『中等教育唱歌集』(1907年) 編集

旅愁犬童球渓

(一)く秋の、 たびそらの、
わびしきおもひに、 ひとりなやむ。
戀しやふるさと、 なつかし父母ちゝはゝ
夢路ゆめぢにたどるは、 故郷の家路いへぢ
更けあきたびそらの、
わびしきおもひに、ひとりなやむ。

(二)窓うつ嵐に、 夢もやぶれ、
はるけき彼方かなたに、 心はこぶ。
戀しやふるさと、 懷かしちゝはゝ、
おもひに浮ぶは、 もりずゑ。
窓うつあらしに、 夢もやぶれ、
はるけき彼方に、 こゝろはこぶ。

 
 

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