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大塚徹・あき詩集 秋作者:大塚徹昭和21年1946年
ぽかんとした 空だ のっぺらぼうの つつぬけだ 如是我聞 のう 風よ 無眼耳鼻舌心意 無色声香味触法 しんじつ 無如却以来 のっぺらぼうで…… 三全世界がつつぬけで…… 雪片よ〈掌上に命絶えなん佳人よ〉 花粉よ〈陽に虚ろ宿酔の旅愁よ〉 夕焼よ〈あわれ髪の中の虱の卵よ〉 落葉よ〈ああ獏に喰われてしまった青春よ〉 さて のう 儂も ぼち ぼち 帰(い)のうかや
〈昭和二一年、新涛〉