庭の千草
庭の千草(にわのちぐさ)
第七十八菊(きく)
一庭(には)の千草(ちぐさ)も。むしのねも。かれてさびしく。なりにけり。あゝしらぎく。嗚呼(あゝ)白菊(しらぎく)。ひとりおくれて。さきにけり。
二露(つゆ)にたわむや。菊(きく)の花。しもにおごるや。きくの花。あゝあはれ〳〵。あゝ白菊。人のみさをも。かくてこそ。
この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。