日滿華共同宣言

朕樞密顧問ノ諮詢ヲ經テ裁可シ昭和十五年十一月三十日南京ニ於テ帝國全權委員ガ關係各國全權委員ト共ニ名調印シタル日滿華共同宣言ヲ茲ニ公布セシム

御名御璽

昭和十五年十二月二日

内閣總理大 臣   近 衞 文 麿

陸 軍 大 臣   東 條 英 機

外 務 大 臣   松 岡 洋 右

大 藏 大 臣   河 田 烈

海 軍 大 臣   及 川 古志郎

條約第十一號

日滿華共同宣言


大日本帝國政府

滿洲帝國政府及

中華民國國民政府ヘ

三國相互ニ其ノ本然ノ特質ヲ尊重シ東亞ニ於テ道義ニ基ク新秩序ヲ建設スルノ共同ノ理想ノ下ニ善隣トシテ緊密ニ相提携シ以テ東亞ニ於ケル恒久的平和ノ樞軸ヲ形成シ之ヲ核心トシテ世界全般ノ平和ニ貢獻センコトヲ希望シ左ノ通宣言ス

日本國、滿洲國及中華民國ハ相互ニ其ノ主權及領土ヲ尊重ス
日本國、滿洲國及中華民國ハ互惠ヲ基調トスル三國間ノ一般提携就中善隣友好、共同防共、經濟提携ノ實ヲ擧グベク之ガ爲各般ニ亙リ必要ナル一切ノ手段ヲ講ズ
日本國、滿洲國及中華民國ハ本宣言ノ趣旨ニ基キ速ニ約定ヲ締結ス

昭和十五年十一月三十日卽チ康德七年十一月三十日、中華民國二十九年十一月三十日南京ニ於テ

大 日 本 帝 國 特命 全權 大使 阿部 信行 (印)
滿 洲 帝 國 參議 臧 式 毅 (印)
中華民國國民政府 行政院 院長 汪 兆 銘 (印)


この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。