大塚徹・あき詩集/毀れた生活
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毀れた生活
編集私は
毀れた 古時計を修理している。
今日もまた――
戸外に
雨は 虚しく 雪となる。
妻よ
じんじんと聞えてくるのは
まっしろな 人間の愛情の
降りつむ……
降りつむ……
倫理のひびきだろうか
軒下に 絡る〈空間〉と
朽壁に
寒々しい 観念の十字架よ。
たんねんに
組立て
組立てては またほぐし
……………………………
私は いったい
いつまでか
〈昭和十四年、日本詩壇〉