情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律


 情報処理振興事業協会等に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。

御名御璽
昭和六十年五月一日

内閣総理大臣臨時代理

国務大臣  河本 敏夫


 情報処理振興事業協会等に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)の一部を次のように改正する。

 題名を次のように改める。

   情報処理の促進に関する法律

 目次中「電子計算機利用高度化計画等」を「電子計算機の高度利用等」に改める。

 第一条中「利用」を「高度利用」に改める。

 「第二章 電子計算機利用高度利用等」を「第二章 電子計算機の高度利用等」に改める。

 第三条の次に次の一条を加える。

(電子計算機の連携利用に関する指針)
第三条の二 主務大臣(電子計算機を利用する事業者(以下単に「事業者」という。)の行う事業を所管する大臣をいう。)は、その事業の分野に属する事業者が広く連携して当該事業の分野における電子計算機の効率的な利用を図ることが必要であり、かつ、適切であると認めるときは、計画を勘案して、その事業の分野において事業者が連携して行う電子計算機の利用の態様、その実施の方法及びその実施に当たつて配慮すべき事項に関する指針を定め、これを公表するものとする。
2 前項の指針は、関連中小企業者の利益が不当に害されることのないよう配慮されたものでなければならない。
3 第一項の指針を定めるに当たつては、あらかじめ、関係審議会等の意見を聴くものとする。
4 前項の規定は、第一項の指針の変更について準用する。

 第四条第一項中「前条第一項第一号に掲げる電子計算機の設置及び同項第二号に掲げるプログラムの開発の促進」を「情報処理の高度化を図るため」に改める。

 第十条第二項中「協会は、」の下に「第二十八条第一項第四号から第六号までに掲げる業務に必要な資金に充てるため又は第三十条第一項の信用基金に充てるため」を加え、同条に次の一項を加える。

4 第二項の認可があつた場合において、協会に出資しようとする者は、第二十八条第一項第四号から第六号までに掲げる業務に必要な資金又は第三十条第一項の信用基金のそれぞれに充てるべき金額を示すものとする。

 第十二条第一項中「政府以外の」を削り、同項に次のただし書を加える。

ただし、第三十条第一項の信用基金に係る出資に係る政府の持分については、この限りでない。

 第十二条第二項中「政府以外の」を削る。

 第二十三条に次の一項を加える。

4 監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長又は通商産業大臣に意見を提出することができる。

 第二十八条第一項中「行なう」を「行う」に改め、同項中第八号を第十二号とし、第七号を第十一号とし、同項第六号中「行ない」を「行い」に改め、同号を同項第十号とし、同項第五号中「開発」の下に「又はプログラムの開発に関する業務を行う者の技術の向上」を加え、同号を同項第八号とし、同号の次に次の一号を加える。

九 企業等が行う電子計算機の共同利用のうち事業活動の効率化に特に寄与すると認められる態様の共同利用に用いられるプログラムの開発に必要な資金の貸付けを行うこと。

 第二十八条第一項中第四号を第七号とし、第三号の次に次の三号を加える。

四 電子計算機を利用してプログラムの作成を効率化するためのプログラム(以下「効率化プログラム」という。)を開発すること。
五 効率化プログラムであつて、企業等が開発したものについて、対価を支払い、その利用に関する権利を取得すること。
六 協会がその利用に関する権利を有する効率化プログラム及び協会が収集したプログラムの作成の効率化に資する情報を、対価を得て、提供すること。

 第二十八条第二項中「前項第八号」を「前項第十二号」に、「行なおう」を「行おう」に改め、同条の次に次の一条を加える。

(業務の委託)
第二十八条の二 協会は、通商産業大臣の認可を受けて定める基準に従つて、前条第一項第四号又は第六号に掲げる業務の一部を委託することができる。

 第三十条第一項中「第二十八条第一項第四号及び第五号」を「第二十八条第一項第七号及び第八号」に改め、「場合において」の下に「信用基金に充てるべきものとして」を加え、「あてる」を「充てる」に改める。

 第三十四条の次に次の一条を加える。

(特別勘定)
第三十四条の二 協会は、第二十八条第一項第四号から第六号までに掲げる業務(これらの業務に附帯する業務を含む。以下「プログラム作成効率化業務」という。)に係る経理については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理しなければならない。
2 協会は、前項に規定する特別の勘定において、毎事業年度の損益計算上利益を生じたときは、前事業年度から繰り越した損失をうめ、なお残余があるときは、その残余の額に政令で定める率を乗じて得た額以上の額を積立金として積み立てなければならない。
3 協会は、前項の規定による積立てを行つた後、なお残余があるときは、通商産業大臣の認可を受けて、その残余の額をプログラム作成効率化業務に係る出資者の出資に対しそれぞれの出資額に応じて分配することができる。
4 協会は、第一項に規定する特別の勘定において、毎事業年度の損益計算上損失を生じたときは、第二項の積立金を減額して整理し、なお不足があるときは、その不足額は、損失の繰越欠損金として整理しなければならない。

 第三十五条第一項中「受けて、」の下に「長期借入金又は」を加え、同条の次に次の三条を加える。

(債務保証)
第三十五条の二 政府は、法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定にかかわらず、国会の議決を経た金額の範囲内において、協会の長期借入金に係る債務について保証することができる。
(償還計画)
第三十五条の三 協会は、毎事業年度、長期借入金の償還計画を立てて、通商産業大臣の認可を受けなければならない。
(給与及び退職手当の支給の基準)
第三十五条の四 協会は、役員及び職員に対する給与及び退職手当の支給の基準を定めようとするときは、通商産業大臣の承認を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

 第三十九条第二項中「出資者原簿には」の下に「、プログラム作成効率化業務に係る出資及び第三十条第一項の信用基金に係る出資ごとに」を加える。

 第四十条を次のように改める。

(解散)
第四十条 協会は、解散した場合において、その債務を弁済してなお残余財産があるときは、当該残余財産の額のうち、第三十四条の二第一項に規定する特別の勘定に属する額に相当する額をプログラム作成効率化業務に係る各出資者に対し、その他の勘定に属する額に相当する額を第三十条第一項の信用基金に係る各出資者に対し、それぞれ、その出資額に応じて分配するものとする。
2 前項の規定により第三十条第一項の信用基金に係る各出資者に分配することができる額は、その出資額を限度とする。
3 前二項に規定するもののほか、協会の解散については、別に法律で定める。

 第四十一条第一項第一号中「第三十二条又は」を「第三十二条、第三十四条の二第三項、」に改め、「第二項ただし書」の下に「又は第三十五条の三」を加え、同項第二号中「第三十三条第一項」の下に「又は第三十五条の四」を加える。

 第四十二条及び第四十三条中「三万円」を「十万円」に改める。

 第四十四条中「一万円」を「五万円」に改める。


 (施行期日等)

第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、題名の改正規定、目次の改正規定、第一条の改正規定、第二章の章名の改正規定、第三条の次に一条を加える改正規定及び第四条第一項の改正規定並びに附則第五条、第六条及び第十一条の規定は、昭和六十一年四月一日から施行する。

第二条 改正後の情報処理の促進に関する法律第三条の二第一項の指針の設定については、同項に規定する主務大臣は、昭和六十一年四月一日前においても関係審議会等の意見を聴くことができる。

 (経過措置)

第三条 この法律の施行前に情報処理振興事業協会に対してされた出資は、改正後の第三十条第一項の信用基金に充てるべきものとしてされた出資とみなす。

第四条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

 (機械類信用保険法の一部改正)

第五条 機械類信用保険法(昭和三十六年法律第百五十六号)の一部を次のように改正する。

 第二条第六項中「情報処理振興事業協会等に関する法律」を「情報処理の促進に関する法律」に改める。

 (租税特別措置法の一部改正)

第六条 租税特別措置法(昭和三十二年法律第二十六号)の一部を次のように改正する。

  第二十条の二第一項の表第一号個人の欄及び第五十六条の九第一項の表第一号法人の欄中「情報処理振興事業協会等に関する法律」を「情報処理の促進に関する法律」に改める。

 (所得税法の一部改正)

第七条 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第一第一号の表情報処理振興事業協会の項を削る。

 (法人税法の一部改正)

第八条 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)の一部を次のように改正する。

  別表第二第一号の表情報処理振興事業協会の項を削る。

 (印紙税法の一部改正)

第九条 印紙税法(昭和四十二年法律第二十三号)の一部を次のように改正する。

  別表第三情報処理振興事業協会等に関する法律(昭和四十五年法律第九十号)第二十八条第一項第四号及び第五号(業務の範囲)の業務に関する文書の項を削る。

 (地方税法の一部改正)

第十条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)の一部を次のように改正する。

  第七十二条の五第一項第六号中「、情報処理振興事業協会」を削る。

 (通商産業省設置法の一部改正)

第十一条 通商産業省設置法(昭和二十七年法律第二百七十五号)の一部を次のように改正する。

  第四条第七十四号中「情報処理振興事業協会等に関する法律」を「情報処理の促進に関する法律」に改める。

この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 憲法その他の法令
  2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  4. 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
  5. 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道

この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。