子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律


 子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律をここに公布する。

御名御璽

    令和元年六月十九日

内閣総理大臣 安倍 晋三  

法律第四十一号

   子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部を改正する法律

 子どもの貧困対策の推進に関する法律(平成二十五年法律第六十四号)の一部を次のように改正する。

 第一条中「将来」を「現在及び将来」に、「貧困の状況にある子どもが健やかに育成される環境を整備するとともに、」を「全ての子どもが心身ともに健やかに育成され、及びその」に、「を図るため」を「が保障され、子ども一人一人が夢や希望を持つことができるようにするため、子どもの貧困の解消に向けて、児童の権利に関する条約の精神にのっとり」に改める。

 第二条第二項を同条第四項とし、同条第一項中「生活の支援、」を「生活の安定に資するための支援、職業生活の安定と向上に資するための」に、「将来」を「現在及び将来」に改め、「旨として」の下に「、子ども等の生活及び取り巻く環境の状況に応じて包括的かつ早期に」を加え、同項を同条第二項とし、同項の次に次の一項を加える。

3 子どもの貧困対策は、子どもの貧困の背景に様々な社会的な要因があることを踏まえ、推進されなければならない。

 第二条に第一項として次の一項を加える。

  子どもの貧困対策は、社会のあらゆる分野において、子どもの年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮され、子どもが心身ともに健やかに育成されることを旨として、推進されなければならない。

 第八条第二項第二号中「子どもの貧困率」の下に「、一人親世帯の貧困率」を、「生活保護世帯に属する子どもの高等学校等進学率」の下に「、生活保護世帯に属する子どもの大学等進学率」を加え、同項第三号中「生活の」の下に「安定に資するための」を、「対する」の下に「職業生活の安定と向上に資するための」を加え、同項に次の一号を加える。

 五 子どもの貧困対策に関する施策の実施状況についての検証及び評価その他の子どもの貧困対策に関する施策の推進体制に関する事項

 第八条第六項中「及び」を「、「一人親世帯の貧困率」、」に改め、「生活保護世帯に属する子どもの高等学校等進学率」」の下に「及び「生活保護世帯に属する子どもの大学等進学率」」を加える。

 第九条の見出しを「(都道府県計画等)」に改め、同条第一項中「次項」の下に「及び第三項」を加え、「「計画」を「「都道府県計画」に改め、同条第二項中「都道府県」の下に「又は市町村」を加え、「計画」を「都道府県計画又は市町村計画」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。

2 市町村は、大綱(都道府県計画が定められているときは、大綱及び都道府県計画)を勘案して、当該市町村における子どもの貧困対策についての計画(次項において「市町村計画」という。)を定めるよう努めるものとする。

 第十条中「地方公共団体は」の下に「、教育の機会均等が図られるよう」を加える。

 第十一条の見出し中「生活の」の下に「安定に資するための」を加え、同条中「に関する支援のために」を「の安定に資するための支援に関し」に改める。

 第十二条の見出し中「対する」の下に「職業生活の安定と向上に資するための」を加え、同条中「自立を図る」を「所得の増大その他の職業生活の安定と向上に資する」に改める。

 第十四条中「ため、」の下に「子どもの貧困に関する指標に関する研究その他の」を加える。

 第十五条に次の一項を加える。

6 会議は、第二項の規定により大綱の案を作成するに当たり、貧困の状況にある子ども及びその保護者、学識経験者、子どもの貧困対策に係る活動を行う民間の団体その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。

   附 則

 (施行期日)

1 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

 (検討)

2 政府は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後の子どもの貧困対策の推進に関する法律(以下この項において「新法」という。)の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

内閣総理大臣 安倍 晋三  
文部科学大臣 柴山 昌彦  
厚生労働大臣 根本  匠  

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