数次査証の付与及び査証料の免除に関する日本国政府と大韓民国政府との間の交換公文
(略称)韓国との数次査証の付与及び査証料免除取極
- 平成 二年 五月二十五日 ソウルで
- 平成 二年 七月 一日 効力発生
- 平成 二年 六月 八日 告示
- (外務省告示第二二七号)
目次 | ページ | |
---|---|---|
日本側書簡 | ……… | 一二九五 |
1 数次査証の付与及び査証料の免除 | ……… | 一二九五 |
2 数次査証の発給制限 | ……… | 一二九七 |
3 適用の停止 | ……… | 一二九七 |
4 終了 | ……… | 一二九七 |
韓国側書簡 | ……… | 一二九九 |
1 数次査証の付与及び査証料の免除 | ……… | 一二九九 |
2 数次査証の発給制限 | ……… | 一三〇一 |
3 適用の停止 | ……… | 一三〇二 |
4 終了 | ……… | 一三〇二 |
日本側書簡
編集書簡をもって啓上いたします。本大臣は、日本国政府が、大韓民国国民の日本国への入国に関し、千九百九十年七月一日から相互主義に基づき次の措置をとることを閣下に通報する光栄を有します。
1 数次査証の付与及び査証料の免除
編集日本国に入国することを希望する大韓民国国民が日本国の関係法令に基づき必要とする査証は、付与されるときには、無料で発給される。
(1) | 次に掲げる種別のいずれかに属する大韓民国国民に関しては、査証は、その発給の日から一年の間いかなる回数の入国についても有効とする。 |
(a) 観光、商用、スポーツその他短期滞在を目的として、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を得る活動以外の活動のための十五日を超えない期間の範囲内で日本国に滞在しようとする一時訪問者(十五日を超える期間滞在を希望する場合においては、日本国の外交当局又は領事当局に対し、出発前にその都度必要な査証を申請しなければならない。 (b) 大学(短期大学を含む。)若しくはこれに準ずる機関、専修学校の専門課程、外国における十二年の学校教育を修了した者に対して日本国の大学に入学するための教育を行う機関又は高等専門学校で教育を受けようとする者 (c) 日本国の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事しようとする者
(2) | 次に掲げる種別のいずれかに属する大韓民国国民で九十日を超えない期間の範囲内で日本国に滞在しようとする者に関しては、査証は、その発給の日から一年の間いかなる回数の入国についても有効とする。 |
(a) 国・公・私立大学の専任講師以上の職にある者 (b) 国・公立の研究所の長又はそれに準ずる者 (c) 国・公・私立の美術館若しくは博物館又は国立図書館の長及び在職歴三年以上の研究者 (d) 国営企業又は上場会社の取締役以上の地位にある者、営業部長及び三年以上勤続している正社員 (e) その他の企業で対日取引が年額四十万米ドル以上の実績のある企業の取締役以上の地位にある者、営業部長及び三年以上勤続している正社員
(3) | 次に掲げる種別のいずれかに属する大韓民国国民に関しては、査証は、その発給の日から三年の間いかなる回数の入国についても有効とする。 |
(a) 日本国に赴任する大使その他の外交官又は領事館及びその近親家族 (b) その他の日本国に赴任する政府の公務員又は被用者及びその近親家族 (c) 日本国に赴任する会社の代表者又は役員 (d) 日本国に赴任する外国報道機関の特派員 (e) 収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動(興行を除く。)を行おうとする者 (f) 日本国の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事しようとする者 (g) 外国の宗教団体により宗教上の活動を行うため派遣される宗教家 (h) 大学(短期大学を含む。)若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校で研究、研究の指導又は教育を行おうとする者 (i) 産業上の高度な又は特殊な技術又は技能を提供するために日本国の公私の機関により招請される者
2 数次査証の発給制限
編集1の規定は、日本国政府が個々の場合において、制限された回数の入国について有効な又は 1 (1)、(2) 及び (3) に定める期間より短い期間について有効な査証を発給することを排除するものと解してはならない。このような査証は、付与されるときには、無料で発給される。
3 適用の停止
編集日本国政府は、公安、秩序、衛生等公の政策上の理由により前記の規定の全部又は一部の適用を一時的に停止することができる。このような適用の停止は、外交上の経路を通じて大韓民国政府に直ちに通告する。
4 終了
編集日本国政府は、書面による一箇月の予告をもって、前期の諸規定を終了させることができる。
本大臣は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
千九百九十年五月二十五日に東京で
日本国外務大臣 中山太郎
大韓民国外務部長官 崔 浩 中閣下
韓国側書簡
編集(訳文)
書簡をもって啓上いたします。本長官は、大韓民国政府が、日本国国民の大韓民国への入国に関し、千九百九十年七月一日から相互主義に基づき次の措置をとることを閣下に通報する光栄を有します。
1 数次査証の付与及び査証料の免除
編集大韓民国に入国することを希望する日本国国民が大韓民国の関係法令に基づき必要とする査証は、付与されるときには、無料で発給される。
(1) | 次に掲げる種別のいずれかに属する日本国国民に関しては、査証は、その発給の日から一年の間いかなる回数の入国についても有効である。 |
(a) 観光、商用、スポーツその他短期滞在を目的として、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を得る活動以外の活動のための十五日を超えない期間の範囲内で大韓民国に滞在しようとする一時訪問者(十五日を超える期間滞在を希望する場合においては、大韓民国の外交当局又は領事当局に対し、出発前にその都度必要な査証を申請しなければならない。) (b) 専門大学以上の機関、それに準ずる機関の専門課程又は外国において十二年の学校教育を修了した者に対して大韓民国の大学に入学するための教育を行う機関で教育を受けようとする者 (c) 大韓民国の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事しようとする者
(2) | 次に掲げる種別のいずれかに属する日本国国民で九十日を超えない期間の範囲内で大韓民国に滞在しようとする者に関しては、査証は、その発給の日から一年の間いかなる回数の入国についても有効である。 |
(a) 国・公・私立大学の専任講師以上の職にある者 (b) 国・公立の研究所の長又はそれに準ずる者 (c) 国・公・私立の美術館若しくは博物館又は国立図書館の長及び在職歴三年以上の研究者 (d) 国営企業又は上場会社の取締役以上の地位にある者、営業部長及び三年以上勤続している正社員 (e) その他の企業で対韓取引が年額百万米ドル以上の企業又は対韓購買実績が年間十万ドル以上の企業の取締役以上の地位にある者、営業部長及び三年以上勤続している正社員
(3) | 次に掲げる種別のいずれかに属する日本国国民に関しては、査証は、その発給の日から三年の間いかなる回数の入国についても有効である。 |
(a) 大韓民国に赴任する大使その他の外交官又は領事館及びその近親家族 (b) その他の大韓民国に赴任する政府の公務員又は被用者及びその近親家族 (c) 大韓民国に赴任する会社の代表者又は役員 (d) 大韓民国に赴任する外国報道機関の特派員 (e) 収入を伴う音楽、美術、文学その他の芸術上の活動(興行を除く。)を行おうとする者 (f) 大韓民国の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事しようとする者 (g) 外国の宗教団体により宗教上の活動を行うため派遣される宗教家 (h) 専門大学以上の教育機関又は学術研究機関で研究、研究の指導又は教育を行おうとする者 (i) 産業上の高度な又は特殊な技術又は技能を提供するために大韓民国の公私の機関により招請される者
2 数次査証の発給制限
編集1の規定は、大韓民国政府が個々の場合において、制限された回数の入国について有効な又は 1 (1)、(2) 及び (3) に定める期間より短い期間について有効な査証を発給することを排除するものと解してはならない。このような査証は、付与されるときには、無料で発給される。
3 適用の停止
編集大韓民国政府は、公安、秩序、衛生等公の政策上の理由により前記の規定の全部又は一部の適用を一時的に停止することができる。このような適用の停止は、外交上の経路を通じて日本国政府に直ちに通告する。
4 終了
編集大韓民国政府は、書面による一箇月の予告をもって、前期の諸規定を終了させることができる。
本長官は、以上を申し進めるに際し、ここに閣下に向かって敬意を表します。
千九百九十年五月二十五日に東京で
大韓民国外務部長官 崔 浩 中
日本国外務大臣 中山太郎閣下
(参考)
この取極は、日本国と韓国との間で数次査証の付与及び査証料の免除を行うことを定めたものである。
この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。
- 憲法その他の法令
- 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
- 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
- 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
- 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道
この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。