府県廃置法律案
1903年（明治36年）10月12日に閣議決定されるものの、議会解散により廃案
- 底本： 府県廃置法律案（解散ノ為提出ニ至ラサリシモノ）[1]
第一條 府縣ヲ癈置スルコト左ノ如シ
一束京府、埼玉縣及山梨縣ヲ癈シ其ノ區域ヲ以テ東京府ヲ置ク
一京都府、滋賀縣及福井縣ヲ癈シ京都府及滋賀縣ニ屬スル區域ト福井縣ニ屬スル敦賀郡、三方郡、遠敷郡及大飯郡ノ區域トヲ以テ京都府ヲ置ク
一大阪府、兵庫縣、奈良縣及和歌山縣ヲ癈シ大阪府及奈良縣ニ屬スル區域ト兵庫縣ニ屬スル川邊郡竝和歌山縣ニ屬スル和歌山市、海草郡、那賀郡、伊都郡、有田郡、日高郡及西牟婁郡ノ區域トヲ以テ大阪府ヲ置ク
一神奈川縣及静岡縣ヲ癈シ神奈川縣ニ屬スル區域ト静岡縣ニ屬スル静岡市、賀茂郡、田方郡、駿東郡、富士郡、庵原郡、安倍郡及志太郡ノ區域トヲ以テ神奈川縣ヲ置ク
一鳥取縣ヲ癈シ其ノ區域ニ屬スル鳥取市、岩美郡、八頭郡及氣高郡ノ區域ト兵庫縣ニ屬スル神戸市、姫路市、武庫郡、有馬郡、明石郡、美嚢郡、加東郡、多可郡、加西郡、加古郡、印南郡、飾磨郡、神崎郡、揖保郡、赤穂郡、佐用郡、宍粟郡、城崎郡、出石郡、養父郡、朝來郡、美方郡、氷上郡、多紀郡、津名郡及三原郡ノ區域トヲ以テ兵庫縣ヲ置ク
一長崎縣及佐賀縣ヲ癈シ佐賀縣ニ屬スル區域ト長崎縣ニ屬スル長崎市、佐世保市、西彼杵郡、東彼杵郡、北高來郡、南高來郡、北松浦郡及南松浦郡ノ區域トヲ以テ長崎縣ヲ置ク
一千葉縣及茨城縣ヲ癈シ千葉縣ニ屬スル區域ト茨城縣ニ屬スル鹿島郡、行方郡、稻敷郡、新治郡、筑波郡、眞壁郡、結城郡、猿島郡及北相馬郡ノ區域トヲ以テ千葉縣ヲ置ク
一群馬縣及栃木縣ヲ癈シ其ノ區域ト茨城縣ニ屬スル水戸市、東茨城郡、西茨城郡、那珂郡、久慈郡及多賀郡ノ區域トヲ以テ宇都宮縣ヲ置ク
一三重縣ヲ癈シ其ノ區域ト和歌山縣ニ屬スル東牟婁郡ノ區域トヲ以テ三重縣ヲ置ク
一愛知縣及岐阜縣ヲ癈シ愛知縣ニ屬スル區域ト岐阜縣ニ屬スル岐阜市、稻葉郡、羽島郡、海津郡、養老郡、不破郡、安八郡、揖斐郡、本巣郡、山縣郡、武儀郡、郡上郡、加茂郡、可兒郡、土岐郡、恵那郡及益田郡竝静岡縣ニ屬スル榛原郡、小笠郡、周智郡、磐田郡、濱名郡及引佐郡ノ區域トヲ以テ名古屋縣ヲ置ク
一宮城縣及巖手縣ヲ癈シ宮城縣ニ屬スル區域ト巖手縣ニ屬スル膽澤郡、江刺郡、、西磐井郡、東磐井郡及氣仙郡ノ區域トヲ以テ仙臺縣ヲ置ク
一福島縣及山形縣ヲ癈シ福島縣ニ屬スル區域ト山形縣ニ屬スル米澤市、西置賜郡、東置賜郡及南置賜郡ノ區域トヲ以テ福島縣ヲ置ク
一青森縣ヲ癈シ其ノ區域ト巖手縣ニ屬スル盛岡市、巖手郡、紫波郡、稗貫郡、、和賀郡、、上閉伊郡、下閉伊郡、九戸郡及二戸郡ノ區域トヲ以テ青森縣ヲ置ク
一秋田縣ヲ癈シ其ノ區域ト山形縣ニ屬スル山形市、南村山郡、東村山郡、西村山郡、北村山郡、最上郡、飽海郡、東田川郡及西田川郡ノ區域トヲ以テ福島縣ヲ置ク
一石川縣及富山縣ヲ癈シ其ノ區域ト福井縣ニ屬スル足羽郡、吉田郡、坂井郡、大野郡、南條郡、今立郡及丹生郡竝岐阜縣ニ屬スル大野郡及吉城郡ノ區域トヲ以テ金澤縣ヲ置ク
一島根縣ヲ癈シ其ノ區域ト鳥取縣ニ屬スル東伯郡、西伯郡及日野郡ノ區域トヲ以テ松江縣ヲ置ク
一岡山縣及廣島縣ヲ癈シ岡山縣ニ屬スル區域ト廣島縣ニ屬スル尾道市、御調郡、世羅郡、沼隈郡、深安郡、蘆品郡、神石郡、甲奴郡、雙三郡及比婆郡ノ區域トヲ以テ岡山縣ヲ置ク
一山口縣ヲ癈シ其ノ區域スル大島郡、玖珂郡、熊毛郡、都濃郡、佐波郡、吉敷郡、厚狭郡、美禰郡、大津郡及阿武郡ノ區域ト廣島縣ニ屬スル廣島市、呉市、安藝郡、佐伯郡、安佐郡、山縣郡、高田郡、賀茂郡及豊田郡以テ廣島縣ヲ置ク
一徳島縣及香川縣ヲ癈シ其ノ區域ヲ以テ高松縣ヲ置ク
一福岡縣及大分縣ヲ癈シ其ノ區域ト長崎縣ニ屬スル壹岐郡及對馬島竝山口縣ニ屬スル豊浦郡ノ區域トヲ以テ福岡縣ヲ置ク
一宮崎縣及鹿兒島縣ヲ癈シ其ノ區域ヲ以テ鹿兒島縣ヲ置ク
第二條 舊府縣ノ財産、營造物及權利義務ハ總テ新府縣ニ移ルモノトス但シ舊府縣ノ區域カ新府縣ノ區域ニ分屬スル場合ニ於テハ其ノ財産、營造造及權利義務ノ処分ハ内務大臣之ヲ定ム
第三條 府縣曾府縣参事曾ノ職務ニ屬スル事項中急施ヲ要スルモノハ其ノ成立ニ至ル迄ノ間府縣知事之ヲ行フ
第四條 本法ニ定ムルモノノ外府縣ノ癈置ニ開シ必要ナルー切ノ事項ハ命令ヲ以テ之ヲ定ム
附 則
本法ハ明治三十七年四月一日ヨリ之ヲ施行ス
- 脚註：
- ↑ “府県廃置法律案（解散ノ為提出ニ至ラサリシモノ）” (日本語). 国立公文書館 デジタルアーカイブ. 独立行政法人 国立公文書館. 2020年12月31日閲覧。