数字詩
白文 | 書き下し文 | 訳文 |
---|---|---|
二十樹下三十客 | ||
四十家中五十食 | ||
人間豈有七十事 | 人間 |
人がどうして |
不如歸家三十食 | 家に帰るに如かず |
家に帰って行って |
訳注
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- ↑ 「二十の」は韓国語で「스무(スム)」、「樹」は「나무(ナム)」だが、「스무나무(スムナム)」でハリケヤキ Hemiptelea davidii という意味になるので、「二十樹下」は「ハリケヤキの下」という意味になる。
- ↑ 「三十」は“서른(ソルン)”
- ↑ 「悲しい」は“서러운(ソロウン)”
- ↑ 「四十」は“마흔(マフン)”
- ↑ 「けしからん」は“망할(マンハル”、「くたばりぞこないの」「見苦しい」という意味もある。語源的には「死ぬべき(“亡할”)」(「死ぬ」「亡びる」を意味する“亡하다”の未来連体形)という意味。
- ↑ 韓国語で「五十」と「
饐 えた」は共に「쉰(シュイン)」で同音。 - ↑ 「七十」は“일흔”(イルン)
- ↑ 「こんな」は“이런(イロン)”
- ↑ 再び「三十」、“서른(ソルン)”
- ↑ 「生煮えの」は“설익은(ソリグン)”
補足
編集- ↑ 金炳淵の代表作の一つで、崔碩義 編訳注『金笠詩選』平凡社〈東洋文庫〉、2003年、14頁。ISBN 4582807143。によれば、「ほとんどの『金笠詩集』は冒頭にこの詩を掲げている」という。「二十樹下」という題でもよく知られている。
- 例えば、『朝鮮ユーモア文学傑作選 笑いの三千里』金学烈・高演義 編、白水社〈白水Uブックス〉、1992年、336-337頁。ISBN 4560070970。「「二十樹下」と呼ばれている漢詩であるが、ここでは詩中の数字を訓読みにして、それぞれことばの意味を変えて歌っている。けっきょく詩の意味は「
はりけやき (二十樹)の下に座った悲しい (三十)旅人(放浪の詩人自身)に下道者 (四十)の家ではすえた (五十)ご飯をくれる。人間にどうしてこんな (七十)事が有りえるのだろうか。家に帰り半なまの (三十)ご飯を食べる方がましだ」ということである」
- 例えば、『朝鮮ユーモア文学傑作選 笑いの三千里』金学烈・高演義 編、白水社〈白水Uブックス〉、1992年、336-337頁。ISBN 4560070970。「「二十樹下」と呼ばれている漢詩であるが、ここでは詩中の数字を訓読みにして、それぞれことばの意味を変えて歌っている。けっきょく詩の意味は「
- ↑ 「
饐 える」とは、飲食物が傷んで酸っぱい臭気を発したり、酸っぱくなったりするようになること。または飲食物が腐って臭いや味が酸っぱくなること。饐える - w:コトバンクも参照。 - ↑ 「人間」を「人の世」「世の中」「この世」と解して、「世の中にどうしてこんな事があるのか?(w:反語)」または「世の中にこんな事があって良いものか!」と訳す事も可能。
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