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打盤 作者:惺園篁鳳
北時雨(きたしぐれ)小原(をはら)の里(さと)に聞き馴れし、梟(ふくろ)の鳥の宵だくみ、早や摺(す)り置けと世話やきし、糊附け物の忙(せわ)しさも、今日(けふ)の日和(ひより)を楽しみに、重い身をさへ苦にせぬを。逢ふ度(たび)毎(こと)に荒(あら)けなく、百度千度(ももたびちたび)続け打ち、叩(たた)いて叩いて叩かれて、あた嬉しいは槌(つち)の音(おと)。
この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。