富士唱歌

  1. むらがるやまくだして そらそびゆる富士ふじのねは わがもと国体こくたいしめしててる雄々おおしさよ
  2. つのみずうみつのだけ みなこのやまうちにして みねはひらけし八葉はちようれんたるも面白おもしろ
  3. 朝夕あさゆうれどにあかぬ やまはこのやまこのたか 二度にどとはいわじいちだに いざやことのぼ
  4. 殿てん場過ばすぎておとにきく へいぢゃはやあとに こころすずしくかろたかまえまねくなり
  5. わたかぎりはてもなき 富士ふじすそなつげしき しくやみどり毛氈もうせんいろどるはな数多かずおお
  6. こころあとかえらねど ここぞ馬返うまかえうまのりてていさひとまえにもうしろにも
  7. 金剛杖こんごうづえをつきつれて すすむこころたのしさを うたえばかえ山彦やまびこ関八かんはっしゅう草木そうもく
  8. いつしかきたごうの あたりはかげえはてて 只焼石ただやけいしすなはら かいひく空近そらちか
  9. たちまちおこるくもなみ うずまくなかつつまれて すずおとのみ遠近おちこちきこゆるときものすごさ
  10. いわよりいわわたあやうみちおしうれしや富士ふじぜっちょうはやくもここぞゆめ
  11. 太平洋たいへいようなみうえ あさひともかげうつす 富士ふじしきはきのうにて いまはわがあしつち
  12. 界一かいひとおろせば 海原青うなばらあお川白かわしろ彩色さいしきしたる日本にっぽん地図ちずをひろげしごとくなり
  13. きたには甲斐かい延山のぶさん 西にしにはしなあさだけ いずれたけ乗鞍のりくらぞ ただ平原へいげんことならず
  14. とうきょうわんみぎひだり みさき安房あわさが えんしゅうなだのひらに すくいしみずここして
  15. かかるしきながめつつ れんうえつたわがとり天人てんにんかぜしたよりきのぼる
  16. つのたかかこまれて すご大穴おおあなはちじゅうけんのふかさにて これむかしふんこう
  17. ゆきゆきしつされつたたかいし ところこれよいざさらはママ おりてうちもめぐり
  18. なつなおえぬ白雪しらゆきにとる今日きょうかいさは ゆめにうつつにわすられぬ おくのちおもい
  19. いでやくだらんくだりには はしりのみち一飛ひととびくもたか白雪しらゆき我影わがかげおくれふもとまで

この著作物は、1937年に著作者が亡くなって(団体著作物にあっては公表又は創作されて)いるため、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(回復期日を参照)の時点で著作権の保護期間が著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)50年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。


この著作物は、アメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。