大赦令 (昭和21年勅令第511号)

朕󠄁は、大赦令を裁可し、ここにこれを公󠄁布せしめる。

御名御璽

昭和二十一年十一月三日

內閣總理大臣兼󠄁
外務大臣
𠮷田  茂
國務大臣 男爵󠄂 幣󠄁原喜重郞
司法大臣 木村篤太郞
內務大臣 大村 淸一
文󠄁󠄁部大臣 田中耕󠄁太郞
農林大臣 和田 博󠄁雄
國務大臣 齋藤 隆夫
遞信大臣 一松󠄁 定吉
商工大臣 星島 二郞
厚生大臣 河合 良成󠄁
國務大臣 植原悅次󠄁郞
運󠄁輸󠄁大臣 平塚常次󠄁郞
大藏大臣 石橋 湛山
國務大臣 金森德次󠄁郞
國務大臣 膳 桂之助


勅令第五百十一號

大赦令
第一條
昭和二十一年十一月三日前󠄁に左に揭げる罪を犯した者は、これを赦免する。但し、その罪に該る行爲が聯合國占領軍の占領目的に反する行爲(昭和二十一年勅令第三百十一號第一條第二號乃至第八號又は第二條第三項に揭げる行爲)であるときは、この限りでない。
一  刑法第七十四條及び第七十六條の罪
二  刑法第七十七條乃至第七十九條の罪
三  刑法第八十一條乃至第八十九條の罪
四  刑法第百五條ノ二及び第百五條ノ三の罪
五  戰時刑事特別法第七條ノ四の罪
六  陸軍刑法第二十五條乃至第三十二條の罪及び第三十四條の罪
七  陸軍刑法第四十條乃至第五十三條の罪竝びに同法第四十條、第四十二條、第四十三條、第四十五條、第四十七條、第四十九條、第五十一條、第五十三條及び第五十五條の未遂󠄂罪
八  陸軍刑法第五十七條及び第五十九條の罪
九  陸軍刑法第七十三條及び第七十四條の罪
十  陸軍刑法第七十五條乃至第七十八條の罪
十一  陸軍刑法第九十條乃至第九十四條の罪
十二  陸軍刑法第九十五條乃至第百四條の罪
十三  海軍刑法第二十條乃至第二十七條及び第二十九條の罪
十四  海軍刑法第三十五條乃至第五十一條及び第五十三條の罪竝びに同法第三十五條乃至第三十七條、第四十條乃至第四十二條、第四十六條、第四十九條、第五十一條及び第五十三條の未遂󠄂罪
十五  海軍刑法第五十五條及び第五十七條の罪
十六  海軍刑法第七十一條及び第七十二條の罪
十七  海軍刑法第七十三條乃至第七十七條の罪
十八  海軍刑法第九十條乃至第九十四條の罪
十九  海軍刑法第九十五條乃至第百五條の罪
二十  治安維持法違󠄂反の罪
二十一  國防保安法違󠄂反の罪
二十二  軍機󠄁保護法違󠄂反の罪
二十三  昭和十二年陸軍省令第四十三號軍機󠄁保護法施行規則違󠄂反の罪
二十四  昭和十二年海軍省令第二十八號軍機󠄁保護法施行規則違󠄂反の罪
二十五  軍用資󠄁源祕密保護法違󠄂反の罪
二十六  昭和十四年陸軍海軍省令第三號軍用資󠄁源祕密保護法施行規則違󠄂反の罪
二十七  昭和十九年運󠄁輸󠄁通󠄁信省令第八十一號運󠄁輸󠄁通󠄁信省軍用資󠄁源祕密保護規則違󠄂反の罪
二十八  昭和二十年閣令第十三號內閣總理大臣の指定に係る軍用資󠄁源祕密の保護に關する件違󠄂反の罪
二十九  要塞地帶法違󠄂反の罪
三十  明治二十三年法律第八十三號違󠄂反の罪
三十一  防禦海面令違󠄂反の罪
三十二  國境取締法違󠄂反の罪
三十三  昭和十四年樺太廳令第八十二號國境取締法施行規則違󠄂反の罪
三十四  陸軍輸󠄁送󠄁港域軍事取締法違󠄂反の罪
三十五  關東州防禦營造󠄁物地帶令違󠄂反の罪
三十六  明治三十九年勅令第二百六十三號違󠄂反の罪
三十七  治安警察法違󠄂反の罪
三十八  新聞紙法違󠄂反の罪
三十九  出版法違󠄂反の罪
四十  言論、出版、集會、結社等臨時取締法違󠄂反の罪
四十一  不穩文󠄁書臨時取締法違󠄂反の罪
四十二  取引所󠄁法第三十二條ノ四の罪
四十三  軍用電氣通󠄁信法違󠄂反の罪
四十四  防空法違󠄂反の罪
四十五  宗敎團體法違󠄂反の罪
四十六  衆議院議員選󠄁擧法違󠄂反の罪及び法令を以て組織した議會の議員の選󠄁擧に關し同法の罰則を準用する法令違󠄂反の罪
四十七  明治十三年第三十六號布吿刑法第二百三十三條乃至第二百三十六條の罪
四十八  國家總動員法第三十一條ノ二、第三十三條、第三十四條、第三十六條乃至第四十條、第四十二條及び第四十三條の罪竝びにこれらに關する同法第四十八條の罪
四十九  昭和十二年法律第九十二號第五條及び第六條の罪竝びにこれらに關する同法第七條の罪
五十  臨時資󠄁金調整法第十七條乃至第十九條の罪
五十一  酪農業調整法違󠄂反の罪
五十二  產金法違󠄂反の罪
五十三  石炭及コークス配󠄁給統制法違󠄂反の罪
五十四  木材統制法違󠄂反の罪
五十五  國民勞務手帳法違󠄂反の罪
五十六  戰時緊急󠄁措置法違󠄂反の罪
五十七  軍需會社法違󠄂反の罪
五十八  兵役法違󠄂反の罪
五十九  昭和二年陸軍省令第二十四號兵役法施行規則違󠄂反の罪
六十  昭和二年陸軍省令第二十五號陸軍召集規則違󠄂反の罪
六十一  昭和十七年陸軍省令第五十三號陸軍防衞召集規則違󠄂反の罪
六十二  昭和十五年陸軍省令第十六號陸軍志願兵令施行規則違󠄂反の罪
六十三  昭和二年陸軍省令第二十八號陸軍武官服󠄁役令施行規則違󠄂反の罪
六十四  昭和二年海軍省令第二十三號海軍召集規則違󠄂反の罪
六十五  昭和十九年海軍省令第二十號海軍防衞召集規則違󠄂反の罪
六十六  昭和二年海軍省令第二十一號海軍志願兵令施行規則違󠄂反の罪
六十七  昭和二年海軍省令第二十號海軍武官服󠄁役令施行規則違󠄂反の罪
六十八  前󠄁各項に揭げる罪と性質を同じくする舊法又は舊令の罪
六十九  朝鮮若しくは臺灣又は關東州、南洋群島その他日本國外の地域に行はれた法令の罪で前󠄁各號に揭げる罪と性質を同じくするもの
第二條
前󠄁條に揭げる罪に該る行爲が、同時に他の罪名に觸れるとき、又は他の罪名に觸れる行爲の手段若しくは結果であるときは、赦免をしない。

この勅令は、公󠄁布の日から、これを施行する。

この著作物は、日本国の著作権法第10条1項ないし3項により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。(なお、この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により、発行当時においても、著作権の目的となっていませんでした。)


この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。