわし）に似（に）て小（せう）なるもの。（なまづ。）
鯣
するめ。（あかうなぎ。）
鰒
ふぐ。（あはび。）
鰆
さはら。（海魚（かいぎよ）の一種（しゆ）。）
鰍
かじか。ごり。いなだ。（どぢやう。）
鐚
びた。金質（きんしつ）不良（ふりやう）のぜに。（しころ。）
觸
ふる。廣（ひろ）く告（つ）げ知（し）らす。（さはる。をかす。）
露
つゆ。少（すこ）しもの意（い）。（つゆ。）

廿一畫

鐺
こじり。（釜（かま）の類（るゐ）。）
鰢
つくら。いなの小（せう）なるもの。（うみえび。）
鰤
ぶり。（老魚（らうぎよ）。一種（しゆ）の毒魚（どくぎよ）。）
鶸
ひわ。（たうまる。鶤（うん）。）
鶯
うぐひす。（高麗（かうらい）うぐひす。）
櫻
さくら。（ゆすらうめ。櫻桃（あうたう）。）

廿二畫

轡
くつわ。（たづな。）
灘
なだ。（はやせ。）
疊
たたみ。（たたむ。かさなる。）
鰺
あぢ。𩷕（らう）に同（おな）じ。（なまぐさし。）
鰹
かつを。松魚（かつを）。（一種（しゆ）の魚（うを）。）
䱾
せいご。鮬に同（おな）じ。（こひ。にしん。）

廿三畫

鱓
ごまめ。（うみへび。）

廿六畫

鱶
ふか。（ひもの。ほしうを。）


日用文字便覽終

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